最近、良く耳にする車のサブスクリプション。似たサービスにカーリースがありますが、サブスクリプションの違いがよく分からないという人も多いことでしょう。

両サービスともに利点があり、使用する人のニーズによって適切なほうを選ぶことが重要です。

本記事ではカーリースとサブスクの違いについて詳しく解説していきます。

そもそもカーリースとサブスクリプションとは?

そもそもカーリースとサブスクリプションとは?
自己所有とは自分で車を購入して所有することであるのは、みなさんご存知だと思います。そして、カーリースやサブスクリプションについてもなんとなく分かるという人が多いと思います。

マイカーリースとは、車のサブスクリプションであると言うのが一番わかりやすいと思います。そのサブスクリプションとは、月々一定の金額を支払うことで、音楽であれば聴き放題、電子書籍であれば読み放題、映像であれば見放題になるサービスのことです。このサブスクリプションの車版がマイカーリースなのです。

こんな言い方をしてしまうと「カーリースとサブスクって一緒なの?」と思う人も多いかもしれませんが、実際かなり似通っているサービスであることは間違いありません。

カーリースとサブスクリプションの大きな違いは、以下の2点です。

  • 長期契約で基本的にかかる費用を毎月支払うカーリース
  • 短期契約が可能で費用がほぼ全部コミコミのサブスクリプション

これだけ聞いてもピンとこない方がほとんどだと思いますので詳しく解説していきます。

カーリースVSサブスクリプションにかかる費用の内訳

カーリースVSサブスクリプションにかかる費用の内訳
それでは実際にカーリースとサブスクリプションにかかる費用を見ていきましょう。

どちらのサービスも毎月一定の金額を支払い、利用するサービスなので、その一定金額の内訳を説明していきます。

カーリースの場合
  • 車体利用料
  • 環境性能割
  • 登録代行費用
  • 車庫証明代行手数料
  • 預かり法定費用(印紙代)
  • 納車費用
  • ナンバープレート取得費用
  • リサイクル料金
  • 自動車税
  • 車検費用(プランによる)
  • 自動車重量税
  • 自賠責保険料
  • メンテナンス代(プランによる)
  • ガソリン代
サブスクリプションの場合

上記のカーリースに含まれているものにプラスして以下の3つが含まれているものが多いです。

  • 車検費用
  • 任意保険代
  • メンテナンス代

※カーリースでもプランやオプションによっては、車検やメンテナンス代も毎月の支払いにすることが可能な会社もあります。

次にこの費用が一体なんのためのものなのか説明します。

車体利用料

車体利用料
カーリース、サブスクリプションの利用料金の中でもっとも大きな割合を占めているのが、車自体の使用料です。

カーリースの場合は残価を設定することにより、この使用料部分を安くして結果的に月々のリース料金を安くすることも可能ではありますが、注意しなければならない点もあります。そこについては後述します。

サブスクリプションの場合は契約終了後に車を売却ではなく返却するので、残価の設定は出来ません。なので、車自体の使用料の部分はカーリースより高額になる傾向にあります。

環境性能割

環境性能割は、自動車取得時に収めなければならない税金で、燃費性能に応じて課税されます。

登録車で0~3%、軽自動車で0~2%課税されます。電気自動車に関しては課税されません。

車庫証明代行手数料

車庫証明代行手数料は、車を購入する際に必ず必要となる車庫証明を販売会社に代行してもらう為の費用のことです。

カーリースやサブスクリプションは購入した訳ではありませんが、カーシェアやカーレンタルとは異なり、車の使用者があなたになる為に車庫証明が必要となります。車を保管する住所を管轄する警察署に提出することになりますが、これを販売会社に代行してもらうための費用です。

あくまで代行費用であるので税金ではありません。

この代行費用は10,000円〜20,000円程度かかるので、そこの費用を浮かせたい場合は販売会社に相談してみましょう。個人であっても所轄の陸運局や警察署にて申請が可能です。

登録代行費用

登録代行費用は、車を購入すると陸運局へ検査登録を行う必要がありますが、これを購入者に代わり販売会社が行う際にかかる代行手数料のことです。

車庫証明と同じく車を使用するサービスであるカーリースやサブスクリプションも必要となります。

この費用も代行手数料なので税金ではありません。

車体価格に関わらず、15,000円~30,000円程度が相場です。

預かり法定費用(印紙代)

預かり法定費用(印紙代)は、検査登録車車庫証明取得のために必要な印紙代金のことです。これは車庫証明手数料とは異なり、必ず必要となる法定費用です。

納車費用

納車費用
納車費用は、メーカーから販売会社に到着した車を自宅まで納車してくれるための費用のことです。

この費用がかかる販売会社と、サービスで行ってくれる販売会社がありますが、費用がかかる販売会社の場合、自宅までの距離に応じて金額が増減します。そのため、相場は分かりませんが、経験上5,000円~30,000円程度であることがほとんどです。

もし費用がかかる販売会社であった場合、販売会社まで取りにいくことでカットできる可能性がある費用です。

ナンバープレート取得費用

車を登録するとナンバープレートが交付され、取得費用が発生します。また、字光式ナンバープレートやオリンピック、パラリンピックの柄の入ったもの、希望ナンバーは追加費用がかかることが多いです。

しかし、一度発行してもらったナンバーから途中で別のナンバーに変更する場合、今のナンバーを一度陸運局に送る必要があります。その間は車を使用することが出来ない上に、追加費用がかかってしまうので、契約時にはしっかり考えて申請する必要があります。

リサイクル料金

車を購入した際には車を廃車する時の費用をあらかじめ先に払っておく必要があります。その費用がリサイクル料金になります。

購入時の一時のみ支払う費用で、カーリースやサブスクリプションでもこの費用は発生します。

リサイクルするための費用なので、車の大きさや装備によって金額は異なります。

自賠責保険料

車を所有する上で必ず必要となるのが自賠責保険です。この保険は加入の義務付けがない任意保険とは異なり、法律で加入が義務付けられているので、強制保険と呼ばれたりもします。

車検時に新たな車検有効期間分の自賠責保険に加入していないと、車検に通らないほど重要なものです。

自動車税

自動車税は、車を所有している限り毎年納めなければならない税金のことです。毎年4月か5月に納付書が届き、期限内に納付する必要があります。

当然カーリース、サブスクリプションの契約時にも必要で、登録車の場合は契約開始月に応じて月割りで納付します。軽自動車の場合はいつ契約しても1年分の税金を納付する必要があります。

また、一定の条件を満たした車はエコカー減税が適応され、税金の免除もしくは、安くなることがあります。

自動車重量税

自動車重量税
自動車重量税は、車両の重さに比例して金額が増加していく税金のことです。重量税は契約時や車検ごとに支払う税金になります。

また、エコカー減税の制度もあるので、燃費のいい車でエコカー減税の対象となる車両は税金の免除もしくは、安くなります。

この税金についてもカーリースやサブスクリプションの毎月の料金に含まれています。

カーリースVSサブスクリプションにかかる費用の違い

ここまではカーリースとサブスクリプション両方の使用料金の内訳でしたが、ここからは違いが出て来る部分になります。

逆に言えば、ここの部分の違いがカーリースとサブスクリプションのサービスの似ているようで似ていない所です。

カーリースは上記費用の内訳の部分が毎月の料金になっているのに対し、サブスクリプションの場合は以下の3つも含まれています。

  • 車検費用
  • 任意保険代
  • メンテナンス代

サブスクリプションの方が全部コミコミの安心パックといったところです。

それでは、これら3つの費用についても解説していきます。

車検費用

車検費用
車検とは公道を走行する上で絶対に必要となるものであり、正式名称を継続検査といいます。

カーリース、サブスクリプションの場合車検を受ける場所の指定があることが多いです。また、保安基準に適合しない箇所があった場合、車検に通りませんので追加整備や交換をする必要があります。

カーリースの場合、車検時に必要となる自賠責保険、自動車重量税は毎月の料金に含まれていますが、車検の工賃の部分や追加整備の部分に関しては実費になることがあります。(オプションで車検代も毎月の料金に含めたり、最初から車検代もコミコミのリース会社もあります。)

サブスクリプションの場合、自賠責保険、自動車重量税はもちろん、車検の基本工賃や販売会社の定める項目の追加整備代も毎月の料金の中に入っていますので、基本的には車検時にかかる費用はありません。

任意保険代

自賠責保険は必ず必要となる強制保険ですが、任意保険は必ずしも加入する必要のない保険ですので、加入する必要はありません。

しかし、相手を死亡させてしまうような大きな事故を起こしてしまった場合は、自賠責保険でカバー出来ないケースが多いです。また、自賠責保険は相手の車に対しての保険ではないので、車にダメージを与えてしまった場合は自分で支払うことになります。

そこで、任意保険に加入していれば、対人、対物(相手や相手の車)に対する補償や、自分の車に対する補償の部分にも対応することが出来ます。(加入するプランによって範囲は異なります)

カーリースの場合、任意保険に加入したいなら自身で契約する必要がありますが、サブスクリプションの場合はこの費用も毎月の料金に入っている為、安心なカーライフを送ることが出来ます。

メンテナンス代

メンテナンス代
車検代とは別にオイル交換、タイヤ交換、バッテリーの交換など走行距離や使用年数により劣化し交換をする必要のあるものがかかってきます。

この費用は車を使用した分だけ、車の使用年数が多いほど多くかかる傾向にあります。タイヤの交換とバッテリーの交換が重なったりしたら最悪ですよね。

カーリースの場合はメンテナンス費用は自腹になってしまいますが、サブスクリプションの場合は販売会社の定める期間、走行距離でのメンテナンス費用も毎月の料金に含まれているので、安心して使用することが出来ます。

※カーリースもオプションでメンテナンス代を毎月の料金に含めたり、最初からメンテナンス代コミコミの会社もあります。

カーリースのデメリット

カーリースのデメリット
毎月一定の金額で車に乗れるカーリースですが、デメリットも存在します。それは以下の3つです。

  • 契約期間がサブスクリプションに比べて長期である
  • 残価設定により未来の状態を約束させられる
  • 自己所有で売却した方が高値で売れる場合が多い

順番に説明します。

契約期間がサブスクリプションに比べて長期である

カーリースの契約期間は3年〜7年であることが多く、途中で家族が増えたために大きい車にしたくても契約期間中に変更すると多額の違約金がかかってしまいます。

せっかく月々一定金額で車に乗れることがメリットなのに途中で多額の違約金を払ってしまっては意味がありませんよね。

しかし、今は軽自動車でいいけれど結婚して子供を授かるかもしれないからと、大きい車を契約しても結果として損をしてしまうこともあります。

契約期間中は一定の料金で車に乗れるのはメリットでもありますが、デメリットでもあるということです。

残価設定により未来の状態を約束させられる

カーリースのメリットである残価設定ですが、この残価は契約終了時に最低限この価格で売れるであろう車の金額を設定します。この価格が下がってしまうような行為については高額な追加金を支払う必要があります。(違約金)

違約金が発生してしまう行為は以下の4つです。

  • 車に傷をつけてしまった(外装、内装ともに同じ)
  • タバコのヤニで室内が汚れてしまった
  • 子供がシートを汚してしまった
  • 車高調やエアロパーツなどのカスタムをした

これらの行為は全て追加料金を支払う必要がある可能性が高くなってしまいます。

小さい子供がいる人、カスタムを楽しみたい人、タバコを吸う人にとってはカーリースで車の保有は注意が必要です。

自己所有で売却した方が高値で売れる場合が多い

前述の通りリース会社は最悪の場合を想定して残価を設定しています。そのため、自己所有の車を7年後に売却するのと7年契約でカーリースの残価設定をした場合、自己所有を売却するまでのスパンで考えた場合には自己所有の方が割安になります。(走行距離、使用感を同じと想定した場合)

今回はカーリースとサブスクリプションの比較なのであまり深くは触れませんが、なるべく安く車に乗りたいのが目的であれば自己所有が一番割安になる可能性があります。

サブスクリプションのデメリット

サブスクリプションのデメリット
カーリースのデメリットを見た後だと「カーリースにこれだけデメリットがあるならサブスクリプションの方がいいのでは?」と思われる方が多いと思います。

しかし、サブスクリプションにもデメリットは存在します。それは以下の3つです。

  • カーリースより割高
  • 使用しているかぎり毎月の料金が発生する
  • 販売会社ごとに選べる車種がカーリースより少ない

順番に解説します。

カーリースより割高

サブスクリプションは、任意保険料やメンテナンス費用、車検代も毎月の料金に含まれているので高くて当たり前と言えば当たり前なのですが、カーリースよりも割高です。

任意保険は誰が乗っても保険が適応されるような条件の場合が多いため、カーリースや自己所有で車に乗り任意保険に加入するよりも保険料が高くなる場合が多いです。

使用しているかぎり毎月の料金が発生する

自己所有の場合、一括購入やローンの支払いが済んだ時点、カーリースの場合は契約終了時に車を買い取るなどを選択した場合、毎月の一定料金は無くなります。

しかし、サブスクリプションの場合は契約期間終了後の買い取りなどの選択が出来る販売会社が少ない為、基本的にサブスクリプションで車を保有している限り毎月一定額を払い続ける必要があります。

販売会社ごとに選べる車種がカーリースより少ない

カーリースの場合、ディーラーとは関係のない会社が販売しているため、メーカーも車種も選択肢が多くありますが、サブスクリプションの場合はディーラー系の販売会社が多いためにトヨタ系ならトヨタ車、ホンダ系ならホンダ車などの縛りがあります。(執筆時時点)

カーリースがおすすめな人はこんな人

カーリースがおすすめな人はこんな人
カーリースのデメリットは分かったけど、じゃあ実際どんな人におすすめなサービスなのでしょうか?

私が思うカーリースの方がおすすめな人は以下の2つです。

  • 長期間同じ車に乗る予定の人
  • 毎月コツコツとお金を貯めるのが苦手な人

その理由を順番にご説明します。

長期間同じ車に乗る予定の人

カーリースの場合、前述した通り契約期間が長いため、途中で家族が増えたなどの理由で車を乗り換えると、多額の違約金が発生してしまい結果的に損をしてしまいます。

なので、家族がいる人はファミリーカーとは別に通勤用の車としてや気軽に使えるセカンドカー、趣味の車として利用する場合はデメリットとはならないでしょう。

毎月コツコツとお金を貯めるのが苦手な人

「毎月このくらい車のためにとっておけば車検や車を購入することができそう」と貯めるつもりでも誘惑に負けてしまったり、急な出費に消えてしまうなどでなかなか貯めることが難しい人は多いと思います。

カーリースなら毎月一定額の料金を必ず支払う必要があるため、お金を貯められない人におすすめです。

サブスクリプションがおすすめな人はこんな人

サブスクリプションがおすすめな人はこんな人
カーリースと似たサービスであるサブスクリプションの方がおすすめな人はどんな人なのでしょうか?

私が思うサブスクリプションの方がおすすめな人は以下の2つです。

  • 短期間のみ車を使用したい人
  • 車のことはよく分からないから全部お任せしたい人
短期間のみ車を使用したい人

カーリースの場合は長期契約がメインのため、デメリットが生じてしまう人もいますが、サブスクリプションの場合は最短3ヶ月の短期契約ができるため、例えば転勤で車が必要になったけど転勤の期間がどのくらいになるか分からないという場合でも3ヶ月から契約ができて継続契約も可能なので、もし必要なくなっても次の契約更新をしないようにすれば余分な出費を抑えることが出来ます。

毎月の使用料はカーリースより割高ですが、より自由な使い方が出来るので気軽に利用することが出来ます。

また、短期間であればカーレンタルも検討されるかと思いますが、数ヶ月に渡る使用であれば、サブスクリプションの方が安くなるケースが多いです。

車のことは分からないから全部お任せしたい人

「カーリースで車を契約すると任意保険はいるのかな?」「オイル交換って?」「なんかガソリンスタンドでおすすめされたからなにかよく分からないけど交換してもらった」など、車のことがよく分からない人からするとストレスや余分な出費を生んでしまうことがあります。特に女性や若い人に多い傾向にあります。

サブスクリプションなら任意保険、車検代、メンテナンス費用も毎月の料金に含まれていますので車に詳しくない人でも安心してカーライフを過ごすことが出来ます。

まとめ

①カーリースとサブスクリプションでは含まれている費用の内訳はほとんど一緒。
②絶対かかる費用をサポートしているカーリース(契約プランにより違いはあり)
③基本的な部分+メンテナンスや任意保険までカバーしているサブスクリプション
④カーリースは基本長期契約に対してサブスクリプションは短期から契約が可能
⑤カーリースよりサブスクリプションの方が毎月の料金は高め

今回はカーリースとサブスクリプションのサービスを比較してみました。

似ているようで似ていない2つのサービス、両サービスとも一長一短ありますが短所が気にならない方のサービスがどちらなのかよく見極めたうえで販売会社をどこにするのか検討すれば後に後悔する可能性は低くなるのではないでしょうか。


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カーリースってどんなクルマが選べるの?
グーネット定額乗りマガジン編集部
グーネット定額乗りマガジン編集部

カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。