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信用情報に傷がついていることを「ブラックリストに載っている」と表現することがあります。これは過去にローンや公共料金などの支払い不備がトラブルとして信用情報機関へ記録されることを指した言葉です。
カーリースを契約する際にも信用情報が事前審査において確認されます。審査中に過去の支払いトラブルが発覚すると審査は落ちやすいため、これから車に乗りたい方にとっては避けたい状況です。
この記事では、ブラックリストに載る条件や載っていた場合の対処法について詳しく紹介していきます。
ブラックリストの情報は保存期間がある
支払いの遅れや滞納、自己破産に関する情報は、それぞれに定められている期間に開示できる情報として次の信用情報機関に保存されています。
- 全国銀行個人情報センター(KSC)
- 株式会社CIC
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
一定期間を経過すると該当する信用情報は削除されるため、クリーンな状態に戻ります。
ブラックリストとは?該当する3つの理由
ここからは、ブラックリストの概要と掲載される理由について紹介します。
ブラックリストとは、過去の支払いで発生したトラブルが事故情報として信用情報機関のデータベースに保存されていることを指します。
支払いのトラブルとして、具体的な理由は3つあります。
延滞行為とは、定められた支払期日を一定期間以上遅れた場合や複数回支払いが滞った場合にカウントされる行為です。
クレジットカードやローンの返済、携帯利用料金の支払いであれば、ブラックリストに載る基準期間は61日以上もしくは3ヵ月以上と定められています。
また、公共料金の支払いを延滞している場合もブラックリストに載る可能性があると考えられがちですが、支払い方法をクレジットカードに設定していなければ信用情報には掲載されないようです。
延滞行為に関する情報は、全国銀行個人情報センターであれば5年程度保存されるようです。
債務整理とは借金の減額や免除を依頼したり、返済期間に猶予を持たせる手続きのことです。
債務整理の方法には、任意整理や民事再生(個人再生)、自己破産があります。
債務整理することで、現在抱えている借金を減額したり免除したりできるため、日常生活に金銭的余裕が生まれ、精神的な負担も軽減できます。
しかし、債務整理に関する情報は官報に掲載された上で信用情報機関に保存されるため、結果として新たなローンやリース契約を締結できなくなる点はデメリットです。
例えば、全国銀行個人情報センターであれば、官報に載るような情報は7年程度保存されるようです。
代位弁済とは、ローンの契約者が返済不能になり連帯保証人の返済に切り替わった事実を指します。
また、連帯保証人以外にもカード会社が契約している保証会社も代位弁済する第三者としてよく知られています。
代位弁済が発生すると、第三者に返済を肩代わりしてもらうため、一時的に心理的負担は軽くなりますが、債務自体は解消していないため返済は継続することに注意しましょう。
また、代位弁済に関する情報も与信情報として信用情報機関に7年間は保存されるようです。
ブラックリストの確認方法
ここからは、ブラックリストに載ってしまった場合の確認方法について紹介します。
現在、国内の主な情報信用機関は3つ存在しており、それぞれで加盟している組織が異なるため、どの信用情報機関がどの加盟組織の情報を取り扱っているか分かれば、不安を抱えている過去の信用情報にアクセスしやすくなるでしょう。
全国銀行個人情報センター(KSC)は、一般社団法人全国銀行協会が運営する信用情報機関です。ローンやクレジットに関する個人情報を登録しており、加盟組織は全国の銀行や信用金庫、信用組合や農協系の金融機関が該当します。
また、自分の信用情報を開示する場合は、インターネットもしくは郵送で請求できます。センター事務所の窓口では開示請求できない点に注意しましょう。
インターネットで開示する場合、パソコン以外にもスマートフォンから手続きができ、申し込みから開示報告書の受け取りまで全てオンラインで完結できます。
郵送で開示請求する場合、申込書と本人確認書類の写し、手数料を同封して郵送します。手数料は全国のコンビニエンスストアで「本人開示・申告手続利用券」を購入することで支払えます。
それぞれの手続きに必要な手数料は次の通りです。
手数料1,000円(支払いはクレジットカード、PayPay、キャリア決済から選べます)
手数料は1,124~1,200円(コンビニごとに値段は変動します)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)は、クレジット会社の共同出資によって昭和59年に設立された信用情報機関です。主な加盟組織はクレジット会社や信販会社系の金融機関であり、割賦販売や消費者ローン等のクレジット事業を営む会社も含まれています。
自分で信用情報を開示する場合は、インターネット開示と郵送での手続きを利用しなければなりません。電話やメールでの申請は開示対象の本人確認ができないため断られるようです。
インターネットで開示請求する場合、申込みはパソコンやスマートフォンを活用できますが、途中電話を使う場面もあるためオンラインではすべて完結できません。
郵送で開示請求する場合は、信用情報開示申込書をダウンロードして必要事項を記入し、開示利用券とともに郵送します。この際、本人確認書類の写しの同封を忘れないようにしましょう。手数料は全国のコンビニエンスストアで「開示利用券」、ゆうちょ銀行で「定額小為替証書」を購入することで支払えます。
それぞれの手続きに必要な手数料は以下の通りです。
手数料500円(支払いはクレジットカード、デビットカード、キャリア決済から選べます)
コンビニで購入する開示利用券は1,650~2,225円、ゆうちょ銀行で購入する定額小為替証書は1,500~2,050円(簡易書留や速達など選ぶ商品によって異なります)
株式会社日本信用情報機構(JICC)は、1972年に消費者金融系関連団体の共同出資によって設立された信用情報機関です。主な加盟組織は消費者金融系団体です。
自分で信用情報を開示する場合、JICCが用意しているアプリもしくは郵送にて開示できます。窓口での請求は現在停止しています。(2024年現在)
アプリで開示請求する場合、スマートフォン用アプリの二次元コードがJICCのホームページ内に掲載されているため、そちらからダウンロードできます。
郵送で開示請求する場合は、他の信用情報機関と同じように本人確認書類と信用情報開示申込書、手数料(郵送開示請求書)をJICCへ提出しなければなりません。
それぞれの手続き方法で必要となる手数料の金額は次の通りです。
1,000円(各種クレジットカード、コンビニエンスストア、ペイジー、オンラインバンキング、キャリア決済)
1,000円(速達などの郵送オプションを希望する場合は、別途料金が発生します)
ブラックリストの登録期間
ここからは、カーリースの審査を受ける際に注意しておきたいブラックリストの登録期間について紹介していきます。
過去に遅延行為や任意整理をした場合は、ブラックリストに5年間掲載されます。
遅延行為や任意整理の具体的な内容は次の通りです。
クレジットカードの利用料金の支払いやローンの返済など、支払日が定められているものに対して一定期間遅れて支払った場合を指します。また、支払いが完了していないものも含まれます。
借りたお金に対して返済が遅れた際に発生する損害金の免除、また返済期限の延長を指します。
自己破産や個人再生をした場合は、ブラックリストへ5~10年間掲載されます。
自己破産や個人再生の具体的な内容は次の通りです。
借入金の返済ができなくなった時、裁判所へ申請することで返済の義務から解放されます。ただし、支払いが済んでいない税金は該当しません。
債務整理の一種ですが、こちらも裁判所へ申請することで返済額が減額できます。自己破産と同じように返済ができなくなった場合に有効な手段ですが、返済義務がなくなるわけではありません。
一定期間を過ぎるとブラックリストの登録は解除されるため、解除後であればリース審査に影響を与えることはありません。
事故情報は種類によって5~10年間、信用情報機関に登録されています。この期間内にカーリースの審査を受けても通らない可能性が高いです。そのため、ブラックリストの登録期間が過ぎてから審査依頼することをおすすめします。
カーリースの審査基準は3つ
ここからは、信用情報以外でカーリースの審査基準に影響を与える項目を3つ紹介します。
カーローンと違って、カーリースは明確な年収の基準は設けられていませんが、カーローンを組む場合は一般的に年収200万円以上は必要と言われています。そのため、カーリースの審査についても同じような基準が適用されると考えられます。
しかし、リース会社によっては年収200万円以下でも契約できたり、年収以外の条件が合わなければ審査に通らない可能性もあるため、おおまかな目安としてとらえておきましょう。
正規雇用と違い、非正規雇用の場合はリースの審査でも不利になりやすい傾向があります。
非正規雇用の場合、収入が安定していない可能性が高く、月々の支払いが滞りなくできるか不安視されるためです。
また、勤続年数も審査の懸念要素として考えられます。新入社員や転職したばかりで勤続年数が1年未満の場合も、雇用形態と同じように収入が安定していないとみなされ、審査に不利になりやすくなっています。
リース契約以外にも複数の借入れがある場合、年収に占める借入金額の割合が大きければ審査に通りにくくなります。
他の返済に充てる金額が多ければ、月額料金の支払いに影響を与え、支払いが滞る可能性があるとみなされるからです。
勤続年数は、リースの審査に影響を及ぼします。勤続年数が1年未満と短い場合、収入が安定していないとみなされ、審査に通りにくくなるので注意しましょう。
ブラックリストに載っている場合の対処法
ここからは、ブラックリストに載っている場合、カーリース審査に通りやすくなるための対処法について解説します。
ブラックリストに載っていると新たな借り入れやリース契約を結びにくくなります。とはいえ、どうしても車が欲しい場合は以下の内容を試してみてください。
ブラックリストに載る期間は大体5~10年です。そのため、ブラックリストに載っている期間が過ぎたタイミングでカーリースの審査を受けましょう。
ブラックリストに載っていれば新たなリース契約は結べません。この場合、登録が解除されるまでは公共交通機関を使うことになりますが、信用情報をいったんクリアにした方が審査に通るプランは立てやすくなります。
ブラックリストに載っている期間は月額料金を支払う能力を不安視されています。そのため、支払い能力を担保するために連帯保証人を立てることも有効な方法です。
しかし、連帯保証人になると支払いが滞った際は強制的に支払いの義務が発生します。そのため、連帯保証人を立てる際は支払いのプランやリース期間など、連帯保証人になることをお願いする人が安心できるように説得しなければなりません。
お金の問題は信頼関係に支障をきたす可能性があるため慎重に進めましょう。
信販会社を通さない自社リースを扱っている会社からリースしてもらうことも方法の一つです。
信販会社を通していれば必ずブラックリストは確認されます。しかし、自社のみでリースの可否を判断する場合は信販会社と比べると審査基準を緩く設定する可能性があります。
登録解除まで待てない、連帯保証人を立てられない場合は、審査がゆるいリース会社を探してみましょう。
ブラックリストに載らないための対策
ここからは、ブラックリストに載らないための対策を紹介していきます。
カーリースの審査に問題なく通るためには、ブラックリストに載らないことが最善の方法です。
今は難しかったとしても、日々の積み重ねで改善できるものばかりですので、積極的に取り組んでみましょう。
現在勤務している仕事先の年収が低いのであれば、転職や副業にチャレンジすることで年収アップが見込めます。
しかし、転職したばかりであれば勤務年数が審査基準に足りず、審査に通りにくくなるため注意しましょう。審査を依頼するタイミングを見極めることが重要です。
カーリースの月額料金を支払うために不要な出費がないか見直すことも有効な手段です。
例えば、自分へのご褒美として頻繁にコンビニスイーツを買っていたり、外出時の飲み物は全てコンビニで買っていたりする人は少なくありません。
また、サブスクリプションに登録してみたものの、その後サービスを利用していないことも多々あるでしょう。
このような無駄な出費を削るだけでも、積み重ねるとまとまった金額を捻出できます。
出費を見直すプロセスの中で固定費を抑えることも視野にいれましょう。
固定費は住居費や保険料も含まれますが、車の維持費が占める割合が大きければカーリースを活用しても良いでしょう。
カーリースはガソリン代以外の費用が月額料金に含まれているため、自動車税や車検代などの突発的な支出を抑えられます。また、月々の支払金額が明確になるため、家計管理も簡単にできる点がおすすめのポイントです。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。