長い人生の中で1度は「連帯保証人になってほしい」と頼まれる機会があるかもしれません。例えば、子どもが車のローンを組む際、友人が賃貸契約を行う際など、親しい中であれば、万が一として連帯保証人を依頼されることもあるでしょう。

特に支払いが滞らなければ名前を記載するだけのため、連帯保証人は自分の生活に大きな支障をきたしません。しかし、契約者にもしものことがあった場合は、責任を取ったり、代わりに費用を支払う必要があるため、受け入れる際は注意が必要です。

また、連帯保証人は誰もがなれるわけではありません。そのため、信用情報や年齢といった審査基準の理解が必要です。

今回は連帯保証人になる場合の信用情報との関わりや審査の基準などを紹介します。

連帯保証人の信用情報も重要

カーローンや住宅ローンを組む際、一般的に契約者の信用情報や属性などが不安視されがちですが、実は連帯保証人の信用情報も大切になります。

契約者が何らかの事情で料金を返せなくなり、連帯保証人も料金が返済できず、共倒れになると契約を結んでいる金融機関や店舗は料金の回収ができなくなります。

そのため、ローンの契約や商品の契約時には連帯保証人の信用情報も重視されます。

連帯保証人の役割

連帯保証人の役割
ここでは、連帯保証人の主な役割を紹介します。

一般的に連帯保証人は契約者に変わり、借金を返済したり、契約者が負うべき賠償責任を担ったりします。

契約者に代わり借金を返済する

連帯保証人は契約者が料金を滞納したり、物品を破損したりした場合、契約者に代わって弁済する義務を負います。

例えば、賃貸物件の場合、借主が家賃を支払えなくなった際に、連帯保証人の方に支払いを命じます。

また、車のローンの場合は契約者がローンの支払いを滞納したり、踏み倒そうとしたときに連帯保証人が代わりに支払うことになるでしょう。

いずれもお金の回収ができなくなるリスクの観点から、連帯保証人を立てるといった形で対処しています。

保証人と連帯保証人の違い

契約書の代わりに責任を負う存在として、連帯保証人の他に「保証人」と言う存在があります。

両者の大きな違いは支払いの義務だけでなく、弁償も含まれるかどうかです。

保証人の場合は料金の支払いを滞納した場合にお金を支払う義務がある人です。一方で、連帯保証人の場合は料金を支払うだけでなく、様々な賠償責任も負うことになります。

なお、連帯保証人をめぐるトラブルは多く、「無理矢理、連帯保証人になり、借金を負うことになった。その結果、生活ができなくなった」といったトラブルが多くなったことから、2020年に連帯保証人に関する民法が改正されています。

この改正では、連帯保証人が負う極度額が無い個人の根本補償については、無効になりました。そのため、契約書には連帯保証人が負う債務について明確にする必要があるでしょう。

実際に、連帯保証人をめぐるトラブルは様々で、下記のようなものが挙げられます。

迷惑はかけないと言われて、友達が起業する際の金融機関の連帯保証人になったが、すぐに破産して債権者から億単位の請求があった
賃貸物件を親戚が借りる際に「名前を貸してほしい」と言われ、保証人になったものの親戚の落ち度でアパートが全焼し責任を負うことになった

いずれも、毎月の給料から差し押さえを受けながら長期間支払うことになるため、連帯保証人のリスクは高いといえるでしょう。

連帯保証人になれる人の条件

連帯保証人になれる人の条件
ここからは、連帯保証人になれる人の条件を紹介します。

連帯保証人は誰にでもなれるものではなく、成人している、そして支払い能力があることが条件として挙げられます。

成人していること

第一に、連帯保証人になれる人は成人しており、かつ年金受給者でないことが挙げられます。そのため、親族であっても、定年退職して年金暮らしをしている方は対象外です。

例えば、車の購入で両親に保証人になってもらおうと思っても、両親が65歳以上で年金生活者の場合はお願いできないでしょう。

支払い能力があること

連帯保証人は継続的な収入があり、万が一の際に支払いが可能な人が求められます。そのため、定職についていなかったり、自営業の方の場合は審査で不利に傾く可能性もあります。

様々なローンや賃貸契約等の契約においても安定した収入は求められます。連帯保証人においても同様の条件が求められるでしょう。

信用情報に傷がついていないこと

様々な支払いは契約者だけでなく、連帯保証人においても信用情報が確認されます。

一般的に大きな契約になると、契約者の信用情報が確認されますが、その信用情報では「連帯保証人に既になっているか」も確認されます。現在、別の人の連帯保証人になっている場合は、新たに連帯保証人として認めてもらうのは難しいでしょう。

なお、住宅ローンにおいては、自身が連帯保証人になっている場合、自分の住宅ローンが通らない可能性もあります。借り入れ額がわずかであれば可能性は高まりますが、フルローンや大きな金額を借りる場合、既に連帯保証人になっていることから、支払い能力を懸念され、ローンを組めない可能性もあるでしょう。

そのため、これからまとまったお金が必要だったり、住宅購入を検討する方は、連帯保証人を引き受ける際に注意が必要です。

信用情報とは何ですか?
信用情報とは、クレジットカードやローンの支払いなどを客観的に記載したものを表しています。具体的には3つの信用情報機関が管理している情報を指しています。信用情報機関としては、CICやJICC、KSCが挙げられます。

連帯保証人になれないタイプの人

連帯保証人になれないタイプの人
ここからは、連帯保証人になれない人のタイプを紹介します。

連帯保証人には確かな支払い能力を求められていることから、収入が安定しなかったり、そもそも収入が低い人は連帯保証人になれないでしょう。

自営業やフリーランスの人

安定した収入を得ていても、自営業やフリーランスの場合、連帯保証人になれない可能性があります。

例えば、正社員として企業に雇用されていれば毎月一定の金額をもらえると判断できます。しかし、自営業やフリーランスの場合、毎月の収入が定まっていないことから、仮に連帯保証人として責任を負う時に「支払いができるのだろうか」と懸念されます。

年金や生活保護受給者

年金受給者や生活保護受給者も連帯保証人にはなれません。いずれも収入が安定してあるとはいうものの、生活に必要な最低限のもののため、リスクが高いことから認められない可能性があります。

ただし、年金受給者の場合で不動産など資産価値があるものを保有している場合はこの限りではありません。

生活保護受給者の場合は、国の支援を受けて生活が成立しているため、連帯保証人になるのは難しいでしょう。

他の人の連帯保証人になっている

既に他の人の連帯保証人になっている場合も、新たに連帯保証人にはなれません。連帯保証人が支払いを求められるケースは少ないとはいうものの、いつどのように契約者が支払いが困難になるかは予想できません。

2つの連帯保証人を掛け持ちすると万が一の際に支払えないといった結果に陥る可能性もあります。そのため、他の人の連帯保証人になっている場合、新たに依頼されても断りましょう。

連帯保証人の信用情報はどうやって調べる?

連帯保証人の信用情報はどうやって調べる?
ここからは、連帯保証人になれるかどうか確認するために自分の信用情報を調べる方法を解説します。

信用情報を調べる際は3つの情報機関に開示請求を行います。

本人しか情報開示はできない

第一に、信用情報は本人にしか確認ができません。そのため、家族に代わって依頼するのは避けましょう。

例えば、仕事で忙しくて、なかなか信用情報を確認する暇がないと言った場合、パートナーに頼むこともあるでしょう。しかし、原則として自分で行う必要があるため、人に依頼はできません。

信用情報は郵送だけでなく、オンラインで行えるものもあるため、隙間時間に開示請求を行いましょう。

情報開示の手段

情報開示の手段としては3つの信用機関、いずれもインターネットもしくは郵送で行います。

インターネットの場合は公式ホームページから手続きを進めます。郵送の場合は申請書をダウンロードし、コンビニで利用券を購入した後に郵送で申請書を送付します。

参考までに3つの信用機関における開示方法は下記の通りです。

  • CIC:郵送もしくはインターネット
  • JLCC:郵送もしくはインターネット(アプリ)
  • KSC:郵送もしくはインターネット

過去に窓口で請求できる機関があったものの、現在はいずれも郵送もしくはインターネットでの請求になるでしょう。

なお、インターネットで請求する場合はキャッシュレス決済も使用できます。使用できる決済方法は機関ごとに異なるため事前に確認しましょう。

情報開示にかかる費用

情報開示にかかる費用は様々で郵送の方が高い傾向にあります。

具体的な金額は機関によって様々ですが、500円〜2,000円程度をイメージしましょう。

連帯保証人をお願いする人に「ブラックリストは大丈夫?」と聞くのは問題ないでしょうか?
連帯保証人になってもらう際、信用情報を確認するのは問題ありません。しかし、ブラックリストという言葉を出すと不快感を与える可能性があるため、「連帯保証人になる条件は大丈夫かな」と軽く確認するのが良いでしょう。また、自分が信用情報に傷がついている場合、そもそも断られる可能性が高いでしょう。

連帯保証人をつけられない時の対処法

連帯保証人をつけられない時の対処法
ここからは、様々な契約において、連帯保証人をつけられない場合の対処法を3つ紹介します。

車を購入したかったり、住宅を購入したかったりしても、自分では年収や属性で審査が難しく、連帯保証人をつけることもあるでしょう。しかし、身内や友人などに心当たりがない場合は、別の方法を試しましょう。

借入金額を抑える

まず、借り入れ金額を抑えて、連帯保証人をつけずに契約できるよう努めましょう。

例えば、「車をフルローンで購入する際は連帯保証人が必要だけれど、借入金額が数十万円の時は保証人が不要」といったケースも見られます。借り入れ金額を抑えられるのであれば、出来る限り減らし、連帯保証人をつけず契約を組めるようにしましょう。

なお、借り入れ金額を抑えると支払うローンの金額も減るため、メリットは豊富です。

頭金を用意する

借り入れ金額を抑える際は頭金の用意も重要です。購入する商品の金額を落として、借り入れ金額を抑えることはもちろん、借り入れ金額を抑えると自分の希望するものを連帯保証人なしで契約できるでしょう。

ただし、頭金を用意する場合は計画的な準備が必要です。毎月数万円ずつコツコツと貯金する場合は、事前に購入金額から逆算して準備を進めましょう。

もしもローンを組まずに車などを購入できる見込みがあるのであれば、5年までに費用を貯めるという長期計画で組むのも良いでしょう。

例えば、これから5年後に車の購入が必要な場合、300万円の予算を用意すると仮定しましょう。5年間で300万円を貯めるには毎月2万円の貯蓄が必要です。

今すぐに車を購入する予定がない場合は、コツコツ貯蓄することで、そもそもローンを組まずに済むでしょう。

ローン契約者を変える

どうしても連帯保証人が必要な場合、ローンの契約者を変える方法もあります。

例えば、住宅ローンで自分が審査に通らない場合、パートナーに契約者を依頼する方法もあります。パートナーもある程度の収入を得ている場合は検討しましょう。

ただし、ローン契約者を変更する場合は、慎重の話し合いが必要です。あまり予想したくないものではあるものの、住宅の場合、離婚した場合にローンを支払い続ける方は負担が大きくなるためです。

連帯保証人が必要なローン

連帯保証人が必要なローン
ここからは、連帯保証人や保証人が必要なローンについて紹介します。

一般的に住宅ローンやカーローン、そして一部の賃貸契約においても、連帯保証人が求められるでしょう。

住宅ローン

住宅ローンは連帯保証人が求められる機会が多いです。しかし、すべての金融機関で必ず保証人が求められるわけではありません。

連帯保証人が不要な条件としては、購入する住宅自体が担保となっていることが挙げられます。これから建築する物件そのものを担保にすることで、貸倒リスクを回避できるため、連帯保証人が不要とされています。

なお、住宅ローンにおいても保証人の役割を果たす保証会社を使用する機会も見られます。

カーローン

カーローンにおいても、連帯保証人が求められるケースがあります。

例えば、新卒でまだ収入が安定していない方や申し込み金額が大きい方、他にも借り入れがある方や学生の方などが挙げられます。

いずれも収入が安定していなかったり、支払いに若干の不具合を抱えている方が該当します。

カーローンは住宅と比較して金額が低いものの、いわゆる高級車に該当するものや、ミニバンなどは400万円や500万円など高い金額になります。その場合は、収入状況によっては、連帯保証人を立てなければいけない可能性もあるでしょう。

なお、車のローンが組めず、悩んでいる場合は、思い切って車の所有方法を変えることも検討してみましょう。

例えば、車をあまり使用しないのであれば、スポットでレンタカーを借りたり、カーリースで固定金額を支払う方法もあります。

カーリースであれば月額◯◯万円などと一定金額で車を使用できるため、新卒の方や非正規雇用の方に適しています。軽自動車の場合は1万円程度で車を使用できるものもあるためランニングコストを抑えられます。

なお、カーリースの場合は車を資産として保有するのではなく、あくまでリース会社から借りるサービスであることを覚えておきましょう。

賃貸契約

賃貸契約を行う際も、場合によっては連帯保証人や保証人が求められるでしょう。特に、学生で下宿先を契約する場合は、家族を連帯保証人にするケースが多く見られます。

もしも賃貸契約を行う際、両親の信用情報に傷がついており、借りれないと言った場合は、保証会社の利用も検討しましょう。「家賃保証会社」というものがあり、契約者が万が一、家賃を支払えなくなった場合、保証会社が対応する形になります。

しかし、この保証会社は自分で決めるのではなく、貸主があらかじめ利用する保証会社を指定しており、そちらと契約を結ぶのがほとんどです。

ローンを組めない場合、車は持てませんよね?
ローンが組めなかったとしても、現金で一括購入できれば車の所有が可能です。購入する車の費用を中古車にして抑えたり、車購入の資金を用意したりと対策しましょう。
なお、万が一ブラックリストに登録されたとしても、車の所有自体は可能です。ただし、自動車税を支払わなかったり、公共料金の支払いが未払いになったりした場合は、財産の差し押さえに発展し、車も対象になることもあるため注意が必要です。

まとめ

①連帯保証人の信用情報もローンの審査に影響する
②既に他の連帯保証人を引き受けている場合、新たに連帯保証人を受けることができない場合がある
③連帯保証人の信用情報に傷がついているかは、信用情報機関で確認ができる
④どうしても連帯保証人をつけられない場合は、頭金を用意したり、サービスの利用を再検討したりする
⑤信用情報に傷がついても車の所有自体は可能である

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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