債務整理中は基本的にローンを組めませんが、自社ローンであれば契約できる可能性があります。債務整理中に自社ローンを利用するには、自分の状況を理解し、状況に合った方法で審査を受けることが重要です。

この記事では、債務整理の種類やローンの種類、情報機関の種類、債務整理中に自社ローン審査に通過するためのコツなどを紹介します。

債務整理中でも自社ローンの審査に通る可能性がある!

債務整理中でも自社ローンの審査に通る可能性がある!
債務整理を行うとブラックリストに登録されることから、信用情報機関を通してローン審査を行う銀行ローンやディーラーローンは原則利用ができません。

しかし、信用情報機関を通さず独自の審査基準を設けている自社ローンであれば、利用できる可能性があります。

ここからは、債務整理の種類やローンの種類、信用情報機関の種類について解説します。債務整理と車の購入の関係について気になる方は参考にしてください。

債務整理は主に3種類

債務整理には、「任意整理」「自己破産」「個人再生」があり、どれも借金を減らしたり、支払いに猶予も持たせたりできます。

しかし、金銭的負担を軽減させられる一方で注意点もあり、利用は慎重に行うことが重要です。ここからは、それぞれの内容を詳しく解説します。

任意整理

任意整理は、債務者が裁判所を通さずに直接貸し手と交渉して、金利の引き直しや返済期間の延長を行う手続きです。

借金を完済するまでの負担を軽減できる方法のひとつで、比較的柔軟な方法であるため、収入があって返済の見通しがある方に適しています。

個人再生や自己破産の場合、財産を処分する必要がありますが、任意整理はその必要もなく家族や勤務先に知られる心配もありません。また、直接交渉するといっても、主に弁護士や司法書士が代理人となって交渉を行います。

任意整理はブラックリストに登録されるため、一定の期間クレジットカードの利用や新規ローンの契約ができなくなる点に注意が必要です。

自己破産

自己破産は、裁判所に申し立てを行い、借金から解放される法的手続きです。返済の見込みが立たない場合に有効な手段とされており、自己破産が認められると、債務者は返済義務から解放されることが特徴です。

自己破産は財産の一部を処分する必要があり、基本的にはマイホームや所有している車は手放さなくてはいけなくなります。また、職業制限や信用情報のブラックリスト登録などの影響もあり、自己破産を行う際には注意が必要です。

生活を再建するための最終手段として利用されるケースが多く、安定した収入がなく返済が困難な場合に適しています。

個人再生

個人再生は、裁判所を通じて債務者の借金を最大8割減額し、残りの借金に対して原則5~10年で返済計画を立てる手続きです。個人再生の特徴は「住宅ローン特則」という制度があることです。

住宅ローン特則とは、住宅ローンを除外して他の借金だけを減額できます。住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円以下であることが利用の条件で、マイホームを手放したくない方に適しています。

個人再生を利用すると信用情報機関には登録されてしまうため、新規の借入れやクレジットカードの利用が制限されることが懸念点です。安定した収入があれば、個人再生は再スタートを切るのに適しています。

自社ローンの審査基準は他のローンとどう違いますか?
自社ローンの審査は、販売店ごとに独自の審査基準を設けています。
ディーラーローンや銀行ローンは、勤務先や年収の他に、信用情報機関を通して過去の金融事故の有無なども調べていることが特徴です。
自社ローンは信用情報機関への照会を行わず、過去の金融事故の有無よりも現在の支払い能力を重視しています。この違いが、自社ローンは通りやすいといわれている要因です。

車を購入する際のローンは主に3種類

車を購入する際のローンは主に3種類
車を購入する際に利用できるローンは大きく分けて3種類あり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。

満足できるローンを選ぶには、自分の状況に合わせたローンを選ぶことがポイントです。ここからは、車を購入する際のローンの種類について詳しく紹介します。

ディーラーローン

ディーラーローンは、販売店と提携するローン会社が提供するローンです。販売店を経由して申込が行えるため、銀行ローンよりも審査に通りやすく、審査に必要な手続きも販売店がフォローしてくれることがメリットです。

しかし、ディーラーローンは銀行ローンよりも金利が高く、車を担保にするため返済が完了するまで車検証の所有者名義はローン会社になってしまうことがデメリットです。

販売店と提携していることから、ディーラーローンを利用することを条件にオプションのサービスがあったり、車両本体価格からの割引があったりもします。

銀行ローンが通らなかった方や、ローンに関する手続きをフォローして欲しい方に適しています。

金融系オートローン

金融系オートローンは、銀行やJA、信用金庫などが提供するローンサービスです。他の種類のローンと比較しても、金利は1~4%程度と群を抜いて低く、銀行によっては住宅ローンと併せての利用やキャンペーンなどによって金利が優遇される場合もあります。

金利が低く総支払額が安く済むことと、車検証の所有者名義が申込者本人の名義にできることが金融系オートローンのメリットです。

しかし、金融系のオートローンは他のローンに比べて審査基準が高く、金融事故などの履歴があると基本的には利用できません。また、申込から審査結果が出るまで数週間かかることもデメリットです。

金融系オートローンは、なるべく金利を抑えたい方に適しています。

自社ローン

自社ローンは、「ローン」と呼ばれていますが販売店に車両代金を立て替えてもらい、分割で支払う方法で、正確にはローンではありません。金融商品ではないことから、金利は発生せず、金利に代わる手数料を車両代金に上乗せされることが一般的です。

審査は販売店独自の基準が設けられており、信用情報機関への照会がないことが特徴です。過去の取引の状況よりも現在の支払い能力を重視することから、他のローンに比べて審査に通りやすいでしょう。

一方で、支払い総額は他の手段よりも高額になってしまう傾向があることや、支払い回数の上限が限られているため、利用前には注意が必要です。

債務整理中は原則ローンを組めない

債務整理中は原則ローンを組めない
債務整理中には、信用情報機関を通すローンは基本的に組めません。

金融系ローンやディーラーローンは、信用情報機関をもとにローン審査が行われるため、債務整理中は「支払い能力が不安定である」と判断されてしまい審査の通過が難しくなってしまいます。

債務整理後のカーローン審査は完済から5~10年が目安

債務整理をした場合、カーローンを利用するには信用情報が回復するまで待つ必要があります。

債務整理の記録は、永久に残るわけではなく、任意整理や個人再生の場合は完済すれば5年、自己破産の場合は債務整理後5~10年程度で消えるため、その期間を過ぎるとカーローン審査に通る可能性が高くなります。

しかし、過去に債務整理を行った事実は金融機関に不安を与えることもあるため、審査通過が確実というわけではありません。申し込み時には、安定した収入と返済能力をしっかりと証明することが重要です。

債務整理を行った場合は、完済してから5年以上は待ちましょう。

信用情報がクリーンならカーローン審査通過の可能性も

信用情報機関のデータから金融事故の記録が信用情報から消えていれば、カーローン審査に通る可能性があります。つまり、任意整理と個人再生の場合は完済後5年程度、自己破産なら手続きを行ってから5~10年ほど経過していることが目安です。

この期間を過ぎて信用情報がクリーンな状態になれば、通常のローン審査が受けられます。また、審査では返済能力を重視されるため、情報がクリーンになったからといって必ずしもローンに通るというわけではありません。

勤務状況や収入面を改善し、過去の債務整理について聞かれたときには正直に話すことも重要なポイントです。

自社ローンなら債務整理中でも審査に通る可能性がある

自社ローンは販売店独自の審査基準を設けており、銀行やローン会社を通さずに販売店と直接契約を行うことが特徴です。そのため、債務整理中でも支払い能力が高いと判断されれば利用できる可能性があります。

自社ローンの審査基準は販売店によって異なり、安定した収入と本人確認、支払い能力が重視されます。しかし、自社ローンは審査が他のローンに比べて緩いことがメリットである一方、金利相当分の手数料の上乗せがあり、支払い総額は高額になってしまうことが懸念点です。

債務整理中でも車を必要としている方に適していますが、利用前にはメリットとデメリットをよく調べておくことが重要です。

債務整理中に自社ローン審査に通るためのコツ

債務整理中でも、自社ローンであれば利用できる可能性があります。しかし、誰でも必ず利用できるというわけではありません。

不安な方は、審査に通りやすくするポイントを押さえておくことが重要です。

ここからは、債務整理中の自社ローン審査に通るためのコツについて紹介します。

保証人を立てて信用力を高める

保証人を立てて信用力を高める
申込者本人だけだと支払い能力が低いと判断される場合でも、保証人を立てて信用力を高めるとローン審査に通る可能性が高くなります。保証人は、配偶者や親などの親族に依頼することが一般的です。

保証人には、申込者が支払い困難な状況になってしまった場合に、申込者に代わって支払い責任が生じます。なかには友人や知人でも保証人として認められる販売店もありますが、保証人のリスクを伝えて、理解したうえで保証人になってもらうことが重要です。

自分だけでは、支払い能力が低いと判断されかねないと感じる場合には、保証人を立てるのもひとつの手段です。

頭金を用意して毎月の負担を減らす

頭金を用意することで、借入れ金額を減少させることが可能です。例えば、200万円の借入れでは難しくても、100万円の借入れならできるなど、金額が低くなるほどローン審査のハードルも低くなるでしょう。

また、借入れ金額を減少させられると、支払額を低くできるため、毎月の金銭的負担を減らすことも可能です。

頭金の目安は、車両本体価格の2~3割程度といわれていますが、必ずしもこの程度の金額を入れなくてはいけないというわけではありません。

ローン審査に通過するためには数万円でも頭金を用意しておくことがおすすめです。

借入額を抑えて審査のハードルを下げる

借入額を抑えて審査のハードルを下げる
借入れ金額を抑えると、高額な金額を借りるよりも審査に通りやすくなります。まとまった金額の頭金を用意できない場合には、車両本体価格を抑えるのもひとつの手段です。

中古車の価格は、年式と走行距離が大きく影響しており、車の状態次第で予算内の車を見つけられます。欲しい車種の相場が高くても、年式と走行距離の希望条件を見直すことで、予算内の車両を手に入れられるでしょう。

収入に見合った車を選ぶことは、自社ローンを通過するための重要なポイントです。このようなことから、ローン審査に通過するには、借入れ金額を抑えることが有効な手段だと言えます。

自社ローンを利用する際の注意点は何ですか?
自社ローンは「ローン」と言われていますが、金融商品ではないため金利が発生しません。金利がないと一見お得なように感じられますが、その代わりに手数料や販売価格に料金が上乗せされていることが一般的です。結果的には銀行ローンやディーラーローンよりも総支払額が高くなる傾向があるため、「金利0円」という謳い文句に飛びついてしまわないよう注意が必要です。

カーローン審査で照会される信用情報は主に3つ

カーローン審査で照会される信用情報は主に3つ
カーローン審査を行う際には信用情報機関を通しますが、この信用情報機関は「JICC」「CIC」「KSC」の主に3つの機関があります。それぞれに記録されている内容は異なりますが、信用情報は共有されていることがポイントです。

ここからは、カーローン審査で照会される3つの信用情報について特徴などを詳しく解説します。

JICC(株式会社日本信用情報機構)

JICCは、主に加盟会員である消費者金融業者やクレジットカード会社、ローン会社が利用する個人信用情報機関です。個人の借入れ状況や返済履歴、延滞情報、債務整理の履歴が一定期間登録されます。

特に任意整理が事故情報として登録されることと、消費者金融やキャッシングに関する情報が多く含まれている点が特徴です。

情報の保有期間は5年程度で、カーローン審査を行う際にも照会されることが多いため、過去の金融事故が影響することがあります。

自分の信用情報を確認したい場合は、スマホアプリなどからJICCに開示請求を行うことが可能です。

CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)

CICは、信販会社やクレジットカード会社が加盟する信用情報機関で、主にクレジットやローンの利用歴が登録されています。加盟している団体はJICCとほとんど変わらず、情報登録機関も基本的にJICCとCICは同じです。取り扱う情報は、契約内容や支払い状況、延滞情報、債務整理の履歴などです。

特にクレジットカードの利用状況や、リボ払いの返済履歴などが重視されることが多く、情報の保管期間は5年間です。

カーローン審査でもCICの情報は重要視されるため、過去の延滞や未払いがあると審査通過が難しくなってしまうでしょう。

KSC(全国銀行個人信用情報センター)

KSCは、全国銀行協会が運営する信用情報機関で、主に銀行や信用金庫のローン契約、返済状況が記録されています。取り扱う情報は、住宅ローンや自動車ローンといった銀行系ローンの利用履歴や返済状況、自己破産などの公的手続きに関する情報です。

特に自己破産をした場合、信用情報には10年間記録されるため、他の機関と比べて長期間影響があります。銀行ローンを利用する際に行われる審査は、KSCの情報が照会されます。

利用者自身も情報開示を申し込めるため、ローン審査を受ける前に自分の状況が気になる方は、事前に確認しておきましょう。

自社ローンの返済期間はどのくらいですか?
自社ローンの返済期間は、販売店や契約内容によって異なります。しかし、リスク軽減の観点から、一般的なカーローンに比べて期間が短いことが特徴です。
一般的なカーローンは、7年払いや10年払いなどの長期の支払いも選択可能です。一方、自社ローンの多くは1~5年程度と短く、高額な価格の車を購入しようとすると、毎月の負担額が大きくなってしまうため気をつけましょう。

カーリースの利用もおすすめ!

カーリースの利用もおすすめ!
自社ローンの審査に通れず、現金払いも難しい場合には車の購入は困難です。しかし、カーリースを活用することで、ローンを組んだり高額の現金を用意したりする必要なく、車を利用できます。

カーリースは、車種や契約内容によって月々の支払い金額が異なります。なかにはメンテナンス費用を含んだコースもあり、予定外の出費を抑えられることから、車に関する維持費の負担軽減も可能です。

ローン審査の通過が難しい場合には、カーリースの手段も視野に入れてみることをおすすめします。

まとめ

①債務整理には「任意整理」「自己破産」「個人再生」の3つの種類がある
②債務整理中だと銀行ローンやディーラーローンは基本的に利用できないが、自社ローンだと利用できる可能性がある
③債務整理中に自社ローンを通過するには、保証人を立てたり、頭金を用意したりして審査のハードルを下げることが重要
④信用情報機関は「JICC」「CIC」「KSC」の3つの機関がある
⑤債務整理中でローンを利用できない場合、カーリースを活用するのも一つの手段

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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