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車のリース契約をしていると個人の事情により途中解約をしたくなる可能性もあります。
そこでこの記事では、リース契約中に解約できる条件やその手続き方法を詳しく解説していきます。
カーリースは原則、途中契約解除することができませんが、全損事故や盗難被害など、やむを得ない状況においては可能です。
しかし、解約せずに最後まで乗り切ったほうがカーリースはお得だということを覚えておきましょう。
原則カーリースは途中契約解除が認められていない
カーリースは、契約期間に一定の料金を支払うことで車を借りられるサービスです。
そのメリットは、頭金や諸費用が不要で毎月の支払いが安定することや、新車に乗り続けられることなどが挙げられます。
しかし、カーリースには注意点もあります。その一つが、契約途中に解約することができない点です。
カーリースの契約期間は1〜11年と幅があります。もし長期契約した場合は、その間にライフスタイルの変化や事故などで車が不要になる可能性もあります。
しかし、カーリースでは契約期間の途中解約が原則認められていません。
例外として契約の途中解除ができる場合がありますが、交通事故や盗難被害など、やむを得ない場合のみです。また、契約中の解約は違約金や事務手数料などの費用が発生します。
カーリースを利用する際は、契約期間や保険内容などを確認し、自分のライフスタイルや予算に合ったプランを選ぶようにしましょう。
カーリース契約を途中解除できるケースとは?
カーリースは原則として途中で契約を解除できませんが、やむを得ない状態になった場合は、リース会社の承認のもとで解約することができます。
ただし、その場合でも違約金や事務手数料などの費用が発生することがほとんどです。
この「やむを得ない状態」とは、どのようなケースが当てはまるのか、以下で紹介していきます。
カーリースで借りた車が交通事故などで全損になった場合は強制的に契約解除できますが、その場合でも中途解約金が発生します。
具体的な金額をイメージしてみましょう。
例えば、月額リース料が3万円、残存価格が100万円、契約期間が7年のカーリースを契約して、契約開始から3年後に事故で車が全損になったとします。
この場合、残りのリース料は3万円×12か月×4年=144万円、残存価格は100万円で、合計すると244万円です。
ここから、任意保険の補償金や車両査定価格などが差し引かれます。任意保険の補償金が100万円、車両査定価格が50万円だと仮定します。
その場合、中途解約金は244万円-100万円-50万円=94万円です。
また、この解約金は原則「一括払い」となるので注意しましょう。
カーリースで借りた車が盗難にあってしまった場合も、事故と同様で契約解除ができますが、中途解約金が発生します。
具体的な事例をイメージしてみましょう。
例えば、月額リース料が3万円、残存価格が100万円、契約期間が7年のカーリースを契約して、契約開始から2年後に盗難にあったとします。
この場合、残りのリース料は3万円×12か月×5年=180万円、残存価格は100万円で、合計すると190万円です。
ここから、任意保険の補償金や車両査定価格が差し引かれます。任意保険の補償金が80万円、車両査定価格が80万円だったとします。
その場合、中途解約金は190万円-80万円-80万円=30万円です。
カーリースの契約者が亡くなった場合や病気や障害などで運転ができなくなった場合は原則、契約中断となり相続人が違約金を支払います。
中途解約金の計算は上記で紹介した事故や盗難と同じです。ただし、リース会社が契約者死亡等の場合に中途解約金を免除するサービスを提供している場合、中途解約金は発生しません。
なお、このサービスを利用するには遺族や相続人がリース会社に連絡し、手続きする必要があります。
しかし、やむを得ない事情がある場合には、リース会社の承認を得て契約中の解除ができる場合もあります。
そのケースは例えば、「海外転勤や長期入院などで車を使えなくなった場合」「契約者が亡くなった場合」「リース車両が事故や盗難で全損した場合」「途中解約オプションや返却・借り換え可能な期間が設けられているプランを利用している場合」などが挙げられます。
途中解約する場合の手続きの流れは、まずリース会社に連絡して途中解約の申し出をします。その後、リース会社から必要書類や違約金の見積もりが送られてきます。問題なければ、必要書類を提出し、違約金や事務手数料などを支払い、リース車両を返却します。
途中解約に伴う違約金を理解しよう
カーリースは便利なサービスですが、契約中の解除に伴う違約金は高額です。そのため、契約時には契約期間や保険内容をよく確認しましょう。
また、違約金を抑えるためには「契約期間は短めに設定する」「任意保険に加入する」「乗り換えや返却ができるプランを選ぶ」などの工夫が必要です。
ここからは、違約金の仕組みや返済時の注意点について、詳しく解説していきます。
カーリースの違約金は、残りの契約期間の月額料金や残存価格などから算出されます。
残存価格とは、契約満了時に想定される車の価格のことです。
例えば、月額3万円で7年契約のカーリースを5年で解約した場合、残り2年分の月額料金(72万円)が違約金の基本です。さらに、残存価格や事務手数料などが加算されます。
カーリースの違約金は、原則的に一括返済しなければなりません。分割払いや減額交渉はできますが、リース会社の判断によります。
分割払いや減額交渉をする場合は、途中解約したい理由や収入・貯蓄の状況などを詳しく説明しましょう。また、車両査定価格を高くするために傷やへこみを修理することも有効です。
違約金を抑えるためのポイント
ここからは、違約金を抑えるために知りたいポイントを3つ紹介していきます。
カーリースの契約期間は、3年や5年、11年など長期間の中で選択します。リース会社によっては、半年や1年単位で設定できるサービスもあります。
契約期間は短ければ短いほど、契約中に解約した場合の違約金も少なくなり、ライフスタイルや経済状況の変化にも対応しやすくなります。
カーリース契約は、申込みをする時に自賠責保険に加入した状態です。
この自賠責保険では最低限の補償しかされません。そのため、事故や盗難などで車が全損になった場合、中途解約金の自己負担額が高額になります。
カーリースを利用する際は、広い範囲や高額な補償がある任意保険の加入がおすすめです。商品によっては、リース会社への中途解約金や残存価格の支払い額を補償する特約もあります。
契約開始から一定の期間が経過していれば、乗り換えや返却ができるプランがあります。
リース会社によっては契約期間の途中で車種やグレードの変更や返却ができたり、途中解約オプションを付ける方法があります。
途中解約や乗り換えができるプランは月額料金が割高になりますが、違約金の心配を減らせるメリットがあります。
【途中契約解除とあわせて知りたい】カーリースの途中乗り換えを理解しよう!
カーリースは契約期間中に別の車に変えることができないケースが多数ですが、一部のリース会社では一定年数経過後に違約金なしで乗り換えができるプランがあります。
このようなプランを利用すれば、ライフスタイルや好みの変化に合わせて車を変えられます。しかし、乗り換える時は手続きをしたり注意点もあります。
ここからは、カーリースの途中乗り換えについて理解を深めていきましょう。
一部のリース会社では一定年数経過後に違約金なしで乗り換えができるプランがあります。
例えば、5年契約のカーリースで初回車検から3年以降に、別の車に乗り換えられます。ただし、新しい車に乗り換えるときには、新しい契約期間やリース料を再設定しなければなりません。
リース契約中に乗り換えができるプランを利用する場合、まずはリース会社に連絡して乗り換えの申請をします。この時、乗り換え可能な時期や条件を確認しておくようにしましょう。
次に現在の車両を返却して新しい車両を受け取ります。返却時には車両の状態や走行距離などをチェックされることがあるため、清掃やメンテナンスをしておきましょう。
そして、新しい車両のリース料や契約内容を確認します。リース料は新しい車両の価格や残価設定などによって変わるため、予算や支払い方法に注意してください。
カーリース契約中に乗り換えができるプランは、とても便利ですが、乗り換え後は新しい車両の契約期間満了まで乗り続ける必要があったり、料金が高くなる点に注意しましょう。
そのため、乗り換え後も自分のニーズに合った車かどうかをよく考えて選びましょう。
また、乗り換え後は再度、新しい車両の車検やメンテナンスがリース会社のサポート内であるかどうかを確認しておくようにしましょう。
もし別の車に乗りたくなった場合は、違約金を支払って新たな契約を結ばなければならず、新しい契約では審査や契約手数料なども別途必要です。つまり、乗り換えることはできてもかなりのコストがかかります。
ただし、リース会社や契約プランによっては、契約開始から一定の年数が経過していれば、車の乗り換えや返却ができるケースもあります。
例えば、「途中解約オプションや返却・借り換え可能な期間が設けられているプラン」「リース期間が短く設定されているプラン」「リース期間満了時に車をもらえるオプションがあるプラン」などです。
車のリース契約を損なく活用するポイント
ここからは、カーリース契約を損なく活用するためのポイントを3つ紹介していきます。
カーリース契約をするときは、自分だけでなく家族や同居人などの使用者全員でプランを検討しましょう。
なぜなら、契約期間中に仕事や家族構成などの将来の変化があった場合、今の車では不便になったり、必要以上に費用がかかったりする可能性があるからです。
また、自分では問題ないと思っていても家族に他の考えがあるかもしれません。例えば、パートナーが車の色やデザインにこだわりがある、ペットを乗せたいと思っているなどです。
カーリース契約中の乗り換えは基本的にできませんし、できたとして高額な違約金が発生します。そのため、契約前に使用者全員で話し合ってプランを決定しましょう。
病気、転勤、事故などの予期せぬ事態が起きたときに、カーリース契約を続けられなくなる可能性があります。
カーリースは契約者に万が一のことがあったとしても、原則途中解約できません。そのため、契約時にはリスク対策を行いましょう。
リスクを軽減できるプランの選び方としては、以下の方法があります。
- 病気や死亡の場合は解約金免除や保険金支払いの特約があるリース会社やプランを選ぶ
- 転勤や引越しの場合は地域変更や返却先変更の手数料が安いリース会社やプランを選ぶ
- 事故の場合は修理費用や代車費用を補償するカーリース専用保険やオプションサービスを利用する
リース会社は多数ありますが、プランや料金、サービスなどには大きな差があります。そのため、最初の一社で決定せずに複数の会社から見積もりを取って比較しましょう。
また、比較する際は以下のポイントに注意しましょう。
- 乗り換えや返却ができるプランやカーリース専用保険があるかどうか
- 違約金や解約金の計算方法や支払い方法が明確かどうか
- 車両査定価格が高く設定されているかどうか
リース会社は全国展開しているものや、地元に密着したタイプなど様々です。プランの充実はもちろん、手続きや相談のしやすさも観点に入れて選定しましょう。
カーリースを賢く活用する心得
ここからは、カーリースを賢く使う方法を3つ紹介していきます。
自賠責保険は月額料金に含まれていますが、任意保険は別途加入しなければなりません。
任意保険にはカーリースに対応しているものとそうでないものがあります。カーリースに対応していない任意保険では契約者以外の運転者やリース会社への補償がされません。
そのため、カーリースを利用する場合は必ずカーリース対応の任意保険に加入しましょう。
家族や友人など、第三者が運転していることがバレるとカーリースは自動的に契約解除となり、違約金や残価精算などの費用が請求される恐れがあります。
また、第三者が運転中に事故を起こした場合は任意保険の補償も受けられず、自己責任で全額負担しなければなりません。
そのため、カーリースを利用する場合は、必ず本人のみが運転するようにしましょう。
カーリースは月々定額で車に乗れるメリットがありますが、それだけで決めてしまうと後悔することもあります。
カーリースは最終的に車を所有できませんし、走行距離などに制限があります。そのため、カーリースを利用する前に必ずリースと購入の両方を検討しましょう。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。