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カーリースは初期費用をおさえて車を所有できる便利なしくみです。しかし、車をリース契約していると、傷がついた場合や事故にあった際の対応が自家用車とは異なります。
この記事では、車のリースで傷がついた場合の適切な対処法と絶対にやってはいけないNG行為を解説します。
リース車に傷がついたときに放置や無断修理をしてしまうと返却時にトラブルが起きます。そのため、傷をつけてしまったらリース会社や保険会社、警察に連絡を入れましょう。
安全かつお得にリース車を所有するためにも参考にしてください。
リース車に傷がついた場合は3箇所に必ず連絡すること!
カーリースの車に傷がついてしまったら事故の場合は警察へ連絡し、その後リース会社と保険会社に連絡してください。
連絡をせずに自分で修理すると、契約違反となり追加料金を請求される可能性があります。また、カーリースの車は自分のものではないため普段からより大切に扱いましょう。
契約時には、傷や修理に関するルールや費用をしっかり確認しておくと後々トラブルになりにくく、正しい対応が可能です。
カーリースの車で交通事故を起こした場合、すぐに警察に連絡しましょう。
警察に連絡することで事故の状況や責任の有無などを正式に記録してもらえるため、後から保険会社やリース会社とのやり取りをスムーズにできます。
警察に連絡したら、事故現場で警察官から指示を受けてください。また、相手方や目撃者などから連絡先や証言などを聞いておくとよいでしょう。
また、負傷者がいる場合は救急車も必要です。消防署への連絡もあわせて行いましょう。
リース車はあくまでも借り物のため、傷をつけたら必ず持ち主であるリース会社に連絡してください。リース会社が傷の程度や原因などを確認して、修理方法や修理費用などについて説明を行います。リース会社によっては、指定された修理工場で修理しなければならなかったり、修理前に写真を送ったりする必要があります。間違っても独断で修理してはいけません。
カーリースの車で任意保険に加入していれば、保険会社への連絡も必要です。任意保険は自分の車や相手方の車などにかかる修理費用や損害賠償費用などを補償してくれるため、修理費用の負担を軽減できます。交通事故の場合は、警察から受け取った事故証明書などの書類を保険会社に提出します。
事故発生時は責任の有無や事故の証拠を記録しなければならず、警察への連絡が必須事項です。連絡を怠ると罰せられるため注意してください。
リース車に傷がついたときのNG行為
カーリースの車に傷をつけてしまったら、リース会社の指示を仰がなければなりません。
無許可で修理をしたり放置するのは契約違反になるだけでなく、返却時に高額な支払いに発展する可能性もあります。
あくまでカーリースの車は自分のものではなく、借りているものなので大切に扱いましょう。
ここからは、絶対にやってはいけないNG行為を紹介していきます。
カーリースの車はあくまでリース会社の所有物であり、傷をつけたことを報告しなければ契約違反になります。
どれだけ注意深く運転していても、車に乗っている限り事故を完全に防ぐことは難しいでしょう。
万が一の時にすぐリース会社に連絡すると傷に対しての正しい対応を教えてもらえるため、早めかつ正しい情報の報告が大切です。
カーリースの車に傷をつけてしまった場合の放置は絶対にやめましょう。
傷を放置したことがリース会社に知られると心証が悪くなりますし、追加料金や違約金が発生する恐れがあります。また、最悪の場合は今後同じリース会社を使えなくなるかもしれません。
傷は放置すると錆や故障の原因にもなりかねません。車の価値を維持するためにも傷は早めに修復しましょう。
カーリースの車に傷をつけてしまった場合、自己判断での修理手配は避けましょう。
その理由は、リース会社が指定した修理工場でなければならない可能性があるからです。リース会社は信頼できる修理工場と提携していますし、修理の質や精度も保証されています。
自分で選んだ修理工場で修理した場合は契約違反となり修理費用が負担されないので注意してください。
理由は、下記の4つが挙げられます。
①リース会社が指定した修理工場に依頼する必要があるから
リース会社が信頼できる修理工場と提携しているため、自分で選んだ修理工場で修理した場合は、契約違反になるおそれがあります。
②リース会社が修理前に傷の状況を確認するため
自分で判断して修理した場合は傷の状況がわからなくなってしまうため、高確率でリース会社とのトラブルにつながります。
③リース会社が修理費用を負担する場合があるから
契約によっては、傷の修理費用をリース会社が負担してくれます。しかし、自分で修理してしまうと、修理した立証が難しくなるため完全に自費負担になるリスクがあります。
④契約満了時に修理の質や精度をチェックされる場合があるから
契約満了時には、車の状態をチェックされます。不十分な修理、間違った色や形になっていると、リース会社が再度修理をしなければならないため、追加の費用を請求されます。また、自分で修理したこと自体が契約違反だった場合は賠償金を請求されます。
車の傷の修理費はどれくらい?
車の傷の修理費は、傷の種類や場所、修理方法や業者によって異なります。そのため、ここからは一般的な相場を紹介していきます。
傷を放置すると錆びや割れなどの危険性がありますし、見た目も悪くなるため早めの相談や修理が大切です。
車のガラスに傷がつく原因としては、飛び石や落下物などが考えられます。
ガラスの傷は放置すると割れやすくなったり、視界を妨げたりする危険があります。そのため、修理は早めに行うことが大切です。
ガラスの修理には、傷を埋める「補修」とガラスを交換する「交換」の2種類があります。
補修は小さな傷に対して行われることが多く、専用の樹脂を注入して傷を目立たなくします。補修の費用は数千〜1万円程度です。
交換は500円玉サイズ以上の大きな傷や割れに対して行われることが多く、ガラス自体を新しいものに取り替えます。交換の費用は数万〜10万円以上かかることもあり、ガラスの種類や車種によっても変わります。
特にフロントガラスとリアガラスは傷の大きさや機能によっては全取替で費用負担が大きくなる可能性が高いでしょう。
車のドアに傷がつく原因としては、駐車場での衝突や壁への擦りが考えられます。
ドアの傷は見た目が悪くなるだけでなく放置していると錆びてしまいます。そのため、ドアの修理も早めに行いましょう。
ドアの修理には、塗装を直す「塗装」とへこみを直す「板金」の2種類があります。
塗装は浅い傷や色あせに対して行われることが多く専用のペンやスプレーで色を補います。塗装の費用は数千〜数万円程度です。
板金は深い傷やへこみに対して行われることが多く、専用の道具で形を整えたり、パテで埋めたりします。板金の費用は数万円ほどかかり、傷やへこみが大きい場合には10万円以上かかります。
車のバンパーに傷がつく原因としては、前後方向からの衝突や接触などが考えられます。また、縁石に乗り上げてしまった場合も損傷します。
バンパーは車体を保護する役割がありますが、衝撃を吸収する分、傷やへこみがつきやすい部分でもあります。
バンパーの修理は、ドアの修理と同様に「塗装」と「板金」で行われます。
しかし、傷が大きい場合や割れてしまった場合はバンパー自体を交換します。交換にかかる費用は数万〜10万円以上です。
車のフレームに傷がつく原因としては、大きな事故や衝突などが考えられます。フレームは車体の骨格で安全性や走行性に影響する重要な部分です。
フレームの修理には、傷やへこみを直す「補正」と、フレーム自体を交換する「交換」の2種類があります。
補正は小さな傷やへこみに対して行われることが多く、専用の機械で形を戻します。補正の費用は数万〜10万円程度です。
交換は大きな傷やへこみに対して行われることが多く、フレームの一部や全部を新しいものに取り替えます。交換の費用は10〜100万円以上と大きく差があります。
そして、リース会社から指定された修理業者に連絡して見積もりを依頼しましょう。また、リース会社の公式サイトやブログなどで、傷の例や目安となる金額を紹介しています。これらを参考にするのもよいでしょう。
車に傷をつけてしまっても安心の対策方法
ここからは、車に傷をつけてしまったりなど、もしもの時に備えてできる対策方法を3つ紹介していきます。
車の傷の修理費用は、数千〜数十万円以上とさまざまですが、高額の支払いは辛さを感じます。そんなときに役立つのが任意保険です。
任意保険とは、自動車保険の中で自分の車や相手方の車などにかかる修理費用や損害賠償費用などを補償してくれる保険です。
任意保険に加入していれば、傷の修理費用を一部または全額補償されます。
任意保険は法律で義務付けられているものではありませんが、カーリースの場合は加入が必須となっていることが多いです。
任意保険にはさまざまなプランやオプションがあるため、自分に合わせて選ぶことができます。また、事故やトラブルの際に安心できるだけでなく、リース会社や修理業者とのやり取りもスムーズです。
ただし、修理の際に保険を使った場合は、一定期間等級が下がるため保険料が高くなることを覚えておきましょう。
カーリースの契約方式には、「オープンエンド方式」と「クローズエンド方式」の2種類があります。
オープンエンド方式は、残価を公表した上で契約満了時に車を査定に出し、差額がある場合には残存価格の清算を行います。
クローズエンド方式は、契約時に残価を公表せず、月々の料金を算出する代わりに差額精算を行わない方式です。
カーリースの車に傷がつくことを考えると、クローズエンド方式の方がおすすめです。なぜならオープンエンド方式では傷が残価に影響するからです。
クローズエンド方式では傷の修復は求められますが、残価に影響しないため返却時に追加料金を支払う必要がありません。
ただし、傷が大きすぎる場合や修理しなかった場合は別途費用がかかることもあるため、注意しましょう。
カーリースの車に傷がついた場合は最適な対応を取るために、リース会社に必ず連絡してください。
しかし、リース会社によっては対応が遅かったり、サポートが不十分だったりすることもあります。
トラブルが起きた時に困らないためにも、サポート体制が万全のリース会社を選択しましょう。
サポート体制が万全のリース会社とは、次のような特徴を持つ会社です。
- 事故時に対応が早い
- 常に連絡が取りやすい
- 修理業者を紹介してくれる
- 担当者の説明が明確
見極めるタイミングとしては、見積もり段階や電話で問い合わせた時の対応を確認します。質問に対して明確な回答が得られない場合は、契約時にトラブルにつながる可能性が考えられるため注意しましょう。
カーリースの車が修理をせずに解約になるケースとは?
ここからは修理をすることなく、リース契約が解約される2つのケースを紹介します。
原則としてリース契約の途中解除は認められませんが、場合によっては強制解除になる可能性もあります。
リース車で交通事故や自然災害などで車が全損になると車に価値がなくなるため、リース会社は契約を強制解除します。
この場合、条件によっては違約金や解約金を支払わなければなりません。違約金や解約金は、リース会社が設定した残価と事故時の車の価値との差額になるため、残価が高いほど支払う金額も高くなります。
ただし、全損の判断はリース会社によって異なり、修理費用が残価の50%以上になる場合や修理不可能な場合に全損とみなされるなどさまざまです。
リース車が盗難に遭った場合も全損と同じ扱いとなります。
盗難に遭った場合は、すぐに警察とリース会社に連絡して届け出ましょう。
また、任意保険に加入していればプランによって盗難補償が受けられます。
返却時に困らないために!リース車の使用で注意したいポイント
ここからは、カーリースを利用する際に注意したいポイントを3つ紹介します。
カーリースは便利なサービスですが、車の所有者はリース会社であることを忘れずに、かつ契約内容や使用方法について理解を深めましょう。
カーリースの車には自賠責保険が付帯していますが、これだけでは事故の際に十分な補償が受けられません。そこで、カーリース専用の任意保険に加入することをおすすめします。
カーリース専用の任意保険は、一般的な任意保険と同様に、相手や自分の人身・物損を補償する賠償責任保険や傷害保険、自分の車両を補償する車両保険などがあります。
任意保険に新しく加入する場合、リース会社が保険会社を紹介してくれるケースもあります。選択に迷ったら保険もリース会社のサポートを受けましょう。
カーリースの車は返却時に査定され、事故や修繕歴が金額に反映されます。車の状態を良好に保つために、普段からゆとりある運転を心がけましょう。
具体的にはスピードを出しすぎないこと、時間にゆとりを持ち生活することなどが挙げられます。
時間に追われて無理な運転をすると事故の確率も上がりますし、スピード違反で罰せられます。また、急ブレーキ急発進などは車にも負担がかかり故障や劣化に繋がる可能性が高いです。
車に乗る際は基本的な交通ルールやマナーを守り、安全運転を徹底してください。車の価値を維持するだけでなく、自分の命を守ることにもつながります。
カーリースの車は自分の好きなように使えると思いがちですが、走行距離に制限があったり、駐車場の規定を守る必要があります。
特に走行距離制限を超過すると契約終了時に支払いが発生します。せっかくお得なカーリースを選択したにもかかわらず、追加費用が発生しては本末転倒です。
リースの恩恵を最大限に受けるためにも契約時は制限をクリアできるプランの選択や、安全に駐車できるスペースの確保を意識しましょう。
カーリースの有効活用はプランの選択だけでなく、日々の心がけも重要です。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。