目次
カーリースを利用する際、契約時に「残価設定」するプランが多いですが、この残価設定の仕組みがよくわからない方も少なくありません。
残価とは何か、残価設定するとお得かを知っておくと、カーリース契約時に役に立ちます。残価に関しては2つのリース契約方式があるので、解説していきます。
さらに「残価ありのカーリース」と「残価設定ローン」は、どう違うのか、どちらがお得なのかも比較して見ていきましょう!
車の残価とは?
車の残価というのは残存価格のことで、数年後に予想される車の価値を意味します。
車は新車登録した後、使っていなくても時間の経過と共に価値が下がります。それは、年数が経過して新しいモデルが出れば、古いモデルの車になってしまうからです。また、車を使えばそのぶん部品が劣化し、エンジンにも負荷がかかるので、新車のような走りができなくなっていくのも理由の一つです。
一般的に新車は、3年経過すると新車価格の60~50%まで、5年経過すると新車価格の約30%まで下がるとされています。
例えば、新車で200万円だとすれば、3年後に約100~120万円、5年後には約60万円という価格になるわけです。
ただし、人気の車種であればもう少し残価が高く設定できる可能性はあります。逆に残価が低く見積もられる車種もあるので一概には言えませんが、一般的な価格として把握しておきましょう。
カーリースの料金設定
カーリースは、乗りたい車をリース会社が購入し、リース契約を結んでから毎月決められたリース代を支払って、一定期間リース車を借りて使うというシステムです。
月々かかるリース代は、車両購入費用から残価を差し引き、自賠責保険や自動車税などの維持費を含めた金額を、契約月数で割った額になっています。
また、カーリースには色々なプランがあります。
法定点検や車検、オイル交換やタイヤ交換などのメンテナンスを含むプランの場合は、メンテナンス費用が加算されるので月々のリース代はやや高くなります。もしメンテナンスを含まないプランだと、メンテナンス費用は契約者負担となります。
また、基本的にカーリースでは任意保険は未加入の状態となります。そこで、任意保険付きのプランも選ぶことができます。リース契約時に加入手続きを同時に済ませることができて、任意保険料は月々のリース代に加算されます。
契約終了時の選択肢
カーリース契約が終了した際には、リース車やリース契約を今後どうするかは契約者が選ぶことができます。選択肢としては、以下の4つがあります。
- リース車の返却
- 同じ販売店で新しいリース車に乗り換える
- 同じ車で再リース契約をする
- リース車を買い取る
車を返却する場合、車に傷や凹みがあれば原状回復のための追加金が請求される場合があります。
新しいリース車に乗り換える場合は、一旦契約を終了するので車を返却する場合と同様、追加金を精算する可能性があります。
再リース契約の場合、契約を終了し改めて契約を結び、期間を延長するという形になるでしょう。残価の精算は不要となり、引き続きリース車を使いながら新たに算出されたリース代を支払っていきます。
買い取りの場合は、カーリース契約時の残価分を精算し、所有権変更の手続きをすればマイカーとして使うことは可能です。
また、カーリース会社によっては車をもらえるというプランを提供している所もあります。この場合、残価自体設定されておらず、必要な支払い分はリース代に含まれているので、契約終了時に残価の支払いを求められることはありません。
\クルマがもらえるカーリースなら契約終了時の残価清算不要!/
カーリースにおける残価設定
カーリースではリース会社が契約者の希望する車を代わりに購入します。契約者は車両購入にかかった費用や期間中に発生する税金や自賠責保険料を毎月リース代として契約終了まで支払います。
リース会社は、契約終了後にリース車を返却することを前提に、返却時に予想されるリース車の価格を予め車両購入価格から差し引きます。この時の契約終了時の価格がカーリースでいう「残価」となります。
カーリースのメリットは、残価が設定され車両購入費から差し引くことで、毎月のリース代が安くなるという点です。
カーリースの残価に関する契約方式には「オープンエンド方式」と「クローズエンド方式」の2つがあります。それぞれの特徴を知っておきましょう。
オープンエンド方式は、リース契約時に設定した残価をリース契約者に公開するという契約です。
リース契約終了時は車の傷や凹みの有無、車内の汚れや臭い、破損の有無などを調べて車の価値を出す査定が行われます。車に損傷があれば、査定額は下がる可能性があります。
オープンエンド方式の場合、残価よりもリース契約終了時のリース車の査定額が安くなれば、差額をリース契約者が支払わなければなりません。逆に残価よりも査定額が高くなった場合は、差額を受け取ることも可能です。
残価を契約者に公開するため、リース会社と契約者は相談し、双方の同意が得られれば、残価を高めに設定してリース代を抑えるこもできます。
ただし、契約終了時に残価よりも査定額が低くなる可能性も考慮し、追加金支払い分をリース契約期間中に準備しておいた方が良いでしょう。
クローズドエンド方式は、カーリース契約時に設定した残価をリース契約者に公開しない契約です。そのため、残価がいくらなのかカーリース契約者はわかりません。
ただし、契約終了時の差額の精算責任はリース会社側にあるという点が、オープンエンド方式とは大きく違ってきます。
つまり、残価よりリース契約終了時の査定額が安くても、差額をリース契約者は支払わなくてもよいことになっています。差額の精算がなければ残価を気にすることもなく、契約終了時の車の価格変動を心配しなくてもいいので安心です。
しかし、残価よりリース契約終了時の査定額が高くても、差額分を受け取ることはありません。契約終了時はそのまま車を返却するだけですが、車に著しい傷や凹みなどがあれば、原状回復費を請求される可能性は残されています。
傷つけないように丁寧に扱っていれば、まず問題はないでしょう。ただし、残価が公開されていないためオープンエンド方式とは異なり、残価を支払って買い取ることはできない場合が多いとされています。
リース会社によって細かなルールは異なる場合もあるので、契約内容をしっかり把握しておく必要があります。
残価設定のカーリースはリース代が抑えられる
リース車に残価を設定すれば、車両購入価格から残価を差し引くことができます。そして、リース代の総額をカーリース契約期間で割って月々支払っていくので、結果的に月々のリース代の支払額を抑えることが可能です。つまり、月のリース代の支払いにおける経済的負担を軽減させることができます。
また、オープンエンド方式の場合、カーリース会社と契約者が相談の上、残価を高めに設定することも可能です。そうなれば、毎月のリース代をもっと安くすることもできます。一方で、残価と契約終了時の査定額に差額が生じる可能性があるという点も、覚えておく必要があります。
逆に残価を設定しない、残価なしのプランの場合は、リース代は残価設定の場合よりもやや高めになるでしょう。しかし、契約終了時の査定額との差額を考えなくてもよいという気楽さがあります。
契約時は「数年間リースしたら車を返却しよう」と予定していても、実際に車を使っていると愛着が出てくるものです。「そのままマイカーにしたい!」と思うかもしれません。
そんなときは、リース契約時に設定した残価を精算することで、リース車の買い取りが可能な場合もあります。
ただし、リース会社によってはリース車の買い取りを始めから不可としている所もあります。残価設定なしでリース契約を組みたい場合や、後で買い取りしたいという選択肢を考えているのであれば契約前に確認しておきましょう。
リース車の残価を精算することで車を自分のものにできると、新たに購入するよりは効率的で経済的でもあると言えます。
カーリース契約終了時に行われるリース車の査定では、中古車市場での価格相場も考慮されます。
特にオープンエンド方式では、残価と契約終了時の中古車市場価格の間に差額が生じれば、精算を求められます。
残価は契約終了時のリース車の価格をある程度予想して設定されますが、中古車市場では車の価格が刻一刻と変動していきます。特にモデルチェンジがあれば、人は新しいタイプの車を好む傾向にあるので、中古車市場で価格が下がる可能性もあるでしょう。
そのため、契約終了時にあたる数年後は残価通りの価格であるという保証はありません。残価よりも価格が下がっていれば、差額の支払いが必要です。
逆に人気車種ならば残価よりも価格が上がっている可能性がありますが、その場合は差額分を受け取ることも可能です。
借りていたリース車を契約終了時に返却する際は、ボディに傷や凹みがないかの査定を行います。車内においても汚れや臭いがついていないか、シートなどが破損していないかなどもチェックされるはずです。
リース車には残価が設定されている場合が多く、残価は契約終了時の中古車市場での予想価格を元に決められています。つまり、リース車が中古車として売買できる前提で設定しており、ボディの傷や車内の汚れなどは査定ではマイナス要因になってしまうのです。
もしボディに傷などがあれば、原状回復に必要な費用が追加で請求されます。査定額から差し引かれると残価が下がり、結果的に差額を支払うことになるでしょう。
カーリース契約終了時に請求の可能性がある追加金は、車の傷や凹みなどによる原状回復費用だけではありません。カーリースでは予め「走行距離の上限」が設けられている場合が多く、契約終了時に上限距離を超えていると追加金の請求があります。
走行距離の上限は、月500~1,500㎞とプランによって異なるのが一般的です。年間走行距離の平均が10,000㎞前後だとされているので、普通に車を使っていれば超えることはない設定となりますが、車の使い方によって走行距離設定をする必要があります。
仮に上限を超えれば、1㎞あたり〇円という形で追加金が算出されます。
オープンエンド契約の場合、残価がリース契約者に公開されるので月々のリース代を抑えるためにやや高めに残価を決めることも可能です。
ただし、中古車市場の価格変動や車の状態によっては残価が下がったり、追加金を請求されたりする可能性もあります。残価によるリスクもある程度考慮しながら、よく考えて残価を設定した方が良いでしょう。
また、カーリースでは残価を設定するのが一般的ですが、中には残価なしのプランを設けているリース会社もあります。毎月のリース代がやや高くなりますが、契約終了時の追加金請求の負担は軽減されます。
残価ありか残価なしかを決めるには、「契約年数」や「月のリース代」など経済状態などをトータルで考慮して慎重に検討してください。
残価設定ローンとは?
残価設定はカーリースのみならず、カーローンでも取り入れられています。カーローンでは「残価設定ローン」「残価クレジット」「残クレ」などといった名称で呼ばれています。
ローン返済期間後の車の価値を残価としているのが、残価設定ローンです。残価を差し引いた残りのローン金額を返済月数で分割して支払っていくという仕組みです。
残価の支払いはローンの最終回の支払いまで据え置かれます。ローンの最終回に残価を支払ってマイカーにするか、新しい車に乗り換えて新たにローンを組むかなどの選択肢があります。
残価設定ローンとカーリースでは、料金の支払いの仕組みが大きく異なります。
残価設定ローンは、車両購入価格から残価を差し引いた金額をローンで返済していくという仕組みです。ローンを返済後、残価を精算すれば車を所有することが可能です。残価を支払わずに車を返却する、新たにローンを組んで車を乗り換えるという選択肢もあります。
ただし、残価を含めた元本に対し「利息」がかかるのが特徴であり、普通のマイカーローンよりも利息分の支払いが多くなるかもしれません。
一方で、カーリースは一定期間車を借り、リース代を支払います。借り入れではないので金利はかからない分、ローンよりは支払いの負担は軽減されると言えるでしょう。
残価設定ローンは、短いスパンでの契約が多いとされています。ローン返済期間が長ければその分月々の支払額が抑えられますが、利息の支払いが増えます。そのため、残価設定ローンでは「3~5年」でのローン契約が一般的です。
一方でカーリースは、比較的長期での契約が主流となっています。3年、5年、7年、9年、一番長くて11年での契約プランもあります。カーリースの場合、金利がつかないので長期契約にしたほうが月々のリース代の金額が安くなるのでお得です。
車両本体価格以外に、車の維持費としては税金や保険料などがかかります。
残価設定ローンの場合、ローンに維持費は含まれないので、ローン返済とは別に税金やメンテナンス費用などはその都度自己負担です。
一方でカーリースの場合、税金や自賠責保険料などの一部の維持費はリース代に含まれています。また、メンテナンスつきプランや任意保険付きプランなどを選ぶと、メンテナンス費用は任意保険料などもリース代に含まれるので、家計管理がしやすいというメリットがあります。
「カーリース」と「残価設定ローン」どちらがお得なの?
残価設定ローンの場合、残価はローンの最終回の支払いまで据え置きになりますが、残価を含む車両本体価格に利息がかかります。さらに、税金などの維持費もその都度負担しなければなりません。
一方で、カーリースは借り入れでないので利息は不要です。また、税金などの維持費の一部は、リース代に含まれています。
車種、契約年数、プランなどによって違いはありますが、カーリースの方が家計管理はしやすくお得な点が多いと言えるでしょう。
ただし、残価設定ローンは短期間での乗り換えを行うので故障しにくく、メンテナンス費用が抑えられるといったメリットもあります。新車を短いスパンで乗り換えるというと、どうしてもローン返済額が高くなりがちです。
カーリースは長期の契約が可能であり、長く乗ることで車両購入費を抑えることができます。
どちらがお得か明確には言えない部分がありますが、月のローン返済額を抑えて数年ごとに新車に乗り換えたいという方は「残価設定ローン」、予算内で計画的に好きな車に乗り続けたい方にはカーリースが向いているでしょう。
自身のカーライフにマッチした方法を十分検討して選んでください。
\月々の支払いが終わった後は自分のクルマにしたい方にオススメ/
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。