最近増えてきた個人向けカーリースですが、契約内容によっては点検が含まれるものもあります。そういった契約内容の場合はどのような点検内容があるのか、どこまでの整備が含まれるのかということがわかりにくいという方もいるかもしれません。
そこで、今記事ではカーリースで行われる点検の内容に加えてカーリースのメリットとデメリットなどにフォーカスを当てて解説をします。
また、カーリースにまつわる様々なポイントについても紹介しますので、参考にしてください。
リースのメリットとデメリットについて確認をしよう
カーリースで車を利用すると、どのようなメリットとデメリットがあるのか把握しておくことはとても大切です。
カーリースについて聞いたことはあるけれど、どういった特徴があるのかわからない方のために、カーリースの3つのメリットと2つのデメリットについて紹介していきます。
カーリースのメリット
まずは、カーリースのメリットについて確認をしていきます。
ここで紹介するメリットは以下の3項目です。
- カーリースの費用について
- 点検整備費用について
- 仕事で使う場合の恩恵について
それぞれを詳しく見ていきましょう。
カーリースの最大のメリットは、車にかかるすべての費用がコミコミとなるということです。
車を保有するにあたり、車両代だけでなく、自動車税や自動車重量税、自賠責保険料といった公的な費用を定期的に支払う必要があります。
自動車税は毎年5月、自動車重量税や自賠責保険料は車検のタイミング(新車だと3年、その後は2年ごと)に支払いの時期が訪れ、その際に数万円単位でお金が必要になってきます。
カーリースで車を利用する際には、これらの費用をすべてリース費用に組み込むことができるため、定期的にやってくる支払いもすべて分割して支払うことができるのです。
これにより、毎月の支払い計画もしっかり立てられますし、将来に向けた貯蓄などを計画的にすることができるようになります。
カーリースと聞くと「車が自分のものにならない」というイメージが強いですが、そういったメリットがあります。
車を維持するというのは、大変なことです。車を維持するために法律で定められた法定点検(1年点検)や車検を受ける必要があります。
また、車を構成している部品には、使用頻度や経年劣化で摩耗して消耗してしまう部品というのも多々あります。通常の形で車を購入すると、こういった出費はその都度支払わなければなりません。
しかし、カーリースの場合は、契約内容によって変わってきますが、点検や車検、消耗部品の交換もリース料金に含めることができます。そのため、車の維持費に関する急な出費が発生するという概念が無くなります。
特に消耗部品について詳しく見ていくと、リースの契約に組み込めるのが「エンジンオイル」「ワイパーゴム」「タイヤ」などといった車を使用するうえで必要不可欠で、かつまとまったお金を支払う必要があるものまでリースに組み込むことが可能です。
また、これに加えて「任意保険」についてもカーリースの料金に組み込むことができますので、車に関する支払いを一本化することができるようになります。
カーリースは、仕事で車を使うという方たちにとっても大きなメリットがあります。それは、経費処理の面です。
一般的に、仕事用の車を現金あるいはローンで購入すると経費として処理することができますが、減価償却といって毎年計算をして処理する必要があります。これは、購入した車が「財産」であるという概念があるためです。
一方、カーリースの場合は、経費処理上の観点から財産ではなく「業務機器のレンタル」として処理をすることができます。
もう少しわかりやすい言葉で説明をすると、カーリースの場合はその費用の全額を経費として処理することができるため、節税効果もあるということです。
また、通常の購入だと車両代や整備費用など様々な項目を記載する必要がありますが、リースの場合は1項目で処理することができるため、比較的簡単に処理ができるというメリットもあります。
カーリースのデメリット
次に、カーリースのデメリットについて確認をしていきましょう。
ここではカーリースのデメリットとして以下の2つの視点から理解を深めていきます。
- 自分のものにならない
- 中途解約についての扱い
現金あるいはマイカーローンで車を購入すると、支払期間中は所有権が留保される場合がありますが、完済すると「自分のもの」になります。
しかし、カーリースの場合は、一般的には契約期間が終わったとしても自分のものにはならず「カーリース会社のもの」ということになります。
結果的に、借りものなので自分のものにならないということは覚えておかなければなりません。
カーリースは自動車会社が車を購入し、その車を私たちエンドユーザーに貸し出すという流れで進んでいます。そのため、税金や整備費用などの費用もコミコミにできるというメリットがありますが、その車が気に入ったとしても自分のものにすることができません。
しかし、一部のカーリースにおいては、契約期間が終わったら一定の費用を支払えば車を買い取ることができるものもあります。ただ、この場合はリース料金が割高になってしまうケースもありますので、自分自身の価値観によって決める必要があります。
車について、あくまでも「道具」として捉えるか「自分のもの」として捉えるかということです。
車を購入したけれども転勤や結婚、子供の誕生などでライフスタイルが変化し、その車が必要なくなってしまったということはよくある話です。
そうなってしまった場合は車を売却したり、より大きい(小さい)車に乗り換えたりなどといった方法をとることになりますが、カーリースの場合はやや対応が変わってきます。
カーリースの場合、契約期間中に契約を辞めるには「解約」の手続きが必要となります。
一般的なカーリース契約の場合、まとまった期間契約するから毎月○○円の支払いでといったような形態となっています。
身近なもので例えると携帯電話の2年縛りの契約と同じイメージです。カーリースも携帯電話と同じで、期間中の解約については違約金が発生するものが大半です。
その違約金については契約内容によってまちまちですが、多くが「毎月のリース料金×残りのリース期間(月数)」で違約金が算出されます。
解約時期によっては莫大な違約金が発生する可能性があるということを覚えておくとともに、安易に乗り換えできるという発想を失くしておくことが大切です。
カーリース契約の種類を確認してみよう
カーリースの契約といっても、細分化していくと色々な契約プランが存在してきます。
ここではカーリースの契約について、オーソドックスな2つの契約プランについて確認をしていきます。
1つめのリース契約プランであるファイナンスリースは、カーリースの契約においてはもっともベーシックなプランといえます。
ファイナンスリースでは車を維持するうえでの必要最低限の費用を算出し、それを契約期間で均等に分割し契約者が支払うプランです。
通常のローンとの違いは、定期的に支払う必要がある自動車重量税や自動車税、自賠責保険料を分割で支払うことができるというところです。
そして、ファイナンスリースにはここで紹介した内容に加えて、任意保険をプラスアルファで組み込むこともできるような仕組みもあります。
2つ目のリース契約プランは、メンテナンスリースです。
カーリースにおいて「契約走行距離」をあらかじめ設定しますが、メンテナンスリースではその契約走行距離に応じて必要な点検整備や必要な消耗部品の交換をピックアップして、リース料に組み込みます。
メンテナンスリースの項目として組み込める内容については後述しますが、メインとなるのが「点検整備費用」「油脂類の交換」「消耗品の交換」です。
そして、メンテナンスリースもファイナンスリースと同様に、オプションとして任意保険を組み込むことができます。
メンテナンスリースに含まれる点検項目
メンテナンスリースを契約すると、契約走行距離によって必要な内容が契約に組み込まれると紹介しましたが、実際にはどのような点検項目があるのかについて確認をしていきます。
ここで紹介する項目は、メンテナンスリースにおける必要最低限の部分とオプションとして付加することができる項目についてです。
それぞれどういった内容なのかという点についても解説しますので、確認してみてください。
点検には法律で定められた法定点検がありますが、継続車検整備や法定点検整備の合間に故障を予防し、車を安全快適に使用するために点検整備をする必要があります。この点検が、スケジュール点検です。
スケジュール点検のスパンは、基本的には半年に1回というサイクルで行いますが、契約走行距離が多い場合には3ヶ月に1回という短い期間で行う場合もあります。
点検項目についてはいわゆる日常点検と同等の内容で、灯火類の点灯確認、油脂類の汚れ確認、ワイパーの動作確認などとなります。
メンテナンスリースでは、法定12ヶ月点検が基本プランとして組み込まれています。一般的な車の買い方だと、法定点検は有料点検として10,000円~15,000円くらいかかりますが、あらかじめリース料金に含まれていますので安心です。
メンテナンスリースでは、点検した結果と契約内容を照らし合わせ交換の必要がある消耗品も合わせて交換して、安心安全に車を使用できるように契約した整備工場でメンテナンスを受けられます。
カーリースの契約が3年を超える場合は、普通の車と同様に車検を受ける必要があります。
カーリースにおける車検では、メンテナンスリースであれば整備費用や検査費用、自動車重量税や自賠責保険料といった法定費用についてはすべてカーリースの料金に含まれているため、整備工場に車を持ち込むだけですべてが完結します。
また、車検に必要な書類の準備といった諸手続きもカーリース会社がすべて行ってくれますので、簡単な流れの中で車検を受けることが可能となります。
こちらも契約内容と照らし合わせる必要がありますが、車検の整備において交換が必要な部品があった場合には、カーリース契約内で交換をしてもらえますので安心できます。
メンテナンスリースでは、消耗部品の交換を定期的に行うことをあらかじめ取り決めることができます。
基本的にメンテナンスリースで交換できる消耗部品については、車を構成するすべての部品と考えておけば間違いありません。
具体的に説明をすると、エンジンオイル、オイルエレメント(オイルフィルター)、バッテリーや冷却水、ブレーキオイルやブレーキパッドといった経年劣化に伴う油脂類は基本となります。
これに加えて、車の走行距離や使用状況において消耗するファンベルトなどといった部品についても、必要に応じて交換できるようになっています。
また、これら以外にもタイヤを契約プランに組み込むことができ、タイヤの場合は「契約期間で1回」などといったような回数制限を設けられている場合があります。
寒冷地で車を使用する場合にはスタッドレスタイヤが必要になりますが、こちらは基本プランにオプションとして組み込むことでリース費用で賄うことができます。
メンテナンスリースで定められた消耗部品の交換において、カーリース会社が認めたものについてはリース料金内で賄うことができますが、認められない場合はユーザーが実費を負担することで交換することができます。
例えばエンジンオイルが半年に1回と規定されているけれども3ヶ月ごとに交換したいとユーザーが申し出た場合は、その費用が実費となることもあります。
また、ユーザーの過失でタイヤがパンクしてしまったなどといった場合には、リース契約内で費用を負担してくれないこともあるということは覚えておいた方が良いでしょう。
カーリースで契約して使用している車を「どこで点検してもらうか」ということについて、疑問に思う方もいるかもしれません。
リース車両のメンテナンスは、基本的には「購入したお店(会社)の整備工場」という縛りがあります。
しかし、カーリース契約をしたお店の系列店が自宅や勤務地にある場合は、カーリース会社に所定の手続きをすることで変更をしたり、一時的に入庫して点検整備などを受けたりすることができます。
また、何らかのトラブルが起きたり人間関係が上手くいかなかったりしたため、別の会社の整備工場で整備を受けたいという場合もあるかもしれません。こういった場合は、リース会社と整備工場(会社)間での契約が変わってしまうため基本的にはできません。
これ以外にもカーリース契約中に転勤などで遠方に引っ越しをした場合にどうすればいいのか、ということも考えられます。引っ越す場合は、自宅や勤務地の最寄りにあるカーリース会社と契約している整備工場というのが全国各地にありますので、そちらに指定入庫先を変更してもらうことが可能です。
また、この場合においては「仕様の本拠」が変わることとなりますので、車庫証明の再取得やナンバープレートの変更など手続きが必要となる場合があります。
カーリースの契約ができる場所
最後に、カーリースの契約を行えるお店について確認をしていきましょう。
基本的には車が購入できる場所でもあるカーディーラーとなりますが、最近では自動車の販売も行っている自動車整備工場や、大手のカー用品店でもカーリース事業を行っています。
身近なところでは、ガソリンスタンドを窓口としてカーリース契約を行っている場合もあります。
契約する場所によってリース料金も特典も変わってきますし、ガソリンスタンドでカーリース契約をする場合は給油の際に割引を受けられる場合もありますので、比較検討してみるといいでしょう。
まとめ
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