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お金にまつわる問題として、滞納の問題は多くの方にとって、詳しく知っておきたい問題ではないでしょうか。
うっかり滞納してしまったり、払い忘れたままになっている料金があったりする場合は気をつけなければなりません。
この記事では、滞納と未納の違いに触れ、滞納や未納の料金があるとどうなってしまうのかについて解説し、延滞してしまうことのリスクや延滞しそうな場合の対処法も紹介します。
延滞しないための家計の見直し方法などについても解説しますので、金銭管理を考える参考にしてください。
滞納と未納は意味合いが少しずつ異なる
何かの代金やサービス料金を支払っていない状態を、「滞納」や「未納」という言葉で表現しますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?
例えば、ローンの返済や家賃・公共料金などの支払いが期限までに済んでいない場合に「料金を滞納している」と言ったり、「料金が未納である」と言ったりします。
支払わなければならないお金を支払っていないという意味では滞納も未納も同じですが、厳密には払っていない期間や段階が異なる点に注意が必要です。
滞納と未納の違い
それでは、「滞納」と「未納」はそれぞれどのように定義され、具体的にどう使い分けるのが正しいのでしょうか。
ここからは、滞納と未納の違いについて詳しく解説していきます。
滞納という言葉は、納めなければならない金銭や物品を、定められた期限内に納めないことを指します。
例えば、納付期限までに税金を納めないことを「税金を滞納する」と表現しますが、期限を少しでも過ぎると即座に滞納者と呼ばれるわけでもないようです。
税金の場合は、納付期限を過ぎても納めていない者に対して催告がありますが、そのときにはまだ納めていないだけの「未納」状態となります。その後に督促状が送られる段階になると「滞納」状態となり滞納処分の対象となるのです。
支払い期限や納付期限があるものに対し、支払いが履行されていない場合を、広く「未納」と表現します。
その後に支払い期限を過ぎてしまっても、督促が来ていない場合は未納状態です。支払い期限を一定期間過ぎて督促状が届く段階になっても、請求を無視したり支払いをしなかったりすると、その時点で「滞納」の状態に移行します。
つまり、期限までに支払い義務を果たしていない場合は広く未納と呼ばれますが、その状態が継続し督促状まで送られる段階になると滞納となるのです。
未納から滞納までの流れ
未納の状態が、滞納の状態へと移行するまでには、どのような経緯をたどるのでしょうか。また、未納から滞納へと変わることで、具体的にどのような不利益を被る可能性が生じるのかについても気になるところです。
ここからは、未納から滞納までの流れを紹介します。
公共料金や携帯電話料金、そして税金などによって違いはありますが、支払い期限から一定期間が経過しても支払わない場合には請求書や督促状が送られてきます。
支払いの期日を過ぎると延滞に伴う利息の支払いが発生するため、期限内に支払いを済ませることが大切です。
請求書や督促状は、一般的には葉書やメールで送られてきます。請求内容や支払い期限などの詳細を確認し、不明な点があれば発行元に問い合わせることが重要です。
支払いの意思がある場合は、支払いの計画を立てて、可能な限り迅速に対応しましょう。信用情報にマイナスの影響が出る可能性もあるため、督促状を無視してはいけません。
支払い期限を過ぎ、請求書や督促状が送られてきているにも関わらず、支払いに向けてのアクションを起こさなかった場合は、商品やサービスの停止予告を受けることになるでしょう。
請求書や督促状などで指示された期日までに料金を支払えなかった際には、数日後から十数日後に利用停止を予告する通知書が届くのが一般的です。
料金回収を委託された会社の名義で通知される場合もあるため、知らない会社だからと見逃さないよう注意しなくてはなりません。
料金の滞納状態が続き、督促状や停止予告通知など、たびたびの催促を受けているにも関わらず料金を支払わなかった場合は、商品やサービスの提供が止まって利用できなくなります。
利用停止になるまでの日数はそれぞれ異なりますが、電気やガスは期日を20日経過した時点で、水道は3ヶ月経過した時点で利用停止になる場合が多いようです。
携帯電話やスマートフォンも支払い期限から2〜3週間過ぎると利用停止になりますが、料金を支払うことで以前と同じ電話番号やアドレスを利用できます。
サービスの利用停止やインフラの供給停止を受けてもなお、料金を支払わなかった場合にはどうなるのでしょうか。
利用停止になったからといって、滞納分の料金を払う義務がなくなるわけではありません。
利用停止後も料金の滞納状態が続く場合には、債権回収業者や弁護士・裁判所などの名義で通知が届くようになるでしょう。
これらの通知も無視し続け、支払いに応じない場合には民事訴訟に発展し、給与や財産の差し押さえになる可能性があるため十分に注意が必要です。
延滞を行うリスク
経済的な理由で支払えなかったり、長期間支払いを忘れていたりと、支払いが滞る理由は様々です。
しかし、支払いの延滞には数々のリスクがあり、取り返しのつかない事態に発展する可能性があります。そのため、リスクを正しく理解しておくことが非常に重要です。
ここからは、料金の延滞を行うリスクについて解説します。
支払い期日までに料金を払わずに延滞してしまった場合には、支払いが完了するまでの期間に対して延滞利息が発生します。
延滞している料金そのものに加えて、さらに延滞利息が出費となってしまうため注意が必要です。
延滞利息の金額や計算方法は様々ですが、本来支払うべき料金に追加費用として上乗せされる点では、多くのサービスで共通しています。
延滞期間が長くなるにつれて、延滞利息も高くなるため、早急に支払いを済ませることが大切です。
支払いの延滞は信用情報に傷がつくリスクをはらみ、クレジットカードの発行やローンの申し込みに悪影響が出る可能性もあります。
電気・ガス・水道などの公共料金の延滞で直接、信用情報機関に報告されることはありませんが、クレジットカードで支払っている場合は、クレジットカードの支払い延滞として信用情報に影響するため注意してください。
支払いの延滞は信用情報機関を通じて共有され、カードやローンの審査に受からなくなるなどの弊害をもたらす可能性があります。
クレジットカードで61日以上の滞納がある場合、事故情報として報告されます。
各種料金の延滞を続けていることが周囲に知れると、信頼を失い人間関係の悪化につながるリスクもあります。
公共料金や電話代などの支払い義務を果たさない人は、責任感や倫理観に欠ける人物と評価され、信頼性に疑問を抱かれても無理はないでしょう。
お金の管理に対する信用は、人間関係において大きな影響を与えるため、責任を持って管理する必要があります。
定期的な支払いに備えて金銭管理を徹底し、周囲からの信用を失墜させないようにすべきです。
延滞で起こる具体的な困りごと
料金の支払いを延滞することにより、何ができなくなるのでしょうか。
ここでは、延滞によって発生する具体的な問題について紹介します。思いがけない事態に直面しないよう、正しい情報を把握しておくことが大切です。
クレジットカードで支払っている料金の滞納が続き、信用情報が悪化することにより、クレジットカードが作れなくなるケースがあります。
クレジットカードの新規発行や更新が困難になると、日常生活において様々なデメリットがあるため要注意です。
クレジットカードが作れず現金払いのみの生活になると、オンラインショッピングや海外旅行先での買い物が不便になるだけでなく、レンタカーやホテルの予約など多くの場面で弊害が生じるでしょう。
また、クレジットカード払いによるポイントや特典などの恩恵も受けられなくなり、経済的な損失も感じてしまいます。
カーローンや住宅ローンの審査においては、過去の延滞や滞納の履歴が重要な判断材料となるため、延滞を複数回行っている場合にはローンが組めなくなる可能性があります。信用情報に事故情報(支払いの滞納など)が残っていると、ローンの審査にとって大きなマイナスです。
カーローンが組めなくなると、車を購入する際に現金で支払う必要があり、大きな経済的負担となるでしょう。カーローンの審査に落ちると、将来的に住宅ローンなど他のローンも組めない恐れが出てきます。延滞がある場合には、できるだけ早めに対処を検討することが重要です。
料金を滞納しそうな場合の相談先
料金を滞納することのデメリットは分かっていても、やむを得ない事情により、どうしても滞納しそうな場合はあるでしょう。そのような事態が起こった場合は、どこに相談すべきなのでしょうか。
料金滞納の理由によっては、支払い期限の延長やサービス停止について、相談に乗ってもらえる場合があります。
ここからは、料金を滞納しそうな場合の相談先を紹介します。
公共料金は、支払いを滞納すると督促状や停止予告の通知が届きます。それでも料金を払わない場合には供給停止が行われます。
さらに長期にわたって支払いが滞る場合は、財産の差し押さえや債権回収会社からの取り立ても始まる可能性があります。
電気やガス・水道などの公共料金の支払いができず滞納しそうな場合は、利用している会社や水道局に相談しましょう。
支払いが一時的にできないのであれば、居住地域の自治体に相談し、給付金や公的融資も検討することをおすすめします。
携帯代金の支払いが滞ると、支払い期日を記載した督促状が送られてくるのが一般的です。督促状に記載された支払い期限を過ぎると回線の利用停止通知が届きます。
それでも支払わなかった場合、回線が停止され、通話やインターネットは利用できなくなります。ここからさらに1〜2ヶ月滞納し続けると「強制解約」となり、他社でも新規契約は困難になるでしょう。
強制解約後も支払わなければ、民事訴訟や財産差し押さえの対象となります。
このような最悪の事態を避けるためにも、滞納しそうな場合は契約しているキャリアや弁護士に相談し、現実的な返済計画を伝えることが重要です。
各種ローンの支払いを滞納した場合、滞納から3ヶ月ほど経過すると、金融機関から未払い料金の支払い期限が記載された督促状が送られてきます。
督促状が届いた時点で支払いが困難であるなら、できるだけ早く金融機関に相談し、分割返済の計画を立てましょう。
期限を過ぎたまま滞納から半年ほど経過すると全額返済を要求され、分割返済することが不可能となります。
どうしても返済できない場合は、車や物件の売却なども検討しなくてはならないため、不動産会社や金融機関へ相談することが重要です。
自己破産などの選択肢がある場合は、弁護士への相談も必要となります。
滞納や未納を防ぐには収支の見直しが重要
支払わなくてはならない料金の滞納や未納を防ぐためには、収入と支出のバランスを見直す必要があります。月々の支出が収入を上回らないように生活することで、滞納や未納は起こりにくくなるはずです。
ここからは、収支のバランスを見直し、滞納や未納を減らす方法について解説します。
料金の滞納が起こる主な原因が「お金が足りないこと」であるならば、最も大切なことは収入の範囲内での生活を徹底することです。
毎月の支出が収入を上回っている場合には、使い過ぎているお金がないか見直す必要があります。支払わなければならない料金を把握し、その分をまず確保することが重要です。
何にどれだけのお金を使っているかを記録し、絶対に必要なお金と貯蓄に回すお金を確保することから始めてみましょう。
毎月の支払いに対して収入が不足しがちな場合は、無駄遣いや把握できていない出費がある可能性を考えてみましょう。
もしも無駄な出費が多いのであれば、家計のスリム化を図ることで滞納を予防することが可能です。不要なサブスクの解約や格安スマホへの乗り換えなど、毎月の固定費を削減することから始め、コンビニでの買い物や衝動買いなどの無駄遣いを削減していきましょう。
自分に合った方法を見極めるためにも、お金の専門家に相談してみるのもおすすめです。
無駄遣いや固定費を減らし、家計を見直した上でも収入が足りないのであれば、収入を増やす手段について検討する必要があります。
転職が可能であれば、今よりも収入を増やすために思い切って転職先を探してみても良いでしょう。転職ができない場合は副業という選択肢もあります。
働ける家族がいる場合には、その家族に仕事をしてもらうという手段も有効です。
収入を増やす手段は1つだけではありません。複数の方法を組み合わせ、自分なりの収入アップ方法を見つけてください。
【参考】生活困窮者自立支援制度について
滞納してしまった料金について解決したい場合には、地域の役所や相談窓口を訪ねるのも良い方法です。それぞれの状況に応じて、経済的な問題を解決できる制度を紹介してくれる場合もあるでしょう。
ここからは、滞納問題解決の参考として、生活困窮者自立支援制度について紹介します。
生活困窮者自立支援制度は、経済的に困難な状況にある人々が最低限の生活を送れるよう支援するための制度です。生活を送るために必要な支援を提供することにより、経済的な自立を促すことを目的としています。
具体的な支援として提供されているプログラムは、自立相談支援事業や住居確保給付金・就労準備支援事業などです。
この制度は、滞納問題などの経済的に困難な状況を解決するための支えとなるでしょう。
生活困窮者自立支援制度について詳しく相談したい場合や具体的な支援を受けたい場合は、各自治体で相談を受け付けていますので、居住している地域の役所や窓口を尋ねてみることをおすすめします。
相談はもちろん無料で受けられ、個人の秘密も守られます。生活に困窮している方の様々な悩みを相談できるため、ひとりで悩まずにまずは相談してみることも大切です。
生活困窮者自立支援制度で相談できるのは、どのような場合なのでしょうか。
例えば、生活費が足りない場合や家賃が払えないなど、必要なお金がないという悩みの相談などが挙げられます。その他にも、就ける仕事がなくて収入が得られない、公共料金や税金を滞納しているなど、就労支援や家計改善などの相談も可能です。
家計を立て直すためのアドバイスや、働くための準備に関する相談に乗ってくれるため、経済的な困窮に対して長い目で見た支援をしてくれる制度だと言えるでしょう。
まとめ
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