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車を保有していると必ず発生するものに自動車税があります。
自動車税は毎年4月1日時点に登録がある車に対して課される税金で、1万円程度から5万円程度など車種によって金額が異なります。
しかし、いずれも高い金額であることから滞納してしまったり、支払いが難しいといったこともあるでしょう。
この記事では、自動車税を滞納した場合に起こりうる事態や滞納しないための方法を紹介します。自動車税の支払い計画を明確にし、便利なカーライフを送りましょう。
自動車税を納付しないと最終的に差し押さえになる
結論として、自動車税を支払わず滞納し続けると最終的に財産を差し押さえられる可能性があります。
財産を差し押さえられると日常生活に支障をきたし、周囲からの信頼も低下します。そのため、自動車税を支払わないことはリスクが高いといえるでしょう。
なお、差し押さえの可能性としては、督促状が届いてから10日以内に完納できない場合に発生する傾向があります。
自動車税の納付書が届いたらできる限り早く納付を行い、難しい場合は各機関に相談し、滞納しないよう手続きを行いましょう。
自動車税を支払わない場合に起こる事態
自動車税の支払いは金額が高いため「支払いが難しい」と考える方もいます。しかし、車を所有する限り支払わなければいけません。
ここからは、自動車税を支払わなかった場合に懸念される3つの事態を紹介します。
自動車税を支払わない場合「自動車税納税証明書」が発行されません。この証明書は車検証の発行に関わるものです。そのため、自動車税を支払わないと車検を通すこともできず、公道を走行できなくなってしまいます。
例えば、5月中に自動車税を支払わず、6月末に車検を迎える場合、自動車税を支払っていないと、そもそも車検を通すことができません。そのため、車検が切れる7月からは車を利用できず、通学や通勤に支障をきたすでしょう。
自動車税を納付しないままでいると延滞金が発生します。これは各自治体で定められており、税金を期限までに納めない時に徴収されます。
延滞金は納付期限の翌日から、実際に納付される日までの期間や日数に応じて計算が行われます。割合は様々ですが、納付期限の翌日から1ヶ月までは2.4%。1ヶ月を経過してからは8.7%などと決まっています。
例えば、30,500円の自動車税を納める車の場合を見てみましょう。
1ヶ月間の延滞金は以下のように算出できます。
なお、1ヶ月目以降の延滞金は以下のように算出します。
延滞金は1,000円以下は切り捨てになるものの、滞納期間が5ヶ月を超えると1,000円を超えるため、支払うことになります。
まれに「延滞金が1,000円を超えなければ滞納しても大丈夫では?」と考える方も見られますが、その前に財産の差し押さえが行われる可能性もあります。そのため、自動車税は早めの支払いが必要です。
自動車税を支払わず、督促状が来た後も放置していると、財産の差し押さえに発展して生活に支障をきたします。
財産の差し押さえは、お住まいの自治体の県税事務所から通知が届き、給与や銀行口座、または物で行われます。
給料の差し押さえの場合、働いている企業に通知が行くため、進退をはじめとした大きなトラブルに発展するでしょう。
自動車税を滞納するパターン
ここでは、自動車税を滞納してしまう方に見られる2つのパターンを紹介します。
大きく分けて「お金が足りていないこと」「支払いを忘れていること」が挙げられます。
自動車税は、軽自動車の場合一律10,800円、普通自動車の場合3万円程度からと高額なため、資金を用意できない方もいるでしょう。
特に、自動車税を求める4月から5月は各種税金の支払いが発生したり、新生活で出費がかさむことから「お金の捻出が困難」といった傾向も見られます。
自動車税を納めない理由として「うっかり払い忘れていた」というものが挙げられます。資金はあったとしても納税通知表をなくしてしまったり、支払いそのものを忘れてしまったりといったことがあります。
普段から物をなくしやすい、支払いがルーズで度々滞納する、といった方が該当するでしょう。
自動車税の滞納で差し押さえられる財産
ここからは自動車税の滞納で差し押さえられる財産を4つ紹介します。
財産の差し押さえでは、給料や銀行口座だけでなく自動車そのものや金融資産や貴金属も含まれます。「給料をもらっていないから」「目立った財産はないから」といった場合でも、差し押さえは可能です。
差し押さえの対象として給料が上げられます。
まず勤務先に債務差し押さえ通知表が届き、健康保険など各種社会保険料が引かれた給料から、自動車税滞納分が差し引かれます。
なお、差し引かれる金額は滞納者が生活できる範囲内で設定されており、滞納分を支払い終えるまで継続して差し引かれます。
カーローンのように支払いが終わるまで、給与が目減りすることになるでしょう。
銀行口座にある資産から、自動車税の滞納分を差し押さえられる可能性もあります。
口座を差し押さえられるわけではないため、他の取引は可能です。ただし、一度差し押さえにあった口座を持っている場合、将来的にローンの審査で支障をきたす可能性もあるでしょう。
所得が十分でなかったり、銀行の口座に預貯金がなかったりする場合、自動車そのものが差し押さえられることもあります。
自動車の差し押さえは役所の担当者が立ち合い、タイヤロックを行って自動車を所有者本人が動かせないようにします。
なお、自動車の差し押さえを行っても自動車税の支払いがなされない場合、車は競売にかけられ、手放すことになるでしょう。
自動車の差し押さえは、所有者本人がいなくとも実施されます。その場合は警察官立会のもと行うため、近隣の住民から見られ「あの家は何かあったのではないか?」とネガティブなイメージを持たれる可能性もあるでしょう。
給料や銀行口座、自動車で差し押さえが難しいのであれば、金融資産や贅沢品から差し押さえられる可能性もあります。具体的には株式や不動産、時計や指輪などが挙げられます。
特に、不動産や株式の場合はトラブルが大きくなり、大きな資産を失うため、できる限り避けたいものです。将来に備えて金融資産を持つ前に必要な支払いを行えるようキャッシュフロー体制を今一度確認しましょう。
自動車税を滞納すると、どのような形であっても支払う必要があります。そのため、事態が悪化しないうちに支払うことが大切です。
滞納は自身の生活を困窮させるだけでなく、周囲との関係性悪化の可能性も潜んでいます。
自動車税の金額を紹介
ここからは車の自動車税をコンパクトカーやミニバン、SUVなど様々なジャンルでどれくらい異なるか紹介します。
一口に普通自動車といっても、排気量ごとに自動車税の納める金額が異なります。自分の車や購入したい車の目安を知り、資金計画を立てましょう。
近年燃費の良さと取り回しの良さから人気が高いコンパクトカーにおいても、排気量ごとに自動車税が異なります。また、1つの車種においても排気量が異なり税金が違うといったこともあるようです。
例えば、トヨタのヤリスにおいては排気量が3種類にわかれており、納税額は下記のようになっています。
- ヤリス(1.0Lモデル)…25,000円
- ヤリス(1.5Lモデル)…30,500円
- ヤリス(1.6Lモデル)…36,000円
なお、ヤリスの1.6Lは「GR SPORT」という特別グレードで走行性の高さが特徴的ですが、排気量が大きいことから税金が高めに設定されています。また、ガソリンもレギュラーガソリンでなく、ハイオクガソリンのためランニングコストがかかるでしょう。
他のコンパクトカーにおいては下記の通りです。
- トヨタ アクア(1.5Lモデル)…30,500円
- 日産 ノート(1.2Lモデル)…30,500円
- スズキ スイフト(1.2Lモデル)…30,500円
ファミリー層から人気が高いミニバンにおいても排気量が様々です。ミニバンは一般的にイメージされる大きなものから、コンパクトミニバンと呼ばれる取り回しが良いものまでサイズが多く、それぞれ自動車税にも違いが見られます。
下記では代表的な3車種の税額を紹介します。
- トヨタヴェルファイア(2.5Lモデル)…43,500円
- 日産セレナ(2.0Lモデル)…36,000円
- ホンダフリード(1.5Lモデル)…30,500円
コンパクトミニバンと呼ばれるフリードと、ミニバンの中でも大きめのヴェルファイアでは1万円以上、自動車税の金額が異なります。また、ヴェルファイアにおいては排気量が2.4Lや2.5Lなどと若干の違いが見られるため、車種を比較する際は注意が必要です。
ミニバンにおいてはコンパクトカーと比較して若干燃費性能が劣るため、自動車税とあわせてランニングコストも気にする必要があるでしょう。
近年人気が高いSUVにおいても排気量が大きく異なります。代表的な車種の自動車税は下記の通りです。
- トヨタランドクルーザー(3.5Lモデル)…50,000円
- マツダCX-8(2.5Lモデル)…43,500円
- スバルフォレスター(2.0Lモデル)…36,000円
- ホンダヴェゼル(1.5Lモデル)…30,500円
ランドクルーザーをはじめとしたダイナミックなボディサイズのSUVは、自動車税の金額も高いことから維持費がかかるといえるでしょう。
一口にSUVと言っても1.5Lから3.5Lモデルなど様々であることから、自動車税も大きく異なります。
今回紹介する中で最も高いランドクルーザーと最も低いヴェゼルにおいては、19,500円の差が見られます。例えば、同じ車に10年乗ることを考えるとその差は19万5000円と大きな金額になるでしょう。
自動車税は選ぶ車によって大きく異なることから、車を購入する際に意識したいポイントです。
自動車税を滞納しない方法
ここからは自動車税を滞納しないために知っておきたい3つの方法を紹介します。
自動車税は滞納してから「どのようにして支払おう?」と考えるのではなく、事前に資金繰りを把握したり、積み立てておいたりと準備が必要です。
1つ目の方法として、自動車税を毎月積み立てていくことです。
例えば、30,500円の自動車税の場合、毎月積み立てると1カ月あたり2,500円程度で済みます。毎月金額を準備しておくと、自動車税の支払い時期に慌てずに済むでしょう。
また、ボーナスが出る会社の場合は、ボーナスから自動車税を避けておく方法も有効です。
さらに、自動車税とあわせて注意したいのが車検代です。車検代も10万円程度の費用がかかるため、毎月積み立てておくと、2年に1回の車検時に資金繰りに悩まずに済みます。
2つ目の方法は、自動車税が安い車種を選ぶことです。
例えば、現在希望している車がミニバンの場合であっても、自動車税の支払いに不安を抱える場合は軽自動車やコンパクトカーを選択するといった方法がおすすめです。
どれだけ憧れの車であっても維持できず、手放すことになると購入した意味がなく、悲しい思いをするでしょう。
あらかじめ自動車税や維持費を抑えられる車を選択し、コツコツ積立を行いながら自分の希望の車を購入する方法も良いでしょう。
3つ目の方法は、車を所有せずにカーリースを利用することです。
カーリースであれば月々固定料金で車を使用できるため、自動車税や車検代など、まとまった支払いが発生しません。
また、カーリースのプランによってはメンテナンス代金も含まれていることもあります。そのプランであればオイル交換や各種備品の取り替えなどのお金も別途発生しないため、支払いプランを立てやすいでしょう。
ただし、リースの場合は車を資産として扱えない点に注意が必要です。リースはあくまで「借り物」と理解しましょう。
自動車税の支払いが滞ると信用問題に発展します。もしも自動車税の支払いに自信がない場合は、カーリースの選択肢も検討しましょう。
自動車税に関する悩み
最後に、自動車税に関するよくある悩みについて回答していきます。
自動車税は年に一度のみ支払うもののため、手続きや支払い方法が分からず悩む方もいるでしょう。疑問点を解決し、期限内に支払いを済ませましょう。
自動車税の納税通知書が届かない場合、引っ越しによる住所変更の手続きが済んでいない可能性があります。また、車の所有者が変わった場合に名義変更が済んでいない場合も自分のところに納税通知書が届かないでしょう。
5月上旬あたりに納税通知書が届かない場合は、都道府県税務署や市町村の納税課に連絡が必要です。
納税通知書を紛失してしまったのであれば、都道府県税事務所や市町村区の納税課に連絡し再発行してもらいましょう。
普通自動車の場合は都道府県税事務所で、軽自動車の場合は市町村の納税課です。
再発行に必要な情報は主に下記の通りです。
- 自動車の登録番号や車体番号
- 納税義務者の氏名や住所
- 申請を行う方の電話番号
再発行手続きを車の所有者以外が行う場合、別途委任状などの書類が必要です。
再発行を行う際は、一度電話で必要書類を確認したうえで、手続きに向かいましょう。なお、納税通知書の再発行は無料で行えます。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。