クレジットカードには利用者自らが行う「支払い停止」と、クレジットカード会社による「利用停止」があります。

支払い停止は、商品の購入トラブルが起きた際、支払いを停めてもらえる便利なルールですが、利用停止は支払の延滞などが引き起こす利用者側のトラブルが原因です。

この記事では、この2つの「停止」について詳しく解説していきます。

クレジットカードは支払い停止できる・される

クレジットカードはショッピングから公共料金の支払まで、あらゆる支払いに使えるため非常に便利です。しかし、身に覚えのない購入や支払いを滞納してしまうなど、利用方法に注意も必要です。

クレジットカードは、購入時にトラブルがあった場合、支払いを自分で止められます。逆に、支払いの遅延など利用者側のクレジットカードの使い方によっては、カードの利用をクレジットカード会社側から止められてしまうこともあります。

どのような時に自分で止められるのか、そしてどのような時にクレジットカード会社に止められてしまうのか、カードの利用停止について知っておくことがとても大切です。

クレジットカードを自分で停止できる場合

クレジットカードを自分で停止できる場合
クレジットカードを利用する際、カードを切ってしまうとそのまま支払いが完了してしまう印象がありますが、購入に手違いがあった場合、実はクレジットカードを自分で停止できます。

ここからは、クレジットカードを自分で停止できるケースや、逆に支払停止ができないケース、支払停止の手続きなどについて紹介していきます。

購入したものに問題がある場合

自分が購入した商品が思っていたものと違っていたり、注文した商品が届かなかったりする場合、その問題が解決するまで一時的にクレジットカードの支払を停止できます。

この時いくつか条件があり、リボ払い、分割払い、2回払いで営利目的ではなく個人で購入したものであることが必須です。

もちろん、商品違いも購入者による注文間違いではなく、商品の欠損や注文時の写真と全くの別物が届いた場合など、売り手側に明らかな不手際があった場合に限ります。

また、購入してから入手した情報で詐欺だとわかった場合も支払いを停止できます。

購入してからでも気がかりなことがあれば、一度支払いを停止し問題をクリアにしましょう。

支払停止の抗弁権について

支払停止の抗弁権とは、購入した商品が不良品や欠陥品だった、商品が届かないなどの理由で販売店と購入者間にトラブルが発生している場合、購入者がクレジットカード会社の支払を拒む権利です。

これは割賦販売法で定められており、販売店だけでなく、クレジットカード会社に抗弁を申し出なければなりません。何も申し出ることなく勝手に支払いを止めると、支払い意志がなく料金の延滞扱いになるため注意が必要です。

支払停止の抗弁権は、割賦販売法に定められているローン提携販売と信用購入あっせんで商品を購入した際に行使できます。

ローン提携販売は、商品購入代金を金融機関から借り入れ、分割で支払うことです。

信用購入あっせんもローン提携販売に似ており、クレジット会社が購入者の代わりに代金を払い、購入者は分割で支払うことを言います。そのため、抗弁権は2回払い以上でなければ行使できません。

支払いが停止できない場合

支払い停止ができないケースは、先述した支払停止の抗弁権に該当しない1回払いの時や、1回の支払が4万円未満、国外でクレジットカードを利用した場合などです。また、売買契約が営業目的の場合も支払い停止できません。

支払い停止できないケースにもかからず、どうしても支払いをキャンセルしたい場合は一度支払いが発生してからの返金処理となります。

訪問販売は購入から8日間、連鎖販売取引は20日間クーリングオフがきくため、早めに対応しましょう。ネットショッピングなどの通常の購入方法も8日間は返品が可能です。

ただし、返品返金に関しては販売店の規定があるため、購入前に念のためチェックしておくのがおすすめです。

支払停止の主な手続き

支払停止の手続きは、まず販売店に連絡し問題解決に向けて相談します。問題が解決できなかった場合、各クレジットカード会社の支払停止手続きの仕方にならって手続きしましょう。

申し込みに必要な書類に入力または記入して、クレジットカード会社に届けることになりますが、申し出理由を詳しく書くため、料金明細や購入日時がわかるようにしておくのがおすすめです。

また、販売店に相談したり交渉したりした内容についても詳しく書くことがあります。相談や交渉時もメモを取ったり、録音したりして詳細がわかるようにしておきましょう。

購入した覚えがない経歴がある場合はどうしたら良いですか?

まずは再度本当に購入していないかを確認してみましょう。購入した販売店名とクレジットカードの明細に記載されている取引先の名称が違うこともあります。それでも購入していない場合は、クレジットカード会社に問い合わせましょう。

この時、必ず利用明細に記載があるかを確認しておいてください。利用日からクレジットカード会社の規定日数を超過している明細に関しては問い合わせができないため注意が必要です。
クレジットカード会社のルールに従って手続きするためにも、気付いた時点でクレジットカード会社のHPをチェックするのがおすすめです。

クレジットカードを自分で停止する具体的なシーン

クレジットカードを自分で停止する具体的なシーン
次に、クレジットカードの支払いを自分で停止するケースについて、具体的にどのようなものがあるのか紹介していきます。

支払停止を考えている人は、自分のケースに当てはまるものはないか確認してみましょう。

見本と現物が異なる時

特にインターネットなどの通販で購入した場合、商品写真と届いた現物が違うことが起こり得ます。見本やカタログの商品と現物が全く違う商品だった場合は、クレジットの支払停止を申し込めます。

商品が全く違うケースでは、販売店舗も対応することがほとんどですが、万が一正しい商品を送ってもらえなかったり、販売店と長期で話し合いになったりすることがあれば、支払停止を申し出ましょう。

また、破損や欠損がある商品についても支払停止対象のため、泣き寝入りせずにまずは販売店に相談することから始めてください。

商品がいつまで待っても届かない時

商品がなかなか手元に届かない場合も支払停止の対象です。

ネットなどの通販に限らず、店舗で購入したものなども配送してもらうことはよくあります。支払停止の抗弁権が行使できる事由としては、「商品の引き渡しがない場合」と「商品の引き渡しが遅延した場合」があります。

インターネット上で現在の商品の状況を把握できることもありますが、発送中になっていたり発送済みになっていたりしても明らかに遅延している場合は、抗弁権を行使できるので支払停止を検討してみましょう。

強要されて購入する必要があった時

商品を強要されて購入した、強制的ではなくても購入しないといけない雰囲気だったなど、無理に購入した商品の場合も支払停止が可能です。

販売員側が強制しているつもりはなくても、訪問販売や電話勧誘、知人からの勧誘などでの販売はじっくりと購入を検討する時間がありません。

このような、自分で購入判断できる時間が充分にない購入方法の場合、クーリングオフできます。契約書面が交付された日付から8日以内なら、クーリングオフ期間です。

クーリングオフの申し出をしてから、販売店とのやり取りが長くなりそうな場合は、支払停止も同時に申し込んでおくと安心です。

詐欺だった時

購入した商品やサービスが詐欺だった場合も当然支払停止できます。

詐欺の場合は、販売者と連絡がつかなくなることや、詐欺ではないと主張することで話が拗れることもあります。そうすると、返品・返金の対応も簡単には済まないこともあるため、早めに支払停止は申し出ておきましょう。

また、詐欺の場合は警察にもなるべく速やかに相談してください。他の人が同様に被害をこれから受ける可能性もあります。

詐欺サイトからネットで購入した場合は、クレジットカード情報を読み取られ不正利用される恐れもあるため、クレジットカード自体を停止した方が良い場合もあります。必ず警察か消費者センターに相談しましょう。

クレジットカードが停止される時

クレジットカードが停止される時
これまでは、自分で行うクレジットカードの支払停止について紹介してきましたが、ここからはクレジットカードが停止される場合について解説します。

クレジットカードはどのような時に停められてしまうのか、それぞれのケースにてついて見ていきましょう。

利用可能枠を超えている

利用可能枠を超えていると、クレジットカードが利用停止されます。リボ払いや分割払いを使いすぎていて利用状況を把握していないと、利用可能枠を超過していることに気付きにくくなり注意が必要です。

利用可能枠を超えていても、支払いが1回分済めばその金額分は枠が空きます。リボ払いの場合は、1回の支払い分を少なく設定していることが多く、枠もあまり空かない可能性があるため、しばらく利用ができない状況が続くこともあるでしょう。

有効期限が切れている

これは当然のことですが、有効期限が切れているクレジットカードは使用できません。

クレジットカードは有効期限が切れる1カ月前くらいに新しいカードが届きます。クレジットカードの有効期限が切れていると気付いたら、新しいカードが届いていないか確認してみましょう。

新しいカードが届いていない場合はクレジットカード会社に問い合わせてみてください。

支払いを済ませていない

支払が滞っていると、クレジットカードは利用できなくなります。1カ月分の支払が滞っても、クレジットカードは利用停止されます。

何か月も支払しないまま放っておくと、クレジットカードが強制解約になることもあるでしょう。クレジットカードの支払を延滞すると、遅延損害金が発生し利息分も合わせて支払わなくてはなりません。

また、先述したようにリボ払いや分割払いを繰り返している場合、支払ペースが遅いと利用可能枠も空かなくなり、枠がなければもちろんクレジットカードは利用できません。

クレジットカードの支払を滞らせないためにも、支払可能な範囲でクレジットカードを利用するようにしましょう。

クレジットカードの有効期限が切れる前に通知は来ますか?
クレジットカードの有効期限切れの前に通知は来ません。クレジットカードの有効期限はカード上に記載があります。その有効期限内であれば利用できます。
解約していなければ期限が切れるまでに、新しいクレジットカードが必ず届くため、届いた時点で新しいクレジットカードを使い、古い方は切って捨てましょう。

クレジットカードが停止された場合の対処法

クレジットカードが停止された場合の対処法
クレジットカードが停止されると非常に不便なため、すぐに利用を再開したいところです。

クレジットカードが停止された場合、どのように対処すれば良いのか、すぐにできる対処方法を紹介していきます。

利用明細を確認する

クレジットカードが停止された場合、最初に行うのは利用明細のチェックです。利用枠の限度額を超えてしまっていないか知るためにも、しっかり確認しましょう。

限度額が超えているだけなのであれば、次の支払いで枠が空けばすぐに利用を再開できます。

リボ払いを活用している人は、金銭的に余裕があればある程度一括で支払いすると利用枠も大きく空けられます。一括支払いは、クレジットカード会社に問い合わせて手続きが必要です。

利用限度額に常に達してしまう人は、使用方法について見直しが必要です。

リボ払いは利息もつくため、計画的に利用しなければ借金が膨らむことになります。返済が滞るとクレジットカード停止も免れないため、慎重に利用しましょう。

引き落としができているか確認する

クレジットカードの支払分の金額が銀行口座に入っておらず、引き落としができていなかったこともあります。引き落としができなければ未払いとして、クレジットカードの利用停止対象となります。

引き落としができなかったことに関する通知が来る前に気付いた場合は、速やかにクレジットカード会社に連絡し、支払い方法を相談しましょう。

通知がすでにメールなどで来ている場合は、すぐに支払を完了させましょう。

不明な場合は問い合わせる

自分で調べてみた結果、理由が不明な場合はクレジットカード会社に問い合わせてみましょう。

クレジットカード情報と個人情報が必要になるため、クレジットカードと登録した身分証明書を手元に用意しておくとスムーズです。

クレジットカードをあまり利用していないのに限度額に達している場合も、不正利用の恐れがあるため、原因をクレジットカードに問い合わせるのがおすすめです。

クレジットカードが利用停止になっている理由は延滞?

クレジットカードが利用停止になっている理由は延滞?
クレジットカードが利用停止になっている場合、様々な理由をここまでに紹介してきましたが、なかなか解除されない場合、支払いの「延滞」が理由かもしれません。

支払いの延滞が続くとクレジットカードの強制解約になることもあります。そのようなことが起きた時のリスクや、クレジットカードの支払を延滞するとどのようなことが起こるのか、日常生活に支障が出るのかなどについて解説していきます。

延滞を放置すると信用情報に問題を抱える可能性がある

支払の延滞を放置すると、クレジットカード会社だけでなく信用情報機関にクレジットカード会社から延滞の情報が伝達します。そして、信用情報機関に「遅延」情報が記載されます。

遅延情報が信用情報機関に載ることは、いわゆるブラックリストに載ることと同じ状態です。信用情報に傷が付くと、完済後5年程度は記録が残り、その期間ローン審査に通らなかったり、新しくクレジットカードを作れなかったりするトラブルが発生します。

なるべく延滞しないようにし、延滞してしまった場合もなるべく早く返済しましょう。

日常生活で不便になる可能性も

ブラックリストに載ってしまうと、ローン審査が通らないのはもちろん、クレジットカードも作れません。

クレジットカードの支払延滞によるブラックリスト掲載となれば、既にクレジットカードの利用は停止されているでしょう。そうすると、現金のみの生活となります。

現代社会では、クレジットカードや電子マネーしか使えない店舗も増えているため、日常生活でも不便になる可能性があります。大きな出費もクレジットカードなら分割で対応できますが、現金ならば必ず1回払いになるのも不便だと感じる人が多いでしょう。

信用情報に傷がつくと車の保有はできないのでしょうか?
既に持っている車を保有することは可能です。
車を手放さなければいけない時は、車が財産として判断され、差し押さえにあった場合です。差し押さえは、クレジットカードの支払延滞では起きず、税金の未納や支払延滞時に起こります。そのため、信用情報に傷が付いても車の保有には影響がありません。なお、信用情報に傷がつくと新車を購入する際にカーローンを組めません。そのため、まとまった資金を用意する必要があるでしょう。

まとめ

①クレジットカードは、自分で支払停止することもできるが、クレジットカード会社により利用停止されることもある
②支払停止は購入した商品が見本と違ったり、商品が届かなかったり詐欺だと判明したり、商品に問題があった場合にクレジットカード会社に申し出ると行える
③クレジットカードが利用停止されるのは、利用枠の超過・有効期限切れ・支払の延滞の可能性がある
④クレジットカードの利用停止が発覚した際は、利用枠を超過していないか明細を確認して、引き落としができているか口座を確認し不明な場合は問い合わせる
⑤クレジットカードが長期利用停止されている場合は支払延滞の可能性が高く、支払延滞が長引くと信用情報に傷が付き日常生活も不便になるため注意が必要

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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