ブラックリストというものは大学生には縁がないと思われがちですが、実はそうとも限りません。

大学生でもクレジットカードは作成・使用できますが、支払いやカードローンを滞納すれば当然ながらブラックリストに登録されます。大学生だからといって特別に免除されるわけではありません。

この記事では、大学生のブラックリスト登録について解説します。

大学生でもブラックリストに登録される可能性はある

大学生でもブラックリストに登録される可能性はある
結論として、大学生でもブラックリストには登録されます。

クレジットカードの作成・利用は、大学生でも一定の審査を経て支払い能力があると判断された場合、作成や利用ができます。自身が働いて一定の収入を得ている社会人に比べて審査の難易度は上がるものの、作ることは可能なのです。

大学生でもクレジットカードを使用して支払いの義務が発生すると、期日に利用代金を支払わなければなりません。そのため、支払いを滞納すると信用機関のブラックリストに登録されます。

そもそもブラックリストってなに?

ここからは、そもそもブラックリストとは何かについて、紹介します。

現在在学中の大学生の方でブラックリストというものをよく知らないという方は、以下の情報を参考にしてください。

ブラックリスト=金融事故を起こすこと

一般にクレジットカードにおけるブラックリストとは、信用機関で保管されている信用情報に金融事故の情報が登録されることです。

正確には「ブラックリスト」というものがあるわけではなく、事故情報が登録されることを一般にブラックリストと呼んでいます。

一度、事故情報が登録されると、5年から10年は事故情報が掲載され、分割払い・携帯代金の契約・賃貸の契約・クレジットカードの作成・ローン契約など、さまざまな支払いサービスに支障をきたします。

一度起きた金融事故は5年〜10年保管される

一度ブラックリストに登録されると、信用機関の定める保管期間に基づいて5年〜10年、事故情報が掲載され続けます。

信用機関は主に以下の3つがあります。

  • CIC(株式会社 シー・アイ・シー)
  • JBA(全国銀行個人信用情報センター)
  • JICC(日本信用情報機構)

支払いや返済を滞納した場合は5年程度保管され、自己破産の場合は10年かかることもあるそうです。

基本的にローン契約や大きな金額の分割払いを利用する場合には「審査」というものがあり、サービスを運営する会社は利用申請者の信用情報を審査して、お金を貸すかどうかを判断するのです。

このとき、信用機関に金融事故の情報が登録されていると「支払い能力がない」「支払いを滞納する可能性が高い」とみなされ、審査に落ちてしまう可能性があります。

長期滞納や債務整理で登録される

金融事故が登録される基準は信用機関やサービス会社によって異なります。

基本的には返済や支払い代金の長期滞納、もしくは過去に債務整理の経験があった場合に登録されることがほとんどです。支払いや返済においては「2ヶ月以上の滞納」または「短期の滞納の繰り返し」によって登録される可能性があります。

一度登録されると最大で10年まで登録情報が残るため、近い将来に車または住宅ローンといった大きな買い物をする場合に審査に通らず、購入できない事態に陥ります。

例えば、現在20歳でブラックリストに登録されて情報が10年保管される場合、30歳までは車や住宅の購入でローンを組むのが難しくなってしまいます。

今後のライフイベントによっては、結婚や引っ越しで車や住宅が必要なこともあるでしょう。そんな時期にブラックリストに登録されていると、ローンを組んで大きな買い物ができないため、生活に支障をきたしてしまうのです。

ブラックリストの種類

ブラックリストの種類
ここからは、ブラックリストの種類について解説します。

一口にブラックリストといっても信用機関のブラックリストだけではなく、サービスやローン会社が独自に保管している「社内ブラックリスト」というものも存在します。

基本的に登録されることにはデメリットしかないため、極力滞納や債務整理は避けなければなりません。

信用機関のブラックリスト

信用機関のブラックリストは、前述したようにクレジットカードの支払いやカードローンの返済を滞納したり、債務整理を行ったりすることで登録されます。

対象となるのはクレジットカードの利用だけでなく、カーローン・住宅ローン・奨学金・家賃・キャッシュの借り入れも含まれます。

一度信用機関のブラックリストに登録されると、先ほど申し上げたように各種支払いサービスの利用ができなくなります。そのほかにも遅延損害金や財産の差し押さえのリスクもあります。

社内ブラックリスト

社内ブラックリストは信用機関のブラックリストとは別のもので、特定の会社が独自に設定しているブラックリストのことです。

社内ブラックリストに登録されると、当人が「要注意人物」とみなされ、関連会社のサービスの利用が難しくなります。代表的なものでいうと、携帯代金の滞納です。

各種携帯キャリアには社内ブラックリストが存在し、携帯代金を長期にわたって滞納したり、悪質な踏み倒しを行おうとすると、社内ブラックリストに登録されます。一度登録されると再契約を断られたり、関連サービスを利用できなくなるのです。

信用機関のブラックリストは5年〜10年という保管期間が定められているため、その期間を終えると自動的に登録情報が削除されます。しかし、社内ブラックリストに関しては半永久的に情報が残るため、非常にデメリットが大きいといえます。

ブラックリストに入っているか確認するにはどうしたらいいですか?
信用機関のブラックリストに登録された際、登録の旨を本人に通知されることはありません。そのため、自身で信用機関に開示請求を行って信用情報を確認する必要があります。開示請求の方法は信用機関によって異なるため、過去に滞納した経験のある信用機関にて開示請求を行うとよいでしょう。請求は基本的に郵送とインターネットの2種類から選択できます。

ブラックリストに登録されるとどうなる?

ブラックリストに登録されるとどうなる?
ここからは、ブラックリストに登録されるリスクや、登録されるとどんなことが起こるのかについて紹介します。

ブラックリストの登録は基本的にメリットがありません。一度登録された情報は保管期間の終了まで削除できないため、極力普段の生活でブラックリストに登録されないよう気をつけなければなりません。

クレジットカードの発行・利用ができない

ブラックリストに登録されると、クレジットカードの発行および利用が困難です。

クレジットカードの発行には審査があるため、支払い能力や信用情報を必ず確認されます。このとき、事故情報が登録されているとクレジットカードの会社によっては発行を止められてしまうのです。

また利用においては、基本的に現時点で滞納をしていない限りは利用を続けられますが、滞納の発生からおよそ1週間程度でカードの利用ができなくなります。

滞納を解消しない限り利用を再開できないため、普段の買い物や料金の引き落としにおいて大きなハンデを背負います。

携帯電話の契約ができない

過去に携帯料金を長期滞納して社内ブラックリストに登録されていると、対象の携帯会社を利用できない可能性があります。

また、携帯の契約にも審査があるため、現時点でクレジットカードの支払いを滞納していると契約自体を断られるかもしれません。

とくに大手キャリアの場合は、審査の難易度がほかのキャリアよりも高い傾向にあるため、審査の難易度が比較的低い格安SIMや、審査がそもそもないプランや会社を選ぶ必要があります。

スマートフォンの分割購入ができない

ブラックリストに登録されていると、スマートフォンや高額商品の購入で分割払いが選択できません。基本的に一定金額以上の分割払いには審査があり、ブラックリストに登録されていると分割払いを利用できない可能性があります。

ただし、購入金額が10万円以下の商品に関しては審査の難易度が大きく下がる、もしくは審査そのものがない場合もあります。スマートフォンを購入する場合でも、本体代金が10万円以下の場合はブラックリストに登録されていても契約できる可能性があります。

賃貸契約を結べない

賃貸契約には審査があり、ブラックリストに登録されると住める物件が限定されてしまいます。

大学生の場合は、卒業と同時に現在住んでいる物件を出て行き、新しく賃貸契約を結ぶケースがほとんどです。希望の物件が見つかっても契約審査に落ちてしまうと振り出しに戻るため、新社会人の生活に支障をきたす可能性があります。

たとえ両親や親族を保証人に立てた場合でも、一定ランク以上の物件に住むのは難しくなってしまうでしょう。

ローンを組めない

カーローンや住宅ローンといった各種ローン契約には審査があります。ブラックリストに登録されると高確率でローン審査に落ちてしまうため、車や住宅の購入が困難です。

審査の難易度は契約するローンの種類や会社にもよりますが、それ以上に借入金額が大きく響きます。とくに車や住宅といった類は購入金額が数百万円〜数千万円にもおよぶため、ローン会社側も本人の支払い能力を厳しく見定めます。

「ブラックリストに登録されている」という事実だけで信用力が大幅に落ちてしまうため、審査に落ちやすくなってしまうのです。

両親が債務整理した場合は自分もブラックリストに登録されますか?
自己破産や任意整理といった「債務整理」は、ブラックリストに登録される要因の一つです。しかし、債務整理は当人にしか影響しないため、同居人や家族はブラックリストに登録されません。
ただし、ブラックリストに入った当人は保証人になれないため、なんらかの借り入れの契約で保証人が必要な場合、ブラックリストに登録されていない人を保証人として立てる必要があります。

ブラックリストに登録されないために大学生のうちにできること

ブラックリストに登録されないために大学生のうちにできること
ここからは、学生の間からブラックリスト登録でハンデを背負わないために、今からできる対策について紹介します。

大学生の間は基本的に収入が乏しいため、無理なクレジットカードの使い方をすると支払いが滞りやすくなります。

一度ブラックリストに登録されると今後の人生で大きなハンデを背負わなければならないため、以下の点を意識しながら生活するとよいでしょう。

引き落とし分のお金を先に口座へ入金しておく

クレジットカードの支払いや家賃、光熱費といった銀行口座から引き落とす形式の支払いは、その多くが月末引き落としです。そのため、毎月の初めに引き落とし分のお金を確保しておかないと、月末に金欠状態へ陥ってしまいます。

このような事態を防ぐには、あらかじめ必要金額を月初めから口座に入れておき、残りの金額で生活する意識を心がけましょう。

なお、月末にお金が足りないからといって別のところから再び借り入れをするのは「多重債務」といい、非常に危険な行為です。多重債務は根本的な解決方法ではないため、極力さけるようにしましょう。

家計の収支バランスを見直す

毎月の生活がギリギリで支払いの滞りが頻繁に起きている場合、家計の収支バランスを見直す必要があります。とくに学生のうちは収入力に乏しいため、収入を増やすよりも無駄な支出を減らすことが大切です。

収支バランスの見直しでは固定費と変動費の2点に注目しますが、学生の場合は変動費を中心に改善しましょう。家賃や保険料など毎月固定の金額がかかる支出に関しては、社会人であってもコントロールが難しいものです。

そのため、学生のうちは光熱費や食費といった明日からでも対策ができる変動費のほうがコントロールしやすいのです。

収支バランスを見直す際は、家計簿をつけて支出の状態を把握しましょう。毎日の支出がリストアップされることで、どこにどれぐらいのお金を使っているのかが見え、改善すべき点が見つかります。

アルバイトをする

学生の本分は学業ですが、許容範囲内でアルバイトをするのもおすすめです。毎月の支出に対して収入が足りないのであれば、不足分をアルバイトで補うとよいでしょう。

アルバイトは飲食店や日雇いバイトといった定番のものもおすすめですが、近年はパソコンを使って自宅でできるものもあります。

アルバイトを通してキャリアアップや経験にもつながるため、家計改善の観点以外でも、アルバイトをするのはおすすめです。

クレジットカードを利用しない・作らない

そもそも、クレジットカードを利用しない、もしくは作らなければブラックリストに登録されることはありません。

クレジットカードは現金払いと違って後払いが基本なため、現金よりもお金を使っている感覚が少ない特性をもちます。翌月の支払い金額が想定より多くなってしまったという経験がある方も多いでしょう。

学生のうちから大きな金額が必要な買い物は少ないため、生活においてクレジットカードを作る必要性は低いでしょう。

大学生がクレジットカード利用で注意すべきポイント

大学生がクレジットカード利用で注意すべきポイント
ここからは、大学生がクレジットカードを利用する際に注意すべきポイントについて紹介します。

大学生でもクレジットカードを作成できますが、利用する際は以下の点にご注意ください。

支払いが遅れると遅延損害金が発生する

クレジットカードの支払いを滞納すると「遅延損害金」という延滞料金が発生します。クレジットカードの遅延損害金は発生日から1日経過するごとに発生し、滞納分を返済するまで料金が割り増しされ続けます。

遅延損害金の発生タイミングはクレジットカード会社によりますが、基本的に滞納から1週間程度までは発生しないことがほとんどです。

遅延損害金は年利の形で加算されるため、滞納分の元金が大きいほど、遅延損害金の金額も大きくなります。利率はクレジットカード会社によって異なりますが、およそ14%前後である場合がほとんどです。

少しでも支払いが無理そうならすぐに両親へ相談する

クレジットカードの支払いを滞納すると、遅延損害金やブラックリスト登録などさまざまなリスクが発生します。そのため、少しでも支払いが滞りそうだと判断した場合は、早急に両親に相談してお金を立て替えてもらいましょう。

両親に借金を作ってしまうことにはなりますが、遅延損害金やブラックリストのリスクはなくなります。支払いをすぐに迫られることもなくなるため、自分のペースで両親にお金を返していくとよいでしょう。

滞納が長引くほどデメリットは多い

クレジットカード料金の滞納によるリスクは、遅延損害金やブラックリストの登録だけではありません。学生がクレジットカードを作る際、ほとんどの場合は連帯保証人を立てる必要があります。このとき、登録する連帯保証人は両親である場合がほとんどです。

そのため、クレジットカードの料金を長期滞納すると、遅延損害金や返済額を含めた支払いが両親に請求されます。また、それでも滞納が続く場合、最終的に差し押さえによって銀行口座の残高・給与の天引き・家財の差し押さえによって返済分に充当されます。

支払いの滞納が長引くほどデメリットが大きくなるため、身の丈に合わないカードの利用は控えなければなりません。

ブラックリスト登録は就活に影響しますか?
信用機関の事故情報は、サービスや借り入れの利用時における審査でしか参照されないため、就活には影響しません。

まとめ

①大学生でもクレジットカードの支払いを滞納するとブラックリストに登録される
②学生のうちにブラックリストに登録されるとローンや賃貸契約の審査に通りづらくなるため、20代後半〜30代前半までハンデを背負ってしまう
③そもそも学生のうちからクレジットカードを作る必要はない
④学生のうちは収入が少ないため遅延損害金が発生すると支払いが難しくなる
⑤クレジットカードの支払いを長期滞納すると連帯保証人にも悪影響がでる

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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