車を購入したいと考えても、銀行や信販会社の審査を気にかける方は依然として多いといえます。そこで注目されるのが自社ローンです。
この記事では、自社ローンのメリットとデメリット、利用時の重要な注意点について詳しく解説します。
納得できる車選びを進めるには、支払総額や手数料、販売店の信頼度などを把握しておくことが肝心です。十分に検討を重ねることで、後悔のない契約につながるでしょう。
- 自社ローンは独自審査のため、金融機関のローン審査に通らない人でも利用できる可能性があります。
- 自社ローンは金利ゼロとされる一方で、手数料や保証料が上乗せされ、総支払額が高くなることがあります。
- 自社ローンは審査から納車までが早く、急ぎで車が必要な人には便利です。
- 自社ローンは中古車が中心で選べる車種が限られ、新車購入には不向きな場合があります。
- 自社ローンは支払期間や分割回数に制限があるため、月々の返済額が高くなることがあります。
自社ローンのメリットとデメリットを知っておこう
自社ローンは利用しやすい反面、予想外の負担が生じる場合があります。そのため、事前に特徴を押さえておくことが大切です。
ここからは、自社ローンに関する具体的な内容について紹介します。全体像を把握すると、費用面や審査内容を比較しやすくなるでしょう。
自社ローンのメリット
自社ローンのメリットとしては、審査の通りやすさや利息負担の軽減などが挙げられます。ただし、後から手数料が加わる場合もあるため、総支払額を把握しておくことが不可欠です。
具体的な内容を確認すれば、利用時の判断材料になるでしょう。以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
自社ローンは表面上、銀行や信販会社のローンとは異なり金利がかからない点が魅力です。しかし、保証料や諸手数料が契約時に加算されることが多いため、結局は総支払額が高くなる可能性がある点に注意しましょう。
金利の代わりとなる費用が含まれている場合もあるため、実質的な負担が小さいとは限りません。購入後に「思っていたより総額が増えた」と感じるケースを避けるため、契約前に見積もりを確認し、必要な費用の内訳を細かく把握する必要があります。
車両価格のほか、事務手数料や保証関連の費用が上乗せされる場合は、納得できるかどうかをよく考えることが大切です。金利ゼロのイメージだけに惑わされず、全体のコストを冷静に検討しましょう。
自社ローンの大きな特徴は、収入を基準にした独自審査であることです。金融機関が行う信用情報の厳格なチェックを省く販売店が多いため、一定の収入があれば審査を通過しやすくなります。
アルバイトやパート勤務であっても、安定して所得を得ている場合は利用可能な例も見受けられます。
ただし、どの店舗でも必ず審査を簡略化しているわけではありません。店舗によっては書類の確認や身分証明の提出を求められる場合があります。
嘘の申告が発覚すると契約が取り消されるおそれもあるため、正直に支払い能力を示すことが重要です。このように、店舗によって審査方針は異なるため、条件の合う販売店を選ぶことが利用のカギといえます。
通常のカーローンでは、信販会社の審査や銀行の手続きを踏むため、契約から納車までに時間がかかることが少なくありません。
一方で、自社ローンは販売店独自のチェックだけで済む場合が多いため、審査結果が短期間で出る傾向にあります。早めに車が必要な方にとっては大きなメリットです。
ただし、急いで契約を決めると、車両の状態や総額を十分に確認しないまま話を進めてしまうおそれがあります。後に修理費や追加費用が発生して後悔しないよう、納車までの期間が短いことに安心せず、事前にしっかりと車両情報や支払い条件を把握しておきましょう。
少しでも疑問点があれば、契約前に販売店へ確認する姿勢が大切です。
自社ローンは金融機関からの借り入れではないため、貸金業法の総量規制を直接的に受けません。その結果、すでに他社での借り入れがあってもローンを組める場合があります。
また、返済負担率を厳密に見られることが少ないため、ほかのローンの支払いが残っていても契約できる可能性が高い点はメリットです。
しかし、借り入れが重なれば支払い総額は増えるため、返済が滞るリスクも上がります。安易に複数の借り入れを抱えると、生活費に大きな支障が出るおそれがあるため、注意が必要です。
販売店としては回収リスクを抑えるため、独自のルールや保証人を求めるケースもあります。返済計画を立てたうえで、自分の収支状況に合った車を選ぶことが望ましいでしょう。
ただし、金利負担はないものの保証料や各種手数料が加わり、総支払額が増える場合がある点には注意しましょう。収入状況や利用目的を考え、全体的な費用を見極めたうえで契約しましょう。
自社ローンのデメリット
利便性はありますが、自社ローンには気を付けたい側面が複数あります。保証人の要否や総支払額の増加など、予期しないコストや制限が生じるケースもあるため、十分な検討が必要です。
以下に挙げるデメリットを踏まえたうえで、利用の可否を見極めましょう。
自社ローンは「保証人不要」と謳う店舗も存在しますが、販売店によっては連帯保証人を求められることがあります。その他、保証会社の利用を条件にしているところもあり、その際には手数料が発生する点に注意が必要です。
保証会社を介する審査は銀行系ほど厳格ではない場合もありますが、利用料によって総支払額が上がることが懸念点といえます。一方で、保証人不要と明確に打ち出している店舗でも、金額や契約条件によっては保証人を勧められるケースもあります。
契約前に見積もりや契約内容を細かく確認し、最終的な支払総額を把握しておくことが大切です。
自社ローンを取り扱う販売店では、中古車を主に扱っていることが多く、新車を購入できるケースは限られています。そのため、基本的に中古車を選ぶことになりやすく、走行距離や整備履歴、消耗部品の状態などを詳しく確認しなければいけません。
中古車は購入時点で割安に見えても、維持費やメンテナンス費用が想定以上にかかる場合があるため、実際の出費を正確に試算する必要があります。また、車検の残り期間や次回の点検時期を見落とすと、早期に出費が重なるリスクもあります。
自社ローンで購入する際は、車両そのもののコンディションを販売店としっかり確認してから契約を結ぶよう心がけましょう。
自社ローンは分割回数が限られていることが多いため、1回あたりの返済額が比較的高額になることがあります。
長期返済プランが選べない場合、月々の支払い負担が大きくなり、家計を圧迫する要因となりかねません。特に、他社借入が多い方や不安定な収入で余裕がない方は、分割回数と月々の金額を確認したうえで、無理なく支払えるかを検討すべきです。
契約直後は支払額を把握していても、生活環境が変わると返済が苦しくなるケースも考えられます。事前に十分なシミュレーションを行い、最適な返済プランを見つける努力が大切です。
自社ローンは金利が発生しない代わりに、販売店独自の手数料や保証関連の費用を加算していることが多く、結果として通常のカーローンより総支払額が増える場合があります。
また、販売店によっては車両本体価格を相場より高めに設定している可能性もあるため、複数の店舗を比較するなど事前リサーチが重要です。
金利ゼロに魅力を感じても、実質的な費用負担は別の形で生じるかもしれません。購入後に「カーローンのほうが安かった」と感じないためにも、契約前に明細を確認し、総額をチェックしておくことが必要です。
自社ローンでは、完済まで車両の所有権が販売店側に留保されることが多く、中途解約や売却が難しい点に注意が必要です。
支払い途中で手放そうとしても、自分の名義になっていないため制約が生じます。また、販売店の経営状態によっては、予期せず車両が差し押さえられるリスクもあるでしょう。
銀行ローンでも所有権留保が見られる場合はありますが、自社ローンは店舗独自の制度や経営状況に大きく左右される可能性がある点が特徴です。信頼できる販売店を選ぶことに加え、契約前に所有権に関する規定を必ず確認しておきましょう。
自社ローンを扱う店舗は中古車中心の業者が多く、新車を取り扱う例は少ないのが現状です。また、希望する車種やグレードが自社ローンの対象外となる場合もあり、選択肢が限られることがあります。
販売店によっては借入限度額に上限が設定されているケースもあるため、高年式や高価格帯の車は契約できないことも少なくありません。
選べる車が少ない状態で妥協してしまうと、購入後に「他の方法にすればよかった」と後悔するリスクが高まります。新車や様々な車種を検討したい方は、通常のカーローンや他の手段との比較検討をおすすめします。
審査のハードルが低いといわれる自社ローンですが、支払いを滞納すると販売店が迅速に対応する場合があります。契約時に車両へGPSを搭載している事例もあり、延滞が続くとエンジンを遠隔停止され、車を引き上げられるケースが報告されています。
通常のローンよりも取り立てが厳しい理由は、販売店が独自のリスク管理を行う必要があるためです。
支払いが厳しくなった場合、放置せず早めに相談すれば柔軟な対応を得られることもありますが、連絡がないまま延滞が長引くと強制的に車を回収されるおそれがあります。
自社ローンは通常の金融機関ローンと流れが異なる部分があり、販売店によって独自のルールが存在する場合も少なくありません。契約前の疑問点はあらかじめ解消しておき、キャンセルのリスクを減らすことが得策です。
自社ローンを利用する際の注意点
自社ローンには魅力的な面がありますが、リスクやデメリットも考慮しなければなりません。購入後のトラブルを避けるには、契約前の下調べや事前確認が不可欠です。
ここからは、利用時に押さえるべき注意点について詳しく解説します。
中古車を自社ローンで購入する際は、車検の残り期間をしっかりチェックしておくことが基本です。残りが短い場合、取得後すぐに車検費用を負担する可能性があるため、初期費用だけを見て「安い」と判断するのは危険といえます。
また、経年による部品交換や整備費用が重なると、結果的に大きな支出が発生する場合があります。購入前に販売店から車検証のコピーや整備履歴の説明を受けるなど、車両状態を具体的に把握する努力が必要です。
事前に把握できないまま契約してしまうと、予想外の経費が重なり返済を圧迫するかもしれません。
中古車購入時には、販売店が設定している補償内容や期間を必ず把握しておくことが大切です。一部の店舗ではエンジンやミッションなど主要部品のみを対象に短期間の保証を付けているケースがあり、細かな部品は補償外とされることがあります。
購入後すぐに故障した場合でも、対象外なら修理費が自己負担になるかもしれません。延長保証プランを用意している店舗もあるため、その費用と補償内容を比較検討し、必要に応じて加入を検討すると安心です。
車を長く乗り続ける予定の場合、補償の有無や範囲が大きな差を生むことになるでしょう。
自社ローンは頭金の有無を選択できる店舗もありますが、頭金を支払うことで月々の返済額を減らせることは確かです。逆に頭金不要プランを選ぶと初期費用を抑えやすい反面、毎月の負担が膨らむ傾向にあるため、長期的な支出を計算したうえで判断する必要があります。
さらに、登録費や税金、保証関連の諸費用は店舗により異なるため、見積もりで明細を確認し、合計金額を整理しておくことが重要です。
契約後に「これほどかかるとは思わなかった」などの事態を避けるため、初期費用の内訳を契約前に明確にしておきましょう。
自社ローンを利用する際、車両本体の価格設定が相場より高額になっていないかを確かめることがポイントです。店舗によっては整備費用や保証を含む形で販売しているケースもあれば、単に上乗せしているだけのケースも存在します。
インターネットなどで同車種・同年式の価格相場をあらかじめ調べると、適正価格かどうかを判断しやすくなるでしょう。
もし価格差が大きい場合は、その理由を販売店に確認するか、他の店舗と比較検討してから決めることをおすすめします。納得したうえで契約を結べば、後々のトラブルを回避しやすくなります。
連帯保証人を付けられるなら、さらに通過率が上がる可能性があるでしょう。また、頭金の用意が可能であれば、毎月の負担や販売店のリスクを軽減する意味でも有効です。
自社ローンが使える店舗を探すポイント
自社ローンを検討する場合、対応店舗を見つけるだけでなく、その店舗が信頼に値するかを慎重に見極める姿勢が欠かせません。
実績やスタッフの対応、保証制度などを確認し、自分に合った条件を提示している店舗を選ぶことが重要です。下記では、具体的なポイントを解説します。
自社ローンに対応している中古車販売店を選ぶ際は、口コミや評判を調べると店舗の特徴が見えやすくなります。
利用者が多い店舗は、良い点や悪い点が集まりやすいため、判断材料としておすすめです。また、公式サイトやSNSなどで過去の事例や接客の様子を把握できる場合もあります。
評価が極端に良い場合は宣伝色が強い可能性もあるため、複数の情報源を比較検討しながら、信頼できる店舗かどうかを確認しておくことが大切です。
自社ローンは購入者と店舗のやり取りが重要になるため、担当者の対応力が契約後の満足度を左右します。
予算や希望条件のヒアリングを丁寧に行い、不明点に明確な回答をしてくれる担当者なら、安心して契約を進めやすいでしょう。一方で、断定的な話ばかりを繰り返したり、説明が曖昧だったりする場合は注意が必要です。
購入後に発生するトラブルを避けるためにも、事前のコミュニケーションで担当者を見極めましょう。
自社ローンを利用しなくても車を持つ方法がある
自社ローン以外の選択肢として、初期費用が不要で毎月定額のカーリースを検討する方法もあります。
保険やメンテナンス費用が月額に含まれるプランを選ぶことで、車にかかる維持費を一定にしやすい点がメリットです。
審査は存在しますが、銀行ローンほど厳しくない傾向もあり、月々の負担額が明確になりやすいため、予算管理が苦手な方やまとまった資金を用意しにくい方に向いています。
まとめ

カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。