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自社ローンをはじめとする車のローンには、様々な特徴があります。しかし、ローンが残っている状態で車を乗り換える際には、注意すべき点や手続きが多く、慎重に進めなくてはなりません。
この記事では「自社ローン」「ディーラーローン」「銀行ローン」の特徴や、ローンが残っている状態で車を乗り換えるメリットと注意点について詳しく解説します。
また、乗り換えをスムーズに行うための流れやポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
- 自社ローンから銀行ローンに乗り換えることで、金利を抑えられる場合があります。
- 乗り換え時には、既存ローン残高の全額返済を求められるケースが多くあります。
- 乗り換えによるローンの条件変更には審査が必要で、手続きに時間がかかる可能性があります。
- 乗り換えを行う場合、残債が新たなローンに組み込まれることがあるため、月々の返済額に注意が必要です。
- 自社ローンは審査が緩いため、過去の信用情報に問題があっても乗り換えしやすいが、その分条件が悪くなる可能性があります。
- 車の所有権留保がある場合、乗り換えをおこう前に所有権を解除する手続きが必要です。
自社ローンをはじめとした各ローンの乗り換えについて把握しよう!
自社ローンやカーローンを利用して車を購入した方でも、途中でローンを乗り換えることは可能です。特に、返済条件が厳しく感じるようになった場合や、金利が低い他のローンに切り替えたい時には、乗り換えによって家計の負担を軽減できます。
「乗り換え」と聞くと手間や制限が多いように感じますが、正しい知識を持てば安心して手続きを進められるでしょう。
ローンが残っていても車の乗り換えはできる
車のローンが残っていても、車を買い替えることは不可能ではありません。
多くの人は、ローンが完済していなければ車を売却したり、乗り換えたりできないと思いがちです。しかし、一定の手順を踏めば、ローン中でも新たな車への乗り換えが可能なのです。
ここからは、ローンが残った車の乗り換えに関して、注意すべきポイントや必要な確認事項について解説します。
ローンが残っている車を乗り換えるには、まず車の「所有者」が誰かを確認しなければなりません。車検証に記載されている名義が購入者本人であれば、手続きは比較的スムーズに進みます。
しかし、名義が販売会社や信販会社になっている場合、その会社が「所有権者」として車に対する法的な権利を持っています。この場合、その会社の同意なしに車を売却したり、乗り換えを進めたりなど、勝手に手続きはできないのです。
そのため、車検証を確認し、自分の名義になっていない場合は、販売元に連絡して対応の方法を相談しましょう。
ローンを完済していない車には「所有権留保」が設定されていることが多く、そのままでは売却できません。
所有権留保とは、ローンの返済が終わるまでの間、車の所有権が販売会社や信販会社にある状態を指します。この制度は、債務者が返済を滞納した場合に、貸し手が車を回収できるようにするためのものです。従って、ローンを完済するまではその車を自由に売ったり、名義変更したりできません。
乗り換えを行うには、まず現在のローンを全額返済し、販売会社から「所有権解除の書類」を受け取ってください。解除後は車の名義を自分に変更した上で売却や下取りを自由に進められます。
車のローン会社は大きく分けて3種類
車のローンを契約する時には、どの金融機関を選ぶかによって返済条件が大きく変わります。ローン会社には「自社ローン」「ディーラーローン」「銀行ローン」の3種類があり、それぞれ特徴と注意点が異なります。
ローンの乗り換えを検討する際にも、現在利用しているローンの種類を正しく把握することが重要です。
ここからは、それぞれのローンについて詳しく解説します。
自社ローンは審査が比較的甘く、金利がかからない点が大きな魅力です。特に、過去に金融事故歴がある人や現在の収入に不安がある人でも通過しやすい傾向にあります。
さらに、販売店が直接ローンを組むため、通常の金融機関を介さずに契約できる点もメリットです。
ただし、自社ローンは車両価格に金利相当の手数料が含まれている場合があるため、総支払額が高くなる可能性があります。また、所有権が販売会社側にあるケースが多く、途中で車を売却したり乗り換えたりする際に手間がかかる点にも注意が必要です。
安易に契約せず、契約内容を事前に確認しておきましょう。
ディーラーローンは、車を購入するその場で申し込める利便性の高さが特徴です。ディーラーが提携する信販会社とそのまま契約できるため、スピーディーに手続きを進められます。
さらに、月々の支払い額も車両価格と合わせて計算されるため、支払いの見通しが立てやすいのもメリットです。
ただし、金利は銀行ローンより高めに設定されていることが多く、トータルコストがかさむ可能性があります。また、所有権が信販会社に設定されるケースが一般的であるため、ローン完済まで名義が自分にならない点にも注意が必要です。
利便性とコストのバランスを見極めた上で選ぶようにしましょう。
銀行系ローンは、金利の低さと契約者本人が車の所有権を持てる点が最大の強みです。他のローンと比べて審査は厳しい傾向にあるものの、返済総額を抑えたい人には有利な選択肢といえます。
さらに、審査に通過すれば、自分名義の車として所有できるため、将来的な売却や乗り換えの自由度が高くなるのもメリットです。また、金融機関からの信用もあるため、契約の透明性が高い点も安心材料の1つです。
ただし、審査期間が長く、即日での契約は難しい可能性があります。そのため、スピードよりも条件を重視したい方にとっては、非常に合理的なローンといえるでしょう。
ただし、金利や車両価格などの条件をよく確認することが大切です。
ローンが残っている状態で車を乗り換えるメリット
ローンを返済中でも車を乗り換えることで、多くのメリットを得られます。
一見するとリスクがあるように思えるかもしれません。しかし、タイミングや車種によっては結果的に経済的な選択になる場合もあります。
ここからは、ローンが残っていても乗り換えを行うことで得られる代表的なメリットについて解説します。
乗り換えることで、故障や不具合に悩まされるリスクが大きく減少します。年数が経過した車はどうしてもトラブルが増え、メンテナンス費用もかさみがちです。
そこで、ローンが残っていても新しい車に替えると、修理代や点検費用などの支出を抑えられるのです。さらに、保証付きの中古車や新車であれば、数年間は整備費用の心配をせずに乗れます。
車の維持に手間をかけたくない人ほど、早めの乗り換えがおすすめです。
燃費の優れた車に替えることで、日々のガソリン代を大幅に節約できます。
近年ではハイブリッドやEV(電気自動車)など、省エネ性能に優れた車が増えています。そのため、旧型の車を使い続けるよりも、燃費の良い車に乗り換えたほうが、長期的にみて家計に優しい選択になるのです。
また、走行性能や静音性も向上しているため、移動中の快適さも大きなメリットです。日々の燃料代に悩んでいるなら、乗り換えによるコスト削減を考えてみてはいかがでしょうか。
車の価値が低くなる前に売却すれば、高値での買取や下取りが期待できます。一般的に、車は年式が古くなったり走行距離が増えたりすると、査定額が大きく下がってしまいます。
そのため、価値が残っているうちに乗り換える方が、結果的に次の車の購入費用に余裕を持たせることにつながるのです。特に、人気車種や高年式の車であれば、市場価格も高くなりやすいため、有利な条件での売却が可能です。
高く売れるタイミングを見極めて動くことが、乗り換え成功のポイントになるため、動向をこまめにチェックしておきましょう。
生活環境の変化に応じて車を見直すことで、使い勝手が格段に向上します。
例えば、結婚や出産などで家族が増えた場合は、ミニバンやSUVのような広い車が必要です。反対に、子どもが独立した後であれば、小回りが利くコンパクトカーや燃費重視の車に変更するのが合理的といえます。
また、通勤距離の変化や引っ越しといった場面でも、車を乗り換えることで日常生活の快適さが向上するでしょう。
このように、ライフステージに応じた柔軟な選択が可能になるのが、乗り換えの大きなメリットです。
ローンが残っている状態で車を乗り換える際の注意点
車を乗り換える際には、メリットだけでなく慎重に考えるべき注意点もあります。特に、ローンの残債がある状態での乗り換えは、手続きや資金面で思わぬ落とし穴があるため、事前の準備と情報収集が非常に重要です。
ここからは、ローンが残っている状態で車を乗り換える際、特に注意すべきポイントについて解説します。
ローンを繰り上げて返済する場合、予想外の手数料が発生する可能性があります。ローン契約には「繰上げ返済手数料」が定められている場合があり、これが数万円にのぼることも少なくありません。
そのため、ローンの残債を精算する前に、必ず契約内容を確認し、どの程度の負担が発生するのかを把握しておきましょう。安易に乗り換えを進めると、余計なコストを支払うことになりかねません。
安心して手続きを進めるためにも、事前確認を怠らないようにしてください。
一括返済によって貯金が大幅に減ると、生活資金に支障をきたすおそれがあります。なぜなら、乗り換えの際に、残っているローンをまとめて返済すると、手元の現金が一時的に大きく目減りしてしまうためです。
特に、予備費や緊急資金としての貯蓄を崩すことになると、急な医療費や生活費の変動に対応できなくなるリスクが高まります。そのため、家計全体を見渡した上で、一括返済が可能なタイミングかどうかを冷静に判断するようにしましょう。
残債が残る状態での申し込みでは、次のローン審査に通らない可能性があります。現在のローンを完済していないまま次の車両をローンで購入しようとすると、金融機関から「オーバーローン」と判断され、審査が厳しくなります。
オーバーローンとは、ローン借入額や残高が、ローンの対象となっているものを上回っている状態のことです。特に、信用情報に問題がある場合や、返済比率が高い場合は、希望のローンが組めなくなる可能性もあります。
もし、新たなローンを予定している場合、乗り換え前に現在のローン状況と信用情報を確認しておきましょう。
ローンが残っている状態で車を乗り換える際の流れ
ローンが残っている車でも、手順を踏めばスムーズに乗り換えを進められます。ただし、名義や所有権の扱いによって必要な手続きが異なり、計画なしでは思わぬトラブルに発展する可能性があるため、注意が必要です。
ここでは、ローンが残っている車を乗り換える際の基本的な流れについて解説します。
最初に確認すべ項目は、車検証に記載されている所有者の名義です。名義が自分自身であれば手続きは比較的簡単ですが、ローン会社や販売店など第三者名義になっている場合は、売却や名義変更に制約が発生します。
所有者が誰であるかによって今後の流れが変わってくるため、乗り換えを検討し始めたら早い段階で車検証を確認しておきましょう。
車が「所有権留保」されている場合、勝手に売却できません。
所有権留保とは、ローン完済まで正式な所有者がローン会社や販売店であることを意味します。これがあると名義変更にも制限がかるため注意してください。
あらかじめ契約書やローン明細を確認し、所有権が留保されているかどうかを把握しておきましょう。たとえ完済している場合でも、手続きを取らなければ所有権は自分に移りません。
車の売却によって得られる金額とローンの残債を比べることが、乗り換え成功のポイントです。査定額が残債を上回る場合、その差額を新しい車の購入費に充てられます。
一方で、残債が上回る場合は差額を現金で補填するか、新たなローンに組み込むなどの対策が求められます。
この比較を行わずに乗り換えを進めると、思わぬ資金不足に陥るリスクがあるため、事前に確認しておきましょう。
新しい車のローンは、今の返済状況や収入に見合ったものを選びましょう。
現ローンの残債と新たに必要な資金を合わせた「オーバーローン」にすると、毎月の支払いが高額になり、家計を圧迫する可能性があります。そのため、自社ローンや銀行系ローンなどの選択肢を検討し、無理のない支払い計画を立てることが重要です。
今後の生活に支障をきたさないよう、慎重にローン設計を行いましょう。
所有権解除や名義変更には、多くの書類と段階的な手続きが必要です。例えば、所有権解除にはローン会社からの書類が求められ、名義変更には車検証や印鑑証明などを事前に用意しなくてはなりません。
これらの準備を怠ると、乗り換えスケジュールが大幅にずれる原因になります。スムーズに手続きを進めるためにも、必要書類を事前に調べて確実に揃えておきましょう。
まとめ

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