信用回復ローンは返済後、完済実績を信用情報機関に記録されることが特徴です。金融トラブルがあっても、完済した実績を残すことで今後のローン審査のプラス材料として活用できるメリットがあります。

この記事では、信用回復ローン返済後の影響や、ブラックリスト・信用情報機関の仕組みなどを詳しく解説します。

また、ローン審査に自信のない方におすすめな「カーリース」の選択肢についても紹介しているため、信用回復ローン返済後について気になっている方は、参考にしてみてください。

信用回復ローンの仕組みを理解して上手く活用しよう

信用回復ローンの仕組みを理解して上手く活用しよう
信用回復ローンは信用情報の回復を目的としていることから、返済後には新たにローン審査やクレジットカードの作成を予定している方も多いでしょう。

この記事を最後まで読むことで、信用回復ローン返済後の動向や利用時の注意点などが理解できます。信用回復ローンについて気になっている方は、最後まで目を通してみてください。

ブラックリストとは?

ブラックリストとは?
クレジットカードを新規作成するときや、車のローン審査を受けるときなど「ブラックリスト」というワードを見聞きしたことのある方も多いでしょう。

ブラックリストとは、実際にそのようなリストがあるわけではなく、金融トラブルの履歴が残っていることを表しています。

ここからは、ブラックリストとは何なのか、基本情報や登録されてしまう条件などについて解説します。

支払いが滞ると事故情報が登録される

債務整理を行ったり、支払いが複数回期日に間に合わなかったりすると、金融トラブルとして登録されます。

「ブラックリスト」と聞くと、そのような情報を一覧にしたものがあるのかと感じてしまいがちですが、実際にはブラックリストというものは存在しません。つまり、ブラックリストはその人に事故歴があることを意味しており、信用情報がクリアではない状態です。

一度登録されてしまうと数年は事故情報の履歴が消えずに、ローン審査や新規クレジットカードの作成が困難になります。生活においてあらゆる不便をきたしてしまうため、ブラックリストに登録されないよう努めることが前提として重要です。

信用情報機関に登録される情報は5年

ブラックリストに登録されたからといって、「今後一生元に戻せない」というわけではありません。金融トラブルの種類によって削除されるまでの年数は異なりますが、一般的には5~7年程度で金融トラブルの履歴も消えます。

しかし、例えば未払いによるブラックリストの登録があった場合は、未払いをした日から5年ではなく、完済した日から数えての5年間であることに注意が必要です。

夏に未払いがあっても、完済したのが秋頃であればブラックリストの登録が削除されるのは秋になります。

こうしたことからも、債務整理や延滞から5年程経過していれば、再びローン審査や分割払いができる可能性があります。

社内ブラックは半永久的に記録される

金融業者のなかには、独自のデータベースを用いて信用情報を管理している業者が多くあります。任意整理を行ってブラックリストに載った場合、その任意整理を行った金融業者では金融事故の履歴が削除された後も利用が困難になります。

任意整理とは、弁護士が間に入って金融業者と利息のカットや返済期間の延長を行う手段です。利用者にとっては支払いのハードルが低くなり生活もラクにできますが、金融業者からすると当初の契約内容が変更されたことになります。

このようなことから社内ブラックは5~7年の縛りはなく、半永久的に記録が残されてしまうため、注意が必要です。

信用情報機関とは?

信用情報機関は3つの種類があり、それぞれに登録されている内容や加盟している金融業者などが異なります。

また、手数料は必要ですが、個人で登録されている情報の照会を行うことも可能です。現在の自分の信用情報を知ることは、ローン審査を受けるうえでも役に立つでしょう。

ここからは、信用情報機関について、種類やそれぞれの特徴などを紹介します。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

KSCには、JICCやCICにはない銀行関連の信用情報が登録されています。

JICCやCICが情報の登録期間が最長5年であるのに対し、KSCは最長7年登録されることが特徴です。

また、KSCは事業者専門貸金業者や消費者金融が加盟していないことも特徴としてあげられます。加盟会社に貸金業者が加わっていないことから、開示請求は住宅ローンの契約を行うタイミングで行われる方が大半です。

銀行のみを利用している方は、JICCやCICの開示請求を行っても正確な信用情報が得られない可能性があるため、KSCにて開示請求を行いましょう。

株式会社日本信用情報機構(JICC)

JICCは、主に消費者金融などの貸金業者からの借入れや返済の履歴が多く記録されていることが特徴です。

主な加盟会社も消費者金融が比較的多く、クレジットカード会社や信販会社、リース会社なども含まれています。JICCには中小企業も含まれており、1,000社以上の加盟会社があることもポイントです。

消費者金融からお金を借りた情報はJICCに登録されるため、支払い期日に間に合わなかったり、未払いになっていたりする場合は注意が必要です。

JICCの情報の開示は、オンライン上で行います。不正利用を防ぐセキュリティ面の高いアプリもあり、アプリ内から開示請求が可能です。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)

CICはクレジットカード会社や携帯電話会社、一部の信販会社などが加盟している信用情報機関です。主にクレジットカードの履歴や携帯電話の分割払い、消費者ローンなどの情報が登録されています。

クレジットカードによる信用情報はCICによって管理されているため、普段からクレジットカードを利用している方はCICへの開示請求を行ってみることをおすすめします。

CICの情報開示請求方法は、郵送のほかにスマホやパソコンなどネット上での手続きにも対応しており、ネット上で請求した場合は最短即日に結果が得られることが特徴です。

信用情報の回復を早める方法はあるのか

信用情報の回復を早める方法はあるのか
どの信用情報機関にも共通して、回復を早めるコツや登録情報を削除する時期を早める秘訣などはありません。堅実的に今後登録情報に傷がつく行動を避け、自動的に金融トラブルの登録期間が過ぎるのを待つのみです。

基本的には5年程度すれば登録が削除される事項が多いですが、自己破産に関しては一度行うと7年間はブラックリストに登録がされてしまいます。

債務歴があるとローン審査は厳しく、なかには保険の加入や携帯電話の分割払いも断られてしまうケースがあるでしょう。

信用情報の回復を早める方法はなく、いざというときに審査に通れない事態となってしまうため、日頃から金融トラブルには気を付けて信用情報をクリアな状態に保つことが重要です。

信用回復ローンならブラックリストの影響が少ない

信用回復ローンならブラックリストの影響が少ない
基本的にはブラックリストに載っている状態だと、ローンの審査には通りません。しかし、信用回復ローンは信用情報よりも返済能力を重要視していることから、信用情報がクリアでない状態でも利用ができる可能性があります。

ここからは、信用回復ローンがブラックリストの影響をあまり受けない理由や仕組みについて解説します。

返済後は完済実績が登録される

ブラックリストに載っている状態であっても、信用回復ローンの返済後には完済実績が登録されるため、信用情報にプラスの影響を与えられます。

金融トラブルの履歴がなかったことになるわけではありませんが、「期日を守り、適切に返済を行った」という実績は、ギリギリのラインで融資の可否が判断される場面で役に立つでしょう。

このように、ローン会社によっては、信用情報が優れない状態でも利用できる可能性があります。ただし、すべての信用回復ローンで利用ができるとは限らないため、「ブラックリストの登録があっても利用可能」と謳っているローン会社を選ぶことがスムーズに業者を見つけるポイントです。

一般的なローンとの違い

一般的なローンと異なり、信用回復ローンは独自の審査基準を設けています。信用情報よりも返済能力を重視して審査が行われるため、審査に通りやすいことが特徴です。

しかし、信用回復ローンの利用者は一般的なローンを利用する方よりも返済リスクが高いことから、金利を相場よりも高めに設定されている傾向があります。金利が高いとその分利息が膨れ上がり、結果的に総支払額は一般的なローンで購入した場合と比べて大きな差が生じている可能性があるため注意が必要です。

また、一般的なローンを利用する際、状況や販売店によっては頭金や保証人を求められるケースもありますが、信用回復ローンの場合は原則不要であり、気軽に利用できることも特徴のひとつです。

信用回復ローンを使用した場合の車検証の名義はどうなる?
信用回復ローンを利用した場合、車検証の名義は「契約者の名義」もしくは「ローン会社の名義」が記される場合があります。
ローン会社の名義の場合、ローン完済後に名義変更を行わなければいけません。名義が本人以外だと、車を売却するときに手間がかかってしまいます。
業者によって対応が異なるため、車検証の名義が気になる際は直接問い合わせてみることがおすすめです。

カーリースとの違い

一般的なローン審査が難しい人にとって、信用回復ローンは車を購入できる選択肢のひとつです。しかし、車を日常的に使用することが目的なら、車を長期的に借りる「カーリース」も適しているでしょう。

カーリースにも審査はありますが、売買契約ではなく賃貸借契約であるため比較的通りやすいことが特徴です。

ここからは、信用回復ローンとカーリースの違いについて、詳しく紹介します。

「買う」と「借りる」の違い

「買う」と「借りる」の違い
信用回復ローンを利用した場合は車を「購入」しているのに対し、カーリースの場合は車を「レンタル」していることが大きな違いです。

カーリースの場合はレンタルしているため、当然レンタルの契約期間を満了すれば返却するのが基本的な流れです。

仮に5年間の契約を行ったとして、信用回復ローンなら完済すれば完全に自分の所有物になります。一方でカーリースの場合は契約満了すると、「車を返却する」か「新しい車をレンタルする」か「残金を支払って買い取る」かを選べます。

残価を設定して車両価格から差し引き、残りの車両価格にレンタル手数料やその他雑費を含めた金額が毎月の支払額になるため、プラン内容によっては信用回復ローンよりも費用を抑えられるでしょう。

条件次第では購入するより高くなる

信用回復ローンを使用した場合の毎月の支払額の内訳は、車両価格と利息です。

その一方で、カーリースを利用した際の毎月の支払額の内訳は、車両価格やレンタル手数料、車検費用やメンテナンス費用などさまざまな項目が含まれています。

車検費用やメンテナンス費用も含まれていることが特徴で、車を所有していると訪れるまとまった出費のタイミングが、カーリースにはありません。

税金も保険料も毎月の支払金額に含まれているため、プラン内容によっては車を購入した場合よりも高額になってしまいます。

しかし、車検のタイミングや自動車税を支払うタイミングで、数万円といった出費を避けられるため家計の管理がしやすいと捉える方も多いでしょう。

審査はどちらも共通して存在する

信用回復ローンにもカーリースにも共通して、利用前には審査を受ける必要があります。

信用回復ローンの場合は融資を受けられるかどうかの審査になりますが、カーリースの場合は賃貸借契約であるため、収入が安定していれば利用が可能です。

信用回復ローンは、信用情報機関を通すことで実績を積んで信用情報を回復させることが目的ですが、カーリースの場合は利用したとしてもこのような効果はありません。

このようなことから、信用回復ローンとカーリースにはどちらも審査は受ける必要がありますが、審査通過のハードルの高さと返済後(契約満了後)の仕組みに違いがあります。

信用回復ローンの返済後はすぐにクレジットカードが作れますか?
信用回復ローンは、返済後に完済した実績を信用情報機関に記録されますが、金融トラブルの経歴をなかったことにはできません。そのため、信用回復ローンを無事に完済したからといって、すぐにクレジットカードの審査に通れるという保証はなく、注意が必要です。借入れの返済は、日頃から滞りなく支払いを行うことが重要です。

信用回復ローン利用時の注意点

信用回復ローン利用時の注意点
車の購入は「人生で家の次に高い買い物」といわれており、一度契約したローンは原則途中で解約することは不可能です。そんな何十万、何百万とする買い物に失敗はしたくありません。

後悔するリスクを抑えるには、事前によく信用回復ローンの注意点を把握しておくことが重要です。

ここからは、信用回復ローン利用時の注意点について紹介します。

信頼できる業者を選ぶ

信用回復ローン会社のなかには、金利や支払い総額が不鮮明で高額な費用を請求する悪徳業者も存在します。満足な取り引きを実現させるには、信頼できるローン会社を利用することが重要です。

業者の良し悪しを見極めるのは簡単なことではありませんが、実際に利用した方の口コミをチェックしてみたり、気になったことは細かく質問したりすることがポイントです。

金利が安く抑えられそうな業者であっても、接客に不信感を抱くような場合はおすすめできません。見積もりが分かりやすく、質問もしやすい雰囲気をつくってくれる業者は安心して利用できるでしょう。

返済計画は無理のない範囲で

返済計画は無理のない範囲で
基本的に一度組んだローンは、後から辞めたり内容を変更したりはできません。そのため、ギリギリ支払えるくらいの金額で契約することは避けましょう。

例えば、5年払い(60回払い)のローンを組んだ際、契約当初はギリギリ支払える金額であっても、5年の間に転職したり結婚・出産したりする可能性もゼロではありません。

ライフスタイルの変化次第では、車の支払いに充てられる費用が下がってしまう恐れがあるため、無理のない範囲内で返済計画を立てることが重要です。

もし、家計を圧迫し支払いを延滞してしまう状態だと、信用回復が見込めなくなるため気を付けましょう。

ライフスタイルに合った車を選ぶ

満足なカーライフを送るには、生活スタイルに合った車を選ぶことが重要です。長期的に満足して使い続けられる車選びは、「飽きの来ないデザイン」と「将来を見越したボディタイプ」の2つを意識しましょう。

子育て世代真っ只中でありながら、スポーツカーやオフロードに特化したSUV車は適しているとはいえません。また一方で、個人的な足として使いたいのに大型ミニバンは持て余してしまうのが目に見えています。

重要なのは、今現在の自分に合う車を選ぶのではなく、5年先・7年先のライフスタイルを考えて選ぶことです。長期的な返済計画を立てるのなら尚更、長く乗り続けられる車を選びましょう。

GPSやエンジン遠隔層操作装置が搭載される

GPSやエンジン遠隔層操作装置が搭載される
信用回復ローンを使って購入した車には、GPS端末が設置されていることが多いです。このGPSは「MCCS」というもので、エンジンの遠隔操作ができます。

購入者の支払いが滞った際に、車を回収できるようにすることがGPS端末を設置する目的です。

普段は居場所の特定などもされておらず、完済するとGPS端末は取り外されるため、規定通りに支払いを行っている間は何の心配もいりません。しかし、監視されているような気がして、ストレスを感じてしまう方もいるでしょう。

仕組みは業者によって異なるため、事前に問い合わせておくと安心です。

ブラックリストに載ってしまう理由は?
債務整理を行ったり、借入れの延滞を複数回繰り返してしまうことで、ブラックリストに登録されてしまいます。
一度ブラックリストに登録されると最低でも5年間は記録が残ってしまうため、ローン審査やクレジットカードの新規作成が困難になります。「後々払えば問題ない」という認識は捨てて、支払い期日は厳守するように気を付けましょう。

セルフで信用情報を確認してみよう

セルフで信用情報を確認してみよう
むやみに審査を受け、審査落ちを繰り返すと信用情報への悪影響が懸念されるため、自分の状況を事前に確認してみることがおすすめです。

ローン審査には、「仮審査」と「本審査」を設けているケースが多く、仮審査は信用情報機関への影響はありませんが、本審査を受けると信用情報にも審査を受けた履歴が残ります。そのため、短期間で複数の審査を受けている履歴が残ると、「この人はお金に困っていたのではないか」という印象を与えてしまいます。

事前に自分自身の信用情報を調べることで、無謀な審査を繰り返すことを防げるでしょう。

金融トラブルの履歴が残っており、審査通過が厳しいと感じる場合には、一般的なローンではなく信用回復ローンの利用を検討することでスムーズな車の購入ができます。

まとめ

①債務歴や支払いの延滞歴があるとブラックリストに登録されてローンの審査通過が厳しくなる
②信用情報機関は3つの種類があり、それぞれ加盟会社や登録情報が異なる
③信用回復ローン返済後も金融トラブルの履歴を削除することはできないが、完済実績を残すことで審査時のプラス材料になる
④信用回復ローンを利用する際には、金利やGPS端末の設置などをチェック項目とし業者選びを慎重に行うことが重要
⑤信用情報は個人でも開示請求ができるため、審査を受ける前に自分で調べてみることもおすすめ

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グーネット定額乗りマガジン編集部
グーネット定額乗りマガジン編集部

カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。