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この記事では、車をリース契約している時に引っ越しする場合、どのような手続きが必要なのか解説します。
また、手続きしないとどのようなペナルティが科されるのかにも言及しています。
これから引っ越し予定がある人は、ぜひ参考にしてください。
カーリースの契約期間中に引っ越しをする場合の手続きを紹介!
カーリースは頭金がかからず、毎月定額で好きな車を使用できる便利なサービスです。毎月支払うリース料金には各種税金も含まれているため、使用期間中に大きな出費もありません。
しかし、リース期間中に転勤などで生活環境が変化した場合、継続利用するための手続きがどのようなものか不安に思う方も多いでしょう。
以下では、カーリースの契約期間中に引っ越しをする場合、必要になる手続きを紹介していきます。
まずはリース会社に連絡
引っ越しが決まったら、まずは契約しているリース会社に連絡しましょう。そうすると、手続きに必要な書類が送られてきます。
なお、引っ越しする時に必要な手続きはリース会社によって異なるケースもありますので、漏れなく手続きを完遂するためにも、必ずリース会社へ連絡して指示を仰ぐようにしましょう。
車検証の住所変更
次に車検証の住所変更が必要です。
車検証には所有者であるリース会社の社名・住所と、使用者である契約者の姓名・住所が記載されています。この使用者の住所を変更しなければなりません。
車検証の住所変更には、後述する車庫証明書が必要です。引越し先住所で新しい車庫証明書を発行し、それをリース会社に送付すれば、あとの処理はリース会社が担当してくれます。
車検証の住所変更は、原則、引越し後15日以内に完了しなければなりません。住所変更を怠れば罰則として罰金が科せられるため注意しましょう。
普通車の場合は車庫証明の変更が必要
リースしている車が普通車の場合、車庫証明の変更が必要です。
引越し先の住所を管轄する警察署で車庫証明の申請を行いましょう。
申請の流れは以下の通りです。
- 警察署に出向いて申請に必要な書類を受け取る
- 申請書類の作成
- 警察署に申請書類を提出
- 後日、手数料を支払って警察署で受け取る
交付される書類は以下の3つです。
- 自動車保管場所証明書(車庫証明書)
- 保管場所標章番号通知書
- 保管場所標章(車に貼るステッカー)
車庫証明は、2,500~3,000円ほどで取得できます。
難しい申請ではないため、個人でも十分対応可能ですが、リース会社が代行してくれるケースもあるため、確認しておきましょう。
免許証の住所変更
免許証の住所変更も忘れずに行いましょう。
住所を変更しないままでいると2万円以下の罰金が科される可能性があります。実際に罰金が科されるのはごく稀なケースですが、住所変更しないと運転免許の更新通知が届きません。更新を忘れないためにも、必ず住所変更しましょう。
免許証の住所変更は、引越し先住所を管轄する以下の場所で手続き可能です。
- 警察署
- 運転免許更新センター
- 運転免許試験場の窓口
各場所に準備されている「運転免許証記載事項変更届」と「新住所および本人確認書類」を提出すれば手続きは完了です。
ナンバープレートの変更
引越し先が管理地域をまたぐ際は、ナンバープレートの変更が必要です。
ナンバープレートの変更先は以下の通りです。
普通自動車の場合 | 引越し先住所を管轄する運輸支局 |
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軽自動車の場合 | 引越し先住所を管轄する軽自動車協会 |
ナンバープレートの変更手続きには、手数料とナンバープレート代がかかります。
普通自動車の場合 | 印紙代350円 |
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軽自動車の場合 | 無料 |
ペイント式 | 1,500円前後 |
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字光式 | 5,000円前後 |
自賠責保険と任意保険の住所変更
引越し時には自賠責保険と任意保険(自動車保険)の住所変更が必要です。
自賠責保険は住所変更の手続きが遅れても支払いが滞ることはありませんが、任意保険は迅速な対応が必要です。
任意保険は満期手続きの案内が送られてきます。住所変更しなければ、その通知が届かず、継続手続きを忘れてしまい、無保険状態が発生する危険性が出てくるでしょう。
任意保険には住所などの契約者情報の告知義務があります。これを怠ると通知義務違反となり、保険補償が受けられないケースもあるため注意が必要です。
各種手続きをしなかった場合は罰せられる可能性もある
住所変更に伴う各種変更をしなかった場合、違法性を問われて罰則の対象となる可能性があります。
車検証 | 住所変更後15日以内の手続きをしなかった場合、50万円以下の罰金 |
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車庫証明書 | 住所変更後15日以内の手続きをしなかった場合、10万円以下の罰金 |
ナンバープレート | 住所変更後15日以内の手続きをしなかった場合、50万円以下の罰金 |
運転免許証 | 住所変更後、速やかに手続きをしなかった場合、2万円以下の罰金または科料 |
また、罰則ではありませんが、任意保険も住所変更を怠ると追加保険料を請求される可能性があります。
任意保険料は全国一律ではありません。地域によって保険料が異なるため、引越し先で保険料が値上がりする可能性があります。この場合は差額を請求されるため、注意しましょう。
引っ越しに伴うカーリースの解約ができるケースとは?
引っ越しする場合、どうしてもカーリースを解約しなければならないケースも出てくるでしょう。
ここからは、3つのケースごとに引っ越しに伴うカーリース解約の可否を解説していきます。
カーリースで契約期間3年の新車を手に入れたばかりのAさんの場合を見ていきましょう。
突然の海外転勤が決定してしまったAさん。任期は5年とリース契約期間の3年を大きく上回るものでした。
海外転勤というやむを得ない事情のため、リース会社も理解してくれると思い込んでいましたが、結果はその期待を大きく裏切ることになります。
このケースでも情状は酌量されず、リース会社からの返答は「リース残金と違約金を支払わなければ中途解約できない」というものでした。
カーリースに限らず、リース契約は中途解約が認められていません。
自分が海外転勤するとは考えていなくても、海外転勤のある勤務先に勤めるなら可能性はゼロではないため、事前にカーリースの中途解約の条件を確認しておいたほうがよいでしょう。
カーリースで車を使用していたBさんの場合を見ていきましょう。
転勤が決まったBさんは、その転勤先で駐車場を見つけられませんでした。少し時間が経てば見つかると思っていたのですが、3ヶ月を経過しても駐車場は依然として見つかりません。
このまま使用できない車に払うリース代が無駄だと感じたので、事情を話せば解約させてもらえると期待を抱きながらリース会社に連絡しました。
しかし、リース会社からの返答は、期待に添ったものではありませんでした。リース残金と違約金の支払いを求められ、中途解約したほうがリース満了するより高い費用がかかることを知らされたのです。
カーリースの中途解約では、契約満了時よりも高額な費用支払いが発生する可能性があります。この点を理解した上で契約をするようにしましょう。
まだまだ運転できると思ってカーリースを契約したCさんの場合を見ていきましょう。
高齢により運転能力の低下を実感したことで、免許証の返納を決意したCさん。そこで処分に困ったのがリースで借りた車です。
免許返納という理由があるのだからと、Cさんは解約に応じてくれると信じてリース会社に連絡しました。しかし、返ってきたのは免許返納という理由でも、解約には中途解約金が必要になるという連絡でした。
近年は免許返納解約の特約をつけたカーリースが登場しています。このカーリースであれば、中途解約金なしで解約可能です。
しかし、このような特約がついていない、通常のカーリースでは免許返納も特別な解約理由とはなりません。高齢者がカーリースを利用する際は、免許返納を見越した契約を検討するようにしましょう。
例えば、月額3万円のリース契約で、契約残月が24ヶ月だった場合、違約金は「3万円×24ヵ月=72万円」です。リース会社によっては、この金額に追加して違約金と解約手数料が上乗せされることもあります。
車のリース契約をする前に知っておきたい注意点
車のリース契約で注意してほしいのがライフプランの変化です。
転勤などによる引っ越しで、リース契約時とは全く異なった生活を強いられることもあるでしょう。
ここからは、リース契約前に知っておきたい注意点を紹介します。
転勤を含む仕事に就いているなら、次回の転勤時期を予想して契約プランを選ぶようにしましょう。
カーリースは3~7年ほどの長期契約となるのが一般的です。
転勤で困るのは、転勤先でリースしている車が利用できない事態に陥ることです。違約金を支払って中途解約しなければならないケースも出てくるでしょう。
しかし、転勤に合わせてリース契約が満了すれば、違約金支払いの心配はいりません。多少誤差が出ても、少額の違約金支払いで済むでしょう。
カーリースを契約する際は、必ず全国展開しているリース会社を選ぶようにしましょう。
近年のカーリースは料金に以下のランニングコストを含んでいるものが増えています。
- 車検費用
- 定期点検費用
- メンテナンス費用(オイル交換やバッテリー交換など)
その都度、実費で支払うよりも格安なため、この契約を選ぶ人は多い傾向にあります。しかし、契約したリース会社が全国展開していなければ、引越し先で引き継げない可能性があります。
そのため、転勤の可能性がある人は全国展開しているリース会社を選ぶとよいでしょう。
【単身赴任者向け】引っ越しが多いならカーリースとレンタカーどちらがいい?
単身赴任でカーリースを検討する際、レンタカーとどちらがいいか迷う人も多いでしょう。
ここからは、4つのケースに分けて向いている車の使用方法を紹介します。該当するケースを確認して役立ててください。
公共交通機関が充実しており、日常の移動に不自由しない場合であればレンタカーがおすすめです。
レンタカーの利用料金は、安いものなら1日4,000円ほどです。これにガソリン代が加わるだけなので、月に1度や2度程度の利用ならカーリースよりも安い傾向にあります。
しかし、使用頻度によっては、かえって高額となるので注意が必要です。カーリースは安いものなら1万円台で利用できます。
まずは使用頻度を考慮した上で費用対効果を検討しましょう。
月内の使用頻度が数回で、遠出しない場合はレンタカーがおすすめです。
宿泊で遠出する場合は、レンタカーのレンタル日数が2日以上となり、その分、レンタル料金がかさみます。
月に2度以上の遠出をするなら、1度の遠出でレンタル料は安くて8,000円、2度で16,000円となり、カーリースの料金と変わりません。
単身赴任で毎週末に家族の元へ帰るなら、遠出が4回で24,000円ものレンタル料金が発生します。
遠出がなければレンタカー、遠出が数回あるならカーリースがおすすめといえるでしょう。
地方への転勤ならカーリースがおすすめです。
地方は東京のような大都会のように、公共交通機関が充実していません。移動はもっぱら自家用車というケースも珍しくないでしょう。日常的に車が必要になるため、費用面を考慮すればカーリースの方がお得な可能性があります。
また、転勤先で赴任期間に合ったリース契約を選べば、転勤時や以降の転勤で車を移動させる必要もありません。残された家族も転勤で車を持っていかれず、不便さを感じることもないでしょう。
単身赴任ではなく、家族一緒の転勤ならカーリースがおすすめです。
家族連れの場合は、移動手段として車の利用が多くなります。その都度、レンタカーを利用していてはレンタル代がかさんでしまいます。
長期かつ家族連れの場合は、カーリースで一家に一台、車を保有しておくほうが費用は安く済みます。レンタカーを借りに行って、返しに行く手間を考えても、カーリースを選ぶほうが不便を感じないでしょう。
カーリースは契約期間が満了すると車を返却する時に原則、原状回復が義務付けられています。返却時に車に損傷がある場合は修理して返却しなければなりません。修理せずに返却すると想定残価が下がってしまい、その差額分を請求される可能性もあります。
修理が必要になる人は、そうでない人よりもカーリースにかかる費用が割高となり、カーリースのメリットが活かせないため、車を購入したほうが安全です。
【新社会人向け】転勤ありの仕事の場合は車の所有方法をどうするとよい?
新社会人となり、入社後の勤務地で車を持とうかと考える人は多い傾向にあります。
ここからは、3つのケースに分けて、おすすめな車の所有方法を紹介します。
職場や住まいが首都圏なら車なしでもあまり不便は感じないでしょう。
都市部では公共交通機関が充実しているため、車を持たなくても移動に不自由することはありません。
また、首都圏で車を持つと以下のデメリットが発生する可能性があります。
- 駐車場代が高額
- 目的地に無料駐車場がなく困るケースが多い
- 一方通行が多く、道が混んでいる
- 交通渋滞に巻き込まれて時間通りに移動できない
地方転勤の可能性がある会社に勤務するなら、まずはカーリースの利用をおすすめします。
地方は首都圏ほど公共交通機関が充実していません。そのため、移動は車のほうが断然便利なケースが多く、車がなくては日常生活に支障をきたす可能性もあります。
地方転勤で日常的に車が必要な生活を送るなら、カーリースで車を持ったほうがいいでしょう。
しかし、移動は公共交通機関の利用で問題なく、車が必要ない場合はカーリースを利用する必要はありません。車が必要な時だけレンタカーを利用すればよいでしょう。
車の使用頻度によって、カーリースのほうが安い場合とレンタカーのほうが安い場合と分かれます。
車が好きな場合やカスタムを希望するなら購入がおすすめです。
車が好きで仕事での活用に加えて、休日にも車に乗る機会が多い場合は、レンタカーでは費用がかさんでしまいます。
また、走行距離が長くなるため、返却時の走行距離が決まっているカーリースもあまり向きません。走行距離の超過分を請求されるカーリースでは、気兼ねなく車を運転することはできないでしょう。
カスタムを希望する人も、レンタカーとカーリースはカスタムができないので不向きです。
高頻度の使用かつ、カスタムして自分好みの車にしたい人は購入をおすすめします。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。