この記事では、リース車両のバッテリーに関するお困りごとを解決する方法を紹介します。
カーリースを利用しているときに、バッテリーの交換が必要な時はどうすればよいか、バッテリーが故障する原因や交換のタイミング、対処方法など、正しい知識を得てトラブルに対応できるようになりましょう。
車のバッテリーが故障する原因とは?
ここでは、バッテリーが故障する主な原因を3つ紹介します。事前に原因を把握することでバッテリー切れや故障を予防できます。
また、バッテリー交換のタイミングを見極めるポイントについても紹介するので参考にしてください。
車の電気設備はバッテリーから電力を消費するため、ライトやエアコンなどを使い過ぎるとバッテリーの電圧が低下してしまいます。
特に、エンジンを切った状態で長時間電気設備を使用すると、電力を消費するばかりで蓄積ができないため、バッテリーの容量や性能が低下します。
駐車場でエアコンをつけたまま長時間停車したり、ライトをつけっぱなしで降車しないようにしましょう。
車のバッテリーは、走行することで充電される仕組みです。そのため、走行頻度が少ない場合や走行距離が短い場合には、必要量のバッテリーが充電されない可能性があります。
また、バッテリーは走行中にオルタネーターと呼ばれる発電機で充電していますが、走行距離が短い場合や渋滞などで速度が低い場合は、オルタネーターの発電量も少なくなります。その結果、消費した分の電力を補充できずにバッテリーの残量が減っていくのです。
走行不足も過放電を引き起こし、バッテリーの劣化や故障につながります。そのため、十分な距離の走行をしバッテリーを十分に充電しましょう。
車のバッテリーは、何もしなくても時間とともに少しずつ放電する自然放電が起きます。
自然放電の量は、温度や湿度などの環境要因によって変化しますが、一般的には2ヶ月~半年ほどでバッテリーあがりが起こる恐れがあります。
自然放電によりバッテリーが上がってしまった場合は、充電します。充電器を手元に持っていない場合は自動車整備工場やリース会社に連絡すると対応してもらえます。
自然放電によるバッテリーあがりを防止するためにも普段から車を動かしておきましょう。
夏は気温が高くなるので、バッテリーの液体温度が上昇し、蒸発しやすくなります。その液面の低下により、電極板が空気に触れて劣化すると、バッテリーの性能が低下してしまいます。
性能が低下している状態で、エアコンをつけっぱなしにしたり、夏休みの渋滞でアイドリング状態が続いたりすると、バッテリーあがりが発生してしまうでしょう。
冬は逆に気温が低くなるので、バッテリー内の液体温度が下がり、バッテリーの性能が低下する恐れがあります。また、暖房やデフロスターなどの電気設備を多用することで、バッテリーの消費も早まります。
夏と冬は特にバッテリーの点検やメンテナンスをこまめに行うことが大切です。
バッテリー交換のタイミングを見極めるポイント
ここからは、バッテリー交換の適切なタイミングを紹介します。
以下で紹介する、5つのサインを意識すると分かりやすいので、試してみましょう。
ヘッドライトの明かりが暗い場合、バッテリーの電力が低下している可能性があります。
また、普段からヘッドライトを消し忘れていることが多いと、バッテリーが過放電を引き起こしてしまうため注意が必要です。
バッテリーの性能が低下していたり、十分に充電されていなかったりする場合、ヘッドライトに電力が供給されにくくなり、明かりが暗くなります。
そのため、ヘッドライトの明かりが暗いと感じた場合は、早めにバッテリーの点検や交換を行うことが大切です。
ガソリンスタンドでもライトの状態を見てもらえるため、不安を感じたらガソリンを入れる時に確認すると良いでしょう。
パワーウィンドウは、窓ガラスを上げ下げするための電動式の装置です。
パワーウィンドウの動きがゆっくりになっていると、バッテリーから十分な電力が供給されていない可能性があります。
また、パワーウィンドウ以外にも、オーディオやカーナビなどの電子機器の動作が不安定になったり警告灯が点灯したりする場合もあります。
これらの症状が出た場合は、バッテリーの交換を検討しましょう。
エンジンがかかりにくいのは、始動するための電力がバッテリーから十分に供給されていないためです。
特に冬場は気温が低いため、バッテリーがセルモーターを動かすほどの電力を放出できずエンジンがかかりにくくなります。
エンジンをかける際に音が小さいと感じた場合や、キーが差し込み式の車でかかりが悪いと感じた場合はバッテリー交換のタイミングを示す重要なサインです。
エンジンがかからなくなる前に早急に対処しましょう。
バッテリーの電圧は故障を判断するひとつの指標です。一般的には12.5V以上であれば正常で、12.5V未満であればバッテリーの寿命と考えられます。
バッテリーの電圧は、ガソリンスタンドで確認してもらう方法と、自分でテスターを用いて測定する方法があります。
テスターは2,000〜5,000円で購入できるため、購入することも検討しましょう。
測定器を使うときは、エンジンを切ってキーを抜き、測定器の赤いプラグをバッテリーのプラス端子に、黒いプラグをマイナス端子に接続すると、測定器の画面に電圧が表示されます。
バッテリーの劣化や損傷が進んでいると、バッテリー自体に異常がみられます。
例えば、バッテリーに白い粉の付着があったり、バッテリーケースが膨らんでいたりするケースが挙げられます。
バッテリーの外観に異常が発生している場合は、内部にも問題を抱えている可能性があるため、早急な対処が求められます。
バッテリーの異常を放置しておくと、性能が低下してバッテリーあがりが起こりやすいだけではなく、火災や爆発などの危険性も高まります。
そのため、バッテリー自体に異常がみられる場合は、すぐにバッテリーの交換を検討しましょう。
リース車のバッテリートラブルの対処方法
ここからは、リース契約を結んでいる車に重点をおき、バッテリートラブルの対処法を解説します。
リース会社との間にトラブルが発生したり、余分な費用が発生したりしないよう、リース車ならではのバッテリートラブルに対する対処方法を把握しておきましょう。
バッテリートラブルにあった場合、まずはリース会社へ相談しましょう。
リース会社は、バッテリーの交換や修理に関する費用や手続きを教えてくれます。
また、リース会社によってはバッテリーの点検や交換が月額料金に含まれており、自分で対応するよりもお得にトラブルを解決できる可能性があります。
そのため、バッテリートラブルが起きたときは自分で判断せずにリース会社の指示を仰ぎましょう。
カーリースの契約内容によっては、オプションとして「メンテナンスパック」が付属しています。
メンテナンスパックとは、定期的な点検や消耗品の交換などを一定の料金で行ってくれるサービスです。
メンテナンスパックの多くは、バッテリーの交換や修理を含んでいるため、修理費として追加で料金を支払う必要がありません。
契約前にオプションの種類や内容を確認し、万が一のバッテリートラブルに対応してくれるかどうか確かめておきましょう。
カーリースの場合、車検や日々のメンテナンスは指定工場が決まっていることが多く、自ら車を持ち込む必要があります。しかし、外出先でバッテリーが故障した場合は車の運搬が不可能です。
もしも外出先でバッテリートラブルにあった場合は、ロードサービスを利用します。
ロードサービスとは、故障や事故などで動けなくなった車を修理したり移動したりしてくれるサービスのことです。
ロードサービスは、リース会社や任意保険の保険会社などから提供されています。
ロードサービスを利用すると、トラブルが起きた現場でバッテリーの充電や交換が可能です。また、その場で修理ができないと判断されても、最寄りの整備工場や自宅までレッカー移動して修理してくれます。
外出先でバッテリートラブルにあった場合は、リース会社との契約を確認してすぐにロードサービスを手配しましょう。
カーリースの契約書類には、バッテリーの交換や修理に関する責任や負担の分担が記載されているため、必ず契約内容を事前に確認しておきましょう。
自己判断でバッテリーを交換したり修理したりすると、保証対象外と判断されるケースや契約違反になるケースがあります。
契約を確認してなかったせいでトラブルにあわないよう、事前に禁止事項やトラブル時のフローを確認しましょう。
リース車でしてはいけない修理方法
カーリースの契約書類には、バッテリーの交換や修理に関する責任や負担の分担が記載されているため、必ず契約内容を事前に確認しておきましょう。
自己判断でバッテリーを交換したり修理したりすると、保証対象外と判断されるケースや契約違反になるケースがあります。
契約を確認してなかったせいでトラブルにあわないよう、事前に禁止事項やトラブル時のフローを確認しましょう。
リース車を事故や故障で傷つけてしまった場合、必ずリース会社に報告しましょう。その上で、リース会社の指示に従って修理会社へ修理を依頼します。
もし、修理せずに放置した場合、次のようなデメリットがあります。
- リース期間中に車の性能や安全性が落ちる
- 契約時に設定された残存価格に満たない場合がある
- 返却する際に原状回復費用として高額な支払いを求められる
- リース契約を解除されてしまう
- 契約違反として罰金の支払いを求められる
例えば、タイヤがパンクしてしまった場合、そのまま走り続けるとタイヤの破裂やホイールの湾曲につながる危険があります。
また、空気が抜けるにつれてハンドル操作が難しくなり、事故を起こす可能性も高くなります。
さらに、リース会社に報告しなかったことで契約違反とみなされ違約金の支払いが発生する場合もあります。
このように、修理せずに放置することはリスクが高いため絶対に避けましょう。
リース車の所有者はリース会社であるため、自分で勝手に修理工場を選んだり修理内容を決めたりすることはできません。
もし、自身で修理工場へ持ち込んだ場合、次のようなデメリットがあります。
- 修理工場の品質や信頼性が保証されない
- リース会社から損害金や違約金を請求される
- リース契約を解除されてしまう
例えば、フロントガラスが割れてしまった場合、近くの自動車整備工場や友人が経営する工場で安く直してもらおうと考えることもあるでしょう。
しかし、リース会社との契約内容に従わずに勝手に修理したことが判明すると、契約を続けられなくなったり損害金や違約金を請求される可能性があります。
例えば、自己判断でバッテリーを交換すると、感電したり接続をあやまって故障したりする可能性があります。また、バッテリー液は希硫酸性で肌に触れるとやけどの原因となり、目に入ると最悪失明するかもしれません。
バッテリーを始めとした故障したリース車を自己判断で修理に出すと違約金が発生したり必要な手続きが踏めず、カーリース会社の損失につながる可能性もあります。そのため、修理は自己判断せず、カーリース会社に相談して指定の修理方法を実施しましょう。
修理に関して契約時に確認しておくこと
リース会社で車を契約するときは、リース車の修理に関することを確認しておきましょう。
契約の対象外となる修理内容、修理費の負担額、保険による補償の範囲など、これらを確認しておけば、リース車の修理が必要になったときでも安心して対応できます。
リース車の修理は、リース会社の指示に従って行いますが、会社が負担してくれる修理内容はプランによって限りがあります。
例えば、次のような場合は対象外となる可能性があります。
- 契約者の過失や故意による損傷
- 経年劣化や消耗品の交換
- リース会社以外の業者で行った修理
- リース会社に報告しなかった修理
上記の場合、契約者が自己負担しなければならないケースが多くみられます。また、契約違反とみなされて損害金や違約金を請求される恐れもあります。
そのため、契約時にはどのような修理内容が対象外となるかを確認しておきましょう。
リース車の修理費は基本的に契約者負担ですが、メンテナンス費用が含まれている「メンテナンスリース」や、オプションで修理費用をカバーできるプランもあります。
これらのプランは、もしものために月額料金に追加して修理費用を保険のような形で支払っておける仕組みです。
車の運転が不慣れな方や運転する頻度が低い方は、もしものために備えてオプションに加入するのもおすすめです。
一見、オプションに加入すると月々の金額が高くなる印象を受けますが、つけることで安心して車を運転できるメリットがあります。
リース車の修理費用を減らすためには、保険による補償の範囲を知っておかなければなりません。
リース車は自賠責保険への加入が義務付けられていますが、これは被害者の救済を目的とした保険であるため、車の修理費用は補償されません。
自己負担となる車両の修理費用を補償してもらうためには任意保険に入っておく必要があります。
リース会社によっては、保険会社と提携している場合もあります。
車両保険は商品によって補償対象や補償額がさまざまなため、契約時に詳しく確認しておきましょう。
なお、任意保険は等級によって支払金額が異なります。等級は契約者の事故実態に応じて1~20等級に振り分けられており、はじめて保険に加入する際は6等級からのスタートです。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。