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普段の生活における税金やクレジットカードの支払いを滞納すると、ローン審査や差し押さえなど多数のデメリットが生じます。どちらも原則として踏み倒しはできないため、督促状が届いているなら早急に支払いに応じなければなりません。
また、税金とクレジットカードでは滞納時の対応や処理が異なり、影響する内容も変わってきます。それぞれ異なる方面にデメリットが生じるため、どちらも滞納するといった事態だけは避けなければなりません。
この記事では、自動車税の滞納が与える影響と、ブラックリスト(信用情報)との関係について解説します。
自動車税を滞納するとブラックリストに載る?
クレジットカードや携帯電話料金の支払いを滞納すると、信販機関や対象企業のブラックリストに入ります。一方、自動車税や水道代といった公共料金の支払いに関しては、ブラックリストが存在しません。
そもそも「ブラックリスト」というものは正確には存在せず、信用機関においては「事故情報が信用機関に掲載される」ことを意味します。
しかし、公共料金の場合は裁判所を通して差し押さえにまで発展するため、ブラックリスト入りがないからといって滞納を続けると思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。
ブラックリストに載らない支払いや情報について
ここからは、ブラックリストに載らない支払いや情報について紹介します。
ブラックリストはクレジットカードや携帯料金といった民間企業の支払いに用いられるものです。そのため、以下の情報は公共機関から民間企業に共有されることはありません。
自動車税・住民税・電気代・水道代といった公共料金の支払いは、原則としてブラックリストそのものが存在しません。そのため、延滞を繰り返したとしても住宅ローンやカーローンの審査には原則として影響しないのです。
ただし、ローンの本審査を受けるには、税金を正しく納めていることを証明する「納税証明書」が必要です。税金を滞納すると納税証明書に「未納税」と記載されるため、借り入れ先に滞納がバレます。結果として審査に悪影響を与えるため、審査に通らない可能性が高いでしょう。
また、ライフラインの滞納は数ヶ月を目処に利用が停止されます。未納分を支払わなければ電気・水道・ガスのない生活が続くため、不便といえるでしょう。
税金は最終的に財産の差し押さえにまで発展します。公共料金の滞納にブラックリストはないものの、多大なデメリットが発生するのです。
自宅の所持形態が賃貸の場合、家賃の支払いに遅れても信用機関もブラックリストには載りません。ただし、保証会社を利用されている場合は、保証会社のブラックリストには入る可能性があります。
家賃の長期的な滞納や短期の延滞を繰り返すと、新たに賃貸物件を契約するときに、審査が通らないかもしれません。
また、家賃の支払いにクレジットカードを使用している場合は、保証会社だけでなく信用機関の事故情報としても残ります。
ブラックリストによる影響は、あくまで本人にしか影響がありません。配偶者や両親といったほかの家族がブラックリスト入りしたとしても、自分のローン審査や借り入れに影響することはありません。
ただし、住居を共にする場合は支払いの督促状や最終通告書等が自宅に届くため、同居者にバレずにやり過ごすのは難しいでしょう。
ブラックリスト入りには一定の条件があります。信用機関や企業のブラックリストに載る共通の条件は、長期的な滞納です。しかし、なかには短期間の滞納と返済を繰り返した場合でも、ブラックリスト入りする可能性があります。
通常、支払いが少し遅れた程度でブラックリストに載ることはありません。たまに支払いを忘れたとしても、数日〜1週間以内に支払いを済ませていれば大丈夫です。
ただし、この基準は企業によって条件が微妙に異なるため、一方ではよくてももう一方では事故情報として扱われるかもしれません。滞納期間が短いトラブルでも、一定回数繰り返すとブラックリストに入ってしまう点にはご注意ください。
自動車税を滞納したらどうなる?
ここからは、自動車税を滞納した場合に起こる事態について紹介します。
自動車税は車の排気量に応じて一定区分で課せられる税金ですが、未納状態が続くと延滞金や差し押さえなど様々なデメリットが生じます。ブラックリストには載らないもののデメリットが大きいため、原則は滞納せずにすぐ支払いに応じましょう。
支払期日を過ぎても納税されていない場合、まずお住まい地域の自治体から督促状が届きます。督促状は20日を過ぎたあたりで送られてきますが、基準は自治体によって異なります。
なお、この時点ですぐ延滞料金や差し押さえが起こるわけではありません。督促状は主に何段階かに分けられることが多く、回を増すごとに文章の口調が強くなります。
督促状は税金の未納税者のうち連絡がない方に対して送られるため、支払いが難しい時はお住まい地域の市役所に相談しましょう。場合によっては、およそ1年の猶予期間を設けてくれます。
税金の滞納は、納付期限の翌日を基準に延滞金が発生します。延滞金の割合や期間に関しては自治体によって微妙に異なりますが、基本の加算方式は1日単位です。そのため、地域によっては高額な延滞金を請求されるかもしれません。
自動車税の納付期限は毎年おおよその時期が決まっており、大体5月31日のケースがほとんどです。延滞料金は1,000円未満だと端数が切り捨てられるため、実際は延滞料金の合計が1,000円に達してから支払いの義務が生じます。
延滞金の加算額は納税額や自治体など様々な条件で変動するため、自動車税の場合は早ければ1ヶ月前後で1,000円を超えます。自動車税なら6月下旬までに納めれば延滞金を免れるでしょう。
督促状が何度も届いているにも関わらず未納状態が続き、連絡もつかない状態だと「差押通知」や「差押事前通知書」といった通知書が届き、その後の強制執行により各種財産を差し押さえられます。
まずは本人の金融機関の口座から強制的に納税分を徴収し、残高が足りなければ給与からの天引きや家財の押収によって充填されます。差し押さえに拒否権はないため、未納分の税金を納めない限り強制的に行われる点にご注意ください。
差し押さえが発生すると周囲の人や職場にも滞納がバレてしまうため、できるだけ避けなければなりません。
自動車税を支払わないとどうなる?
ここからは、自動車税を支払わないとどういった影響があるのかについて紹介します。
ブラックリストには載らないとはいえ、税金の滞納は非常にデメリットの大きい行為です。最悪の場合、車に乗れなくなるため、通勤で使っている方にとっては致命的といえます。
2年から3年周期で必要な車検ですが、自動車税が未納だと車検に必要な「納税証明書」がないため、車検を受けられません。
車検を受けないまま期限が切れると、所持している車は原則として公道を走ることが禁止されます。無理に公道を走ると道路交通法に違反し罰則を受けるため、事実上は車に乗れないのと同義です。
前述した未納税分の差し押さえでは、口座の残高が足りないと家財や給与が押収されます。このとき車も対象に含まれるため、タイヤのロックや車体の押収により、車が運転できません。
ただし、生活に車が必需だと判断された場合は、ほかの財産が優先されます。例えば、近くにバス停や駅がない田舎に住んでいて車がないと生活できない場合、差し押さえ対象から外されます。
言い換えれば、交通機関が充実した地域だと、車を優先的に差し押さえられるともいえます。
自動車税を滞納すると、車の売却も困難です。中古車として車を売却する際、ほとんどの場所では「納税証明書」が必要です。買取店によっては納税後の売却を要求されるケースもあるため、未納のままだと車を売却できないのです。
買取店によっては自動車税の支払いを代行してくれる場所も少なからず存在します。しかし、そういったケースは自動車税の支払いを代行する代わりに、自動車税の滞納分が買取金額から差し引かれます。また、手数料もかかるため、結果として自動車税を納める場合より高いコストがかかってしまうのです。
車の売却で自動車税の支払い義務を免れるといった行為はできないので注意しましょう。
自動車税を滞納しない方法は3つ
ここからは、自動車税を滞納しないためにできる3つの方法を紹介します。
税金は支払いの期限が決まっているため「仕事で忙しくてつい忘れていた」「引っ越しの転居手続きを忘れていて督促状が自宅に届かなかった」といったケースもあるでしょう。
特に、近々住宅や車のローン加入を検討している方だと、審査に響く要素は極力排除しておきたいものです。滞納で審査の不利やトラブルを起こさないためにも、以下の方法を実践しましょう。
各種税金の支払いを銀行口座に紐付けておけば、支払いを忘れていても自動的に口座から納税されます。実際に支払い方法に銀行口座を指定している方は多いでしょう。
口座引き落としでは納税分の残高が残っていなければならないため、ある程度口座に余裕を持たせておくことが大切です。
特に、クレジットカードやライフラインの支払いにも同じ口座を使っている場合、他の支払いで自動車税を納められる残高が残らない可能性があります。引き落としができない事態を避けるためにも、口座には数万円程度の余裕を設けておきましょう。
自動車税を始めとした各種税金は、口座引き落とし以外にもスマートフォン決済アプリを利用した納税も可能です。
各都道府県は「地方税統一QRコード」を利用した納税に対応しており、銀行やコンビニエンスストアでバーコード決済やATMを使わなくても、スマートフォンを使って決済できます。
自動車税以外にも個人事業税や不動産取得税など、県税にあたる部類は、地方税統一QRコードの対象です。そのため、「自動車税の納税を忘れてしまった」「仕事で納税しに行く時間がない」といった方は、隙間時間にスマートフォンを利用して納税するとよいでしょう。
また、スマートフォン決済の場合は電子マネーの類も使用可能です。対応する決済アプリによって手順が異なるため、使用を検討する方は地方税共同機構のホームページをご確認ください。
スマートフォンには「リマインド」という機能が存在します。これは指定した日付や時間に設定したメッセージを通知してくれるものです。言い換えればメッセージ付きのアラームといってよいでしょう。
税金類のほとんどは納税期限が毎年同じ時期に設けられているため、期限が近い日付にリマインドを設定することで納税のし忘れを防止できます。
機種によってはカレンダーアプリやスケジュール帳と連携してタスク管理ができるため、仕事やプライベートで多忙な方は積極的に利用するとよいでしょう。
【自動車税が支払えない】車を手放した後の対策
ここからは、自動車税の支払いができず、最終的に差し押さえや売却によって車を手放した後の対策について紹介します。
自動車税が支払えないほど収入の面で困窮している場合、しばらく車を購入するのは難しいでしょう。そういった場合の移動手段として、以下の方法をおすすめします。
車を頻繁に使わない場合、必要なときだけレンタカーを利用するスタイルに切り替えましょう。
レンタカーやカーシェアといったスポット利用は税金や駐車場代等の維持費がかからず、ほしい日にほしい時間だけ車を利用できます。
料金に関しても、ほとんど乗る日がないなら車を維持し続けるより低コストです。レンタカーは免許と運転能力さえあれば問題なく利用できるため、事故情報や滞納の履歴が影響しません。
カーリースは、車を一定期間だけ所有する契約になります。契約期間は数ヶ月〜数年単位で結び、契約期間が長いほど月々の負担額が下がります。
レンタカーとは違い、毎日乗り続けられるのがメリットです。通勤目的やお住まい地域柄どうしても毎日車が必要な場合はカーリースを使うとよいでしょう。
なお、カーリースは契約期間が終了後、原則として車を返却しなければなりません。しかし、リース会社や契約プランによっては、リース契約終了後に譲渡を選択できる場合もあります。
現時点では車を購入できないが、いずれ自家用車が必要と思うなら、契約終了後に譲渡してもらえる契約を結ぶとよいでしょう。
レンタカーやカーリースを利用する資金にゆとりがない、または通勤やプライベートでもほとんど車を使わないといった場合は、公共交通機関の利用をおすすめします。
電車やバスといった公共交通機関を利用すれば、自動車税・車検代・ガソリン代といった車の維持費がかかりません。
また、公共交通機関は料金が安く、近い距離なら片道数百円程度で済みます。車より交通費を大幅に節約できるため、金銭的に苦しいときは積極的に活用しましょう。
ただし、公共交通機関は停まる場所が限られます。目的地によっては近くにバス停や駅がないケースもあるため、場所の融通は利きにくいでしょう。
どうしても行きたいところがあるときは、最寄り駅やバス停まで公共交通機関を使って、残りの距離を徒歩・レンタル自転車・タクシーで向かう必要があります。
審査には信用機関も関わっているため、クレジットカードや携帯料金の滞納でブラックリスト入りしていると、審査に落ちる可能性が高まります。ただし、自動車税の滞納はカーリース契約の審査に影響しないため、現時点で支払いが完了しているなら問題ありません。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。