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車の安全を維持し、事故を起こさずに長く乗るためには、定期的な点検を実施することが大切です。しかし、自分で点検・整備をするのは難しい場合もあり、どこか専門的な知識や技術を持つ場所に依頼したいと考えることも多いのではないでしょうか。
この記事では、目的に応じた最適な点検業者を紹介し、自分で確認しておきたい車の整備ポイントについても詳しく解説します。
適切な点検を行い、安全で快適なカーライフを楽しんでください。
どこで車の点検を依頼するかは「目的」によって決めよう
車の安全性を確保し、快適な運転を続けるためには、定期的な点検が欠かせません。手間や時間を惜しんで点検しないでいると、車の不具合を発見できず事故を起こしてしまったり、高額な修理費用が発生したりする可能性もあります。
しかし、自分だけで点検するのは難しいと感じる方も多いでしょう。そのような場合には専門の業者に依頼するのがおすすめです。
ただし、業者ごとに専門分野が異なるため、自分の目的に応じて最適な業者を選ぶようにしましょう。
車の点検はどこでやってもらえる?
これまで車の点検を業者に頼んだことがない場合は、どのような業者を選べば良いのか分からずに困ってしまうこともあるでしょう。
実は、車の点検をやってもらえる場所は数多く、整備工場、カー用品店、ディーラー、ガソリンスタンドなど選択肢はさまざまです。
ここでは、各業者の特徴や得意分野について見ていきましょう。自分の目的やニーズに応じて、適切な業者を選択することが大切です。
車の点検をしてもらう場所として、整備工場を真っ先に思い浮かべるという方は多いのではないでしょうか。
整備工場は、車の点検・修理を専門としており、いろいろなメーカーの車を取り扱っているうえに融通が利きやすいことが特徴です。地元で長く続いている工場では、細かい相談やニーズにも応じてくれる場合もあります。
また、ディーラーと比較すると工賃が抑えられることもあり、費用面での負担が少ないことがメリットです。ただし、工場によって技術や設備に差があるため、口コミや紹介などを参考にして信頼できる整備工場を選ぶ必要があります。
カー用品店は、タイヤやオイルなどの消耗品の交換だけでなく、点検や簡単な整備サービスも提供していることをご存じでしょうか。多くの商品を扱っているスタッフが、豊富な商品知識に基づいて適切なパーツを選んでくれる点が特徴です。
カー用品店には、全国展開しているような大手チェーン店も多く、さまざまな場所に店舗があるためアクセスしやすい点もメリットと言えるでしょう。
ただし、専門的な修理や高度な技術を要する作業は受け付けていない場合もあり、車の状態や必要なサービスに応じて利用を検討する必要があります。
ディーラーは、メーカー直営や認定を受けた販売店であるため、高い技術を持った整備士が対応にあたってくれる点が特徴です。
店舗ごとに整備士の技術力にばらつきが少なく、車種特有の問題に専門的な対応ができる点や、純正部品を素早く揃えられる点などにもメリットがあります。
一方で、点検費用が他の業者と比較して高額になる傾向があるため、予算とのバランスを考慮することが重要です。
新車購入後の定期点検やメーカー特有のサービスを希望する場合は、迷わずディーラーに依頼するのが良いでしょう。
ガソリンスタンドでは、給油をする際に簡単な点検やオイル交換などのサービスを受けられる場合があります。いつも利用している店舗であれば依頼しやすく、日常的なメンテナンスであれば、いつでも手軽に受けられる点が魅力です。
ただし、提供されるサービスは店舗によって異なり、スタッフの技術レベルにもばらつきがあるため、専門的な整備や修理はディーラーや整備工場に依頼する方が良いかもしれません。
日常的な点検や簡単なメンテナンスを手軽に済ませたい場合には、ガソリンスタンドのサービスを利用すると良いでしょう。
目的別!点検してもらう場所の選ぶ方
車の点検はさまざまな場所で依頼できますが、業者ごとに得意とするサービスや費用が異なるため、自分の目的に合わせて適切な業者を選ぶよう心がけましょう。
よく調べずに選んでしまうと、予想以上の費用がかかったり、希望する内容の点検が受けられなかったりする可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、それぞれの希望に応じた業者の選定方法を解説します。自分の目的に合った適切な業者を選ぶ際の参考にしてください。
車の安全性を第一に考え、高い技術力を持つスタッフに点検をお願いしたい場合は、ディーラーや整備工場がおすすめです。
ディーラーではメーカーの純正部品を使用し、技術力の高い整備士が点検を実施します。
また、整備工場は幅広い車種の点検に対応でき、古い車や珍しい車の点検にも対応可能な場合が少なくありません。ただし、整備工場によって技術力や対応できる範囲が異なるため、事前のリサーチは念入りに行いましょう。
点検や整備の質を重視する場合は、ディーラーに依頼するのが最適です。メーカーの厳しい基準に従った点検・修理を受けられるため、車の状態を良好に保てるでしょう。
リコールの対応やメーカー特有の問題に対するメンテナンス情報も迅速に提供されるため、安心感が高いのもメリットです。
他の選択肢と比較すると費用が高くなる傾向がありますが、メーカーの保証期間内であれば無料や低額で対応してくれるため、一概に高コストとは言えない部分もあります。
点検・整備にかかる費用をできるだけ抑えたいのであれば、カー用品店やガソリンスタンドが選択肢に挙がるでしょう。
カー用品店では、オイル交換やバッテリー点検などの簡単な点検を、ディーラーよりも安価に受けられます。商品の知識が豊富なスタッフによる対応により、さまざまなパーツ選びの楽しさも味わえるでしょう。
また、ガソリンスタンドでは、馴染みの店舗で気軽に点検を依頼でき、店舗によっては会員割引が適用される場合もあります。ただし、専門的な点検には対応していない場合があるため、コスト重視の際に利用するのがおすすめです。
点検と同時に、カスタムやパーツ交換を考えている場合には、カー用品店や整備工場をおすすめします。
カー用品店では、多種多様なパーツを取り揃えており、それらの商品について詳しいスタッフがいるため、好みに応じたカスタマイズが可能です。
また、整備工場では、より専門的なカスタムや難しいパーツ交換にも対応できるため、自分のこだわりに寄り添った整備を受けられるでしょう。点検だけでなく、性能向上を目的としたカスタマイズなどを求める場合は、それに特化した整備工場に依頼するのがおすすめです。
車の点検に時間をかけられない場合は、カー用品店やガソリンスタンドが便利です。
多くの店舗で、オイル交換やバッテリー点検などの基本的な点検にはすぐに対応してくれます。WEB予約が必要な場合もあるため、事前に店舗に確認するのが良いでしょう。
しかし、高度な技術や設備を要する作業には対応不可な場合もあるため、日常点検などの簡単な作業を依頼する際に利用することをおすすめします。
車の点検の種類
車の点検には、主に「日常点検」と「定期点検」の2種類があります。
日常点検は車の所有者自身が日常的に行う点検で、定期点検は専門業者に依頼して車の状態を細かくチェックするものです。
ここからは、日常点検と定期点検について、詳しく見ていきましょう。
日常点検は、車の使用者が自分で簡易的に行う車両点検を指します。国土交通省が定める15項目について、使用者自身がチェックすることが必要です。
日常点検では、エンジンオイルや冷却水、ウォッシャー液の残量やタイヤの状態、ブレーキの効き具合、ライトの点灯などを目視や操作によって確認します。
これらの点検を1ヶ月に1回程度、または必要に応じて実施することにより、事故や故障の予防につながります。
定期点検には「12ヶ月点検」や「24ヶ月点検」があり、法定点検として実施が義務付けられています。
自家用車には12ヶ月ごとに29項目、24ヶ月ごとに60項目を点検する必要があり、専門的な知識と技術が必要であることから個人で実施するのは難しいため、専門業者に依頼するのが一般的です。
定期点検は、車検とは別ものですが、24ヶ月点検は車検と同時に受けるのが一般的です。業者に車検を依頼した場合には、定期点検も同時に実施してくれることが多いでしょう。
車を点検するときにチェックしたい項目
車は日々の使用によって少しずつ消耗や劣化が進み、わずかな異常が走行性能や安全性に影響を与える場合があります。
そのため、エンジンオイルやブレーキオイル、タイヤなど、定期的に点検しなければなりません。また、燃費や快適性に影響するため、エアクリーナーやエアコンフィルターのチェックも必要です。
ここでは、車を点検する際にチェックしたい項目について解説します。
エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑や冷却などの役割を担っています。そのため、汚れたり、量が少なくなったりすることで、エンジンの性能低下や燃費の悪化などの原因となります。
また、オイルフィルターが汚れると、エンジンオイルの劣化が早まり、結果としてエンジン性能に悪影響を与えるため、定期的な点検が必要です。
点検する際は、エンジンルームを開けてオイルレベルゲージを確認し、適切な量が保たれているかを目視しましょう。色が黒くなっていたら交換の検討が必要です。
走行距離3,000〜5,000kmごとや、半年ごとに交換するのが目安と言われますが、点検して汚れていたら交換するのも良いでしょう。
エアコンフィルターは、車内に取り込む空気の埃や花粉を除去し、快適な車内環境を保つ働きがあります。しかし、フィルターに汚れが溜まると、風量低下や悪臭、カビ発生の原因となるため、定期的に点検することが大切です。
点検時以外でも、車内の空気が臭う場合やエアコンの効きが悪いと感じる場合には、一度業者に見てもらうのが良いでしょう。
ブレーキオイルは「ブレーキフルード」とも言い、ブレーキの動作を適切に維持するために必要なものです。
ブレーキオイルの液量が少ない場合や、オイルが劣化している場合、制動力を発揮できない可能性があるため、定期的に点検する必要があります。
ブレーキオイルは時間が経つと水分を吸収して劣化するため、オイルに水分が含まれすぎていないかを確認しましょう。
エンジンルームを開け、ブレーキオイルリザーバータンクの液面を見ることでオイルの状態は確認できますが、業者に点検を依頼して見てもらうのが確実です。
エアクリーナーは、エンジンに取り込む空気の汚れや異物を除去し、燃焼効率を維持する役割があります。
エアクリーナーの点検では、エンジンルーム内のエアクリーナーケースを開け、目視で汚れ具合を確認するのが一般的です。車種によってはケースの取り外しが難しい場合もあるため、業者にお願いするのが間違いないでしょう。
一般的にエアクリーナーは、走行距離20,000kmごとに交換することが推奨されています。
タイヤの空気圧と溝のすり減り具合は、車の安全な走行に欠かせない要素です。タイヤの空気圧は燃費やグリップ性能に影響するため、適正値を保つよう気をつけましょう。
また、タイヤの溝がすり減って浅くなると、スリップの危険性が高まるだけでなく、程度によっては車検にも通らなくないため日頃からよく見ておく必要があります。
空気圧やタイヤの状態は、ガソリンスタンドでも気軽に確認してもらえるため、定期的にチェックをお願いしましょう。
自分でできる日常的な車のメンテナンス
車の安全性や快適性を保ち、事故や故障の発生を防ぐためには、日頃からメンテナンスが重要ですが、自力でやるとなると何をすれば良いのか分からないという方も少なくないでしょう。
しかし、消耗品の交換や部品の清掃程度であれば、それほど難しい作業はありません。
ここでは、誰でも簡単にできる日常的なメンテナンスを紹介します。
車の部品には、日々の使用による消耗が、目で見るだけですぐに分かるような部品があります。目視によって発見できる消耗品は、自分で交換時期に気づけるため、日常点検のルーティーンに組み込んでおくことをおすすめします。
特にワイパーゴムやウィンドウォッシャー液などは目視ですぐに劣化や消耗が分かるため、日常的に点検することがおすすめです。
また、ライト類も交換時期が分かりやすいため、日常的にチェックするのが良いでしょう。
快適な運転を楽しむためには、車内の清掃と消臭を心がけ、清潔に保つことが重要です。汚れや埃が溜まったままの車内は、ダニやカビが発生する原因にもなり、健康にも悪影響を与えるでしょう。
目に見える場所は頻繁に清掃し、月に1回程度は、シートの隙間やマットの下などもきれいにすることをおすすめします。
車を使用しているかどうかに関係なく、車の表面にはどうしても汚れやゴミが溜まっていきます。黄砂や花粉、粉塵、鳥のフンなど、さまざまな汚れを放置すると、塗装の痛みや錆の原因にもなるため、定期的に洗車することが大切です。
最低でも1ヶ月に1回程度は洗車することを心がけ、洗車後にワックスなどをかければ汚れがつきにくくなるため、塗装へのダメージも軽減できるでしょう。
また、数ヶ月に1度コーティング施工を行うことにより、さらに長期的に車体表面を保護できるため、洗車と組み合わせて定期的なメンテナンスを施すことをおすすめします。
カーリースであれば点検を含むプランがある
車の性能や安全性・快適性を保つためには、定期的な点検が必要です。しかし、自分で点検の頻度やスケジュールを管理したり、適切な業者に点検を依頼したりするのは手間がかかると感じる方も多いでしょう。
点検に時間や手間をかけたくないのであれば、点検やメンテナンスが組み込まれたカーリースプランを利用するのも有効な解決策の一つです。多くのプランでは、リース料金にメンテナンス費用が含まれているため、突然の整備や修理にかかる負担の心配がないのもメリットです。
まとめ
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