走行距離は、中古車の価値に大きく関係するポイントで、走行距離が短いほど中古車の価値も高くなります。そのため、自社ローンを利用する際に購入する車の走行距離は審査基準の一つでもあります。

この記事では、走行距離が自社ローンの審査に与える影響や、自社ローンの注意点・審査通過のポイントなどを詳しく解説します。

ポイント
  • 自社ローンは販売店が独自に設けた審査基準で審査が行われます。
  • 審査基準には主に支払い能力や保証人の有無、走行距離を含む車の価値などがあります。
  • 自社ローンは一般的なローンに比べて、借入れ金額や支払い回数の制限が厳しいため注意が必要です。
  • 過去の信用情報に不安がある方や、早急に車を手に入れたい方に自社ローンは適しています。
  • 自社ローンの審査に通過するためには、正確な情報を申告することやできる限り頭金を用意しておくことがポイントです。

自社ローンは走行距離も審査基準の一つ

自社ローンは走行距離も審査基準の一つ
走行距離は中古車の価値に関わる大きなポイントであり、どれくらいの融資が受けられるかが関わってくるため、審査基準の一つに含まれます。

中古車を選ぶうえで、走行距離と車両価格のバランスが良い車両を選ぶことは大変重要です。

ここからは、自社ローンについて詳しく解説します。

自社ローンの仕組み

自社ローンとは、販売店が独自の審査基準で融資を提供する仕組みで、「自社ローン」と呼ばれていますが、実際にはローンではありません。銀行ローンや信販ローンと異なり、金融商品ではないことから、金利は発生しないことが特徴です。

また、信用情報機関の照会を行わないため、支払いの延滞履歴があったり、非正規雇用で働いていたりする方でも利用しやすいメリットがあります。

金利が発生しないと販売店側の利益が得られないことから、金利相当額の手数料がかかることが一般的です。

自社ローンの審査基準や利用条件は販売店によって異なるため、自分に合った店舗を見つけることが重要です。

自社ローンの主な審査基準

自社ローンの主な審査基準
自社ローンは審査が通りやすいといっても、全ての方が審査に通るというわけではありません。月々の支払い能力や購入しようとしている中古車の価値など、業者独自の審査基準が設けられており、それをクリアしないと自社ローンは利用できないため注意しましょう。

ここからは、自社ローンの主な審査基準について解説します。

年齢

自社ローンを提供している業者の大半は、年齢制限を設けており、18歳以上でないと基本的に利用できません。ローンを組む際は、借入れ時の年齢と完済時の年齢を調べられて、支払い回数に制限がかかることがあります。

しかし、自社ローンの場合は返済期間が短いことから、上限年齢は設定されていない業者が多い傾向です。業者によっては、未成年の場合は保護者の同意が必要になる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

安定した収入

自社ローンの場合、基本的に雇用形態は問われませんが、審査を通過するには「支払い能力がある」と判断される必要があります。安定した収入があれば、審査に通過しやすくなり、借入れ金額の上限にも影響があるでしょう。

勤務年数が浅かったり、低所得であったりと収入面で不安を感じている場合には、頭金を用意することや保証人を立てることでカバーできる可能性があります。

月々の支払い能力

借入れ金額と支払い回数の上限から、1回の支払金額が算出され、月々の支払いが可能であるかどうかもチェックされます。

例えば、120万円の借入れで24回払いだった場合、1回の支払いは5万円です。月収が高い方だと支払いは可能でしょうが、他にもローンを組んでいたり、収入が少なかったりすると、毎月の支払いが家計を圧迫してしまう恐れがあります。

このように、収入と支払い金額が見合っているか、支払い能力も審査されています。

中古車の価値

自社ローンでは、購入する車が担保になるため、車の状態も審査に影響します。中古車の価値は、年式や走行距離、修復歴の有無など車の状態が大きく関係しており、走行距離が少なく状態が良好な車は融資が受けやすくなります。

年式が古く、走行距離も多い車は、エンジン部品も経年劣化している可能性が高く、担保にするには価値が低いと判断されて希望するだけの融資を受けられない恐れがあるため注意が必要です。

どの程度の車であれば、どのくらいの融資が受けられるのか、スタッフに相談するのが良いでしょう。

保証人や担保の必要性

基本的には、保証人や担保は不要としている業者が多いですが、融資額が大きい場合や、契約者本人に金融事故の経歴がある場合には求められるケースもあります。これは、自社ローンを提供する業者側のリスクを軽減させることが目的です。

保証人には配偶者や親など、身内に依頼することが一般的ですが、収入がなかったり、金融事故の経歴があったりする方は保証人として認められない可能性があります。

保証人や担保を立てることが難しい方は、その旨を伝えて車を選ぶと良いでしょう。

自社ローンで走行距離が多い車を購入する際の注意点は?
走行距離が多い車は、エンジン部品にも経年劣化が生じている可能性があります。適切なメンテナンスが行われていない多走行車は、購入後にメンテナンスが必要になって維持費が高くついてしまう恐れがあり、整備履歴の確認が重要です。
定期的にメンテナンスが行われてきた中古車は、走行距離が多くても状態に優れています。年式と走行距離のバランスもチェックしておきましょう。

自社ローンを利用する前に知っておきたいこと

自社ローンを利用する前に知っておきたいこと
自社ローンは、他のカーローンの審査に落ちてしまった方でも利用できる可能性があることが魅力ですが、いくつかの注意点もあります。

事前に知っておかないと後悔するリスクがあるため、メリットだけでなくデメリットも確認しておきましょう。

ここからは、月々の支払額や手数料など、自社ローンを利用する前に知っておきたいことを紹介します。

中古車の整備状態に注意する

自社ローンは支払回数に制限があることから、車体価格の安い車を選びがちです。もし車体価格の高い車を選んでしまうと、支払い回数が少ないため、毎月の負担額が大きくなってしまうからです。

車の価格は年式や走行距離など、車の状態が大きく関係しており、車体価格が安い車は、それなりに年季が入っています。安い車の全てが整備状態が悪いというわけではありませんが、車の内部パーツの経年劣化や使用感は避けられないでしょう。

相場に対して極端に安い車は、修復歴や水没車である恐れもあります。リスクを抱えた車を選んでしまうと、購入後のメンテナンス費用がかかってしまう可能性があるため、注意が必要です。

月々の支払い額が高くなりがち

自社ローンはリスク回避のため、支払回数は12~24回払いと銀行ローンなどに比べて短く設定されています。

例えば、70万円の車を5年払い(60回払い)で支払うと、単純計算で1回の支払い額は、11,666円です。しかし、2年払い(24回払い)だった場合の1回の支払い額は、29,166円になります。

このように、支払い回数の上限は毎月の支払い額に大きな影響があり、上限回数の少ない自社ローンは負担が大きくなってしまいがちです。

自社ローンを用いて、毎月の負担をなるべく軽減させるには、予算に合った車を選んだり頭金を用意したりしておくことが重要です。

手数料や保証料が追加で発生することがある

自社ローンは金融商品ではないため、金利は発生しません。中古車販売店などで「金利ゼロ」を謳っている店舗を見かけるのは、これが理由です。

しかし、金利ゼロで提供してしまうと、販売店側の自社ローンによる利益はありません。そのため、自社ローンを提供している業者では、金利がかからない一方で手数料や保証料がかかってしまうことがあります。

業者によって価格設定はさまざまですが、支払い総額が予想よりも高くなってしまう場合があるため、車体価格だけでなく支払い総額を確認しておきましょう。

車を選ぶ時点で、車体価格=予算になってしまわないように車を探すことも重要です。

支払い滞納で車を引き上げられる

支払い滞納で車を引き上げられる
自社ローンは車を担保にしていることから、もし支払いを滞納してしまうと車を引き上げられてしまうリスクがあります。なかには、車にGPSを付けていたり、遠隔操作でエンジンがかからないようにしたりする業者もあります。

支払いを滞納されると、業者にとって大きな損害になってしまうことから、このような措置が取られており、滞りなく返済を行っていれば、急に車を引き上げられることはありません。

車の引き上げのリスクを気にせずに自社ローンを利用するには、契約の段階で無理のない返済計画を立てることが重要です。

走行距離が多い車でも自社ローンで購入できますか?
走行距離が多い車でも自社ローンを利用した購入が可能ですが、車両本体の価値が低く評価されるため、融資額が減少してしまう恐れがあります。融資額が少ないと、それだけ頭金としてそれなりの金額を支払う必要があり、まとまった金額を用意することが難しい方は注意が必要です。
しかし、走行距離が短すぎると車両価格が高くなってしまうため、バランスの見極めが重要です。

自社ローンを活用するのに適した人

自社ローンを活用するのに適した人
自社ローンの魅力は、ローン審査が他のローンに比べてハードルが低いことや、審査結果が直ぐに出ることです。そのため、銀行ローンやディーラーローンに通りにくい方や数週間の審査待ちの時間が長いと感じてしまう方に適しています。

ここからは、自社ローンを活用するのに適した人は、どのような人なのか詳しく紹介します。

急いで車が必要な人

自社ローンは、審査結果が出るまでの時間が短く、業者によっては即日結果が出る場合もあります。

銀行ローンやディーラーローンであれば、審査の申し込みを行ってから結果が出るまで数日~数週間かかる場合もあり、状況次第で車を見つけてから納車できるまで1ヵ月近くかかってしまう場合もあるでしょう。

急な出張が入ってしまったり、これまで乗っていた車が故障してしまったりした方にとって、車が手に入るまでの時間がかかってしまうことは不便に感じます。

急いで車が必要な方にとって、自社ローンの選択は良い選択だといえるでしょう。

過去の信用情報に不安がある人

過去の信用情報に不安がある人
自社ローンの審査時には、通常なら必ず通る信用情報機関の照会が行われないことから、過去の信用情報に不安がある方でも審査に通れる可能性があります。

自社ローンの審査時に重視されるのは、過去の信用情報よりも、現在の支払い能力であることが理由です。そのため、過去に支払いの延滞があったり、ブラックリストに登録された経歴があったりしても自社ローンなら利用を断念する必要はありません。

自社ローンは、「キャッシュでの購入が難しいけれど、銀行ローンやディーラーローンで審査に落ちてしまった」という方におすすめです。

複数ローンがある人

家や他の車など、既に複数のローンを組んでいる場合、過去に金融事故を起こしていなくてもローンに通れない可能性があります。これは、貸金業法に基づく総量規制によるもので、年収の3分の1までの金額しか借り入れができず、複数のローンがある場合はこれに引っかかってしまいます。

自社ローンは金融商品ではないことから、総量規制の対象外です。家計に余裕があり、これ以上の支払いが増えても問題ない方にとって、自社ローンは適しています。

複数のローンが重なって、支払いが難しくなってしまう方は、購入する車や予算などを見直しましょう。

勤続年数が短い人

就職したばかりで勤続年数が浅い方にも、自社ローンの利用が適しています。

銀行ローンや信販ローンの場合、審査には収入の安定性も調べられており、勤続年数も審査の項目のひとつです。そのため、勤続年数が浅いと、収入が不安定と判断される可能性があり、ローンに落ちてしまう場合があります。

勤めている企業や、勤務年数などは審査の合否に大きく影響し、借入れ可能額にも違いが出てくるでしょう。転職して間もない方にとっては、通常のカーローンの審査は厳しい可能性があります。

自社ローンであれば、勤続年数が浅い方でも、支払い能力が高いと判断されれば、ローンの利用が可能です。勤続年数がまだ短い方におすすめです。

非正規雇用で働いている人

非正規雇用で働いている方や、フリーランスとして働いている方も、通常のカーローンでは審査に通らない可能性があります。これは、勤続年数が浅い方と同様に、収入の安定性が低いと判断されてしまうことが理由です。

このような方でも、自社ローンなら支払い能力を重視するため、ローンを組める可能性があります。なかには保証人を立てたり、頭金が必要になったりする場合もありますが、非正規雇用で通常のカーローンの利用が難しい方は、自社ローンを提供している業者に相談してみることをおすすめします。

自社ローンの審査で走行距離はどのように評価されますか?
走行距離が少ない車は、価値が高く評価されます。中古車の価値には、年式や走行距離などの車の状態が大きく影響しています。年式が浅く、走行距離が短いほど車のエンジン部品の状態も良く、買い手が見つかりやすいことが理由です。
走行距離が短い車はメンテナンスのリスクが低いですが、設定価格が高い傾向があります。自社ローンの利用時には、車の走行距離も目安にすると良いでしょう。

自社ローンの審査を通過するためのポイント

自社ローンの審査を通過するためのポイント
自社ローンの審査は通りやすいといっても、必ずしも審査通過できるというわけではありません。

自社ローンは業者が独自に提供しているサービスであるため、利用するには信頼性が高いと判断してもらう必要があります。保証人を立てたり頭金を用意したりすることで通過率を上げることが可能です。

ここからは、自社ローンの審査を通過するためのポイントについて、紹介します。

正確な情報を申告する

審査に受かりたいからと、勤務先や年収など虚偽の申告をしてしまうことは避けましょう。嘘の内容で審査の申し込みを行っても給与明細や源泉徴収票など、書類の提出のタイミングでバレてしまう可能性が高く、信頼性も損なってしまいます。

自社ローンでは信頼が大変重要で、わざと虚偽の申告をしたことがバレてしまうと、どれだけ支払い能力が高くてもローンの利用自体を断られてしまう可能性があります。

もし、嘘がバレずにそのまま審査に通ってしまっても、後から法的問題を引き起こすリスクもあるため、正確な情報で審査を受けることが重要です。

頭金を多めに用意する

頭金を多めに用意する
自社ローンの借入れ金額が高額だと審査通過が難しい場合も、頭金を用意して借入れ金額を低くすると通過できる可能性があります。

「頭金は0円でも可能!」と謳っている業者も多くありますが、頭金を用意することで、返済能力が高いと評価してもらえることや、毎月の負担額を減らすことが可能です。

150万円の借入れは難しいと判断されてしまっても、50万円の頭金を用意して借入れ金額を100万円まで下げられると利用できる可能性が高くなるでしょう。

いくら用意するべきという明確な金額は決まっていませんが、車両本体価格の1割でも用意しておくことをおすすめします。

保証人を立てる

信用情報に問題があったり、収入が不安定だったりする場合には、保証人を立てることで審査通過の可能性が高くなります。保証人を立てることで、もしも契約者が支払えない状況になってしまっても、保証人が契約者に代わって支払いを行います。

保証人には配偶者や親に依頼することが多いですが、トラブルを回避するためにも詳細をよく伝えて、納得してもらったうえで保証人になってもらうことが重要です。

保証人がいることで、業者にとってはリスクが軽減されることが審査に通過しやすくなる要因です。自分の信用情報に不安を感じている方は、保証人を立てることを検討しましょう。

まとめ

①自社ローンは自動車販売店が独自の審査基準を設けて提供している
②中古車の走行距離も融資額に関わり、審査基準のひとつである
③自社ローンは金利はかからないが、金利相当額の手数料が発生する可能性が高い
④自社ローンは、一般的なローンの審査に落ちてしまった方や、ローン審査の結果が待てないお急ぎの方に適している
⑤自社ローンはハードルが低いからといって誰でも利用できるわけではなく、状況によっては頭金を用意したり保証人を立てたりする必要がある

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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