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車のタイヤは消耗品なので、走行距離や使用年数によって交換しなければならない時が来ます。そして、カーリースにおいて「カーリースした車のタイヤの交換はどうすれば良いかわからない!」という方も多いでしょう。
リース車のタイヤ交換はリース契約の内容によって対応が違ってきます。タイヤ交換費用がリース代に含まれる場合と含まれない場合があるからです。
タイヤ交換がカーリース契約ではどのような扱いになっているのか、交換にかかる費用や依頼先なども紹介するので知っておくと便利です。
タイヤは劣化する消耗品
車のタイヤは製造から長くても約10年で使えなくなるとされています。車の使用頻度が少なくても、タイヤの素材はゴムでできており、温度差などでも自然に劣化するからです。
車の走行時、タイヤは地面を高速で回転し続けます。タイヤの表面のゴムが地面に当たる度に擦れて摩耗し、どんどんすり減っていくのです。タイヤがすり減ると表面がツルツルとした状態になります。
そのツルツルのタイヤのまま濡れた路面を走行したり、走行中にカーブにさしかかると非常に危険です。ブレーキをかけた際にタイヤの踏ん張りがきかず、スリップを起こして交通事故につながりやすいからです。
さらに、タイヤの表面が削られると、脆くなるので走行中に急にパンクしたり、裂けたりしてしまうリスクも十分あり得ます。安全のためにも定期的にタイヤはメンテナンスしなければなりません。
タイヤ交換のタイミングと交換のサイン
製造から約10年がタイヤの寿命ですが、これはほぼ車を使用しなかった場合です。日常生活で車を使用していると、もっと早くタイヤは摩耗して寿命が短くなります。
タイヤの交換のタイミングは、車の走行距離が30,000~50,000km位になったらというのが一般的な目安です。さらに年数で言うと前回のタイヤ交換から3~5年経過したら新品のタイヤと交換した方が良いでしょう。
また、交換が必要となる具体的なタイヤの状態についても知っておくと役立ちます。例えば触ってみてタイヤのゴムが固い、サイドにヒビが入っている、タイヤの表面の凸凹したトレッドが欠けている場合は交換のサインとなります。
また、わかりやすいのがスリップサインです。タイヤの接地面の溝の間に、スリップサインと呼ばれるでっぱりがあり、残溝1.6㎜以下になると露出します。
タイヤがすり減ってくると徐々にスリップサインが出てきます。タイヤの表面にまでスリップサインが出てきたら、タイヤの溝が少なくなってきているのでタイヤ交換した方が良いでしょう。
冬はスタッドレスタイヤが必要な地域もある
冬になると、道路が凍結したり雪が積もったりして車の走行にも危険が伴います。通常履いているノーマルタイヤで凍結、降雪した道路を走行するとスリップしてハンドル操作を誤り、交通事故を誘発するリスクが高まります。
そこで冬場はタイヤの溝が深く、細かくて浅い目がついたスタッドレスタイヤに交換するという方が多いでしょう。特に降雪地域では毎年冬が来る前に交換するというのが一般的です。
スタッドレスタイヤは、道路の凍結や降雪の強い反面、熱に弱く排水機能が低いのが特徴です。冬以外の使用はタイヤの劣化を早め、雨の日に水を排出できずに滑ってしまうという一面があるので、季節に応じて交換しながら使用するのがベストでしょう。
スタッドレスタイヤの交換は、カーリースで禁止されているカスタマイズに該当しないので、基本的にはリース契約者が自由にできるメンテナンスの一つです。
タイヤ交換にかかる費用
タイヤを交換する際にかかる費用は、まずタイヤやホイールの購入費用が必要です。さらに整備工場やガソリンスタンドなどの業者に交換を依頼すると手数料として作業工賃がかかります。
購入費用は、タイヤの種類にもよりますが、ノーマルタイヤなら1本15,000円位からで高価なタイヤだと1本数万円するものもあります。4本購入すると約60,000円、高価なタイヤだと100,000円以上することもあるでしょう。
次に作業工賃ですが、タイヤ交換のみだと1本500円~2,500円位が相場です。工賃は整備工場などは安く、ディーラーは高いとされています。また、カー用品店などで交換を依頼する際に自分で購入したタイヤを持ち込むと、店舗で購入するよりも作業工賃が1本当たり1,000円ほど高くなる場合もあります。
そして、ホイールを外してタイヤに付け替える組み換えやバランス調整を依頼すると、さらに1本当たり1,000円ほど作業工賃が高くなることも少なくありません。
そして、タイヤを前後左右で履き替えるローテーションは、さらに1本当たり約500円工賃がかさみます。また、古いタイヤの廃棄料も1本当たり300円程かかります。
タイヤ交換と言っても、作業内容や依頼先によって工賃なども変わってくることを覚えておきましょう。
カーリース契約の種類
カーリースのプラン内容によって、タイヤ交換などのメンテナンス費用はリース代に含まれるか否かが変わってきます。契約者の自己負担となるプランもあれば、リース会社が負担するプランもあります。
プランについてはリース会社によって名称や内容も異なるので、わかりにくい部分もあるかもしれません。
リース契約は主に「ファイナンスリース」と「メンテナンスリース」の2つに分けられます。
簡単に言うとファイナンスリースはメンテナンスが含まれません。タイヤ交換も契約者が自分で手配し行うことになります。
逆にメンテナンスリースは、メンテナンス込みのカーリース契約になります。タイヤ交換にかかる費用もリース代に含むことができ、交換のタイミングになるとカーリース会社が連絡し、交換先も手配してくれるのです。
ファイナンスリースはタイヤ交換費用が含まれない
ファイナンスリースでは、リース車の購入費用と初期整備費、自動車税と自賠責保険料を契約月数で割った金額が月々のリース代になります。
つまり、車の維持費でもあるタイヤ交換を含むメンテナンス費用はリース代に含まれません。そのため、カーリース契約者が月々のリース代とは別に、メンテナンスにかかる費用一切を自己負担で支払うことになります。
ただし、ファイナンスリースであってもよりリース代を抑えるために、税金や自賠責保険料がリース代に含まれないリースプランもあります。そうなると、税金や自賠責保険料なども契約者が自分で支払うことになるのです。
契約内容は同じファイナンスリースであってもそれぞれ異なる場合があります。契約の前にどのような費用がリース代に含まれるのかをきちんと確認し、納得した上で契約することが大事です。
月々のリース代にタイヤ交換費用が含まれないファイナンスリースの場合、タイヤ交換が必要な時に自分でタイヤやホイールを購入することになります。手間がかかると思われがちですが、自分にお気に入りのメーカー、デザインのタイヤやホイールを制限なく選べるというメリットがあります。
タイヤとホイールは大きさや機能性、デザインなど種類が豊富です。値段もそれなりに変わってきます。車にこだわりたいという方なら自分の好きに選びたいでしょう。
さらに、タイヤの購入費用を節約したいという方もいるはずです。タイヤ専門店などの特売を狙うのもいいですが、ネットでも安く購入できます。ネットで探せば思いがけずリーズナブルな高品質のタイヤが見つかる可能性もあるので、タイヤ購入費をある程度抑えることも可能です。
ファイナンスリースだとタイヤ交換もリース契約者自身が行わなければなりません。
タイヤ交換はジャッキやレンチなどの専用の工具が必要であり、力仕事になるのでセルフ交換は難しいという方も多いでしょう。その場合は、業者に依頼すればやってもらえます。
- ディーラー
- カー用品店
- ガソリンスタンド
- 整備工場 など
ディーラーの場合は扱うメーカーの車種の構造などをよく知っており、整備士の技術力も高いので作業工賃も1本2,500円程と割高です。タイヤやホイールも純正品や純正同等以上のものを装着することになるので1本数万円になることもあります。
カー用品店は作業工賃は1本1,500円程で、店内販売の割安のタイヤを選べば1本15,000円程で交換できるでしょう。
ガソリンスタンドもカー用品店と同じような工賃ですが、タイヤの品ぞろえはよくないのでトータル的にカー用品店よりは高くなってしまいます。
タイヤ交換を業者に依頼すると作業工賃がかかります。そのため、自分で交換すれば作業工賃を節約することが可能です。
タイヤ交換にはジャッキやレンチなどの工具が必要です。平坦で舗装された場所に車を停めて、パーキングブレーキをしっかりかけ、タイヤ止めを置いて作業をしましょう。
ホイールキャップを外し、ナットを緩めます。ジャッキアップポイントにジャッキを当てて、操作しながらゆっくりと車体を持ち上げましょう。ナットを外したらタイヤも取り外します。
新しいタイヤを付け替え、ナットを締めてから車体を下ろします。再度しっかりとナットを締めてホイールキャップを取り付ければ作業は終了です。
タイヤを持ち上げたり、ジャッキアップしたり、ナットの脱着をしたりするのに力が必要です。難しそうだと感じたら無理しないで業者に依頼しましょう。
メンテンスリースはタイヤ交換費用が含まれる
メンテナンスリースは、車両の購入費と初期整備費、自動車税と自賠責保険料に加え、メンテナンスにかかる費用もリース代に含まれている契約方式です。
メンテナンスというと、法定点検や車検、オイル交換やバッテリー交換、ワイパーゴム交換やブレーキパット交換などにかかる費用が含まれます。
ただし、メンテナンスパックでもプランによって、どこまでのメンテナンスが含まれるか違ってきます。最低限のプランだとタイヤ交換まで含まれない場合もあるのでチェックが必要です。
また、タイヤ交換が含まれているプランでも、タイヤの購入代は自己負担となる場合もあるので注意しましょう。さらに、スタッドレスタイヤの交換も含まれるプランと含まないプランがあるので、そこも確認しておく必要があります。
メンテナンスリースは、基本的にリース代と燃料費だけを支払えば良いので、急な出費を抑えることができて家計管理しやすいのが特徴です。その分リース代はやや高くなりますが、車に必要な整備をやってもらえるので車に詳しくない方でも安心できるというメリットもあります。
メンテナンスリースの場合は、交換するタイヤもどれを選んでもよ良いというわけではありません。基本的にはリース会社から指定されたメーカーのタイヤとなる場合が多いことを覚えておきましょう。
中にはいくつか選択肢があって、そこから選ぶというパターンもありますが、自分でネットなどで安く購入することはできないと考えておいた方が良いでしょう。
タイヤの購入費もメンテナンス費に含まれているので、デザインやタイヤの性能などが気に入らなくても、指定されたタイヤを装着しなければならない決まりになっています。そのため、車にこだわる方にとっては自由が利かないとも言えるかもしれません。
リース代にタイヤ交換代も含まれる場合、タイヤ交換はどこでやってもらっても良いというわけではないので注意が必要です。
ほとんどの場合、リース会社が指定した工場で行わなければならないことになっています。それはディーラーもしくはカーリース会社提携工場などが指定されています。
タイヤ交換の時期が近付くと、お知らせの通知が届くでしょう。期限までに指定された工場などへ車を持っていき、交換してもらうことになります。
例えば自分でタイヤを購入し、勝手に近所のカー用品店などへ持っていって交換してもらうとします。リース会社に後でかかった費用を請求しても、契約違反となり支払ってもらえない可能性が高いです。それは、リース会社指定の工場以外でタイヤ交換を行い、何か車のトラブルが起きてしまうと責任が持てないからです。
ただし、旅行先などで急にトラブルが起きてやむを得ず交換した時は、契約内容によっては補償される場合もあります。
タイヤの寿命は一般的に約3~5年だとされています。
カーリース契約期間は人それぞれなので、例えば1~3年の短期の契約や走行距離制限が少ない契約だと通常はタイヤ交換しなくても良いことになります。逆に3年以上の契約だと自然劣化してタイヤ交換のタイミングがくれば交換が必要です。
しかし、タイヤは自然劣化しなくても急なトラブルで交換しなければならない場面もあるでしょう。パンクなどの思わぬタイヤの損傷による交換は、リース契約の場合補償の対象外として、かかる費用は契約者負担となることが多いとされています。
しかし、中には回数などを区切ってリース契約にパンクの修理を含むプランもあります。そのため、予めプラン内容をしっかり確認しておくことをおすすめします。
メンテナンスリースはカーリース会社によって内容が異なる
メンテナンスリースと言っても、契約内容はプランによって大きく異なります。
例えばあるリース会社にはメンテナンスリースのプランが2つあります。
1つは法定点検や車検、オイル交換やタイヤ交換など各種の交換にかかる費用を含む、メンテナンスに手厚いプランです。
もう1つは、車検や法定点検、オイル交換などの基本的なメンテナンスは含まれるが、タイヤ交換など消耗品の交換は含まないというプランです。
車のメンテナンスと言っても多岐にわたります。どこまでがリース代に含まれるのかきちんと確認しておくことが重要です。
さらに、リース期間中の交換回数や交換の条件なども細かな取り決めがある場合が多いので、後で困らないようにチェックしておくようにしましょう。
車に手を入れる際はカーリース会社に連絡すべき
メンテナンスリースの場合、タイヤ交換を行うのにカーリース会社から連絡が来たり点検時に整備工場からカーリース会社に指摘をして交換したりするケースがあります。
一方、ファイナンスリースの場合はタイヤ交換のタイミングが来たら、自分で判断して交換手配をすることになります。その際、予めカーリース会社に連絡を入れなければならないという取り決めになっている場合が多いので注意しましょう。
自分で交換する、もしくはタイヤを購入して交換費用も負担するから関係ないと思われがちです。しかし、万一タイヤ交換の際に何かトラブルが起きたら、やはりリース会社が把握しておかなければならないからです。
リース車はカーリース会社の所有物であり、契約者は期間中一時的に借りて使っているに過ぎないことを忘れないようにしましょう。
カーリース会社から連絡は不要だと言われる可能性もあります。しかし、契約終了時のトラブルを避けるためにも、タイヤ交換以外にも何か車を整備する際は、必ずカーリース会社に連絡を入れるようにしてください。
まとめ
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