購入、レンタル、カーリース…。自動車に長く乗りたい場合は、購入とカーリースの選択肢があります。

購入する人の場合、一括で支払いをするよりは銀行やディーラーのローンを利用して分割払いにするのが主流です。

「銀行のマイカーローン」「ディーラーのマイカーローン」などを利用して購入するか、それとも「カーリース」という選択肢を選ぶか、迷う方もいるでしょう。そこで、今回はローンとリースそれぞれの特徴と、選ぶ際のポイントを解説します!

カーローンとカーリースの最大の違い

カーローンとカーリースを比較する際、最大の違いは「ローンを使って買うか、リースを使って借りるか」ということです。

ローンもカーリースも、契約するときに毎月どのくらいの金額を支払うのかを決めるという点では共通しています。ローンの分割料金とカーリースの料金、どちらも毎月一定額を支払います。

しかし、買うのと借りるのには決定的な違いがあります。

自動車を手に入れる際、一括で買ってもローンを使って買っても、購入している以上は車が自分の物になることに変わりはありません。カーリースの場合は、車を購入するのはリース会社です。そのため、車の所有権はリース会社にあります。

銀行のマイカーローンなどを使って自分で購入する場合は、その自動車の保有者は自分です。一方、カーリースを使う場合は、自動車をカーリース会社から貸してもらっているということになります。この点が2つの最大の違いです。

銀行系のカーローンの特徴

銀行系のカーローンの特徴
自動車を買うとき、高額な代金を一括で支払う方はそう多くはありません。新車なら数百万円の出費になるため、大抵の人はローン(分割払い)で購入します。

車をローンで買うときの支払い方法として多くの方が思い浮かべるのは「銀行のマイカーローン」でしょう。

銀行が用意しているマイカーローンは、金利が比較的低いことが特徴です。そして、銀行にもよりますが、欲しい車の見積もりの段階で申し込むことができる場合が多いです。

購入する車が決まっていなくても審査の申し込みができるメリットがある一方で、審査には一定の時間がかかります。そして一般的に審査は厳しめの傾向にあります。

銀行系カーローンを利用するメリット

銀行が用意しているマイカーローンには、さまざまなキャンペーンが用意されていることも特徴のひとつです。

「特別金利」「ネット割引」などの言葉を耳にしたことがある方も多いかもしれません。申込期間を限定して普段より低い金利で申し込みができるキャンペーンがあったり、店頭ではなくネットで申し込むと金利の優遇が受けられたりすることがあります。

もしくは、ローンの申し込みを検討している銀行の口座を持っているかどうか、その銀行の他のローン(住宅ローンなど)の利用があるかどうか、などで優遇される場合もあるようです。

銀行系カーローンとディーラーローンの違い

銀行を使わずにローンを組むなら、自動車を購入する予定のディーラーで用意しているローンを利用する方法もあります。

自動車ディーラーのローンを使えば、自分で銀行に出向いたり、銀行で審査を受けたりする手間は不要です。車を購入するお店で申し込みができます。また、銀行のローンと比べると、ディーラーのローンの審査は通りやすい傾向にあります。

ただ、ディーラーローンを使う際の注意点としては、銀行のローンよりも金利が比較的高いということです。

また、ディーラーローンは一般的に、ローンの支払いが完了するまで車の所有権はディーラーにあります。ディーラーローンを完済して晴れて車が自分の物になります。

カーリースの審査は銀行ローンよりも通りやすい?

カーリースの審査は銀行ローンよりも通りやすい?
銀行系カーローンとディーラーのローンの仕組みについてはわかりました。では、カーリースの審査はどうでしょう。

「リースは自分で車を購入するわけではないから、ローンよりも審査が通りやすいのでは?」と思われる方も多いかもしれません。

カーリースを利用する場合も、ローンと同じように一定の審査があります。収入や信用情報などの項目をクリアしなければなりません。

しかし、ほとんどのカーリースの審査はネット上で完結し、ローンよりも気軽に審査の申し込みができます。また、カーリースの申し込みをするときにもし安定した収入がなくても、連帯保証人を立てることで審査に通る可能性もあります。

審査の内容は一般には公開されていませんが、傾向としては銀行ローンの審査の方が厳しく、カーリースは比較的通りやすいようです。

ローンとカーリースそれぞれの車に乗るまでの流れ

銀行のマイカーローン、ディーラーローン、カーリースのサービスの申し込みから利用開始までの一般的な流れを見てみましょう。

銀行のマイカーローンを利用する場合の流れ

1.欲しい車種を検討する
2.銀行の店頭または銀行のWebサイトから見積もりを申し込む
3.銀行の審査が完了する
4.ローンの融資が決定後、車を購入する
5.納車

ディーラーローンを利用する場合の流れ

1.購入する車種を決める
2.ディーラーの店頭で仮審査をする
3.仮審査が通った後、必要書類を提出し本審査が行われる
4.ローンの融資が決定後、車を購入する
5.納車

カーリースを利用する場合の流れ

1.欲しい車種を決める
2.カーリース会社のWebサイト(または店頭)にてリースの申し込みをする
3.最短当日にリースの審査が行われ契約完了
4.納車

この3つのサービスの流れを以下で詳しく説明します。

銀行でローンを組んで買う場合

銀行でローンを組んで買う場合
銀行カーローンは、車を実際に購入する前でも、検討している段階で仮審査の申し込みができる場合が多いです。

まずはディーラーで欲しい車を検討しましょう。

その後、どの銀行のローンを申し込むかを決めます。既に口座を持っている銀行のサービスを利用する方もいれば、利用したことがない銀行でもマイカーローンのキャンペーンなどを利用する方もいます。複数の銀行の中から最も適切なサービスを選び、申し込みを行います。

銀行のマイカーローンの審査に必要な物は、主に以下の3つです。

  • 免許証などの本人確認書類
  • 収入が証明できる書類(源泉徴収票など)
  • 車の見積もり

※銀行によっては「ローンを借りた後の資金の使い道が確認できる書類」や「借入金の支払いが確認できる書類」が必要な場合もあります。

銀行の申し込み要件を満たしているかを確認しましょう。

ディーラーのローンを利用する場合

ディーラーのローンを利用する場合は、ショールームのその場で申し込みをすることができます。

車を見に行って欲しい車が決まれば、ショールームを出ることなく仮審査の申し込みができるのが一般的です。仮審査の結果については最短で当日中にわかることが多いため、手続きが速いのがメリットとなります。

仮審査が通った後に本審査となり、本人確認書類などの提出が必要です。

本審査については、ディーラーが用意しているローンは、銀行のローンに比べて審査にかかる時間が短いのが最大の特徴です。

カーリースを利用する際の手続きの流れ

カーリースを利用する際の手続きの流れ
ほとんど全てのカーリース会社では、ウェブサイトで見積もりを出すことができ、その後の契約もオンライン上で完結します。カーリースの申し込み手続きは、例外を除いてオンラインで全て完結できると思っていて良いでしょう。

カーリース会社のウェブサイトに乗っている車の中から自分が乗りたい車を選び、まずは見積もりを申し込みます。

カーリース会社から見積もりが送られてきたら、そのまま審査・リース申し込みへと進んでいきます。

カーリースは、ローンの申し込みと比べると手続きはシンプルです。銀行のローンを利用する際は、自動車ディーラーで欲しい車を決め、その後に自分で銀行への申し込みをし、再度ディーラーへ赴いて購入手続き…となりますが、カーリースについては、ウェブサイト上で見積もりから納車までワンストップで完結するのが魅力です。

オンラインでのカーリース申し込み・審査が完了した後は車庫証明等の書類を用意したりなどのやり取りは必要となりますが、最寄りの自動車ディーラーにリース車を届けてもらい、納車してもらうという形になります。

ローンの場合は初期費用が高額になる

自動車を分割で購入し、月々一定の金額を返済していくローンですが、購入するときにはやはり初期費用がかかります。その金額は決して少なくはありません。

ローン購入で必要な初期費用の内訳は、主に以下になります。

  • 自動車本体の頭金
  • 自動車税
  • 自動車重量税
  • 環境性能割
  • リサイクル料金
  • 自賠責保険
  • 納車費用
  • 登録に必要な諸費用(手数料)

このように、購入にかかる費用は自動車本体の価格だけではありません。ローンで申し込む場合でも、購入時は税金や諸費用、頭金を合わせた合計金額の支払いが必要となります。

車両価格やオプションの購入価格により頭金は変動しますが、初回はまとまった金額を用意する必要があります。

カーリースは頭金・初期費用がかからない

カーリースの場合の初期費用はどうでしょう。

カーリースは自分で車を購入するわけではないので、自動車税などの支払いは不要となります。(自動車を購入するカーリース会社が負担してくれます。)

自動車購入の頭金についても、申込時はかからないか、または毎月のリース料金に含まれている場合がほとんどです。初期費用を捻出する必要がないというメリットは大きく、予算がない中で車が必要な人にはうってつけのサービスと言えるでしょう。

ローンと比べてカーリースは初期費用がかからないのも大きなメリットであり魅力です。毎月の支払いも一定額に決まっているので管理しやすいです。

ローンとカーリースでは月々の支払いに差が出る?

ローンとリースでは月々の支払いに差が出る?
ローンの申込時は初期費用の支払いが必要となり、カーリースの場合は初期費用の支払いは必要ありません。それを除けば、ローンもカーリースも毎月一定額を支払うという点で共通しています。

ローンで購入した自動車については、自動車の所有権は自分です。そのため、車を所有しているだけかかる自動車税、車検代などのランニングコストが月のローンの支払いの他に必要となります。

その点では、カーリースと比べ、ローンで自動車を購入した場合は、車一台にかかるトータルコストが見えにくいと言えます。

ローンで車を購入した際の維持費

ローンで自動車を購入した場合、本体の購入価格以外にも払わなければならない支出があります。

ローンで自動車を購入した後も定期的にかかってくる代表的な金額としては「毎年払う自動車税」「数年おきに発生する車検代と自賠責保険料」などです。

車を買うということは、車が自分の物になるということです。そして、言い方を変えれば車を管理するのが自分しかいない、ということになります。

ローンの代金以外に定期的に維持費が必要だということも考慮し、慎重に検討しましょう。

カーリースの場合は車の維持費がかからない

カーリース契約の場合は、購入と違って車の維持にかかわるコストはかかりません。

通常、カーリースの契約内容には月額のリース料の中にメンテナンス料をはじめとした維持費も含まれています。また、契約内容によっては車検や点検・整備にかかる費用がカバーされるものもあり、急な支出が出ないようになっています。

消耗品の交換費用など、車を保有していると思わぬ出費が出てくるものです。カーリースならそうした出費に慌てる必要も少ないというメリットがあります。

ローン購入が向いている人

以下の項目に当てはまる方は、ローン購入に向いている方と言えます。

  • ある程度まとまった初期費用が用意できる
  • 車の所有権を持ちたい
  • 毎日長距離を運転するなど走行距離が長い
  • 車の管理の手間が苦にならない

カーリースの場合は走行距離に上限が設けられているため、月間で約2,000km以上の距離を運転する可能性がある方は購入した方が良いでしょう。

また、当たり前ですが車を購入すれば、その車は自分の物になります。車の維持や管理も自分で全て行う必要があるということを覚えておいてください。

カーリースの利用が向いている人

以下の項目に当てはまる方は、カーリースの利用がおすすめです。

  • 車に乗りたいがまとまった初期費用をすぐには用意できない
  • 車の維持費はできるだけ抑えたい
  • 車の管理に手間はかけたくない
  • 車にかかわる突然の出費を気にしたくない
  • 数年おきに新しい車に乗り換えたい

カーリースは初期費用がかからず、管理・維持の手間や出費も抑えて車に乗ることができます。また、カーリースの契約期間によって、満了時に新車に気軽に乗り換えることもできます。

カーリースのメリットも押さえて、ローンで購入する場合とどちらが自分に合っているのかを比較してみましょう。

金利が上がった場合ローンの返済額はどうなる?

金利が上がった場合ローンの返済額はどうなる?
ローンの支払金額には金利が大きくかかわってきます。金利はローンで借りた金額に追加で支払う金額になります。

自動車を購入するために借りた金額以外にも、金利は必ず支払わなければなりません。金利は一定ではなく景気の動向によって変動します。

ローンには「固定金利型」と「変動金利型」の2種類があります。銀行のマイカーローンでは「変動金利型」という仕組みを利用している場合が多いです。

変動金利型とは?
市場の経済状況などによって金利が上下した場合それに合わせて、購入者が負担する利息も上下するということです。

金利が低いときに車を購入した場合でも、数年後に金利が上がる可能性も考えられるため、たとえローンの返済中あっても返済金額が増えてしまうリスクがあります。

カーリースなら金利が上がっても支払い額はそのまま!

銀行のカーローンは「固定金利型」か「変動金利型」を利用者が選ぶことはできないこととなっています。

固定金利型の方が金利は高めですが、利用者が支払う金額は変動しないためリスクはありません。それに比べて変動金利型は金利は高めという特徴があります。

銀行によって異なりますが、多くのマイカーローンでは変動金利型を採用しています。

カーリースについては金利があらかじめ含まれて設定されているため、こうした金利変動のリスクについても考える必要はありません。市場の経済状況によって金利が高くなったという場合でも、リースの月々の支払額が上がることは基本的にはないので安心です。

将来的にローンで購入した車を乗り換える際の手続き

ローンで購入した車を乗り換える際には、売却や廃車などの選択肢がありますが、それらの手続きは全て自分で行う必要があります。

車を売るときは「自動車検査証」「自動車納税証明書」「リサイクル券」など手続きに必要な各種書類を集めて揃えなければいけません。

そして当然ですが、売却時に車につく価値は新車で購入したときよりも下がっています。値がつけられない場合もあり、その場合は廃車や名義変更をして知人に譲り渡すなどの方法もあります。

また、新しく車をローンで買うときは改めてローンの申し込み・審査が必要です。

カーリースの契約満了後は?

カーリースの契約満了後は?
カーリースの契約が満了したら、基本的に車はリース会社に返却する必要があります。

リース車の返却の際に料金が発生するかどうかは契約内容によりますが、残価設定ありの契約をしている場合には、残価の支払いが発生する場合もあります。

それ以外にも、リース車を買い上げることができたり、他の車両に乗り換えたりというオプションが用意されている場合もあります。

ローン購入した自分の車を売却するのと違い、リース車の乗り換えに関しては面倒な手続きが特に必要ないのです!

簡単に新しい車に乗り換えられるのはカーリース!

各自動車メーカーは数年おきに、性能の高い新しいモデルを発売します。ピカピカの新車を購入したといっても、車のモデルチェンジは数年サイクルで行われますので、じきに古くなります。常に新しいモデルに乗り続けたいという方は、数年契約のカーリースがおすすめです。

車を購入するときの銀行へのローンの申し込みや初期費用が不要なだけではなく、乗り換えの際に大きな出費や面倒な手続きが発生しないことは、カーリースの最大の魅力といっても良いでしょう。

ローンとカーリースそれぞれのメリットを比較し、自分に合った方法で車を手に入れてください。

まとめ

①銀行やディーラーのローンとカーリースでは審査の通りやすさに差があります。
②ローンを組むとどうしても初期費用は高額になります。初期費用を抑えたいならカーリースの方が良いでしょう。
③カーリースなら銀行でのローンの申し込み手続きは不要です。
④カーリースはローンの金利を考えなくても大丈夫です。
⑤乗り換え時の手続きは、ローンで購入するよりもカーリースの方が楽です!

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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