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交通事故はいくら自分が気を付けていても誰にでも起こりえます。
車を運転する上で事故が起きると、人がケガをしたり、物が壊れたりと損害が発生し、場合によっては賠償責任を負うこともあるでしょう。そういった損害に対する補償を行うのが「自動車保険」です。
自動車保険には「強制保険」と「任意保険」の2つがありますが、強制保険だけでは補償が不十分なので任意保険にも加入するのが一般的です。そのため、カーリースを利用する上で自動車保険がどうなっているのか知っておく必要があります。
また、どういった任意保険に加入すれば良いのかについても紹介するので保険選びの参考にしてみてください。
車の保険は大きく2つに分けられる
車の保険は、主に自賠責保険と任意の自動車保険の2つに分けられます。
自賠責保険は必ず加入しなければならない保険です。公道を走る全ての車両が加入しており、未加入だと法律で罰せられます。
一方で任意の自動車保険は加入するかどうか、自由に決められる保険です。そのため、未加入であっても法律上は問題はありません。
しかし、ほとんどの車は任意の自動車保険に加入しているのが現状です。交通事故が起きて生じた損害に対する補償が、自賠責保険だけでは不十分だからです。
自賠責保険は事故の被害者の死亡もしくはケガに対する補償のみであり、補償額にも上限が設けられています。一方で、任意保険は事故の被害者はもちろん加害者や同乗者の死亡もしくはケガに対する補償、双方の車や建物、ガードレールなどの交通工作物など物の損害に対する補償にも対応しています。
現実問題として、自賠責保険のみでは万一交通事故で加害者となった場合、全ての損害を保険でカバーすることはできず、自己負担額が大きくなってしまうでしょう。事故に備えるためにも任意保険の加入は必要です。
加入が義務付けられている「自賠責保険」とは?
自賠責保険は、自動車損害賠償保障法という法律により加入が規定さされている強制保険です。
未加入もしくは保険の期間が切れた車で公道を走行させると法律違反となり、1年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金に処せられます。また、違反点数6点となり、少なくとも30日間の免許停止という行政処分も課せられます。
車を購入した際に加入し、車検時に更新手続きを行います。車種によって保険料が決まっており、数年分を前払いする形です。
自賠責保険では、被害者救済を目的としているので、事故の被害者の人的損害補償のみとなります。自身と相手側の車の損害やガードレールなどの物の損害、自身や同乗者のケガに対しての賠償はなされません。
被害者の人的損害補償ではケガに対する保証が最大120万円、死亡・後遺障害補償が最大3,000万円(常時介護の時は最大4,000万円)とそれぞれ金額に上限が設けられています。
加入するか自由に決められる「任意保険」とは?
任意の自動車保険は、自分の意思で加入するかを決められる保険です。法律で加入が規定されていないので、未加入でも罰せられることはありません。
しかし、自賠責保険は前項で説明したとおり被害者の人的損害にしか補償さず、補償額も上限があるので不十分です。事故の加害者になると、場合によっては莫大な賠償金を請求され、保険でカバーされない部分は全て自己負担となってしまいます。
任意保険は自賠責保険でカバーされない損害を補償してくれるので、ほとんどのドライバーが加入しています。
補償内容は、主に以下になります。
- 他人を死傷させてしまった時の補償となる「対人賠償保険」
- 他人の車や建物、電柱などを破損した場合の補償となる「対物賠償保険」
- 車の搭乗中や歩行中に事故で死傷した際の補償となる「人身傷害保険」
- 契約車両に搭乗中の方が死傷した場合の補償となる「搭乗者傷害保険」
また、事故や自然災害、飛び石などで契約車両が壊れた際の補償となる「車両保険」も付けることが可能です!
どの保険をどの位の補償額で設定するかは契約者が自分で決めることができます。
カーリースでは自賠責保険は加入済みになっている
リース車は、契約時に既に強制保険である自賠責保険には加入しています。未加入での公道走行が法律違反になるので、契約時の手続きの中に含まれているのです。
カーリース契約時には加入を証明する自賠責保険証明書を渡されるので、保険期間なども確認しておきましょう。
自賠責保険は、一般的には車の購入時に加入して、車検時に更新手続きを行い、その都度保険料を支払いますが、カーリースの場合は自賠責保険の保険料が毎月のリース代に含まれている場合が多いです。そのため、リース契約中に請求されることはまずないので、急な出費に慌てることもなく、家計管理しやすいのも魅力となります。
また、あらかじめリース契約年数分の自賠責保険に加入しているので、更新を忘れて保険が切れていしまうというリスクもないので安心です。
カーリースを利用する上で、気を付けなければならないのが任意保険です。任意保険は未加入の状態になっているリースプランが多いのが現状です。
カーリースのリース代には税金や保険料などの一部の維持費が含まれているため、任意保険にも加入していると思いこんでいる方もいるかもしれません。しかし、通常のリースプランでは任意保険には加入していおらず、リース契約者が別途任意保険の加入手続きを行う場合がほとんどです。
リース契約時に任意保険に関しては、スタッフから説明があるはずなので、知らずに契約がスタートするということはまずないでしょう。契約時に未加入であることを把握し、忘れずに加入手続きを行ってください。
カーリースでは、任意保険に加入しているリースプランもあります。
任意保険の保険料がリース代に含まれるため、任意保険がついていないプランよりも保険料の分、月々のリース代が高くなります。しかし、別途自分で加入しなくても良いので効率的です。
任意保険つきリースプランを利用する際は、補償内容や範囲などをきちんと確認しておくことも大事です。主に以下の内容はきちんと見ておきましょう!
- 対人や対物の補償限度額
- 同乗者に関しての補償の有無
- 車両保険の補償範囲 など
保険の補償内容や約款は割と細かいので確認するのは面倒かもしれませんが、見落としがあると補償されずに困ることになるので、しっかり目を通しましょう。
カーリースの任意保険の必要性
任意保険がついたリースプランでなければ、一般的にリース車は自賠責保険のみで、任意保険には加入していない場合がほとんどです。リース車でなくても任意保険が未加入だと、万一の事故の際に多額の賠償金を負担しなければならない可能性もあります。
また、特にカーリースを利用していると、マイカーのように車を使えるとしても、そのリース車の所有者はリース会社です。一時的に借りている車なので事故で壊れたら修理しなければならず、修理代も契約者負担となってしまいます。
車が全損するとリース契約は解除となり、解約金も支払うことになるでしょう。カーリースだからこそ、不測の事態に備えて任意保険への加入は必要だと言えます。
ここからは、任意保険の必要性について詳しくご説明していきます。
自動車保険のうち、強制保険である自賠責保険のみでは万一の交通事故の際の補償が不十分だとされています。
自賠責保険は事故の被害者が死亡した場合や後遺障害が残ってしまった場合、ケガをした場合にのみ賠償金が支払われます。
しかし、交通事故だと加害者や同乗者、双方の車の破損、建物やガードレールなど物の破損などが生じる場合が多いです。そういった損害は自賠責保険の補償対象外となってしまうので、加害者が自己負担しなければならなくなります。
また、被害者の人的損害への補償額も自賠責保険では支払限度額が決まっており、決して十分な額とは言えません。自賠責保険の限度額を超える賠償金を請求されたら、超えた分は加害者の自己負担となります。
そこで、任意保険に加入していれば、対人補償や対物補償も無制限となっている場合が多いので、賠償金も保険で十分カバーできます。また、運転者や同乗者が被った人的損害(ケガ等)についても補償してもらえるので、安心です。
交通事故でリース車が破損して修理が必要となる場合もあるでしょう。リース契約では、毎月のリース代には車の修理費用は含まれません。そのため、かかった修理代は全額契約者側の負担となってしまいます。
また、カーリース契約の終了時には、リース車を返却する際に査定が行われます。事故車は資産価値が下がるので、契約時に設定した残価よりも査定額が安くなってしまう可能性もあるでしょう。そうなると、残価と査定額の差額を「追加金」として支払わなければならなくなります。
もし車が全損して修理不能となってしまえば、リース契約は強制的に解除となる場合がほとんどです。契約途中の強制解除となると、残りのリース代や残価分を含む「解約金」の支払いを求められます。車もないのに残りのリース代を払う義務だけが生じるので、経済的な負担が大きくなります。
そこで、任意保険に加入しておけば、車の修理代は車両保険でカバーされます。全損の場合は全額とはいかなくても保険金が下りるので解約金の足しにはなるため、経済的な負担も軽減されるでしょう。
どれだけ安全運転に心がけていても、交通事故を防げないこともあります。運転者が交通ルールをきちんと守って運転しても、停車中に後ろから追突されたり、急に人が飛び出してきたりするといった不測の事態が起こりえます。
ドライバーの注意だけでは防ぎきれない事故がある以上、完全に事故を無くすことは難しいでしょう。いつ自分が交通事故の加害者になってしまうか分かりません。
また、車同士の事故の場合、過失割合によって事故の際の責任の大きさが違ってきます。少しでも自分に過失があれば、自身の損害を全て相手が賠償してくれるわけではありません。そのため、万一の場合に備えて任意保険に加入して備えておくことが大事です。
カーリース専用の任意保険とは?
リース車は一般的な任意保険にも加入することは可能です。しかし、中にはリース車は加入できない保険もあるので注意が必要です!
また、リース会社ではリース車専用の任意保険を提供している所もあります。カーリース契約と同時に加入手続きも終わるので、効率的です。
カーリース専用任意保険は、リース車に特化した補償対象、内容になっているのが魅力です。さらに任意保険料を月々のリース代に含めることができるので、家計管理しやすいのも利点だと言えます。
また、カーリース専用任保険ならでは特徴もあります。
例えば、一般的な任意保険は、更新が1年ごとにあります。そして、無事故無違反でゴールド免許になると保険料が下がりますが、交通違反をしたり事故で保険を申請すると保険料が上がるという仕組みになっています。
リース専用任意保険では、リース契約期間が保険期間となっているので期間中は保険料は一定額です。事故があっても違反をしても保険料は下がりません。カーリース契約が長期間であれば、保険料を抑えることもできます。
加入しておいた方が良い補償範囲について
ここからは、任意保険の補償範囲について加入しておいた方が安心なものを3つ紹介します。
交通事故により損害が発生した場合、誰が賠償するかは事故当事者の過失割合によります。事故の原因となった方が過失が大きいとされ、加害者という扱いになります。
自分が加害者になると、相手方の負傷程度や負傷者の人数などによっては、数千万円もの賠償金を請求されることもあるでしょう。万一相手が亡くなってしまうと、さらに莫大な賠償金を支払わなければなりません。
こういった損害賠償に備えて一般的な任意保険は、対人賠償に関して賠償額が無制限になっていることが多いです。しかし、対物賠償に関しては無制限のプランもあれば、上限金額が選べるプランもあります。
無制限にすると保険料は上がる可能性がありますが、例えば建物などを損壊するとかなりの賠償金を請求されることもあり得るので、無制限にしておくとより安心だと言えます。
リース車を運転していて事故を起こしても、車の修理代は全て契約者の負担となってしまいます。修理代の負担を軽減するには、任意保険に車両保険をつけることが大事です。
車両保険をつけるとその分リース代は上がりますが、免責金額に応じて保険料は違ってきます。
免責金額は自分で設定することも可能ですが、免責金額が0円だと保険料が高い傾向にあるので、設定する際は保険料とのバランスも考慮した方が良いでしょう。リース会社のプランによって設定額も違ってくるので、比較してみてください。
任意保険では基本の補償の他に、必要な補償を特約としてつけられるオプションがあります。それは主に以下の内容が挙げられます。
- 事故の賠償に関する交渉を弁護士に依頼した際、その費用を負担してくれる「弁護士費用特約」
- 日常生活で起きた損害に対する補償をカバーする「個人賠償責任特約」 など
特約をつけるとその分、費用が加算されますが、万一の場合の備えとなるでしょう。
カーリースでは、通常車が全損になると強制解約となり、解約金を請求されます。しかし、全損時の解約金がカバーされる特約もあります。
さらにカーリース契約終了間際で事故を起こすと、中途解約金よりも修理代が上回るかもしれません。そうなると損をしてしまうので、その場合は修理代を優先して補償してくれる特約もあります。
リース会社によって色々な特約が準備されているので、よく調べてみましょう。
カーリースプランにあった任意保険を選ぼう
任意加入の自動車保険は万一の事故に備えて加入するものですが、不測の事態だけに、どのようなことが起こるかは分かりません。
また、リース車は自分の車ではないため、プランによっては契約終了時に返却する必要があります。その際に、車にあらかじめ決められた範囲を超えた傷や凹みがあれば、原状回復費用を追加で請求されます。
そのため、任意保険に加入するにはもちろんですが、補償範囲もできれば広くしておくと安心です。ただし、あまりに補償を手厚くしすぎると今度は保険料が高くなってしまうので、バランスが大事です。
カーリースの任意保険は自分で探した保険に加入するか、リース会社が準備した保険会社から選ぶか、始めから任意保険つきのプランにするかなどいくつか選択肢があります。
「補償内容」「補償範囲」「保険料」などを比較し、つけられる特約なども調べて必要なものをピックアップすると分かりやすいです。リース車の使い方なども考慮しながら、ベストな任意保険をつけられるようにしましょう!
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。