現金でもなく、ローンとも違う新しい車の選び方として浸透しつつあるのが「カーリース」です。

これまでカーディーラーへ来店して契約するのが当たり前だった車が、Webで契約まで完結できるカーリースの普及により、新車がもっと身近な存在になりました。しかし、まだ比較的新しい契約方法のため、その仕組みはいまいちピンと来ない方も多いかもしれません。

今回は、リースの仕組みを簡単に解説しつつ、カーリースにかかる費用として後々重要な要素となる「残存価格」について掘り下げて紹介します。

そもそもリースとは?

そもそもリースとは?
カーリースとは、ディーラーで新車を一括またはローンを組んで購入するのではなく、リース会社にて契約期間を定め、車を借りて乗る方法です。

契約期間は、概ね3年から10年と幅広く、契約期間が長いほど月々の支払額は安くなります。

一般的なカーローンと違うところは、車の所有権がユーザーではなくリース会社にあるところですが、使用する感覚はほぼマイカーを所有している感覚と同じで、好きな車を選び、自由に乗ることができます。

カーリースの大きな特徴としては、車の維持費である車検や税金、保険にメンテナンス費用などの出費が月々の料金にすべて含まれている点が挙げられます。そのため、出費に波がなく、まとまったお金が一度に出ていく心配がありません。

このように、車にも月々定額のサブスクリプションサービスを導入し車の維持に対する敷居を低くすることで、より多くの方が気軽に新車に乗れるサービスとして登場したのがカーリースという新たな選択肢です。

リースでよく聞く残存価格とは?

リースでよく聞く残存価格とは?
カーリースを利用するにあたって注意したいポイントの1つが、車の「残存価格」です。

残存価格とは、リース契約が満了した時点の車の「将来価値」のことで、略して「残価」と呼ばれています。

カーリースの料金は、車の本体価格から将来価値である残存価格を差し引いた金額が月々の利用料金として計算されているため、契約内容によっては本体価格をそのまま分割して払うカーローンを組むよりも月々の支払額がお得になる仕組みです。

その上、車の諸経費がすべて月額料金に含まれていますので、月額料金に多少の割高感があったとしても、寧ろ総合的に見ればお得に感じる点がメリットです。

ただし、車の残存価格は、契約時に選んだ車種や設定した走行距離によって決まります。走行距離が多いと残存価格が下がり、毎月の利用料金が上がっていきます。

また、契約満了の取り扱いについてですが、契約プランによっては差額を精算しなければなりません。カーリースを契約する前に契約満了時の取り扱いについて確認をしておくことをおすすめします。

お得にカーリースを利用する上で重要なポイントは以下の3つです。

  • あくまでも自分の予算に合った車種を選ぶこと
  • 車の使用状況を想定して大まかな年間走行距離を把握し、適切な走行距離を設定すること
  • 万が一、車の修復が必要になった状況を考えて車両保険が付帯している保険を選ぶこと

車の残存価格が低くなってしまうケースとは?

車の残存価格が低くなってしまうケースとは?
残存価格によっては、契約満了時に思わぬ出費が発生してしまう可能性があることをお伝えしました。それが、残存価格が低くなってしまった結果「追加精算」が必要なケースです。

追加精算は、契約時に開示された車の残存価格よりも、契約満了時に車を返却する際に行う査定の査定額が下回った場合に発生します。

こうした思わぬ出費である追加精算が発生するケースとは、一体どのような状況なのでしょう。追加精算が発生するパターンを3つまとめました。

1.契約時に設定した走行距離を超過した

カーリースを契約するときには、車の残存価格を決めるため契約から返却するまでの走行距離を決め、設定した走行距離に基づいて月々の支払金額が異なります。

走行距離が少ないほど消耗が少なくなるため、車の残存価格は高くなります。そのため、走行距離を短く設定すれば月々の支払金額は安く抑えることができるということです。

しかし、設定した走行距離よりも長い距離を走って返却してしまうと残存価格が契約時に開示された価格よりも下がりますので、返却時に追加で差額を精算する必要があります。

契約するときに、無闇に走行距離を短く設定し、月々の支払金額を安くしようとすると、返却時に思わぬ出費を強いられるかもしれません。そうなると、走行距離が気になって思ったようなカーライフを満喫できないこともあります。

契約時には自身の使用環境、つまり車を利用する頻度や月間走行距離を把握し、自身のライフスタイルに合った走行距離を設定することが大切です。

2.傷や凹みがあって修復が必要なとき

2.傷や凹みがあって修復が必要なとき
一般的なカーローンと違い、カーリースは車の所有権がユーザーではなくリース会社です。よって、契約が満了し車を返却する際には、原則として「原状回復」の状態で返却することが求められます。

車をぶつけたり、飛び石などでボディに傷や凹みがついたりしてしまった場合、修理費用は基本的にユーザーが負担することになっています。返却時に傷や凹みがあると自己負担で修理費用を追加で精算しなければなりません。

また、所有権がリース会社にある以上、ホディに傷や凹みをつけたときには速やかにリース会社に連絡する必要があります。これは、傷の申告漏れによるトラブルを回避するためなので、些細な傷でも発見したら自身で判断せずにすぐにリース会社に連絡をしましょう。

ただし、レンタカーのように時間や日単位で借りるわけではなく、年単位で長期間に渡り車を使用するので、全く傷をつけずに契約満了まで乗ることは、自身の過失による傷はなくても難しいです。契約するときは、加入する任意保険の保証内容を確認し、なるべく車両保険付の保険に加入するのがおすすめです。

3.契約満了時の車の市場価値が下落した

カーリースを契約するときの意外な落とし穴が、契約した車の「中古車市場価値」です。

中古車市場価値の下落により返却時の査定額が著しく低くなってしまい、結果として契約時の残存価格より査定額が低い(マイナス査定)現象が起こります。

マイナスになった差額はユーザーが負担しなければなりませんので、選択した車種の中古車市場価値にも注意する必要があります。すなわち、中古車市場価値が下がりにくい車種を契約すれば、リスクを抑えることができるということです。

ちなみにマイナス査定分のユーザー負担については契約内容によって不要になるケースもあります。事前に確認しましょう。

市場価値が下がりにくい車の特徴

市場価値が下がりにくい車の特徴
中古車市場価値が下がりにくく、マイナス査定となりにくい車の特徴として挙げられるのは、人気の高い(販売台数の多い)車です。

人気の高い車は市場の変化に左右されにくく、結果として追加精算も発生しにくくなりますので、人気の車種はチェックしておくと安心です。

また、スポーツカーのようにコアなファンが定着している車は、市場価値が高値で安定していて、場合によっては返却時にプラス査定となることがあり、お金がいくらか戻ってくるパターンもあります。

そこで、ボディタイプ別に特徴をまとめてみました。

軽自動車

軽自動車は、自動車税が優遇されていて、且つ消耗品の価格や保険料も普通車に比べて安く、維持費が安いため、地方のように公共交通機関が充実していない地域において日常の足として欠かせない存在です。

ライフラインとしての需要があるため、市場価値は下落しにくい特徴があります。

また、コンパクトながらも室内空間の広さ、内装の高い質感、電動スライドドアを備え、普通車を凌駕する性能や使い勝手を売りにした軽もあり、ファミリーユースとしての需要もあるのが、市場価値に左右されにくい理由と言えます。

ミニバン

他の車種を寄せ付けない圧倒的な室内空間の広さやスライドドアによる利便性の高さから、子育て世帯に絶大な人気を誇っているミニバンは、ファミリーを中心に需要が高いため、こちらも市場価値に左右されにくいとされています。

コンパクトで運転しやすい売れ筋の5ナンバー枠ミニバンをはじめ、堂々たる風格を持った高級ミニバンは、憧れやステータス性があり、年数が経っても価値が下がりにくいのが特徴です。

SUV

ミニバンよりも各メーカーの個性が強く出ていて、見た目のカッコ良さやオシャレさを求めるユーザーを中心に需要があるのがSUVです。

ターボやハイブリッドを備えるモデルも多く、高い走破性を発揮しながらも、荷室の広さ、車高の高さによる視界の良さが特徴で、幅広い層に人気のジャンルです。

実用性と趣味性のバランスが良く、様々なユーザーから需要があるため、市場価値は高めなので、チェックしておきたいジャンルです。

スポーツカー

車としての実用性や便利さを求めず、ひと目で印象に残る見た目のカッコ良さ、走りの楽しさにフォーカスしたスポーツカーは、車好きを中心に根強いファンが多いです。

価格が高くても購入するケースが多いため、人気が高いスポーツカーは年数が経っても殆ど市場価値が下がらないのが特徴です。

中でも希少性が高いマニュアルミッション車、伝統のあるネーミングを持ったスポーツカーは愛好家も多く市場価値が上がることもあるので、プラス査定となり得る可能性が高くなっています。

場合によっては追加精算が必要な「オープンエンド契約」とは?

場合によっては追加精算が必要な「オープンエンド契約」とは?
オープンエンド契約とは、契約時にリース会社がユーザーにあらかじめ残存価格を公開し、同意の上で契約する方法です。

オープンエンド契約の特徴は、契約時に残存価格がわかる点、残存価格を高めに設定するので、月々の支払額が安く抑えることができる点です。

しかし、満了時に残存価格割れが生じた場合、追加費用を支払う責任がユーザー側にあるので、残存価格を高めに設定しすぎた場合は、追加精算が発生します。逆に、残存価格よりも査定額がプラスだった場合は、発生した差額を受け取って契約を終えることも可能です。

また、オープンエンド契約は契約満了時に車を買い取ることができますので、お気に入りの車種を最終的には自分の所有物にすることもできます。

残存価格の責任はユーザーに委ねられ、契約満了時に返却するか買い取るのかを自由に選択できる自由度の高い契約方法と言えます。

追加精算が必要ない「クローズド契約」とは?

追加精算が必要ない「クローズド契約」とは?
クローズド契約とは、ユーザーに残存価格を公開せず、契約満了時の追加精算を行わない契約方式のことです。

オープンエンド契約と比べると総じて月々の支払額は高めですが、残存価格の責任はユーザーではなくリース会社にあります。万が一残存価格割れが発生した場合でも、ユーザーが追加費用を負担することはありません。よって、オープンエンド契約よりもリスクが低い契約方式と言えます。

一方、クローズド契約では車を買い取ることは原則としてできませんので、契約が満了したときは、返却するか期間を延長する(再リース)かの2択のみです。

買い取るという選択ができず、残存価格も非公開なので自由度は低い分、残存価格の減少による追加精算が発生するリスクを負うことなく車を借りることができます。そのため、ユーザーとしては車の運用に気を使わなくてよいという安心感があります。

クローズド契約のメリット

クローズド契約のメリットは、契約満了時に残存価格よりもマイナス査定となった場合の追加精算を、ユーザーが負担しない点です。これにより、ユーザーは特に車の市場価値を気にすることなく車を借りることができますので、普通に車を使用する分には安心して車に乗ることができます。

契約満了時の追加精算がない

追加精算が起きない仕組みとして、残存価格の追加精算をする責任がオープンエンド契約だとユーザー側にあります。対して、クローズド契約はリース会社がその責任を負うため、差額が発生した場合はリース会社が負担することになります。

そのため、ユーザー側は大きな瑕疵を起こさない限りは満了して返却する際の追加精算は基本的に発生しません。

クローズド契約のデメリット

続いてクローズド契約のデメリットを2つ紹介します。

  • オープンエンド契約と比べて月々の支払額が高めに設定されていること
  • 契約満了時に車を買い取ることができず、たとえお気に入りの車をリースしたとしても自分の所有物にはできないということ

具体的にまとめると以下の通りです。

月々の支払い額が高め

クローズド契約は、リース会社側に残存価格の差額を負担する責任がありますので、リース会社は市場価値の下落リスクを考慮した上で月々の支払額を設定しています。そのため、残存価格はあらかじめ低めに設定されており、結果として月々の支払額はオープンエンド契約よりも高額になります。

契約満了時に車を買い取れない

クローズド契約では、オープンエンド契約と違い、契約満了時に残存価格を支払って車を買い取るという選択ができません。そのため、契約満了時にユーザーの選択肢は自ずと車を返却するか、契約期間を延長するかの2択のみです。

借りた車が気に入って愛着が湧いたとしてもその車を自分の所有物にすることができません。

お気に入りの車を手放したくない、将来的には自分だけのオリジナルにカスタマイズしたいという方は、オープンエンド契約を交わし、残存価格を支払って買い取るか、カーローンで購入しましょう。

クローズド契約が有利になるケース

クローズド契約が有利になるケース
クローズド契約の特徴は以下の3つです。

  • ユーザー側が追加精算をすることはない
  • 月々の支払額は高め
  • 車を買い取ることができない

これらの特徴を踏まえた上で、クローズド契約にした方が有利になるケースを紹介します。

カーリースの利用が初めての方

クローズド契約は、初めてカーリースを利用する方や車の市場価値などの知識にあまり自信がない方など、残存価格の追加精算をするリスクを最小限に抑えたい方におすすめの契約方式と言えます。

他にも、契約期間中だけワンランク上の車に乗りたい、1台の車に永く乗るよりも、満了したら返却してまた別の車を契約して様々な車に乗りたいという方にもおすすめです。

オープンエンド契約が有利になるケース

オープンエンド契約が有利になるケース
続いてオープンエンド契約の特徴をまとめると以下の4つになります。

  • 残存価格が契約時よりも下がった場合の追加精算はユーザーが負担する
  • そのかわり、残存価格はユーザー同意の上で高く設定可能
  • 月々の支払額が安い
  • 契約満了時、残存価格を精算して車を買い取ることができる

これらの特徴を踏まえ、オープンエンド契約が有利になるケースを紹介します。

車の市場価値や使用状況を把握している方

オープンエンド契約に向いている方は、車の市場価値をある程度理解しており人気が高い車を狙ってリースできる方や、とにかく月々の支払額を安く抑えたい方です。

オープンエンド契約で残存価格を高めに設定し、月々の支払額を安く抑えた方が良いでしょう。

また、残存価格を支払って車を買い取ることができますので、最終的に自分の車にしたい方も、オープンエンド契約をおすすめします。

リースした車の市場価値が上がってプラス査定となった場合には、差額を受け取ってから契約を終えることができるのもオープンエンド契約ならではの特徴です。車の市場価値に詳しい方、自信のある方は差額を受け取れる可能性があるオープンエンド契約がおすすめです。

まとめ

①残存価格とは車の将来価格。つまり契約満了時点の車の価値をいう。
②契約時に設定した走行距離を超過したり傷などで修復が必要だったりする場合、さらに市場価値の下落により残存価格が低くなってしまうと満了時に追加精算が発生する。
③残存価格が低くなって追加精算するリスクを避けたい場合は、残存価格の責任をリース会社が負う「クローズド契約」がおすすめ。
④リスクを理解し、月々の支払額を安く抑えたいなら、残存価格の責任をユーザー自身が負う「オープンエンド契約」がおすすめ。
⑤クローズド契約は、車の契約満了時には原則として車を返却するか契約の延長をするしかなく、車を買い取ることはできない。リース初心者向け。
⑥オープンエンド契約は、最終的に車を買い取って自身の所有物にすることができる。 車の市場価値や年間走行距離を理解している方向け。
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グーネット定額乗りマガジン編集部
グーネット定額乗りマガジン編集部

カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。