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車を購入し、使用する際に車両本体費用の他にもランニングコストがかかってきます。それはカーリースを利用する際も同様です。税金や自賠責保険などの諸経費から日々の燃料費まで、車に関する費用は様々です。
カーリースでは、月のリース代が予め計算されて決まっています。この定額リース代には、全てのランニングコストが含まれるわけではありません。
では、どのようなランニングコストが含まれるのかを詳しく見ていきましょう。
カーリースの料金システム
カーリースは毎月のリース代を支払えば、マイカーと同じように車が乗り放題という車のサブスクリプションの一種です。リース会社が車を購入し、リース契約により契約者が期間中車を借りて自由に乗れるという仕組みになっています。
毎月のリース代は車の車両本体価格から残価を差し引き、税金などのランニングコストを足して契約月数で割った金額になります。
残価というのは、契約年数経過時に予想される車の価値のことです。新車であっても車を使うと年月が経てば価値が下がります。
例えば3年のカーリース契約なら3年後の中古車としての車の値段が算出され、予め車両本体価格から差し引かれるということです。
残価を引くことで、新車を購入するよりも車両本体価格が安くなります。さらに一部の維持費がリース代に含まれるので、まとまった出費を抑えることができるのもカーリースの利点だと言えるでしょう。
カーリースの契約方式やプランの種類
カーリースの契約方式には主に2つの種類があります。それは「オープンエンド方式」と「クローズドエンド方式」という、2つの残価に関する契約方式です。
オープンエンド方式は、残価をリース契約者に予め公開し、契約終了時の査定額が残価より安い場合差額の支払いを請求し、逆の場合は差額をリース契約者に支払うという契約になります。
双方同意の上、残価を高めに設定すれば月々のリース代は抑えられますが、契約終了時に残価が下がれば差額を請求されるというリスクが生じます。
クローズドエンド方式は、リース契約者に残価を公開しない代わりに、契約終了時に生じた差額の請求もしくは受け取りもないという契約です。差額の請求ができない分、残価は低めに設定されるのが一般的です。
また、カーリースのプランは、大きく「ファイナンスリース」と「メンテナンスリース」の2つに分けられます。
ファイナンスリースは、リース代に車両本体価格と自動車税、自賠責保険を含むプランです。
車検や法定点検、オイル交換などのメンテナンス代は含まれません。メンテナンスを行う際は自己負担となります。
メンテナンスリースは、メンテナンス代が含まれているプランです。
メンテナンス料の分だけ月のリース代はやや高くなりますが、急な出費がなくなるので家計管理しやすいでしょう。
カーリースのリース代に含まれるランニングコストとは?
月々のリース代は既に契約の時点で計算され、決められています。このリース代は全てではないですが、ランニングコストの一部が含まれています。
利用に関してどのようなランニングコストが含まれるかを知っておく必要があるでしょう。
含まれるランニングコストはリースプランによって異なります。
基本的には全てのプランのリース代には、「自動車税」「自賠責保険料」「車を購入する際にかかる各種手数料」などが含まれています。
メンテナンス付きのプランに含まれているのは、「車検や法定点検にかかる費用」をはじめ、「オイル交換」「バッテリー交換」「タイヤ交換」などのメンテナンスに関するランニングコストです。
車には色々な税金がかかりますが、その一つが「自動車税・軽自動車税」です。これは車の排気量によって納税額が決められており、排気量が大きい車は税額が高くなります。
通常は年に1回1年分をまとめて納税することになっていますが、カーリースだと基本的に月のリース代に含まれています。
さらに、車の重量に応じて課税額が変わる「自動車重量税」もかかります。これは車両重量が重いとその分税額も高くなります。
自動車重量税は、車検時にまとめて3年分もしくは2年分納税するのが一般的です。カーリースでは、自動車重量税も月のリース代に含まれています。
また、車を購入する際に納める「環境性能割」もリース代に含まれています。環境性能割は環境負担軽減率、例えば燃費基準値達成度などによって税率が変わる税金です。燃費性能に優れた車は税額が軽減されます。
法律で加入が義務付けられている自賠責保険の保険料も、リース代に含まれるランニングコストの一つです。未加入の車は法律違反となり罰せられるので、リース会社の方で予め加入手続きが済んでいます。
自賠責保険料は車種によって異なりますが、軽自動車の方が普通車よりも自賠責保険料が安価になっています。カーリース契約年数によって、何年分の自賠責保険料が必要なのかという部分も変わってきます。
リース代に含まれれば税金と同様に自賠責保険料の支払いを忘れることもなく、急な出費に慌てることにないので効率的だと言えるでしょう。
車を購入すると諸経費がかかります。ナンバプレートを取得するための「登録費用」や「登録を業者が代行するための手数料」などです。
さらに、リース車はマイカーと同じように契約者が駐車場を確保して保管し、日常的に使用することを前提としています。そのため、自動車の保管場所を証明しなければなりません。いわゆる「車庫証明」の取得が必要で、手数料がかかります。
他にも、廃車後のリサイクルに必要な「リサイクル料」も、車を購入すると支払わなければなりません。
こういったナンバープレート取得料や登録代行料、車庫証明取得料やリサイクル料金といった各種費用、手数料もリース代に予め含まれています。
車のかかるランニングコストの中で、大きな割合を占めるのがメンテナンス代です。
新車購入から3年後、それ以降は2年ごとに車検を受けなければなりません。さらに1年ごとに法定点検もあり、その都度点検料がかかります。
エンジンオイルやエレメント、バッテリーやワイパーのゴム、タイヤなどの部品や消耗品なども年月と共に劣化するので交換しなければなりません。また、寒い地域では冬になるとスタッドレスタイヤへの交換も必要です。
こういったメンテナンスにかかる費用はファイナンスリースの場合は、リース代に含まれません。メンテナンスの度に自己負担となります。
しかし、メンテナンス込みのプランにすれば、こういったメンテナンス代がリース代に含まれます。どのメンテナンスが何回含まれるかは、プランによって違うのでよく調べてみましょう。
カーリースのリース代に含まれないランニングコストとは?
カーリースでは、リース代に含まれないランニングコストもあります。
ガソリン代は、車の使用頻度や走行距離、燃費によってかかる費用が変わってきます。駐車場代は、自宅に駐車スぺースがある方だと必要ありません。
こういった個人個人によってかかる費用が変わってくるランニングコストは基本的にリース代には含まれないこととなっています。具体的にどのような費用があるか見てみましょう。
車を使用する時、どの位の頻度で乗るか長距離か短距離かなど、走行距離数も人によってそれぞれ違います。
例えば、リース期間中にたまたま1ヶ月間は車に乗らなかったのに1ヶ月の燃料代が毎月のリース代に含まれていると、毎日乗った方と比べても損をするイメージがあるでしょう。
また、ガソリン代は経済状況に応じて価格変動しやすく、月によって1ℓあたり数円~数十円違ってくることもあります。都市部が物価の関係でガソリン代も高く、地方は安い傾向にあるので居住地によっても格差が生じます。
燃料代は一律ではないので、定額での設定ができないためリース代に含まれていません。
リース車はマイカーのように使用できるため、必ず保管場所が必要となってきます。
車を購入する際も、自動車の保管場所を証明する書類「車庫証明」の取得が欠かせません。もちろん、リース車を使用する上でも車庫証明は必要です。
車庫証明を発行してもらうには、自宅の車庫がなければ自宅から半径2㎞以内で駐車場を確保しなければなりません。
自宅に駐車スぺースがあれば良いですが、ない場合は月極駐車場を借りなければならず、駐車場代がかかってしまいます。マンションなどの賃貸にお住まいの方だと駐車場代を家賃とは別に支払うことになるでしょう。
駐車場がある方にとっては駐車場代は不要であり、個人の事情によって異なります。一律で駐車場代を設定するこも難しいため、リース代のランニングコストには含まれないのです。
車を運転していると、自分が気を付けていても交通事故を起こしたり巻き込まれたりすることがあります。交通事故で車を破損してしまった場合の修理代は、リース代には含まれていないので自己負担です。
また、タイヤのパンクやエンジンの不調、バッテリー上がりなど思わぬアクシデントに見舞われる可能性もゼロではありません。リース車がいくらきちんと整備されていても車には予想外のトラブルがつきものです。そういった故障やトラブルにおける修理代に関しても、リース代には含まれないので自己負担となります。
ただし、故障時に修理代を補償するというオプションが付けられるリース会社もあります。このオプションは別途料金がかかりますが、万一の場合も修理代を自己負担しなくても済みます。
カーリースの月額リース代には、強制保険である自賠責保険料が含まれている場合がほとんどです。
自動車の保険には、使用者が自由意志で加入の有無を決める「任意保険」があります。リース車は任意保険には加入していません。
万が一、任意保険未加入のまま交通事故にあった場合、自賠責保険だけでは最低限の被害者の人的な損害しか補償がされないことになっています。そのため、加害者や同乗者の人的な損害や車、物の損壊に対する補償は自己負担となります。
自賠責保険で補償されない部分をカバーしてくれるのが任意保険になります。もし未加入で交通事故が起これば、莫大は補償金が自己負担となる可能性もあるため、一般的にほぼ全員のドライバーが任意保険に加入しています。
任意保険の保険料は、リース代には含まれないので、自己負担となります。リースプランの中には任意保険料込みのプランもありますが、その分リース代は高くなります。
カーリースの契約終了時に加算される可能性のあるコスト
カーリース終了時は、「車を返却する」「再リース契約をして引き続き使う」「車を返して別の車で新たにリース契約を結ぶ」「残価を支払って買い取る」といった選択肢があります。
リース車を返却する際は、リース契約時と同じような状態でなければならないと決められています。つまり、車に傷がついていればその修理代が別途請求されるかもしれません。
また、予め走行距離が設定されている場合、オーバーした分の追加金を請求されることもあります。
リース車は、返却後に中古車として売却することを前提に残価を設定しています。そのため、契約終了時に返却される際は原則して、契約時とほぼ同様の状態であることが求められます。
もし、ボディに傷や凹みがあれば、原状回復をするのにかかる費用が別途請求されてしまいます。
また、車内のシートなどの汚れやタバコの臭いなどは、契約時の査定でマイナス要素となってしまい、クリーニング代として追加金が請求される可能性が高いでしょう。
そうなると、当初想定していたよりもリース車に費用がかかってしまうのでリース契約中は車を丁寧に扱い、車内の汚れや臭いにも気を遣う必要があります。
カーリースでは、契約時にリース車の走行距離に制限が設けられている場合がほとんどです。契約終了後のリース車を中古車として売却する際に、走行距離が多いとその分価値が下がり、中古車市場ではマイナス要因になってしまいます。
走行距離の平均は大体1年で12,000㎞位です。年間12,000㎞よりもかなり多いと過走行車となりいくら車の年式が新しくても、中古車価格は下落してしまいます。走りすぎた分エンジンなどの主要パーツを酷使していることになるので、車の機能性が落ちると判断されるからです。
カーリースでは、走行距離が月に500㎞~2,500㎞で設定されている場合が多いです。日常的に使う分にはまずオーバーすることはないですが、仮に超過してしまったら、「1㎞につきいくら」というように追加金が請求されてしまうので、契約期間中は注意しましょう。
契約年数ごとのカーリースのトータルコスト
3年、5年、7年というように、カーリースは年単位での契約が一般的です。リース会社によっては1年単位で契約年数を設定できる場合もあります。
そして契約年数によってかかるリース代も変わってきます。
例えば、ミニバンでメンテナンス代を含まないファイナンスリース、クローズド方式の契約の場合で考えてみましょう。
月額約93,000円、1年間で約112万円の支払いとなります。
月額約46,000円、1年間で約55万円の支払いとなります。
月額約38,000円、1年間で約46万円の支払いとなります。
月額約33,000円、1年間で約40万円の支払いとなります。
軽自動車になると月額1万円台、2万円台のリース代で契約できるプランもあります。
ローンを組んで車を購入するよりも月々の支払いが安く抑えられる場合が多いので、「車をマイカーにように使いたい方」や「まとまった資金がなくて車を持ちたい方」などにも適しているカーレンタルサービスだと言えます。
カーリースでは車両本体価格から残価を引き、税金などを足した総額をリース契約の契約月数で割った金額がリース代です。そのため、リース契約期間が長いと支払回数が増えるので、その分リース代が安くなります。
リース契約年数が短い方が、契約期間終了時の車の価値が高いので残価は高めに設定されます。残価が高いとその分車両本体価格から差し引かれる金額が大きいので、トータルのリース代は安くなるでしょう。
ただし、残価が高めに設定されると、契約終了時の査定で残価が下がればその時点で差額の支払いが請求されてしまいます。
しかし、残価を公表しないクローズドエンド方式にすると、リース会社はリスクを回避するために、残価を低く設定する傾向にあります。
リース契約時にどのようなプランを選ぶか、契約方式をどうするかによってかかる費用も違ってくるので、慎重に検討した方が良いでしょう。ただ、トータルのリース代を考えると、やはり短期間よりはリースは長期契約の方がコスパが良いと言えます。
まとめ
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