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カーリース契約をして、リース車を使っているうちに事情が変わり「解約したい」と考える方もいるでしょう。
カーリースは契約途中で解約できるのか?利用してから困らないように契約前に詳しく知っておく必要があります。また、やむを得ない途中解約であっても発生する「解約金」について把握しておくと役立ちます。
できる限り途中解約を回避するにはどうすればよいか、対策についても紹介するので参考にしてください。
カーリースは基本的に途中解約できない
カーリースは、始めに「リース契約の年数」を決めてから契約します。
契約年数は3年、5年、7年といった期間が一般的です。中には1年単位での契約期間を設定できるリース会社もあります。
リース車はマイカーとほぼ同じように使えますが、車の所有者はリース会社となり、契約者は使用者になっています。
リース車を使っている間、転勤が決まって車が不要になるなどで解約したいという事情が生じる可能性もあるでしょう。しかし、カーリースではリース期間を決めて契約している以上、途中解約はできないことになっています。
リース会社によっては途中解約を認めている所もありますが、解約金を請求されるので支払いの義務が生じます。
途中解約に関しては、リース契約を結ぶ際の取り決めとして説明がなされるはずなので、きちんと把握しておくことが大事です。
車が全損すると途中解約しなければならない
カーリース契約中に、交通事故で車が全損してしまうこともあります。全損というのはもはや修理不可な状態のことです。修理できないため、リース車は必然的に廃車となってしまうでしょう。
リース車が全損すると車自体がなくなるので、もはやリース契約自体を継続させることはできません。
基本的にリース契約は転勤など自分の都合では解約できませんが、リース車が全損すると合意していなくてもカーリース契約は自動的に途中解除となってしまうのです。それはリース契約の残りの期間とも関係ありません。
例えばリース契約が5年だったとし、後半年で契約期間が満了となる場合であっても、車が全損したら解約となり解約金の支払いを請求されることになります。
自動的に解除となるケースとしては他にも以下のような内容が挙げられます。
- リース車の盗難
- 第三者への無断転貸 など
詳しい内容についてはリース会社の約款に記載されているはずです。リース車の使用を契約者本人に限定しているという契約になっていれば、家族や第三者に運転させるだけで約款違反となり自動解約となってしまう場合もあります。
途中解約できない理由は料金体系にある
カーリースの契約が途中解約できない理由は、リースの料金体系にあるとされています。
カーリースは、リース会社が契約者が希望する車を代わりに購入し、一定期間貸し出す仕組みになっています。車の購入費用は、リース会社が契約者に代わって支払っているのです。
車両本体価格に税金や自賠責保険料などの一部の維持費を加えた総額を契約月数で割った金額を、月々のリース代として契約者がリース会社に支払います。リース代はあらかじめ計算されているので、契約途中での解約は想定していません。
リース契約終了時に必要な費用が全て支払われるように計算されているので、基本的に途中解約ができないことになっています。
例外的に途中解約できるケース
基本的にカーリースは途中解約はできないことになっています。約款にも記載されており、説明もあるはずなので覚えておいてください。
ただし、やむを得ない事情によりカーリースを解約したい、解約しなければならないケースもあります。
例えば海外への転勤が決まった場合、海外までリース車を運んで使うことは現実的ではありません。また、契約者がケガをしたり、病気で物理的に運転できない状態になる、もしくは亡くなってしまうという場合も考えられます。
もしリース期間満了まで回復できないのであれば、事情を説明することで解約できるかもしれません。
契約者が亡くなると相続人に権利が相続される可能性はありますが、リース会社によって対応が異なるので約款をきちんと確認しておくことが必要です。
また、交通違反や交通事故で運転免許証が取り消しになってしまった場合なども挙げられます。他にも結婚や、妊娠、出産などライフスタイルの変化が生じることもあるでしょう。
契約者が運転てきなくなる個人的な事情が生じた場合、解約が認められるかどうかはリース会社の判断に委ねられます。そのため、個々のリース会社によって解約の有無は異なるので、あらかじめ確認しておくことが必要です。
途中解約で発生する解約金について
やむを得ない事情でカーリースを解約する際は、解約金を支払わなければなりません。
リース代は車両本体価格から残価を差し引き、税金や自賠責保険料などの維持費を足した総額を契約月数で割って算出されています。解約金は、残りのリース期間でかかる費用を回収するためのものです。
リース会社側は途中でリース契約を解約することを前提としていません。契約満了時に必要経費とリース会社の利益が回収できるよう、あらかじめ支払ってもらうリース代を決めています。
途中解約されることで、得られるはずであった会社の利益を損なうことにもなるので、解約に関しては比較的厳しくなっているのでしょう。
リース契約を途中解約する際の解約金には、まず残りのリース期間で支払う予定であったリース代が含まれます。
一般的には途中解約を希望した月の翌月から、契約期間終了時までのリース代の総額です。
契約時に残価を設定した場合は途中解約する時点でのリース車を査定し、残価よりも査定額が下がっていた場合は、差額の支払いも解約金に含まれます。
例えば5年契約で残価を300,000万円と設定した場合。4年で解約となり査定額が200,000円となっていたら差額の100,000円は解約金の一部として支払わなければなりません。
途中解約時点で車に傷や凹みがある、車内に臭いや汚れがついている、事故による修理歴がある場合などは査定額が下がる可能性が高くなるでしょう。
また、解約に伴う書類発行にかかる事務手数料も解約金に含まれます。
他にも、これまでにリース代の支払いが遅れていた場合は未払いリース代や遅延損害金などの上乗せとなります。
解約金には含まれない費用もあります。それは、途中解約を希望した時点において発生しなかった税金や自賠責保険料です。自動車税は年に1回納めることになっていますが、あらかじめリース代に含まれています。
例えば5年のカーリース契約の3年目で途中解約となると、2年分の自動車税も支払わなければいけなくなってしまいます。
リース車を使用しておらず、カーリース契約も解約となるのに先の2年分の税金を支払うのは損です。そのため、その分は残リース期間のリース料からは差し引かれます。
また、契約終了時のリース車の査定額も除かれます。
途中解約における解約金の計算方法は、まず「残りのリース期間のリース代」と「契約時の残価」と「解約時にかかる事務手数料」を足します。その金額から「未経過分の税金」と「解約時の査定額」を差し引いた金額が解約金となります。
例えば5年のリースで、月々のリース代が30,000円のリース契約を3年で途中解約する場合を見てみましょう。
3年間で支払ったリース代は108万円になります。リース期間満了の5年では180万円が必要だったので残りのリース期間のリース代は720,000円です。
そして残価が600,000円、途中解約時の車の査定額が500,000円とします。
他にも残りの2年分の税金、つまり未経過分の税金40,000円、事務手数料は20,000円と想定します。
計算式は以下になります。
(720,000円+600,000円+20,000円)-(40,000円+500,000円)= 解約金
この場合、計算すると解約金は800,000円支払うことになります。
カーリースを途中解約しないためには?
カーリースを途中解約するとなると、解約金を支払わなければなりません。そうなると、経済的な負担も大きいでしょう。
どうしても事情があり解約しなければならないこともありますが、できれば避けたいものです。途中解約しないためにはライフスタイルに合った契約プランを立てることがまず大事です。
万一の事故に備えて任意保険に加入する、日頃のメンテナンスをこまめに行い故障リスクを下げる、といった点にも注意しましょう。
ここからは、カーリースを途中解約しないための方法を5つ紹介します。
カーリース契約は長期間であればあるほどリース代は抑えられます。ただし、あまりに長期の契約にするとその間に車が不要になったり、車種を変えたいと思ったりすることがあるかもしれません。
転勤、結婚、出産、両親との同居など、カーリース契約期間中に考えられる生活環境の変化を考慮して決めると、途中解約も極力避けられます。
「契約時は家族が少なくコンパクトカーでよかったけれど、子供が生まれたらミニバンに乗り換えたい!」などはよく起こりうるケースです。家族が増える予定ならば、3年契約のコンパクトカーにして、3年後にミニバンに乗り換えるなど計画的なプランを考えることが大事です。
また、ライフスタイルに合わせた車選びもポイントとなります。
例えば、街乗りが多い場合は燃費がよくて小回りが利く「軽自動車」や「小型のハイブリッド車」などが適しています。逆に長距離運転が多いなら、ボディ剛性が高く運転してても疲れにくい「SUV」などの車種を選ぶと良いでしょう。
また、カーリースは走行距離の上限も設けられており、契約終了時にオーバーしていると超過金を請求されます。そのため、車を使う頻度や距離に見合う走行距離を設定することも大事です。
計画的にカーリースを利用しても、契約終了後もまだ車が必要だというケースもあるでしょう。この場合、再度リース契約を結ぶという方法もあります。
「将来的に車は不要になるかもしれない」という思いで、年数を短く契約したとしても、リース契約終了時に継続したいと思えば再度契約できます。それなら1回の契約を短期間にしても安心です。
そして、再リースとなれば月額のリース代も安くなるでしょう。また、リース契約終了時に再リースではなく、新たな車種に乗り換えることもできます。
法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」は、リース契約時に既に加入済みです。
ただし、自賠責保険は被害者の死亡もしくはケガに対する補償のみで、補償額にも上限があります。加害者や同乗者の人的損害、車や建物などの物の損害に対する補償はありません。
自賠責保険のみでは補償が十分でない場合が多いのです。そのため、一般的に自賠責保険では補償対象外になる損害への補償をカバーする「任意の自動車保険」に加入します。
ほとんどの任意保険は対人賠償が無制限になっているので、万一事故の加害者になってしまっても安心です。
リース車が事故で全損になると、リース契約は強制解約になります。そうなると、残りのリース期間のリース代や残価などを含む解約金の支払いが必要です。
自車の損害に対する補償をカバーする任意保険の車両保険をつけておけば、万一全損になっても解約金の一部が保険金でカバーできるので負担が軽減されます。
また、リース車の修理代も任意保険から支払われるようにすれば、万一の場合も安心できるでしょう。
リース契約は原則として、契約期間終了までは同じリース車を借りて使うことになっています。しかし、始めはコンパクトカーに乗っていて、家族が増えたのでミニバンに乗り換えたいという場合も出てくるかもしれません。
リース会社の中には、契約から一定期間経過したら、リース契約途中で他の車種に乗り換えが可能というプランもあります。
また、原則カーリースは途中解約はできず、やむを得ず解約するなら解約金を請求されますが、リース契約から一定期間経過すれば解約金なしで解約が可能となるプランも出てきています。
ただし、こういったプランは、リース会社側も途中解約のリスクが高くなるため、通常のカーリースよりも月々のリース代がやや高くなる傾向にあるので確認しておきましょう。
ライフプランの変更により、リース契約期間中に車を変えたい、リース契約を解約したいとなる可能性が高いなら、こういった乗り換えプランを選ぶのも一つの対策だと言えます。
カーリース契約では通常、リース期間終了時の車の価値「残価」を設定して車両本体価格から差し引きます。
しかし、途中解約になると残りのリース代と共に残価分も解約金に含まれ、支払わなければなりません。残価分の支払いがなくなれば、解約金の負担も軽減されるでしょう。
リース会社の中には、残価設定なしのプランを提供している所もあります。残価を設定しなければ残りのリース代と事務手数料を支払えばよいので、多少なりとも解約金の金額が抑えられる可能性があります。
残価設定がないと、リース期間中に車両本体価格を支払うことになるので、残価設定ありの場合よりもリース代はやや高めに設定されると思われがちです。しかし、残価なしでもリース代は安く設定しているリースプランもあるので、うまく活用してみるのも一つの方法です。
途中解約というと、事故によりリース車が全損になる場合が多いと思われがちです。しかし、中には契約中に予想外の自然故障が起こり、修理ができない場合や修理費用が高額になる場合は途中解約に至る、というケースもあるかもしれません。
故障であってもリース会社は修理代を負担しないので、全て契約者負担となってしまいます。
例えば、リース期間が残り1年位で故障すれば修理代は自己負担、途中解約しても解約金がかかるということになります。(ただし、メーカー保証の範疇であれば修理費用の自己負担はなくなります)
故障を防ぐためには、日頃から定期的なメンテナンスを行っておくことが大事です。特に長期のリースプランだと、エンジンオイルやバッテリーなどが消耗しやすく、交換しなければ大きな故障につながることも考えられます。
カーリースではメンテナンスを含むプランもあります。リース代がやや上乗せとなりますが、必要なメンテナンスを忘れずに受けることができるので効率的です。
自分に合ったカーリース会社、プランを選ぼう!
リースプランは、各カーリース会社によって異なります。
- リース代の料金体系
- 契約期間
- 残価設定の有無 など
様々な項目で違いがあるので、利用する際は事前によく調べて、プランを比較することが大事です。
また、カーリース契約の途中解約は解約金を支払わなければならず、経済的な負担が大きくなってしまいます。そのため、途中解約はできる限り回避できるようにあらゆる事態に備えてよく検討することをおすすめします。
できる限り予想できるライフプランの変化を、生活環境の変化を考慮し、自身や家族のカーライフにマッチしたリース会社やプランを選びましょう。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。