お金の支払いが滞ると「ブラックリストに載ってしまう」といった文言をよく聞きます。しかし、実際にブラックリストがどのようなものか、またどのような影響を及ぼすかを詳しく知らない方もいるでしょう。

この記事では、借金を滞納し、ブラックリスト(信用情報)に登録された場合のリスクや日常生活で起こりうることを紹介します。

ブラックリストに登録されると日々のお金の使い方を変える必要があるため、支払いの滞納を避ける収支バランスが欠かせません。

借金の滞納でブラックリストに登録されると日常生活に支障をきたす

結論として、ブラックリストに登録されてしまうと生活の様々なシーンで支障をきたします。

例えば、クレジットカードが使えなくなり高い買い物がしにくくなったり、ローンを組めずにスマートフォンや車などの購入が難しくなったりするかもしれません。

ブラックリストに登録されると5年や10年など、長い期間支払いに支障をきたすため、できる限り支払いはスムーズに行い、ブラックリストに載らないための意識改革が大切です。

ブラックリストに登録されると起こること

ブラックリストに登録されると起こること
ここでは、ブラックリストに登録されてしまった場合、日常生活で見られる6つの困りごとを紹介します。

ブラックリストに登録されるとお金の支払いに対する信用が低くなっているため、クレジットカードやローン審査、分割払いなど様々なシーンで悩みを抱えるでしょう。

クレジットカードが作れなくなる

ブラックリストに登録されると、クレジットカードが使えなくなります。現在使っているクレジットカードの更新はもちろん、新規での作成も不可能です。そのため、高額な買い物は難しくなるでしょう。

また、クレジットカードにETCが付帯している場合はそちらも使えなくなります。そのため、高速道路に乗る際はETCではなく一般料金の支払いになります。ETCは高速道路において割引がきくため、なくなると出費が増えるデメリットもあります。

クレジットカードの性質として、利用料金の支払いを翌月に払うという、信用をもとにした仕組みが見られます。そのため、ブラックリストに載っており信用がない状態の場合は「クレジットカードも支払いが滞る可能性がある」と判断され、使えなくなるのです。

車のローンが組めなくなる

ブラックリストに登録されると車のローンが組めなくなります。

車は通常100万円以上の初期費用が必要なため、多くの方がローンを組んで購入します。しかし、ブラックリストに登録されてローンが組めなくなると資金をまとめて用意する必要があります。

まとまった料金の支払いが難しい場合は思い切って車を手放すことも検討しましょう。どうしても車が必要な場合はレンタカーや、月額料金で車を使用できるカーリースの選択肢も視野に入れましょう。

住宅のローンが組めなくなる

ブラックリストに登録されると住宅ローンも組めなくなります。これから戸建ての購入を考えている場合は注意が必要です。

住宅は車よりもより高額なため、ローンを組まずに購入することは難しいです。そのため、ブラックリストに登録されてしまった場合は登録期間が過ぎるまで住宅の購入を見送る必要があるでしょう。

スマートフォンの分割払いができなくなる

ブラックリストに登録されると、スマートフォンの分割払いも不可能になります。

スマートフォンの分割払いは信用をもとに行う支払い方法のため、支払いにトラブルがある場合は利用できません。

ブラックリストに登録されている期間中にスマートフォンを購入したり機種変更を行う場合は本体代金の一括払いが必要です。

近年はスマートフォンの本体代金が10万円以上と高騰しているため、支払いが難しいこともあるでしょう。スマートフォンは生活必需品のため購入が難しいとなると今後、様々なシーンにおいて支障をきたします。

賃貸契約ができない可能性がある

ブラックリストへの登録は、引っ越しの入居審査が難しくなる可能性もはらんでいます。

アパートやマンションの賃貸契約は、信用情報の確認を行います。その際にブラックリストに登録されていることが分かると「家賃の支払いが難しいのでは?」と考えられ審査に落ちてしまう可能性があるでしょう。そのため、新たに賃貸契約ができない可能性があります。

もしも審査に通らない場合は、連帯保証人を立てたり、審査の必要がない、ないしはゆるい物件を探す必要があります。

保証人になれない

ブラックリストに登録されている期間、家族や友人の保証人になれないリスクもあります。

保証人・連帯保証人は、お金を借りた本人が返済できなくなった際に代わりにその負債を追う義務のあるものです。そのため、本人と同等に一定の返済能力が求められます。

しかし、ブラックリストに登録されている人の場合、そもそも支払いに信用がない状態です。そのため、家族がローンを組みたいと思った時に頼ってもらうことはできないでしょう。

なお、保証になれないのは賃貸契約やカーローンなどだけでなく、奨学金においても同様です。そのため、子どもの奨学金を借りる際も不都合が生じるでしょう。

ブラックリストと信用情報の違いはなんですか?
ブラックリストと信用情報は同じ意味合いを含んでいます。ブラックリストというリストは実際に存在せず、個人の信用情報に事故情報が登録されていることを「ブラックリストに載っている」と表現しています。

【生活のイメージ①】クレジットカードがない生活

【生活のイメージ①】クレジットカードがない生活
ここからは、ブラックリストに登録されてしまい、クレジットカードが使えない生活をイメージしていきましょう。

これまでクレジットカードを始めとしたキャッシュレス決済に慣れていた人は、買い物で不便さを感じたり、ストレスを抱えることになるでしょう。

キャッシュレス決済ができず不便さを抱える

これまでバーコード決済をクレジットカードに連結して行っていた場合、クレジットカードが使えなくなっているためキャッシュレス決済ができなくなるでしょう。

近年は様々な店舗でキャッシュレス決済が進んでおり、財布を持たずとも買い物ができるようになっています。スマートフォンのバーコード決済を利用したり、スマホケースにクレジットカードを入れておいて買い物に使ったりすると、財布いらずで生活ができました。

しかし、キャッシュレス決済ができないとなると、財布を持ち歩く必要があったり、財布の中の現金を絶えず確かめる必要があります。

高額な買い物がしにくくなる

クレジットカードを使えない場合、高額の買い物が難しくなるでしょう。

例えば、5万円程度のバッグを購入したいと思った時、これまでは分割払いを使えば月々1万円などで購入可能でした。しかし、クレジットカードが利用できない状態では、コンビニ振込や銀行振込など、その時にまとまった支払いをする必要があります。

そのため、資金の用意が難しく購入を断念することもあるでしょう。

サブスクリプションを使えなくなる

これまでクレジットカードを使いサブスクリプションを利用していた人は、支払い方法を変更したり最悪の場合、サービスを利用できない可能性もあります。

例えば、サブスクリプションで音楽を聞いているのであれば、クレジットカードが使えないサービスでは解約する必要があるでしょう。

クレジットカードなしでも楽しめる音楽や動画配信サービスはありますが、クレジットカード払いできるものよりも選べる選択肢が減ってしまいます。

【生活のイメージ②】スマートフォンを分割払いできない生活

【生活のイメージ②】スマートフォンを分割払いできない生活
次にスマートフォンを分割払いで購入できないケースをイメージしてみましょう。

ブラックリストに登録されて信用情報に傷がつくと、スマートフォンも現金で一括購入になります。スマートフォンは近年価格が高騰しており、10万円以上のものが多く見られるため、資金捻出に悩みます。

スマートフォンが壊れても買い替えられない

第一に、まとまった資金を用意できなければスマートフォンの買い替えが不可能です。

スマートフォンを落として画面が割れた、経年劣化により電源が入らなくなったなど様々な問題でスマートフォンの買い替えが必要になっても購入できなくなるでしょう。

最悪の場合はスマートフォンを手放すことになる

スマートフォンの分割払いが難しい場合、家族の協力を得て契約する方法もあります。しかし、頼れる家族が近くにいなかったり、断られたりする場合はスマートフォンを手放す必要もあります。

スマートフォンを手放すと最悪の場合、連絡が絶たれてしまうといったことも考えられるでしょう。

近年、民間・官公庁問わず様々なサービスをスマートフォンで提供しています。スマートフォンがない状態では生活に支障をきたすでしょう。

【生活のイメージ③】ローンを組めない

【生活のイメージ③】ローンを組めない
次にブラックリストに登録されてローンが組めなくなった場合をイメージしてみましょう。

ローンが組めない場合、すぐに支障はきたさないものの、家や車など資産を得る際に困難が伴います。

家を買えない

住宅ローンを組めない場合、マンションや戸建てを問わず新たな住まいの購入が難しいでしょう。

住宅の取得費用はエリアや坪数などにより大きく異なりますが、数千万円かかります。そのため、ローンを組む方が多いです。しかし、ローンを組めなければこのお金を全て自分で用意する必要があるため、住宅の購入は現実的ではありません。

すぐに生活に影響は及ぼさないものの、「いずれはマイホームを」と考えている場合、もどかしさを感じます。住宅ローンは30年や35年など長期間にわたって組むもののため、現在40代以上の方はタイムリミットがあります。

ブラックリストの登録はものによって様々ですが、5年や10年など長期に渡ります。そのため、登録が消えてからローンを組む時に「時すでに遅し」となってしまう可能性もあるでしょう。

車を買えず通勤に支障をきたす

カーローンが組めない場合、車の購入が難しくなります。

車は新車か中古車かによって価格が大幅に異なりますが、数十万円から数百万円といった費用がかかります。ローンが組めない場合はこの費用をまとめて用意する必要があるため、車の購入を諦めなければいけないこともあるでしょう。

周囲に公共交通機関が充実している場合、車がなくとも生活していけます。しかし、最寄り駅まで距離がある場合はどうしても自家用車が必要です。

もしも車が必要な場合は購入を諦めて、カーリースやレンタカーを選ぶ必要があるでしょう。

子どもの進路に支障をきたす

ローンを組めなくなると子どもの進路にも支障をきたします。

例えば、子どもが大学に行きたいといった際、奨学金の保証人になれません。そのため、パートナーに保証人になってもらう、もしくは進学を諦めてもらわなければいけない可能性もあります。

さらに、子どもが就職して車を購入する際「ローンを組むから保証人になってほしい」といわれても、ブラックリストに登録されている場合、不可能です。

ブラックリストへの登録は自身だけでなく家族においても多少なりとも影響を及ぼします。

ブラックリストは一度登録されると消えないのですか?
ブラックリストは5年や10年など期間が定められています。一定の年数が経過すると再びクレジットカードを持てたり、ローンを組めたりするでしょう。

借金の滞納は何ヶ月でブラックリストに登録される?

借金の滞納は何ヶ月でブラックリストに登録される?
ここからは、借金の滞納において「何ヶ月程度でブラックリストに登録されてしまうのか」を解説します。

一般的な基準として2ヶ月と言われていますが、利用機関や条件によって少しずつ異なります。

2ヶ月以上の滞納でブラックリストに登録される

一般的にブラックリストに登録されるまでの期間として「61日にわたり返済を遅延した場合」と言われています。そのため、2ヶ月程度借金を滞納したり支払いを行わなかった場合はブラックリストに登録されると考えましょう。

なお、滞納が多く見られる奨学金においては延滞3ヶ月以上の場合に個人信用情報機関に登録されると記載があります。

いずれも非常に短い期間のため、支払いは毎月確実に行う必要があります。

債務整理をした場合もブラックリストに登録される

債務整理を行った場合もブラックリストに登録されます。

借金の支払いが困難になると予測し、債務整理を行った場合「借金を片付けようとしたのだから問題ないのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、支払いが難しいといった状態には変わりないため、債務整理を行った場合も同様にブラックリストに登録されます。

ブラックリストに載っているかの確認方法

ブラックリストに載っているかの確認方法
ここからは、信用情報を管理している3つの信用情報機関について紹介します。

どのように自分の信用情報を確認するのか、その方法を説明していくので、心当たりがある場合は利用を検討しましょう。

日本信用情報機関(JICC)

JICCは消費者金融などが多く加盟している信用情報機関です。

信用情報の開示は、スマートフォンと郵送によって行います。具体的な方法は下記の通りです。

  1. スマホアプリをダウンロードし、トップページで「信用情報を開示する」を選択
  2. 本人認証を行う
  3. お客様情報の入力
  4. 手数料の支払いを行う
  5. アプリもしくは郵送で結果を受け取る

なお、郵送で申し込む場合は本人確認書類と信用情報開示申込書、手数料を送付し郵送します。

手数料についてはコンビニエンスストアで「郵送開示利用券」を1,000円で購入します。

現在窓口での開示手続きは停止されているため、スマホアプリもしくは郵送での手続きのみになります。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

KSCは地方銀行やネット銀行が多く登録している信用情報機関です。

開示手続きは、インターネットと郵送で行います。インターネットで行う場合は下記の流れで進めます。

  1. メールアドレスを登録する
  2. 申し込み情報を入力する
  3. 本人確認を行う
  4. 手数料を支払う
  5. 開示報告書をダウンロードする

なお、手数料は1,000円でクレジットカード、paypay、キャリア決済を利用できます。

郵送の場合は下記の流れで進めます。

  1. 申込書を用意・記入
  2. 本人確認書類の写しを用意
  3. 手数料(本人開示申告手続利用券)を用意
  4. 上記を郵送する
  5. 開示報告書が書留郵便で郵送されてくる

手数料はコンビニエンスストアで「本人開示申告手続利用券」として購入します。料金はコンビニによって異なりますが、1,679円~1,800円程度です。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)

CICはクレジットカード会社が多く加盟する信用情報機関です。

情報開示はインターネットと郵送で行えます。インターネットで情報開示を行う流れは下記の通りです。

  1. 公式サイトの「情報開示専用ページへ」をクリックして利用開始
  2. 受付番号を取得する
  3. 認証コードを取得する
  4. お客様情報を入力する
  5. 利用手数料(500円)の決済を行う
  6. 開示情報が表示される

郵送で情報開示を行う流れは下記の通りです。

  1. 信用情報開示申込書を記入
  2. 手数料の1,500円を用意する
  3. 本人確認書類を用意して必要書類を投函する
  4. 約10日後に開示報告書が郵送される
お金をかけずに信用情報の照会は可能ですか?
どの機関においても信用情報の開示にはお金がかかります。無料で行える機関はなく、500円~2,000円程度の手数料がかかります。

まとめ

①ブラックリストに登録されるとクレジットカードが使えなくなったり、ローンが組めなくなったりする
②ブラックリストに登録されると支払いに関する信用が低下していることからスマートフォンの分割払いができなくなる
③クレジットカードがない生活は高額な買い物ができなかったり、キャッシュレスの恩恵を受けられなくなったりする
④借金は2ヶ月以上の滞納でブラックリストに登録される
⑤ブラックリストに載っているか確認するには、信用情報機関である「JICC」「KSC」「CIC」に情報開示を行う

※本記事は公開時点の情報になります。
記事内容について現在の情報と異なる可能性がございます。
カーリースってどんなクルマが選べるの?
グーネット定額乗りマガジン編集部
グーネット定額乗りマガジン編集部

カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。