目次
価格が100万円以上する車の購入では、カーローンを組んで月々数万円程度の支払いを続けている人も少なくありません。
しかし、当初は支払いを続けられたものの、後から支払いが苦しくなり、滞納するケースもあります。また、支払い期日を忘れていて連絡がきた経験がある方も多いでしょう。
車のローンを滞納すると、各種支払いにおいて様々なデメリットが生じます。長期間滞納するとブラックリストに登録されるため、代金は早急に支払わなくてはなりません。
もし支払える目処が立っていないなら、ローン会社に連絡するか、車の売却を視野にいれましょう。
この記事では、車のローン返済とブラックリスト(信用情報)との関係について解説します。
車のローンを滞納するとリスクが大きい
カーローンの滞納は非常にリスクが大きく、必ず避けなければならない事態です。車のローン返済は信用機関を通じてお金を借りている状態なため、滞納が長期化するとブラックリストに登録されます。
一度ブラックリストに登録されると、クレジットカードの支払いやその他のローン審査、不動産契約にまで影響する可能性があります。
そのため、カーローンの返済額を設定する際は、収入がある程度落ちても支払えるだけの余白を作っておかなくてはなりません。
例えば、現状の収入からカーローンの代金を払ってギリギリの状態だと、転職や減給といった事態が起きたとき、ローンを支払えなくなります。
結果として車の引き上げや差し押さえといった事態にまで発展するため、ローン契約は慎重に判断しなければなりません。
車のローンを滞納すると起こること
ここからは、車のローンを滞納するとどんなデメリットがあるかについて紹介します。
ローン契約には信用機関が関与しており、滞納を含めた支払い情報がすべて共有されます。そのため、支払い額を一定期間滞納すると、各種契約の審査や借り入れサービスにおいて大幅な制限を受けなければなりません。
ローン返済を滞納すると、数ヶ月程度を目処に車の引き上げが行われます。基本的に予告なしで引き上げられることはなく、引き上げの前には必ず書面で通知されます。
ただし、ローンの契約後に引っ越して住所が変わり、転居届を出していない場合は、自宅に通知書の類が届きません。そのため、支払いを忘れている間に突然車の引き上げにまで発展する可能性があります。
ローン会社によっては電話が来ることもあるため、基本的に電話には応じるようにしましょう。本人が電話に応じない場合、次に連帯保証人へ連絡が行き、それでも連絡がつかない場合は職場に連絡が届きます。連絡を無視し続けると職場に滞納の存在がバレるため、電話連絡には必ず応じましょう。
また、車の引き上げは必ず行われるわけではなく、車の所有権留保の所在によって対応が異なります。
所有権留保とは、売買代金が完済されるまで所有権の譲渡を保留にする制度です。所有権留保がついている場合は所有権がローン会社に帰属し、所有権留保がない場合はローン契約中でも所有者は契約者本人です。
車の引き上げは所有権留保がついている場合の対応であり、ない場合は残金の一括返済で対応される可能性があります。ただし、判断は会社によって異なるため、あくまで基本的な考えである点にご注意ください。
どちらにしても支払いに応じなければ車を手放すことには変わりありません。
カーローンの支払いを滞納すると、信用機関に事故情報が掲載されます。これを一般的に「ブラックリスト登録」と呼び、支払いにおける各種サービスや制度の利用を大幅に制限されます。
一度、事故情報が掲載されると一定期間は消えず、この期間中は大きな金額のローンや不動産契約が困難です。そのため、住宅・カーローン審査や引っ越しを考えている方は、ブラックリストに登録されないよう注意しましょう。
なお、信用機関に事故情報が掲載されたとしても、本人に通告されません。カーローンにおいては、引き上げまで行われるレベルの滞納を起こしてる場合、高確率でブラックリストに登録されます。
ブラックリストに登録されているかは、信用機関に開示請求を行うことで確認できます。
車の引き上げが行われると、一定の保管期間を経て車両が売却されます。このとき売却金が未払い分を含めたローン残高を超えた場合、返済は完了です。
しかし、売却してもローン残高に届かない場合は引き続き残り分を請求されます。その後も滞納分を支払えないと、最終的に訴訟を起こされ、財産が差し押さえられます。
差し押さえは、「銀行口座からの強制徴収」「給与からの天引き」「家財の押収」など、あらゆる手段を持って未払い分を徴収する最終手段です。
拒否権はないため、本人の意思にかかわらず強制的に財産を没収されます。
ただし、差し押さえは異議申し立てが認められており、支払督促の通知から2週間以内に申請すれば民事訴訟手続きに移ります。
一時的に差し押さえを止められますが、あくまで引き延ばしにすぎません。ローン会社と交渉し和解する可能性もありますが、原則支払いには応じる必要があります。
車のローンを支払えない場合の対処法
ここからは、車のローンを支払えない場合の対処法を紹介します。
ローンを支払えない時に一番よくないのは、連絡がつかないことです。あらかじめローン会社に連絡をしておけば支払い期間に猶予をもらえる可能性があるため、支払えない場合は必ず連絡をしましょう。
ローンの支払いで生活を圧迫している場合、他社のカーローンへ借り換えが可能です。ローン会社によって設定されている金利は異なるため、借り換えによって返済額を減らせられるかもしれません。
借り換えと同時に返済期間を変更できる場合もあるため、無理のない返済額に調整できます。ただし、返済期間が延びるほど金利の影響を受けるため、総支払額があがります。
また、ローンの借り換え条件は、滞納分が残っていないことです。現時点で滞納していて返済が困難だと、借り換えはできません。
ローンの滞納が、今回だけの限定的なものではなく今後も見通しが立たない場合、車を手放して売却代金をローン代金に割り当てる必要があります。
車の価値は年数が経つごとに減少するため、支払いができないと判断したときは早急にローン会社に連絡しましょう。
使い込むほど車の価値は下がるため、支払えない状態で無理に乗り続けるのは危険です。
ブラックリスト(信用情報)とは?
ここからは、信用機関のブラックリストについて紹介します。
信用機関はカーローン以外にもクレジットカード・携帯料金・住宅ローンなど、お金の借り入れに関わるサービスでは必ず関与しています。
ブラックリスト登録されることで支払い面で大きなデメリットが生じるため、不自由ない生活を送るならブラックリスト登録は避けなければなりません。
そもそも信用情報とは、金融サービスの利用や支払い状況を参照するための個人情報のことです。
前述した事故情報も信用情報の1つにあたりますが、その他にもクレジットカードの申し込み情報・契約内容・ご利用状況・利用履歴といった類も信用情報に含まれます。
信用情報はクレジットカードの発行や賃貸契約など審査が必要な契約において参照され、申請者の情報に誤りがないか、過去にブラックリスト登録されていないかを確認します。
ブラックリスト登録のせいでローン審査や不動産契約に落ちるのはこのせいです。信用情報は支払い能力を見るときの参考材料の1つとして扱われます。
信用機関が関与する支払いを滞納すると、ブラックリストに登録されます。登録基準はサービス会社によって異なり、その基準は公表されていません。
料金の滞納においては、以下が条件だといわれています。
- 2ヶ月以上滞納し続けた
- 数ヶ月間連続で返済が遅れた
- 督促状が何度も届いている
上記で注意したいのが、数日間といった短期の滞納でもブラックリストに登録される可能性がある点です。
通常は2ヶ月以上滞納し続けた場合、高確率でブラックリストに登録されます。しかし、わずか数日間の滞納であっても、何度も繰り返すことでブラックリストに登録されてしまうのです。
登録の有無は会社によって異なるものですが、基準が公表されていない分、極力さけたほうがよいのは間違いないでしょう。
また、ブラックリストに登録されたかどうかは本人に通知されません。信用機関に開示請求しない限り存在を知ることはできないため、不安な方は確認するとよいでしょう。
例えば、これから住宅ローンやカーローン、不動産契約を検討している方は、開示請求することで安心して審査に臨めます。
開示請求の手順は対象の信用機関によって異なります。詳しくは公式ホームページで確認しましょう。
信用機関のブラックリストに登録される原因は、主に以下の通りです。
- クレジット料金の滞納
- 携帯料金の滞納
- ローン支払いの滞納
- 債務整理
- 家賃
上記は信用機関が借り入れに関与しているため、滞納することで信用機関に情報が共有されます。
ただし、以下の支払いは信用機関のブラックリストと関係なく、滞納歴があったしたとしてもローン審査に影響することはありません。
- 公共料金
- 各種税金
上記の類は国が管理している支払いであるため、民間である信用機関と無関係です。
ただし、公共料金は滞納すると供給を停止され、税金の場合はローン審査に影響します。
最終的に差し押さえまで発展するのは、どれも同じなため、ブラックリスト登録はないものの、踏み倒しはできない点にご注意ください。
ブラックリストに載ると起こること
ここからは、ブラックリストに登録されると起こる具体的なデメリットについて紹介します。
ブラックリストの登録は信用機関が関わる借入や審査に影響しますが、その中でも以下のものについては大きな制限を受けます。
信用機関に事故情報が掲載されている限り、住宅ローンやカーローンの契約において相当な不利を被ります。
少額の買い物や借り入れの場合は審査に通ることもありますが、住宅ローンやカーローンといった契約は金額が大きく、相当な収入がない限り審査に通るのは厳しいでしょう。
事故情報が載っている中、ローンを組むには頭金を多く用意するか、収入を大幅に増やす必要があります。
必ずしもローン審査に通らないというわけではありませんが、事故情報は大きなマイナス要因になります。
ブラックリストに登録されると、内容次第ではクレジットカードの利用やETCカードの利用が制限されることもあります。
特に、現在進行形で滞納が続いている場合、利用そのものが停止されるケースも珍しくありません。滞納分を支払った場合はサービスを再開してくれますが、事故情報は残ります。
また、一度事故情報が登録されると、新たにクレジットカードを作る際の審査で不利になります。事故情報次第では全くカードが作れない事態も想定されるため、未払いには注意しなければなりません。
分割払いは借入の1種であるため、事故情報が登録された方だと利用できない可能性があります。
例えば、携帯電話を購入するときに本体の料金を分割にして契約するケースは珍しくありません。特に、近年はスマートフォンの料金が上がっているため、数ヶ月〜数年の分割を利用する方も多いでしょう。
しかし、事故情報が登録されていると高額な商品の支払いほど分割払いが選択できません。携帯の契約自体は可能ですが、本体代金を一括して払う必要があります。
ただし、10万円以下の商品は「少額店頭販売品」にあたり、分割払いに応じてもらえる可能性があります。
車を手放した後の移動手段について
ここからは、車のローンを支払えず車を手放した後の対処法について紹介します。
車は便利な移動手段であるため、手放すことで生活に不自由が生じる可能性もゼロではありません。とくに、近隣エリアに主要な交通機関のない場所に住んでいる方にとって車は必須アイテムです。
どうしても車を手放さざるを得ないときは、以下の方法を検討しましょう。
車に乗る頻度が少ない方なら、レンタカーのスポット利用をおすすめします。
レンタカーは、車を数時間〜数日間だけ利用でき、維持費がかかりません。
ブラックリストに登録されている間は分割払いを選択できませんが、ほしいときにほしい時間だけスポットで乗れる点は大きなメリットといえます。
カーリースとは、リース会社と数ヶ月〜数年の契約期間を定めて、毎月一定金額で車を所持するサービスです。通勤や生活用に車が必要な場合は、カーリースの利用を検討しましょう。
カーリースのメリットは、擬似的に車を所有できる点です。レンタカーと違い契約期間中は自宅に車を置いておけるため、自家用車のようにいつでも使用できます。
ただし、カーリースには審査があり、ブラックリストに登録されている間は利用できない可能性があります。
レンタカーやカーリースは便利なサービスですが、料金は自家用車を維持するよりも比較的高額です。資金的にゆとりがない場合は、バスや電車といった公共の交通機関を利用しましょう。
公共交通機関は料金が安く、近い距離なら片道数百円程度と非常に低コストです。車より交通費を大幅に節約できるため、金銭的に苦しい方におすすめの手段といえるでしょう。
ただし、バス停や駅の数はお住まい地域によって異なるため、基本は都市部にお住まいの方向けの手段といえます。
車のローンでブラックリストに登録されたら自分で消せるのか
ここからは、ブラックリストに関する基本情報について紹介します。
ブラックリスト登録にまつわる情報や仕様については、以下を参考にしてください。
ブラックリストに登録された情報は、原則として信用機関に削除を要求できません。
事故情報は信用機関が独自に保管している記録であるため、間違った情報でないかぎり登録を抹消することは不可能です。
また、ブラックリストは信用機関の事故情報以外に、滞納先の会社が独自に記録している「自社ブラックリスト」というものも存在します。こちらも登録の削除は原則できず、存在の有無を確認することもできません。
信用機関に登録される事故情報は、一定期間が経過すると自動的に消えます。
登録の抹消は本人へ通告されることはないため、住宅ローンやカーローンの審査をこれから受けようとしている方は、一度信用機関に開示請求するとよいでしょう。
インターネットやSNSでは「ブラックリストの登録削除を代行します」といった業者が一定数存在します。しかし、前述したように、ブラックリストの登録は期間を待つ以外に消す方法がありません。
第三者や第三の機関が関与して対処できるものではないため、上記のような業者は完全な詐欺です。誘惑に負けて依頼しないようご注意ください。
ただし、必ずしも審査に通らないとは限りません。一定以上の収入があり、比較的安い車でカーリースを契約する場合は、支払い能力が認められて審査に通る可能性もあります。審査の判断基準は事故情報だけではないため、総合的に見て契約が問題ないと判断されれば、カーリースも利用できます。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。