私たちが日々生活をしている中で、様々な支払いが発生します。現金で支払うことはもちろん、クレジットカードでまとまった支払いもあるでしょう。
支払内容としては、公共料金の支払いや食費のスーパーでの支払い、また携帯電話やカーローンなど、人や家庭により様々です。しかし、数万円や数十万円とまとまったお金が出ていきます。
その中でお金が不足したり、支払日を間違えてうっかり滞納してしまうこともあるでしょう。支払いが滞ると、最終的には信用情報に傷がつくため注意が必要です。
今回はうっかり滞納をしてしまった場合の信用情報への影響や潜むリスクについて解説します。
うっかり延滞していると信用情報に傷がつく危険性がある
結論として、うっかりでも延滞してしまうと、信用情報に傷がついたり、各機関から支払いの督促状が来たりとトラブルに発展します。
信用情報に傷がついてしまうと、様々な支払いについて不都合が生じるため、うっかり滞納するリスクについて理解を深め対策を講じましょう。
延滞してしまうとどうなる?
ここからは、うっかりしていて延滞を行った場合の大まかな流れを解説します。
クレジットカード会社、ローン会社、自治体など様々な機関があるものの、およそこの流れで進むと認識しましょう。
まず期日までに支払いが確認できないと、1週間程度でクレジットカード会社やローンを使う金融機関など、支払うべき箇所からメールもしくは電話で連絡が来ます。
この時、普段から各機関の電話番号を登録しておくと連絡が来た時にスムーズな対応が可能です。
各機関から連絡が来ても折り返し連絡をしていない、また支払いを済ませていない場合は、はがきや封書で督促状が届きます。
封筒には「親展」「大切なお知らせ」「今すぐ開封」など緊急性を表す記載があるため、届いている場合は直ちに確認しましょう。
また、この時に並行して改めて電話連絡がくることもあるでしょう。
督促状が届いても、なお支払いを済ませていない場合、支払う意志がないとみなされます。また、未払いの状態が2ヶ月以上経つと信用情報に傷がつきます。
信用情報とは、クレジットカードやローンなど各種支払いの経歴を記載したデータのことです。
信用情報に傷がつくと5年や10年など一定期間、様々な支払いリスクを負うことになるため避けたい事柄です。
信用情報に登録されても、なお支払いを済ませていない場合、財産の差し押さえや裁判などに発展します。
支払いができていないということは「支払う意思がない悪質なもの」と判断され、各種期間は裁判にて料金の支払いや損害の対象を求めてきます。
ここまで発展すると社会的な地位としても支障をきたすため、非常に危険な状態です。
なお、財産の差し押さえは主に下記のものが対象となります。
- 給与
- 銀行口座の預金
- 金融商品(有価証券など)
- 不動産
- 自動車
給与の差し押さえになると所属している会社にまで滞納が知られてしまうため、社内での立場を失う可能性もあります。
なお、差し押さえの対象は全てではなく、生活に必要な現金や家財道具、食料や燃料などは残ります。そのため、生活に危険が及ぶことはないでしょう。
延滞に気付いた時の対処法
ここからは、支払いを延滞してしまったことに気づいた時に、すぐに取りたい対処法を紹介します。
最もいけないのは「そのまま放置すること」です。気付いた時点ですぐに各機関に相談したり、お金を用意したり行動をとりましょう。
まず支払いの通知が来ている場合は書面を確認します。手元に支払い用紙がある場合は、すぐに支払いを済ませ、口座から引き落としで支払っている場合は各機関へ相談します。
例えば、クレジットカード会社の場合、期日までに支払いを済ませなければ数日後や数週間後などに支払いの停止が行われます。すでにクレジットカードについては利用ができなくなっている可能性もあるでしょう。
通知を確認し、支払いができない場合は各機関に問い合わせを行います。問い合わせのアドレスや番号については、公式ホームページやマイページから確認を行いましょう。
また、支払いがすぐに行えない場合は問い合わせた際にその旨を伝えましょう。
ただし、相談したからと言って支払いを待ってもらえるわけではありません。支払いが難しい場合は同時進行でお金の用意も考えていきます。
自分でお金を用意できない場合は家族に頼る必要もあるでしょう。
「今月の支払いができないから今回だけお金を貸してほしい」「次はお金を事前に準備しておくため今回だけお金を貸してもらいたい」など、具体的な理由や今後の対策を述べた上でお願いしましょう。
お金を借りる場合は家族であっても借用書を作っておくことをおすすめします。借りたものを返すという習慣が身につかなければ、毎月料金を滞納し家族に払ってもらうといったネガティブなサイクルが続くでしょう。
なお、家族に頼れない場合は手元にある不用品を売却したり、短期間でアルバイトをして収入を得たりと、支払いに充てるお金を増やす方法も検討します。
料金を支払えない場合に頼る機会が多い「消費者金融で借りてくる」と言った選択は慎重に行ってください。
信用情報に傷がつくとは?
延滞を行うと、信用情報に傷がつきます。しかし、信用情報に傷がつくと言っても具体的にどのような影響があるか分からない方も多いでしょう。
ここでは、信用情報とブラックリストについて解説します。
信用情報に傷がつくとは、一般的に言われる「ブラックリストに載る」ということと同じ意味合いです。
ただし、ブラックリストという具体的なリストは存在しないため、信用情報に傷がつくといったことを「ブラックリスト」という言葉で表現していると考えましょう。
この信用情報とは、クレジットカードの契約やローン契約に関する情報を客観的に登録したものです。
信用情報は、以下の信用情報機関で管理されています。
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
- JICC(日本信用情報機構)
- CIC(シー・アイ・シー)
この3つの機関のどれかの信用情報に傷がつくと、今後支払いにおいて支障をきたします。
なお、3つの機関はそれぞれ特徴があります。CICはクレジットカード会社や消費者金融が多く加盟しています。
一方で、KSCは全国銀行協会が運営していることから銀行や信用金庫などの機関が多く加盟しています。
そして、JICCは消費や金融が中心となり設立された機関であることから、消費者金融が多く加盟している特徴を持っています。
なお、信用情報に傷がついた場合、いずれか1つだけでなく複数の信用情報機関に登録されている可能性もあるでしょう。
信用情報機関のいずれかに傷がつくと、一定期間の支払いに支障をきたします。支払いの延滞や未払い、債務整理など内容により異なりますが、5年や10年など長い期間、登録される可能性もあるでしょう。
なお、信用情報に傷がつく条件としては下記が挙げられます。
- 返済日より61日以上または3ヶ月以上返済に遅れがあった
- 保証会社が代位弁済した
- 破産手続きを開始した
2ヶ月以上延滞し続けると信用情報に傷がつく可能性が高いでしょう。
延滞で信用情報に傷がつくことのリスク
ここからは、うっかり延滞してしまって信用情報に傷がついた時、日常生活にどのような影響を及ぼすかを具体的に5つのシーンで紹介します。
これまで当たり前だったことができなくなり、不都合が生じることになります。
車を保有している場合、新たに車を購入する時にローンを組めなくなります。
例えば、現在所有している車が古くなり、車を買い替えようと考えても信用情報に傷がついているとローン審査に通りません。
そのため、車は購入費用を用意して現金で購入することになります。車は100万円以上する買い物のため、資金の用意が難しく、新たに車を入手できない可能性もあるでしょう。
万が一、車の購入が難しい場合は中古車の購入で価格を下げたり、カーリースで月額料金を支払い、車を利用することになるでしょう。
普段車をあまり利用しない方は影響が少ないですが、通勤で毎日車を利用する方は生活に不都合が生じます。
参考までに、カーリースとは月額料金を支払って車を利用する仕組みです。月額料金の中に各種保険代や車検代などが含まれているため、自動車税や車検代などまとまった費用が発生しません。
軽自動車の場合は月々1万円程度から契約できるものもあるため、車に関する維持費を抑えられるでしょう。
ただし、カーリースの場合はあくまで車を借りるサービスであり、資産として保有できるものではありません。なお、カーリースにおいても審査があるため場合によっては審査に通過できない可能性もあるでしょう。
信用情報に傷がつくと住宅ローンも組めません。
住宅は車よりもさらに高い金額が求められるため、ローンが組めないのであれば住宅の購入はあまり現実的ではないでしょう。これから家を購入しようと思っていても諦める必要があるかもしれません。
信用情報に傷がつくと車や家など大きな買い物が難しくなり、家族を巻き込んだライフプランの変更が求められるでしょう。
なお、新たに賃貸を契約する際もブラックリストに載っている場合、選べる物件が少なかったり、契約自体が難しい可能性もあります。これから引っ越しを考えている場合は注意が必要です。
信用情報に傷がつくとクレジットカードの利用ができず、さらに分割払いも不可能になります。そのため、スマートフォンの機種代を分割で支払っている場合は一括購入が求められます。
近年、スマートフォンの機種代は非常に高騰しており、10万円を超えるものがほとんどです。スマートフォンを購入する際に初期費用として10万円以上の資金が必要なため、必要なタイミングで購入できない可能性もあるでしょう。
もしも新たにスマートフォンが購入できない場合は仕事上や友人関係、全ての連絡が取れなくなるといった最悪の事態も想定されます。
信用情報に傷がつくとクレジットカードを新たに登録したり、更新したりもできません。そのため、支払いは主に現金になるでしょう。
バーコード決済もクレジットカードと紐付けて利用している場合、使用できなくなります。
また、これまで高額な買い物をクレジットカードの分割払いで行っていたのであれば、その方法も利用できなくなるため、家具や家電などを買う際は現金を用意しての購入になります。
冷蔵庫や洗濯機など、生活に必要なものが現金で購入できないとなると日常生活にやはり支障をきたすでしょう。
信用情報に傷がつくと家族や友人の保証人にもなれません。
保証人は契約者に支払い能力がなくなった際、代わりに賠償責任や支払いを行う役割です。そのため、保証人に支払い能力がない場合、そもそも保証人として認められないでしょう。
例えば、お子さんが車を買うのに保証人になってほしいと言われても、自分では保証人にならず他の人に頼んでもらうことになります。
延滞を防ぐ方法
ここからは、延滞そのものを防ぐ3つの方法を紹介します。
1度でも延滞してしまうと信用情報に傷がつき、クレジットカードを使えなかったり、ローンを組めなかったりと大きな影響を及ぼします。そのため、日頃から延滞しないための取り組みが欠かせません。
クレジットカードを複数枚所有しているのであれば、思い切って枚数を減らしましょう。
クレジットカードを3枚や4枚など複数持っていると、支払日がバラバラで「今月はどのカードを使ったのだろう」「いくら準備すればいいのだろう」と管理が難しくなります。
クレジットカードを1枚もしくは2枚程度にすると、支払い金額や支払日を理解できるため、うっかり滞納を防げます。
例えば、クレジットカードを2枚に減らし「1枚は食費や公共料金の支払いに充てる」「もう1枚は娯楽費に充てる」など、使用用途を分けると良いでしょう。
また、クレジットカードは引き落とし口座にお金が用意できていなくて「気がついたら滞納していた」という可能性も考えられます。そのため、引き落とし口座に普段からお金を用意する習慣もつけましょう。
近年はクレジットカードを気軽に作れるようになっており、2枚目を作るとたくさんのポイントがもらえたり、クレジットカードを作ることで様々なサービスをお得に受けられたりします。
しかし、目の前のお得さを優先し、支払いについて考えていなければ本末転倒です。自分が管理できる枚数だけクレジットカードを保有しましょう。
クレジットカードの引き落とし口座に十分なお金が用意できない場合は、収支バランスの見直しが必要です。
普段、クレジットカードでどれぐらいの金額を引き落とされているか把握し、不足するのであれば削れるところは削りましょう。
例えば、一定期間家計簿をつけて、不要な出費が多い場合は減らしてみる。固定費で減らせるところは様々な契約を見直しておさえてみる、といった取り組みが挙げられます。
まずは収入の範囲内で支払いを済ませられる家計の見直しが大切です。
なお、収支の見直しとしては家計簿を3ヶ月程度つけると「毎月どれぐらい支払いが発生していて、収入はどれぐらいなのか」を判断できます。
近年はアプリで気軽に家計簿を作れるものも見られます。これを機に一度、家計簿をつけて家庭全体の収支バランスを見直してみましょう。
クレジットカード会社の場合、リマインド機能を活用して支払いの滞納を防止できます。マイページを開くと通知がくるものやアプリでスマートフォンに通知がくるものなど様々です。
もしも「自分は支払いを忘れやすい」と感じるのであれば、通知機能を活用して確実に支払いを行いましょう。
また、支払い通知が設定できない場合は自分のスマートフォンでスケジュール登録しておくのもおすすめです。
まとめ
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