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様々な料金の支払いが滞ると「ブラックリストに載るよ」という言葉をよく聞きます。しかし、ブラックリストにどうしたらなるのかという基準を詳しく知らない方も多いでしょう。
今回はブラックリスト入りする条件について詳しく解説していきます。
自分ではちょっとした支払いの遅れと考えていても、ゆくゆくブラックリストに載ってしまう可能性もあります。この記事を参考に支払いを確実に行いましょう。
ブラックリスト入りは条件がある
結論として、ブラックリストに乗る条件としては、支払いの遅延や滞納のほか、債務整理を行った場合も該当します。
いずれもお金の支払いが滞った場合、もしくは支払わなかった場合にブラックリストに登録されるため、普段から料金の支払いで遅れたり、忘れていたりする人は収支バランスを見直したり、確実に支払いする段取りを整えたりが必要です。
ブラックリスト入りする基準
ここからは、ブラックリスト入りする基準について、具体的に4つの項目を紹介します。
ブラックリストに登録される場合は、カーローンや住宅ローンを遅延・滞納したり、債務整理を行ったりした場合が挙げられます。
現在、カーローンや住宅ローンを契約している場合、遅延や滞納を繰り返すことでブラックリストに登録されます。また、消費者金融での借り入れも該当します。
いずれも毎月の返済が遅れてしまった場合、ブラックリストと呼ばれている信用情報機関の情報に入金が遅れている旨が記載されます。
借金を返しきれず、債務整理を行った場合もブラックリストに登録されます。
債務整理には「個人再生」「任意整理」「自己破産」などが含まれますが、いずれも借金を軽くしたり、免除したりする手続きです。
どの手続きも「支払いができなくなった」という支払いに対する信用が著しく低下していることから、ブラックリスト登録のきっかけとなりえます。
なお、債務整理を行った場合、ブラックリストに乗る期間が5年から10年など長期間にわたるため、長い間日常生活に影響を及ぼします。
自分の負債を保証会社に代位弁済してもらった場合もブラックリストに登録されます。
代理弁済とは、お金を借りた人が何らかの理由で返済できない場合、融資を行った銀行や貸金業者等に対して第三者である保証会社が返済することを指します。
代理弁済を行った場合、確かに借り入れ自体は金融機関に返すことになっていますが、自身で返したことにあたらないため、ブラックリストへ登録されてもやむを得ないでしょう。
クレジットカードや携帯電話の料金などの支払いが長期間滞った場合も、ブラックリストに登録されます。
ブラックリストに載る可能性がある滞納期間はおおよそ下記の通りといわれています。
- 61日以上にわたり遅延があった場合
- 督促状が届いても、なお支払いを行わない場合
- 幾度となく督促状が届いて、ようやく支払いを行った場合
長期滞納においても、やはり支払う意思がない、もしくは支払い能力がないと判断されることから、ブラックリスト登録の原因になります。
ブラックリスト入りすると起こる生活の「困った」
ここからは、ブラックリスト入りしてしまうと起こりうる生活における困ったシーンを4つ紹介します。
ブラックリスト入りすると、自分自身の気持ちが晴れないだけでなく、実際に日常生活で実害を及ぼします。
ブラックリスト入りすると、一定期間クレジットカードの新規作成や更新ができなくなります。したがって、これまでクレジットカードで買い物をしていた場合、すべて現金での購入になるでしょう。
家電や家具など高額な買い物を現金でしなければならないため、「手元に現金がなくて購入ができなかった」という可能性も考えられます。
また、電気代や水道代など公共料金の支払いをクレジットカードで引き落としていた場合、不可能になるため、コンビニで支払ったり、振り込んだりと手続きの変更が求められます。
さらに、近年主流になっているバーコード決済も、クレジットカードに紐付けられている場合は不可能になります。キャッシュレスの恩恵を受けられなくなる点も注意しましょう。
ブラックリスト入りすると、カーローンを組めなくなります。そのため、車を購入しづらくなり、所有方法を考え直す必要があるでしょう。
例えば、これまで車をローンで購入していた場合でもしばらくは現金での購入が求められるため、100万円以上のまとまった資金を用意する必要があります。
100万円を超えるお金は用意しづらいため、中古車にして価格を抑えたり、カーリースで月額料金を支払ったりと所有方法を検討しましょう。
参考までにカーリースであれば、月額料金で車を保有できるため、車のためにまとまったお金が用意できないと言う場合に適しています。軽自動車の場合は月額1万円程度から契約できるものもあるため、ランニングコストを抑えられるでしょう。
ただし、カーリースにおいても審査が必要なため、場合によっては通過が難しい可能性も考えられます。
ブラックリスト入りすると、支払いに関する信用度が低下していることから、賃貸契約も難しいでしょう。
賃貸は毎月まとまった金額を支払うため「本当に支払いを行ってくれるのだろうか」と捉えられてしまいます。そのため、選べる物件が少なくなったり、別途保証人を立てる必要があったりと、通常の賃貸契約よりも困難を抱えます。
住宅ローンも組めず、新しい家に引っ越せなくなると、自分はもちろん家族にも影響を与えるでしょう。
ブラックリスト入りすると、支払いに関する信用度が低下しているため、保証人になることができません。
友人や家族から「車を購入するから保証人になってほしい」と言われても、応えることができなくなります。
保証人になると契約者と同時に支払いを求められるため、保証人に支払い能力がなければ、保証会社や金融機関はお金を取り戻すことができなくなります。そのため、保証人に対しても確実な支払い能力が求められているのです。
普段から仲の良い友人に保証人になってくれないかと頼まれたときに快く引き受けられないのは辛いものがあります。
また、社会人になり車を購入する子どもから保証人になってほしいと言われた場合に断らなければいけない時も、申し訳無さを感じるでしょう。
なお、事前に入金するデビットカードの場合は、信用情報は関係なく利用可能です。
ブラックリストに登録されない支払いはある?
ブラックリストはクレジットカードや携帯の支払い等が滞った場合に登録されるものです。しかし、中にはブラックリストに載らない支払いもあります。
ここでは、ブラックリストに登録されない支払いについて紹介します。
毎月支払う年金保険料は滞納してもブラックリストには登録されません。しかし、年金の滞納が続くと、将来年金を受け取れなくなる可能性があったり、受け取れた場合でも減額されて生活が不自由になったりする可能性があります。
また、万が一パートナーが亡くなった場合や、自分に障害が残る病気や怪我をした場合に年金を受け取れず、生活が立ち行かなくなる可能性もあるでしょう。
参考までに、年金は加入期間が10年未満だと受給できなくなるといった決まりがあります。通算で10年間支払っていれば問題ありませんが、滞納が続き、この期間を満たせない場合、老後の資金は自分で準備する必要があるでしょう。
現在、支払いにゆとりがなく年金を支払えていない場合は、未納期間の年金を追納する制度もあるため、まずは滞納を避け、それでも難しい場合は追納する方法も検討しましょう。
ブラックリストに載らないからといって、支払いを行わなければ老後に困窮する可能性があります。
公共料金の支払いもブラックリストには登録されません。しかし、公共料金は支払いが滞ると督促状が届いたり、財産の差し押さえに発展します。
財産の差し押さえとなると、給与や預金の一部が返済にあてられたり、それでも難しい場合は、車や金融商品なども差し押さえの対象になります。
また、水道や電気等は一定期間支払いを行わなければ供給が停止します。水道や電気が使えなくなると生活そのものに支障をきたすため、支払いが求められるでしょう。
健康保険においても国民年金同様に支払わずともブラックリストには登録されません。しかし、支払いが滞ると医療費が全額自己負担になってしまい、もしもの際に家計を圧迫する可能性があるでしょう。
会社に勤めている場合、年金同様に健康保険は給料から引き落とされるため自分で支払う必要はありません。しかし、国民年金保険の場合は自分で納める必要があります。
もしも健康保険の支払いを行わなければ、督促状が送付され、やがて電話や文書で催告が行われます。それでも支払いに応じない場合は、実際に担当者が自宅を訪問することもあります。
もしも何らかの事情で保険料納付が難しい場合は、早めに各自治体に連絡がおすすめです。国民健康保険においても支払いを行わなければ、財産の差し押さえを始めとした様々な滞納処分が行われるため、やはり支払いが欠かせません。
税金を滞納してもブラックリストに登録はされません。しかし、税金も必ず支払うもののため滞納すると延滞税が発生し、本来支払うべき金額よりも高くなってしまいます。
なお、税金は債務整理をしても支払いが免除されないため注意が必要です。たとえ個人再生を行っても自己破産を行っても、税金の支払い義務は残ります。
また、税金を滞納し続けると、まず督促状が届き、そこから財産の調査に入り、やがて差し押さえと進みます。給与や銀行口座で滞納分の税金を支払えない場合は、車や家の差し押さえに発展するでしょう。
参考までに「車は差し押さえの日になければ、対象にならないのでは?」と考えられる方もたまに見られます。しかし、車はダイヤロックをかけられて確実に差し押さえを行われ、やがて競売にかけられてしまうため、税金は必ず支払うものと認識する必要があります。
なお、法律上では督促状の発送から10日間、納税がなければ差し押さえができるとの記載があります。そのため、差し押さえまでの期間は想像するよりも短いと考えておきましょう。
ブラックリストに登録されているか確認する方法
ブラックリストに載ると日常生活に様々な不都合が生じますが、自分がブラックリストに登録されているか分からない方もいるでしょう。
ここでは、ブラックリストに登録されているか確認するための開示請求について解説します。
自分がブラックリストに載っているか確認するには、3つの信用情報機関に開示請求を行う必要があります。
- CIC
- JICC
- KSC
上記の3つの機関は、それぞれ加盟する組織の傾向が異なります。
例えば、CICの場合はクレジットカード会社の加盟が多く見られます。一方で、JICCは消費者金融が元となり設立されたため、貸金業者が多い傾向にあります。
そして、KFCは全国銀行協会が運営していることから、地方銀行やメガバンクネット銀行など主に銀行や信用金庫などが加盟しています。
なお、ブラックリストに登録されている場合、一社のみでなく複数社に登録されている可能性も考えられます。
これまで支払いに滞納や未払いがあった場合で、これからカーローンや住宅ローンを契約しようと考えている方は、審査を受ける前に開示請求を行って確認しておきましょう。
信用情報機関での開示請求は各機関によって異なります。多くが郵送とオンラインでの手続きを採用しており、下記の通りです。
- CIC…インターネットもしくは郵送による請求
- JICC…郵送もしくはスマートフォンアプリでの請求
- KFC…郵送もしくはインターネットによる請求
また、手続きにかかる費用も、インターネットと郵送で異なります。大体500円~2000円程度の用意が必要です。
なお、郵送により開示請求の場合はコンビニでの開示利用権や金融機関の定額小為替証書の支払いが求められます。開示請求にかかる費用を抑えて、スムーズに手続きを行いたい場合は、インターネットの利用がおすすめです。
開示報告書の見方
ここからは、開示報告書の読み取り方について解説します。
開示報告書はなかなか見られないもののため、記載されている情報をどのように判断してよいか分からなくなります。記載されている情報を適切に理解しましょう。
なお、今回はCICを基準に紹介していきます。
記載される情報は主に下記の通りです。
- 属性
- 契約内容
- お支払い状況
- 割賦販売法の登録内容
- 貸金業法の登録内容
- 入金状況
属性は氏名や電話番号、住所、勤務先名等が記載されています。また、配偶者名を記載する欄も設けられています。
お支払い状況の見方はクレジットカードが現在使われているか否かを確認するポイントです。なお、確認する際は「終了状況」の項目をチェックします。
具体的には下記の表示があります。
- 完了
- 本人以外弁済
- 貸倒し
- 移管終了
- 法定免責
- 空欄
なお、長期間支払いが遅れている場合は「異動」との記載があるようです。
次に入金状況の確認方法です。クレジット会社などの支払い状況は「入金状況」として表示されており、Aや$などアルファベットで記載されています。
Aは約束の日に入金がなかったことを表しています。そして、$は請求通りに支払いがあったことを表しています。
$がある場合は支払いが行われているため問題ありませんが、Aの場合は支払いを行っていないため注意が必要です。
参考までに、その他の記号と意味を紹介します。
- $:入金があった
- A:約束日に入金がなかった
- P:請求額の一部入金があった
- R:本人以外から入金があった
- B:本人と無関係で入金がなかった
- C:入金されていないものの原因がわからない
開示報告書を確認し、支払いが済んでいないものがある場合は早めの返済や支払いを行いましょう。
もしも支払いが難しい場合は、クレジットカード会社や金融機関などに相談しましょう。
まとめ
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