GPS付き自社ローンは、それぞれの中古車ショップが提供している、分割払いの仕組みです。一般的な自動車ローンとは異なり、販売店が独自の基準で審査し、ローンを提供しています。

この記事では、GPS付き自社ローンのメリットやデメリット、そしてカーリースとの違いなどについて紹介します。

車の購入を考えている方や、GPSが付いている自社ローンについて気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

GPS付き自社ローンの特徴を理解しよう!

GPS付き自社ローンの特徴を理解しよう!
GPSが付いている自社ローンは、車を購入するときに利用できるローンの一種です。しかし、一般的な自動車ローンとは異なる点があります。

ここからは、自社ローンとは何か、そしてGPSが付いている自社ローンとはどういうものかを解説します。

そもそも自社ローンとは?

自社ローンとは、それぞれの中古車ショップが独自に提供する分割払いのサービスです。

一般的な自動車ローンは、銀行や信用金庫などの金融機関が提供しています。

一方、自社ローンは販売店がそれぞれの基準で判断し、購入者に対して直接車の代金を立て替えます。つまり、金融機関を通さずに販売店が直接購入者とローン契約を結ぶ仕組みです。

一般的な自動車ローンと異なり、信用情報の影響を受けにくい特徴があります。

自社ローンのメリット

自社ローンのメリット
自社ローンは、一般的な自動車ローンにはない以下のようなメリットがあります。

審査を通過しやすい

自社ローンの審査は、中古車ショップが独自に設定する基準に基づいて行われ、過去の信用情報は関係しません。そのため、信用情報に不安がある方でも審査に受かりやすく、通過率が高い特徴があります。

例えば、他のローン審査を通過しなかった以下のような方も、自社ローンの審査には受かる可能性があります。

  • 住宅ローンや他のローンを利用している方
  • クレジットカードやローンでトラブルを起こした方
  • 正規雇用ではない方
  • 勤続年数が短い方
  • 任意整理や自己破産をした方
  • 収入が安定しない自営業の方
  • 年金で生計を立てている方

一般的な自動車ローンの審査に不安がある方でも利用しやすいサービスと言えます。

審査が早く手続きがスムーズ

一般的な自動車ローンは、審査に数日~1週間程度かかりますが、自社ローンの場合は、販売店が独自に判断するため、短時間で実施できるのです。早ければ、申し込んだ当日に審査を終え、納車までできるケースもあります。
急いで車を準備したい方は、審査が早い点にメリットを感じるでしょう。

金利がかからない

一般的な自動車ローンは金利が発生し、7%程度支払う必要があります。それに対して、自社ローンは金融機関のローンではないため、金利がかかりません。

このように、一般的な自動車ローンと比べて、自社ローンには様々なメリットがあります。

自社ローンのデメリット

自社ローンのデメリット
自社ローンには、利点だけではなく、以下のような欠点も存在します。

手数料や保証料などがかかる

自社ローンには金利がかかりませんが、多くの場合、手数料や保証料が車両本体価格の1〜2割程度かかります。その結果、金融機関が提供している金利がかかる一般的な自動車ローンよりも、支払う総額が高くなる場合があるため、注意が必要です。一

般的な自動車ローンと比較する場合は、金利や手数料などを含めた支払い総額を基に、検討することが大切です。

毎月の返済額が高くなる傾向がある

一般的な自動車ローンは、36〜120回払いを設定できますが、自社ローンは、12〜36回払いの、短期間での返済を求められます。そのため、毎月の返済額は高くなる傾向があり、負担に感じる方もいるでしょう。

自社ローンを使える中古車ショップや車が限られている

自社ローンは全ての販売店で提供されている訳ではありません。利用限度額も一般的な自動車ローンと比べて、低く設定されている傾向があります。

そのため、軽自動車や、使用歴の長い中古車、元々レンタカーとして使用されていた車など、価格帯が低いものしか選べない場合があります。希望の車を購入できるかどうか、事前に確認しておくと良いでしょう。

ローンの支払いが滞ると車を回収される場合がある

自社ローンの多くは、車を担保として扱います。返済が滞ると、車を回収される場合があるため注意が必要です。

このような欠点も理解したうえで利用することが大切です。

GPS付きの自社ローンとは?

自社ローンを利用して購入する場合、中古車ショップによっては車にGPSを取り付けることがあります。

ここからは、GPSを取り付ける目的と、GPSの主な機能について紹介します。

自社ローンにGPSをつける目的

自社ローンにGPSを取り付ける主な目的は、ローン返済の滞りや未払いを防ぐことです。

ローンを完済するまでは車の所有権が販売店にあり、車は担保として扱われます。そのため、販売店としてはローンを完済する前に車を盗難されたり、無断で売却されたりすることを避けたいのです。

GPSを取り付けることで、中古車ショップは返済の遅れや、盗難などにスムーズに対応できます。

GPSの主な機能

GPSの主な機能
GPSには、いくつかの便利な機能があります。例えば、車の位置情報を追跡する機能により、現在車がどこにあるのか、どの経路を移動したのか把握できます。

また、エンジンを遠隔停止する機能により、離れた場所からでもエンジンを停止させることが可能です。

このGPSの機能により、中古車ショップは返済の滞りや未払いを防ぎ、トラブルが起きたときにスムーズに対応できるようにしています。

自社ローンで購入した車には必ずGPSが取り付けられていますか?
自社ローンを用いて購入する全ての車にGPSが取り付けられる訳ではありません。GPSを取り付けるかどうかは中古車ショップの方針や基準、契約内容によって異なります。
車にGPSを取り付ける場合、販売店には説明する義務がありますが、気になる際は事前に確認すると良いでしょう。

自社ローンにGPSをつける店側のメリット

自社ローンを用いて購入される車にGPSを取り付けると、中古車ショップにとってリスクを抑えられることが大きなメリットです。

ここでは、販売店側のメリットについてそれぞれ解説します。

車両の位置を離れた場所から特定できる

GPSを取り付けると、車の位置をリアルタイムで正確に把握できます。

また、GPSにはエンジンを遠隔操作で停止できる機能もあります。この機能を用いると、ローンの支払いが滞った場合に、中古車ショップが迅速に対応できるのです。

具体的には、ローンの支払いが滞ると、販売店は車の位置を特定し遠隔操作でエンジンを停止させ、利用者に返済を促すことが可能です。場合によっては、車を回収することもできます。

このように、GPSを取り付けることで、販売店は返済の滞りを防ぎ、返済が困難と判断した場合には、車両の回収により損失を抑えられるのです。

犯罪に利用されるのを防ぐ

犯罪に利用されるのを防ぐ
GPSは車が犯罪に利用される危険を防ぐ役割も担います。例えば、盗難されたり、不正に転売されたりした場合などにGPSが役立ちます。

GPSを用いて車の移動履歴や現在地を把握したり、遠隔操作でエンジンを停止させたりできるため、迅速に対応ができるのです。

GPSを取り付け、トラブルが起きたときにスムーズに対応できる状態を整えておくことで、中古車ショップは損失を最小限に抑えられます。

返済リスクを最小限に抑えられる

中古車ショップの滞納リスクを抑えられることが、GPSを取り付ける大きなメリットです。

購入者が、自社ローンを契約中に無断で車を売却したり、盗難にあったりすると、返済が滞る可能性があり、販売店は大きな損失を抱えるリスクがあります。

GPSを活用すると、車の位置をリアルタイムで把握したり、遠隔操作でエンジンを停止させたりすることで、車を回収できる確率が上がります。車を回収できると、販売店の損失を最小限に抑えられるのです。

GPS付き自社ローンを利用するメリット

GPS付き自社ローンは、中古車ショップだけではなく、車を購入する方にもメリットがあります。

ここでは、GPS付き自社ローンを利用するメリットを紹介します。

通常より購入費用が安くなる

通常より購入費用が安くなる
GPS付き自社ローンの場合、GPSが付いていない自社ローンと比べて、安い価格で車を購入できます。

GPSを取り付けていると、返済の滞りが減少します。もし返済ができない場合、中古車ショップは車の回収が可能です。そのため、販売店のリスクが軽減します。

販売店はリスクが軽減することで、GPSが付いていない自社ローンと比べ2〜3割程度安い価格で販売できるのです。

できる限り車を安い価格で購入したい人に魅力的な仕組みです。

審査に通りやすい

GPS付き自社ローンは、審査を通過しやすい点もメリットです。

GPSが付いている自社ローンを用いると、GPSが付いていない場合と比べて2〜3割程度安い価格で車を購入できます。その結果、ローンに申し込む金額も抑えられるため、審査を通過しやすくなるのです。

保証人が不要

GPS付き自社ローンは、保証人が不要です。ローンの支払いが滞るケースが少ないうえに、返済ができない場合には中古車ショップが車を回収できるためです。

販売店のリスクが低いことから、保証人を必要としません。そのため、保証人を依頼できる人がいない方も、利用しやすいサービスです。

支払回数の上限が長い

GPSが付いていない自社ローンと比べて、GPS付き自社ローンは分割して支払う回数の上限が多く設定されています。

GPSが付いていない場合は、12〜36回に分けた短期的な返済を求められます。一方で、GPSが付いている場合は、86〜120回に分割し長期間の返済が可能です。

返済回数が多い程、毎月の返済額は少なくなります。短期間での返済を負担に感じる方にはメリットといえます。

GPSが取り付けられる主な理由は何ですか?
自社ローンにGPSを取り付ける主な理由は、ローン返済の滞納を防ぐ、盗難や不正に転売されたときにスムーズに対応できるようにするといったことがあります。
GPSを取り付けると、車の位置を把握し、離れた場所からエンジンを止められます。この機能を用いると、ローンが滞ったり、盗難にあったり、不正に転売されたりしたときに、中古車ショップは車を回収し損失を最小限に抑えられるのです。

GPS付き自社ローンを利用するデメリット

GPS付き自社ローンは車の購入者にとってメリットだけではありません。

ここでは、GPS付き自社ローンを利用するデメリットについて紹介していきます。

GPS取り付け費用がかかる

GPSを取り付ける費用は、車の購入者が支払います。費用の目安は、8〜15万円程度です。

さらに、契約内容によってはGPSの使用料が毎月数千円かかる場合もあります。

GPSの取り付けや、維持するための費用がかかることは欠点と言えるでしょう。

納車までに時間がかかる

GPS付き自社ローンは、GPSが付いていない場合と比べて、納車までに日数がかかる場合があります。GPSを取り付ける作業に数日要する場合があるからです。

納車を急いでいる場合は、時間がかかることがデメリットだと感じる可能性があります。

車の所有権は販売店がもつ

車の所有権は販売店がもつ
GPS付き自社ローンを用いて購入した場合、支払いが完了するまで、車の所有権を中古車ショップが持ちます。

一般的な自動車ローンを用いた場合、購入したタイミングで購入者が所有権を持ちます。しかし、自社ローンを用いた場合は、支払いが完了するまで購入者の所有物にはなりません。

そのため、車を手放したいと考えた場合、まずローンを完済する必要があります。好きなタイミングで車を手放せないことを不便に感じる場合もあるでしょう。

なお、この仕組みはGPSの有無に関係なく、自社ローンの場合はどこでも共通しています。

走行中にエンジンが停止されることはありますか?
走行中にエンジンを止められることはありません。GPS付き自社ローンを用いて購入した場合、返済が滞ると、遠隔操作でエンジンを止められることがあります。しかし、エンジン停止は車が安全な場所に止まっているときに行われるのが一般的です。また、中古車ショップによっては事前に通知される場合もあります。

GPS付き自社ローンを利用する際の注意点

GPS付き自社ローンを契約する場合、滞りなく返済できるよう注意することが大切です。

自社ローンは審査通過率が高く、収入証明を提出したり、収入に見合う車を選んだりすると比較的審査を通過しやすい制度です。

ローンを契約した後は予定通り返済していれば通常通り車を運転できますが、返済が滞ると車を使えなくなる場合があります。

ここでは、GPS付き自社ローンを用いるときの注意点を解説します。

支払いを滞納すると車が使えなくなる

支払いを滞納すると車が使えなくなる
GPS付き自社ローンを用いた場合、返済が滞ると、離れた場所からでも車のエンジンを止められる場合があります。それだけでなく、催促や取り立ての連絡がきたり、資産を差し押さえられたり、車を回収されたりする可能性もあります。

審査基準が比較的緩やかであり、幅広い方が利用しやすいサービスですが、滞りなく返済するために、以下のような点に注意すると良いでしょう。

  • 頭金をできるだけ多く支払う
  • ローンを組む金額をできるだけ少なくする
  • 収入や支出に見合った金額のローンを組む
  • 毎月の返済を無理のない金額に設定する

車を購入するために借り入れる額の上限は、一般的に年収の30〜40%が目安と言われています。しかし、家族構成やライフスタイル、支出は人によって異なります。

借入額と購入する車の金額と毎月の返済額が、収入や支出に見合っているか、慎重に検討することが大切です。

借入額を減らす、分割回数を増やすなどの調整を行い、無理のない返済計画を立て、滞りなく返済することで、トラブルを避けられます。

支払いは遅れる前に連絡をする

支払いは遅れる前に連絡をする
ローンの支払いが遅れる場合は、必ず事前に中古車ショップに連絡しましょう。事前に連絡しておくと、支払い予定の確認程度で済むことがあります。

また、支払いの期限を延ばしてもらえたり、返済計画を調整してもらえたりすることで、エンジン停止の施行を避けられる可能性もあるのです。

事前に連絡せず、販売店からの連絡にも対応しない場合は、1日〜数日程度でも弁護士が介入する事態になるケースもあります。また、繰り返していると支払いが困難と判断され、車を回収されるケースもあります。

返済の期限を守ることが重要ですが、やむを得ず遅れる場合は、早めに販売店に連絡することが大切です。

走行中にエンジンが停止することはない

ローンの支払いが滞ると、車のエンジンを離れた場所から止められる場合があります。しかし、走行中に急にエンジンを止められることはありません。

エンジンを止められる場合、中古車ショップによっては事前に通知があります。

また、遠隔操作によるエンジン停止は、車が安全な場所に止まっているときに行われるのが一般的です。エンジンを停止される場合にも、走行中に止められることはなく、安全性に配慮して行われます。

カーリースなら自社ローンを組まずに車を利用できる

カーリースなら自社ローンを組まずに車を利用できる
カーリースは、利用者が乗りたい車種をリース業者が購入し、月額制で一定期間貸し出すサービスのことです。以前は、法人向けのサービスが主流でしたが、現在は個人向けサービスも注目を集め普及し、利用者が増加しています。

カーリースのプランは多くの場合、月額料金に初期費用や維持費用(自動車税、保険、車検、メンテナンス費用など)が含まれています。そのため、月額料金に全ての費用が含まれているプランを選ぶと、駐車場やガソリン代、任意保険の料金を除き、毎月一定の月額料金のみで利用できるのです。

カーリースは、ローンを組んだり、まとまった費用を準備したりする必要がなく、費用が毎月一定で明確です。家計管理も行いやすく、便利なサービスといえるでしょう。

まとめ

①自社ローンは、主に中古車ショップが独自に提供する分割払いのサービス
②購入した車にGPSを取り付ける「GPS付き自社ローン」もある
③GPS付き自社ローンの注意点は、滞りなく返済できるようにすること
④支払いが滞ると、遠隔操作で車のエンジンを止められる場合がある
⑤カーリースは月額料金のみで利用できるプランがあり、ローンを組んだり、まとまった費用を準備したりする必要がない

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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