自動車を購入したいと考えていても、銀行やディーラーローンの審査に不安を抱える方は珍しくありません。過去の延滞やクレジットカードの利用状況によって融資が難しいこともあります。

この記事では、自社ローンを利用して車を手に入れたい方に向けて、いくらまで借りられるのか、支払い回数の目安、注意点などを詳しく解説します。金融機関の審査を通過できない方も、ぜひ参考にしてください。

ポイント
  • 自社ローンの借入上限は一般的に150万円程度が目安ですが、収入や勤務先の安定性などによってはそれ以上も可能な場合があります。
  • 借入可能額は年収・月収・返済能力・保証人の有無など複数の要素で決定され、審査が柔軟でも返済能力は厳しく見られます。
  • 返済回数は24回(2年)が基本で、長期分割を希望する場合は審査が厳しくなる傾向にあります。
  • 高額な借入を希望する場合は、頭金の用意や保証人の確保が効果的とされ、販売店側も柔軟に対応しやすくなります。
  • 「金利0%」でも手数料が上乗せされるケースがあり、実質的な負担額に注意が必要です。

自社ローンがいくらまで組めるかは状況によって異なる

自社ローンがいくらまで組めるかは状況によって異なる
自社ローンで借りられる金額の上限は、借り手の状況によって大きく変わります。ここからは、一般的な上限額や柔軟に対応可能な例を紹介します。

審査基準や返済計画の違いで上限額は変動するため、利用前に自身の収入と負担可能額を確認しておくことが重要です。ぜひ意識してみてください。

自社ローンはいくらまで組めるか

自社ローンの限度額は、一般的に「150万円程度まで」とされるケースが多くあります。とはいえ、借り手の年収や勤務先の安定性などが良好と判断されれば、150万円を超える金額でも対応してくれる販売店が存在します。

反対に、返済リスクが高いと見なされる場合は、上限がさらに引き下げられる可能性もあるでしょう。販売店ごとに設定基準が異なるため、あらかじめ自分の年収や生活費を踏まえたうえで、どの程度まで返済できるかを明確にしておくことが大切です。

希望額をしっかり伝えておけば、販売店も柔軟に相談に乗ってくれる場合があるため、遠慮なく問い合わせてみるとよいでしょう。

自社ローンは何回払いまでいけるか

自社ローンは何回払いまでいけるか
自社ローンで設定される支払回数は、平均的に24回払い(2年)が多いのが特徴です。一般的なオートローンよりも支払期間が短めに設定される傾向があるため、月々の返済額がやや高くなる点には注意しましょう。

一部の販売店では36回(3年)や48回(4年)といったプランにも対応している場合がありますが、長期の分割払いを希望すると審査自体が厳しくなるケースも見受けられます。

自社ローンは販売店独自のリスク管理によって成り立っているため、過度に長期間の契約は敬遠されがちです。車種や希望金額、収入状況などを考慮し、無理なく完済できる回数を選ぶようにしましょう。

自社ローンの金額が変わる条件

自社ローンの上限額や借入条件は、複数の要素によって左右されます。特に収入や返済能力、保証人の有無などは大きな影響を与えるでしょう。さらに、分割回数が短い理由にも販売店側のリスク管理が関わっています。

下記で紹介する要因を理解しておくと、より適切な金額設定が可能です。

収入

収入
借り手の月収や年収は、ローン限度額を決定する際の重要な指標です。高収入の方ほど返済リスクが低いと見なされ、上限額が大きくなる可能性があります。

一方で、収入が不安定な方や月収が少ない方の場合、返済を滞る懸念が高まるため、限度額が抑えられることも珍しくありません。自社ローンの審査は銀行や信販会社ほど厳しくない傾向にありますが、最終的には「安定した返済」を重視される点は同様です。

どの程度の収入なら通るかは店舗ごとに異なるため、申し込む前に自分の月々の支払い余力を確認しておきましょう。

返済能力

返済能力の評価は、単に収入額だけにとどまりません。現在の借入総額やクレジットカードの支払い状況、毎月の生活費なども含めて総合的に判断されます。

既に複数のローンを抱えている場合、追加の返済が重荷になりそうだと判断され、上限額が下がるケースもあるでしょう。自社ローンは大手金融機関より審査基準が柔軟ですが、販売店としても貸し倒れのリスクを軽減したい意図があります。

自分の家計バランスをしっかり把握し、「確実に返せる金額かどうか」を考えて申し込むことが大切です。

保証人

保証人
保証人を用意できるかどうかも、自社ローンの上限額に大きく影響します。保証人がいることで、販売店の貸し倒れリスクが格段に下がるからです。

特に、保証人が安定した収入を持っている場合は審査も有利に働き、上限額が高めに設定されることがあります。

ただし、保証人となった人は返済を肩代わりするリスクも伴うため、事前によく話し合って理解を得ることが必要です。安易に依頼してトラブルに発展しないよう、申し込む前にローンの条件や返済計画をしっかりと伝え、納得してもらったうえでお願いしましょう。

自社ローンの分割回数が少ない理由は?
自社ローンでは、長期にわたる分割払いが設定されにくいのが特徴です。その理由は、販売店が貸し倒れのリスクをできるだけ軽減したいと考えているからです。短期間での完済を前提にすると、回収不能となるリスクや管理コストを抑えられます。返済が長引くと、その間に借り手の状況が変化して滞納リスクが高まる可能性もあります。そのため、他のローンに比べると分割回数を短くする傾向が強いのです。

自社ローンをいくらまで借りるか決める際のポイント

自社ローンをいくらまで借りるか決める際のポイント
自社ローンの利用を検討するうえで、大きな金額を借りるのか、あるいは身の丈に合った範囲に抑えるのかを見極めることが重要です。返済が難しくなると車を手放すリスクが高まるため、慎重に判断する必要があります。

以下のポイントを押さえて、無理のない借入計画を立てましょう。

総量規制を目安にする

自社ローンは貸金業法が適用されない場合が多く、総量規制の対象外となります。そのため、年収の3分の1を超える借入も可能なケースがありますが、必ずしも安全ではありません。

総量規制は過剰な借入による返済不能を防ぐために設けられた基準であり、これを外れてしまうとリスクが高まります。規制対象外でも、自分の年収と照らし合わせて無理のない金額に抑えることが大切です。

他のローンやクレジットの利用状況を含めて総合的に判断し、無計画な借入を避けるよう心がけましょう。

返済比率をチェックする

自社ローンの借入額を決める際には、返済比率(年間返済額が年収に占める割合)を確認してください。

返済比率が高すぎると、日常生活費や予備資金が不足しやすくなり、結果的に延滞へつながる恐れがあります。

例えば、年収300万円の人が年間60万円の返済を行う場合、返済比率は20%ですが、25%を超えると厳しく感じる方も増えるでしょう。

自社ローンだけでなく、クレジットカードや他の借入も含めて総合的に比率を算出し、持続的に返済を続けられるかを慎重に見極めましょう。

年収と同額は避ける

自社ローンの審査が通りやすいとはいえ、年収に近い金額の借入はリスクが高いといえます。返済額が収入とほぼ同程度になると、生活費の捻出が難しくなり、予期せぬ出費が発生した際に支払いが滞る可能性が高まるからです。

仮に審査自体は通過できたとしても、返済が困難になれば車の引き上げを余儀なくされるケースも考えられます。

自社ローンは「金融機関よりも借りやすい」との側面がありますが、返済負担に耐えられるかどうかをしっかり検討しておくことが重要です。常に収入に余裕をもった金額設定を心がけましょう。

自社ローンを利用する際の注意点

自社ローンは通常のカーローンとは異なる独自のしくみを持つため、利用するにはいくつかのリスクや制約を理解しておく必要があります。

ここでは、代表的な注意点を紹介します。内容を把握し、後々トラブルにならないよう事前に確認しておくことが大切です。

金額の高い車で利用するのは難しい

金額の高い車で利用するのは難しい
自社ローンは支払い期間が短く設定されがちなうえ、月々の返済額が高くなりやすい特性を持っています。そのため、高級車や外車など価格の高い車種には向かないケースが多いでしょう。

販売店側もリスクを抑えたい意図から、高額車両に対しては自社ローンを認めなかったり、頭金を多めに要求したりする場合があります。

もし高額車を狙う場合は、他のローン商品や頭金の確保なども検討しつつ、自社ローンの利用可否を慎重に見極めましょう。

手数料や保証料により割高になりやすい

自社ローンでは、表面上「金利0%」と謳われることがありますが、実際には保証会社を利用する際の保証料や、事務手数料などが別途で発生する場合があります。

コストは金利に代わる形で上乗せされるため、結果的に銀行ローンやディーラーローンより総支払額が高くなる可能性も否定できません。

事前に契約書や見積書をよく確認し、「金利がない代わりにどの程度の手数料がかかるのか」を把握しておくことが大切です。こうした費用を含めた総合的な負担を見比べることで、本当にお得かどうかを判断しましょう。

滞納すると車が回収されるケースがある

滞納すると車が回収されるケースがある
自社ローンでは、支払いを滞納した場合に販売店が車両を引き上げる権利を持っていることが多くあります。所有権が販売店に留保されているため、返済が滞ると素早く車を回収される可能性があるのです。

また、その際に車両の損傷や改造などによっては原状回復費用を請求される場合もあります。

一時的な資金難であっても、滞納が続くと信用情報に傷がつくこともあるため、支払いが苦しくなったときは早めに販売店へ相談するなど、トラブルを回避する努力が必要です。

完済するまで車の売却ができない

自社ローンを利用する場合、ローン完済までは販売店が車の所有権を持ち続けるのが一般的です。そのため、途中で車を売りたくなったとしても、残債を一括返済しない限り自由に売却はできません。

ライフスタイルの変化や、より良い条件の車への乗り換えを検討していても、所有権の関係で気軽に手放せない点がデメリットといえます。

将来的に車を買い替える可能性がある場合は、事前に完済までの期間や残債の精算方法などをしっかり確認しておきましょう。

自社ローンは保証人がいると通りやすい?
保証人がいる場合、自社ローンの審査は比較的通りやすくなる傾向があります。保証人が安定した収入を確保していれば、販売店は未払いリスクを抑えられるため、借入金額の上限を引き上げることも可能です。ただし、保証人には大きな責任が伴うため、依頼する際は必ず返済計画を共有し、納得してもらうことが欠かせません。

希望額で自社ローンを通過するためのコツ

希望額で自社ローンを通過するためのコツ
自社ローンの審査は、一般のカーローンに比べて緩めとされますが、それでも高額を希望する場合は一定の対策が必要です。必要書類をしっかり準備し、収入面や返済能力をアピールできれば審査をよりスムーズに進められます。

以下では、希望額で審査に通過するための具体的なポイントを解説します。

必要書類は漏れなく準備する

自社ローンの審査をスムーズに受けるためには、提出書類の不備を徹底的に防ぐことが基本です。運転免許証や住民票といった身分証明書のほか、収入証明として源泉徴収票や給与明細、確定申告書などが必要となる場合があります。

あらかじめ用意しておくことで、販売店とのやり取りのスピードアップが可能で、印象も良くなるでしょう。

特に、在職証明や各種公的書類は発行に時間がかかるケースもあるため、早めに準備しておくのがおすすめです。

収入証明で安定性を証明する

販売店は、借り手が安定して返済を続けられるかを重要視します。そのため、収入証明を確実に用意できると審査でも有利に働く可能性が高いでしょう。

源泉徴収票や直近数か月分の給与明細があれば、定期的な収入の存在を裏づけられます。自営業者やフリーランスの方でも、確定申告書などで収入を示せれば評価を得やすくなるでしょう。

収入証明が不十分だと返済能力を疑われ、上限額の引き下げや審査落ちのリスクが高まる点には注意が必要です。

借入を減らしておく

他のローンやクレジットカードなど、既存の借入が多いと返済能力を低く見積もられるため、自社ローン審査で不利になる可能性があります。

リボ払いやキャッシング、携帯電話の分割払いなどが積み重なっている場合、なるべく完済や繰り上げ返済を進めて借入残高を減らしておくとよいでしょう。

月々の支払い負担を軽くすることで、販売店が「滞納リスクが低い」と判断しやすくなります。申込前に返済状況を整理しておくことで、スムーズな審査通過をサポートできるはずです。

頭金を準備しておく

自社ローンの審査を通過しやすくするコツとして、頭金の用意が挙げられます。頭金を入れることで、借入金額が下がり、月々の返済額も軽減されるため、販売店側が抱えるリスクが小さくなるのです。

少額でも頭金を支払えば、「返済意欲が高い」「資金計画がしっかりしている」との好印象を与えられます。ボーナスや貯金などを活用して、可能な範囲で頭金を確保しておくと審査のハードルが下がるでしょう。

高額車両であれば、なおさら頭金が重視されるケースもあります。

自社ローンは金利がない?
自社ローンは販売店が独自に行う「割賦販売」であるため、一般的な「貸付」に該当せず金利は発生しません。ただし、保証会社を通す場合には保証料や手数料を負担する場合が多く、実質的に金利相当のコストがかかる可能性があります。契約前に総支払額を必ず確認し、割高にならないかを検討しましょう。

カーリースなら毎月一定額の支払で新車に乗れる

自社ローンのほかにも、車を手に入れる手段として「カーリース」を選ぶ方法があります。月々のリース料金を支払うだけで新車に乗れるうえ、維持費も含まれるプランが多いのが特徴です。

ここからは、カーリースのメリットをいくつか見ていきましょう。

残価設定があるため審査が柔軟

残価設定があるため審査が柔軟
カーリースでは「残価設定」の仕組みを利用し、契約終了時の下取り価格をあらかじめ想定したうえで月々の支払額を算出します。車両本体の全額を借りるわけではないため、審査が自社ローンよりも通りやすい場合があります。

リース会社は車の残価を資産として管理するため、貸し倒れリスクを低減できるのです。

過去にクレジットやローンで延滞経験があった方でも、柔軟に対応してもらえることがあるでしょう。審査基準はリース会社によって異なるため、複数社を比較するのもおすすめです。

長期契約で毎月の負担額が軽減

カーリースでは契約期間を5年、7年と長く設定できるプランが存在します。期間を長くするほど月々のリース料金を抑えられるため、家計に大きな負担をかけずに新車に乗ることが可能です。

自社ローンの場合は分割回数が少なく、月々の返済額が高くなりやすいことが難点ですが、カーリースなら長期分割をベースとしリスクもリース会社が管理しているため、比較的安心感があります。

安定した毎月の支払いを望む方は、リースプランがフィットするかもしれません。

税金や自賠責保険料の用意が不要

税金や自賠責保険料の用意が不要
カーリースの月額料金には、車検費用や自動車税、自賠責保険料などが含まれている場合が多く、別途大きな費用を用意する必要がありません。

自社ローンで車を購入した場合、税金や保険料は自分で支払わなければならないため、予想外の出費が発生する可能性があります。カーリースなら、ほとんどの維持費が月額料金に組み込まれているため、家計管理がスムーズに行えます。

急な出費を避けたい方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。

利用期間中はサポートあり

カーリース契約中は、リース会社やディーラーによるメンテナンスや車検の案内が受けられるだけでなく、メーカー保証の延長サービスが付帯するプランもあります。車に関するトラブルが起きた際、迅速にサポートを受けられる体制が整っているのは心強い点です。

自社ローンで車を購入した場合は、修理や点検手配をすべて自分で行うことが多いですが、カーリースでは契約内容に応じて手厚いアフターケアを提供してくれるため、整備が苦手な方や忙しい方にも適しています。

まとめ

①自社ローンの上限額は店舗や収入状況で変動し、一般的には150万円程度が目安
②自社ローンは契約できる分割回数が少ないため、月々の負担額が大きくなる場合がある
③収入証明や頭金の用意などで審査を有利に進められる
④カーリースは毎月の支払いが一定になり、維持費も含まれることが多い
⑤自社ローン以外の選択肢として、リースも含めて検討すると選択肢が広がる

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。