車を購入する際に便利なカーローンですが、信用情報に不安がある場合には審査を通過するのが難しいことがあります。

また、月額の支払いを安くしたい方も多いでしょう。そのようなときに頼りになるのが、自社ローンやカーリースという選択肢です。

この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットだけではなく、向いている人や注意点なども網羅的に解説します。

自分に最適な車の持ち方はどちらなのかを見極めるために、ぜひ参考にしてください。

ポイント
  • 自社ローンは信用情報の照会を行わないため、信用情報に傷がある人でも車を購入しやすい可能性があります。
  • カーリースは車を所有するのではなく借りる契約で、費用が一定の月額となるため初期費用が不要で管理もしやすい方法です。
  • 自社ローンは納車がスピーディで手続きも簡便ですが、新車の選択肢は少なく手数料が発生する場合もあります。
  • カーリースは初期費用ゼロに近い形で新車に乗れますが、車を返却する必要があり途中解約にも制限があります。
  • 自社ローンとカーリースのどちらを選択するかは、契約者の信用状況やニーズによって異なります。

自社ローンとカーリース契約の違いを把握しよう

自社ローンとカーリース契約の違いを把握しよう
車を入手する主な手段の中に、自社ローンとカーリース契約があります。両者とも「月々いくら」という支払いで車を利用できる点は共通していますが、所有権の有無や細かい費用の内訳、利用期間など、複数のポイントに違いがあります。

車の入手法を検討する際には、それぞれの特徴を理解し、自分の生活スタイルや必要性に合致した選択をすることが重要です。

自社ローンの特徴

自社ローンの特徴
車の購入を検討しているけれども、一般的なカーローン審査に不安がある方にとって、自社ローンは有力な選択肢となり得ます。

自動車販売店が独自に提供する分割払いの仕組みであるため、過去に金融事故を起こしている場合でも審査に通る可能性があるなどのメリットがあるため、柔軟な契約が可能です。

ここでは、自社ローンの仕組みや特徴について詳しく見ていきましょう。

販売店独自の仕組みをもつ

自社ローンは、販売店が独自に提供している分割払いシステムであるため、銀行や信販会社を間に挟みません。そのため、販売店が直接ローンを組む形式となっており、一般的なローン審査を通過するのが難しい方でも利用しやすいのが特徴です。

販売店独自の直接分割払いでは、ローン申込から審査、契約、納車までを1箇所で進められるという利便性があります。独自ルールにより、柔軟な支払い条件に対応できる販売店も多く、審査から納車までをスピーディに行える点もメリットです。

急ぎで車が必要な方や面倒な手続きを避けたい方にとっても有力な選択肢となるでしょう。

信用情報機関への照会を行わない

このローンの最大の特徴は、申し込みを行う人の信用情報をもとにした審査が行われないことです。

通常のカーローンでは、信用情報機関に照会をかけ、過去の延滞履歴や現在の借入状況などを細かくチェックします。そのため、信用情報に傷がある場合には、審査を通過することが難しくなる点が問題です。

しかし、自社ローンでは、販売店が公的身分証の有無や雇用状況など、独自の基準で契約者の返済能力を判断するため、信用情報に不安がある方でも審査に通りやすいとされています。

ただし、販売店によって審査の基準が異なる場合があるため、誰でも審査を通過できるわけではない点に注意が必要です。

カーリース契約の特徴

カーリース契約の特徴
車の購入を検討する際に、初期費用や維持費の負担を抑えたいという方は多いのではないでしょうか。そのような場合には、カーリースがおすすめです。

カーリースでは、月々定額の支払いで車を利用できるサービスで、諸費用が月額に組み込まれている場合が多く、予算管理がしやすいため幅広い層から支持されています。

ここからは、カーリースの仕組みや特徴について見ていきましょう。

リース会社から車を借りる仕組み

カーリースにおいて、車を購入するのはリース会社です。そこで購入した車を契約者に一定期間貸し出すという形式で、車が利用者の手元に渡ります。

契約者は車を購入せず、月々のリース料金を支払うことで、車を購入した場合と同様に車を使用することが可能です。契約期間中の車の所有権はリース会社にあり、契約者は車の使用権を持つ形になります。

カーリースでは、契約満了時には車を返却するのが一般的ですが、プランによっては車の買取や譲渡に対応可能な場合もあるため、事前に詳細を確認しておくことが重要です。

月額料金には税金や手数料も含まれる

カーリースの月額料金は、車両本体の代金に加えて、税金や自賠責保険料、リサイクル料などの法定費用をすべて含む総額を、分割して支払う仕組みです。

税金や諸々の費用を個別に管理する必要がなく、毎月の支出が一定となるため家計の管理もしやすくなるでしょう。

また、リース会社によっては、車検や定期的なメンテナンスを含めたプランを選択できる場合もあり、予期しない出費が発生しにくいのもメリットです。

毎月一定額の料金を支払いながら車を利用し、費用管理の煩雑さを避けたい方にとって、カーリースは最適な選択肢のひとつになるでしょう。

自社ローンとカーリースの主な違いは何ですか?
自社ローンは、車の販売店が独自に提供する分割払いで、完済した後に車の所有権は販売店から利用者に移行します。それに対してカーリースは、リース会社が購入して車を一定期間借りるという契約で、満了時には車を返却するのが一般的です。したがって、所有権の有無や契約満了後の対応が違うと言えるでしょう。

自社ローンのメリット

車の購入を検討する際に、多くの場合はカーローンの利用を視野に入れるのではないでしょうか。しかし、過去の信用情報の履歴が審査通過の妨げとなる場合があります。

その点で、販売店独自の審査基準を採用している自社ローンでは、柔軟な対応が可能です。

ここでは、自社ローンが持つ具体的なメリットについて詳しく解説します。

過去に金融トラブルがあっても審査に通りやすい

過去に金融トラブルがあっても審査に通りやすい
自社ローンでは、過去の信用情報を照会せず、現在の収入や返済能力を重視するため、金融事故の履歴が残っている方でも審査に通りやすい傾向があります。

一般的な銀行や信販会社のローンでは、信用情報機関への照会が行われるため、過去の延滞や自己破産歴などが審査に直接影響します。

しかし、販売店が独自の基準で審査を行う場合には、柔軟な対応が可能です。そのため、アルバイトやパートなどの非正規雇用であっても、安定した収入を得て返済可能だと判断されれば、審査に通る可能性があります。

過去に金融トラブルを経験している方にとっては、車を入手する際の有効な手段となるでしょう。

金利ゼロで支払い総額が分かりやすい

銀行や信販会社などを介さず販売店が直接分割払いの契約を行うため、金利が発生しないのが一般的です。月々の支払額や総支払額がわかりやすいため、返済計画が立てやすいというメリットがあります。

家計管理を重視する方にとっては、支払額が一定で変動がないという点は大きな安心材料です。費用の内訳もわかりやすいため、計画的に返済を進めたい方に適した選択肢といえるでしょう。

スピード審査で納車も早い

スピード審査で納車も早い
自社ローンでは、販売店が自ら審査を行うため、対応が非常に迅速である点がメリットです。

銀行や信販会社を介したローンでは、審査に数日から1週間以上の時間がかかることが多いですが、販売店のローンでは、最短で即日審査・即日契約が可能なケースもあります。

また、販売店では在庫の車両があるため、書類手続きを並行して納車準備ができる場合も多く、契約から数日で納車されることも少なくありません。仕事の都合や突然の事故などの影響により急いで車を入手する必要がある場合には、自社ローンが頼りになるでしょう。

自社ローンのデメリット

自社ローンは金融機関を通さないため、通常のローン審査に通りにくい方にとっても適した手段ですが、利用に際してデメリットとして捉えられる点もあります。

自分に合った購入手段を見極めるために、デメリットも正しく把握しておきましょう。ここでは、自社ローンを利用する場合に考慮すべきデメリットを2つ紹介します。

車種の選択肢が狭い

中古車販売店が多く提供しているローンであるため、新車の取り扱いや選択肢があまりないという点に注意が必要です。

購入可能な車種は販売店の在庫に依存しているため、希望する車種やグレードを選べない場合があることも押さえておきましょう。特に、特定のモデルにこだわりがある場合には、その車が選べないことが多く、大きなデメリットに感じられるかもしれません。

新車が選択できないわけではありませんが、その数は少ないため事前に販売店に確認を取る必要があります。希望する車種が対象となっているか、直接問い合わせるのが確実です。

手数料や保証料が発生する

手数料や保証料が発生する
金利ゼロが魅力ですが、その代わりとして手数料や保証料が発生します。これらの費用は、車体価格の10〜20%となるのが一般的で、結果として総支払額が高くなる傾向があることがデメリットと言えるでしょう。

販売店によって、どれくらいの費用が発生するかが異なるため、契約前に詳細をしっかりと確認する必要があります。また、支払い回数や期間が短く設定されていることも多く、月々の支払額が高くなる可能性もあることにも注意しましょう。

月額や総支払額がいくらになるのか、十分に比較検討することが重要です。

自社ローンで購入した車は新車ですか?
自社ローンで購入できる車は中古車が中心です。中には新車を取り扱う販売店もありますが、その絶対数は限られており、車種選択の幅は狭いと考える必要があります。
どうしても新車を購入したい場合は、カーリースやその他のローンを検討するのが良いでしょう。

カーリース契約のメリット

カーリースは、車を所有する際に発生する初期費用や維持管理にかかる労力を減らし、月々の支払額を一定にすることで家計管理をしやすくするサービスと言えます。

車を自分で購入するのではなく、リースするという選択により、どのような利点を感じられるのでしょうか。

ここからは、カーリース契約の特徴やメリットを詳しく解説します。

初期費用がかからない

初期費用がかからない
カーリース契約の大きな特徴のひとつは、頭金や初期費用が不要であることです。

通常であれば、新車購入時には車両価格の10〜20%程度の頭金が必要となります。また、自動車税や自賠責保険料、登録手数料などの諸費用もあるため、ある程度の初期費用を覚悟しなければなりません。

一方でカーリースならば、上記のような初期費用が不要で、税金や保険料は月額料金に含まれているため、毎月一定の金額を支払うだけで新車に乗れるというのが大きなメリットです。

手元の資金に余裕がない場合でも、無理なく車に乗り始められることも魅力と言えるでしょう。

メンテナンスの手間がかからない

カーリースの多くでは、車検や定期点検、オイル交換など基本的なメンテナンスにかかる費用が、あらかじめ月額料金に組み込まれているプランがあります。

そのため、突発的に発生する修理費や、整備・点検のたびに必要となる出費を心配する必要がなく、手間をかけずに車を良好な状態に保てることがメリットです。

点火プラグやワイパーゴムの交換など、消耗品の対応もプランに含まれることがあり、専門業者による定期的なメンテナンスが受けられるため安心感もあります。

車に詳しくない方にとって、メンテナンスの手間を省けるのは、大きなメリットと感じられるでしょう。

購入より月額費用を抑えて新車に乗れる

購入より月額費用を抑えて新車に乗れる
カーリースの最大の魅力と言えるのが、月々の支払額を減らしながら新車に乗れることです。リース契約では通常、契約終了時の残価をあらかじめ差し引いた金額を割って月額料金が算出されます。

例えば、200万円の新車で5年後の残価が80万円と設定された場合、契約者は実質車両価格として120万円を負担することになり、これを60回で割って月額が2万円(諸費用別)と概算できるでしょう。

カーリース契約のデメリット

カーリースは、一定の月額料金を支払うだけで新車に乗れる魅力的なサービスですが、契約内容をしっかりと理解していないと、思わぬところで不利益が発生してしまう可能性があります。

高額な違約金などが生じないよう、契約に伴う注意点は十分に把握しておきましょう。

ここからは、カーリース契約における主なデメリットについて解説します。

契約満了後は基本的に車を返却する

カーリースでは、自分で車を購入して所有するのではなく、リース会社が購入した車を借りるという形式を取るため、契約期間が終了すると、原則として車両をリース会社に返却する必要があります。

そのため、車を長期にわたって所有したい方や、車を自分好みにカスタムしたい方にとっては不向きです。一部のリース会社では、契約満了時に車両を買い取るオプションを提供している場合もありますが、これには追加料金が発生します。

また、車を返却する際には車両の状態を査定され、ひどい損傷や走行距離の超過が発見されると、追加費用を請求される場合もあるため、細心の注意を払って運転しなければなりません。

途中解約には高額な違約金がかかる可能性も

途中解約には高額な違約金がかかる可能性も
カーリース契約では、原則として途中解約が認められておらず、やむを得ない理由で解約する場合には違約金が発生する可能性があるため注意が必要です。

途中解約の際には、残っている契約期間分のリース料金や、事務手数料などが違約金として請求されます。

例えば、5年契約のリースを3年で途中解約する場合には、残り2年分のリース料に相当する金額を一括で支払わなくてはならない可能性があるのです。

車両の状態が悪ければ、追加の修理費用も発生することがあるため、契約期間を決定する際には慎重に検討する必要があります。

カーリースの月額料金には何が含まれていますか?
カーリースの月額料金には、車両本体価格をリース期間で割った分に加えて、自動車税や自賠責保険料などが含まれています。また、プランによっては、車検やメンテナンス費用が含まれることも一般的です。これらの費用が月額に組み込まれ、毎月定額になることにより、突発的な出費を抑え、家計管理がしやすくなります。

自社ローンの利用が向いている人

自社ローンの利用が向いている人
自社ローンを利用して車を購入する方法は、過去の信用情報に不安がある方や、すぐにでも車が必要である方に向いています。

信販会社を間に挟まず、車の販売店が独自の基準で審査を行うため、クレジットカードの延滞履歴や自己破産歴などの金融事故履歴がある場合でも、現在の収入や雇用の状況によっては審査に通る可能性があることが強みです。

また、手続きが簡便で審査から納車までがスピーディに進むため、手間を省いてすぐに車を用意したい場合に重宝します。さらに、他社でローンを組んでいる場合でも審査に通りやすい点も見逃せません。

柔軟な審査と納車までのスピード感を重視する人にとって、頼れる選択肢となるでしょう。

カーリース契約が向いている人

カーリース契約が向いている人
カーリースは、初期費用を抑えながら月々の支払額を一定に保ち、できれば中古車ではなく新車に乗りたいという方が利用するのに向いています。

カーリースはまとまった頭金なしで契約できるうえ、車両代金や税金、保険料、車検代などがすべて月額料金に含まれているプランも多いため、突発的な出費を避けたい人に適しているのが特徴です。

車のメンテナンスもリース会社に任せられるプランがあり、車に詳しくない方やメンテナンスの時間が取れない方でも安心できるでしょう。

車を長期間にわたって所有するよりも、必要な期間だけ利用したい方や、初期費用を抑えて新車に乗りたい人などにも向いています。

まとめ

①自社ローンは、販売店独自の審査によるため、信用情報に不安がある方でも車を分割払いで購入しやすい
②カーリースは、車を一定期間借りる契約で、税金やメンテナンス費用が月額料金に含まれているため、突発的に発生する費用の心配がなく家計管理がしやすい
③自社ローンには、審査の柔軟性や納車の速さなどのメリットがある一方、新車の選択肢が少なく手数料がかかるなどのデメリットがある
④カーリースは、初期費用がかからず月額料金も抑えやすいが、途中解約をする際に違約金が発生するリスクがある
⑤信用状況や車の使用期間、管理の手間などを総合的に考慮し、自分のライフスタイルや資金計画に合致した購入方法を選ぶべき

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カーリースってどんな車が選べるの?
グーネット定額乗りマガジン編集部
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カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。