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自社ローンは、車を分割払いで購入する際に便利な選択肢の一つで、銀行や信販会社を介さず自動車販売店が独自の審査を行うローンです。
「審査に通りやすい」「審査がスピーディー」などといわれることが多いですが、「返済期間はどれくらいなの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
この記事では、自社ローンの返済年数の目安や支払い条件、長期支払いによる影響などを詳しく解説します。
車の分割払いの方法を選ぶ際に、ぜひ参考にしてください。
- 自社ローンは金利がかからず審査が柔軟ですが、返済期間が短めに設定されていることが多くあります。
- 一部最長で84回(7年)払いまで対応できる販売店もあり、月々の負担を大きく軽減できます。
- 返済途中で車が故障すると、次の購入が困難になる場合があるため注意が必要です。
- 自社ローンは主に中古車の購入向けで、新車の購入には使えないことも多々あります。
- カーリースを活用することで、維持費込みの毎月定額で新車に乗れます。
利用前に自社ローンの支払いが最長何年か把握しておこう

自社ローンは、自動車販売店が独自の基準で審査する分割払いシステムで、信用情報に不安がある人でも審査に通りやすい反面、返済期間の上限は短めであるため注意が必要です。
返済期間によって毎月の負担額が変動するため、生活に支障をきたさない範囲で無理のない返済計画を立てましょう。そのためにはまず、返済期間が最長で何年までかを把握しておく必要があります。
自社ローンの基本的な仕組みと特徴
自社ローンは販売店と直接契約を結ぶ点が大きな特徴です。
ここでは、自社ローンの基本的な仕組みと特徴について、それぞれ詳しく解説します。
自社ローンは、販売店が購入者の代わりに車の代金を立て替え、その金額を購入者が月々の分割払いで返済していく仕組みです。
販売店と購入者の間に銀行や信販会社が介在せず直接融資を行うため、契約に関する作業が販売店で完結し、手続きが簡便であるという特徴もあります。
車の購入を分割で行うという点において他のローンと変わりありませんが、金融機関ではなく販売店が車の購入資金を立て替えるという点が大きく異なります。そのため、各販売店によって契約条件や審査基準が異なることを押さえておきましょう。
販売店が独自に提供するローンであるため、審査のスピードと通過率が高いことが大きな魅力です。
一般的なカーローンでは、信用情報機関への照会をかけて、契約者の借入履歴や返済状況を審査対象とします。
一方で自社ローンでは、信用情報よりも現在の雇用状況や返済能力などを重視するのです。そのため、過去に金融事故の経験がある方や、他のローン審査に通らない方であっても、条件次第では審査を通過できる可能性があります。
また、審査から契約までを販売店が一括して行うことから、審査結果が出るまでの時間が短く、スムーズな納車が期待できる点もメリットです。
自社ローンは、銀行や信販会社が間に入っておらず販売店と直接契約する仕組みであるため、金利負担が発生しないのが一般的です。
分割払いで金利がかからないことは大きなメリットですが、その代わりに「手数料」や「保証料」といった名目での費用が加算されることが多く、実質的な金利負担がゼロになるわけではない点に注意が必要です。
金利がかからないからと安心せず、手数料を含めた総支払額を比較検討しましょう。また、手数料は販売店によって異なるため、必ず確認してください。
自社ローンの支払い期間について

自社ローンは審査の柔軟性が魅力ではありますが、その代わりに返済期間に制限があることが知られています。短期での完済を前提とした仕組みとなっているため、多くの場合では長期的な分割払いには対応していません。
ここからは、自社ローンの一般的な返済期間や最長年数について解説します。自分のライフスタイルや状況に合った返済計画に役立ててください。
自社ローンの支払期間は、1年から3年(12〜36ヶ月)程度に設定されるのが一般的です。
通常のカーローンと比較すると短期間での返済を前提として組まれたシステムのため、契約者はその範囲内で無理のない返済計画を立てる必要があります。
自社ローンでは12〜36回払いが一般的で、平均的な回数は24回が目安です。しかし、一部では48回(4年)まで対応してくれる販売店もあり、最長では84回(7年)という支払回数に対応できる場合もあります。
長期間の分割にすることで、月々の返済額を抑えることが可能になり、家計への負担を抑える選択肢は広がるでしょう。
ただし、支払回数が増えると手数料などを含んだ総額も膨らみやすく、最終的な支払額は高くなる点に注意が必要です。
自社ローンで長期支払いが難しい理由

支払回数を短く設定している販売店が多く、長期分割が難しいケースがほとんどです。これには、販売店側が契約者の代わりに車の代金を立て替えて融資を行うという仕組みが関係しています。
支払が長期に及ぶほど、途中で支払いが滞るリスクも増大するため、販売店側としてはその可能性を最小限に抑えたいと考えて当然です。回収にかかる期間を短縮することにより、販売店は立て替えた資金を迅速に回収でき、それが資金繰りの安定につながります。
自社ローンの限度額の目安
販売店独自の分割払いでは、限度額が150万円程度に設定されていることが一般的な目安とされます。これは、販売店が車の代金を立て替えているという仕組みであることから、限度額を高くしすぎることにより経営的なリスクが生じないようにと設定されている上限です。
また、自社ローンは新車ではなく中古車の購入を前提としているケースが多いため、それほど高額な融資が必要となる場面は少ないでしょう。
ただし、ローン契約者の収入や雇用の安定性、返済実績などによっては、限度額が200万円程度まで引き上げられる可能性もあります。
自社ローンを長期分割で利用するメリット

長期分割で利用する最大のメリットは、月々の返済負担額を軽減できる点です。
例えば、手数料などを除く車両価格180万円を借り入れたとすると、36回払いの場合は月々5万円、72回払いの場合は月々2.5万円となり、ひと月に2.5万円の差が生じます。これは、家計にとっては非常に大きな違いです。
また、多くの自社ローンでは金利がかからないため、長期でも支払い総額がわかりやすく、返済計画を立てやすい点がメリットです。
他のローンと比べて審査の柔軟性も高いため、収入は安定しているものの、初期にまとまった資金を準備できない方にとっても有力な選択肢です。
自社ローンを長期分割で利用するデメリット

デメリットとしては、返済期間が長くなることにより、他のローンを組む際の審査に通りにくくなる可能性が生じることです。信用情報には、現在進行中のローンとして記録されるため、住宅ローンや教育ローンに影響を及ぼすリスクは否定できません。
また、支払い期間中に車が故障した場合、その車の修理費や次の車の購入費などの負担が重なり、家計を大きく圧迫する可能性もあります。
自社ローン以外のカーローン

車の購入を検討する際に選べるローンには、いくつかの選択肢があります。審査の柔軟性や手続きの簡便さを重視するのであれば、自社ローンを考えるのがおすすめですが、それ以外にもディーラーローンや銀行系ローンなども選択可能です。
ここでは、ディーラーローンや銀行系ローンの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。
ディーラーローンは、車のディーラーが提携している信販会社を通して提供される分割払いシステムです。特徴としては、手続きが比較的簡単で、車を購入する際に申し込み可能であるため、スムーズに契約を進められることが挙げられます。
ディーラーローンの審査は緩やかな傾向があり、審査結果が出るのも早い点がメリットです。しかし、選択可能な信販会社が限られること、金利が高めであるといったデメリットもあります。
キャンペーンを利用することで金利が優遇される場合もあるため、契約前によく確認しておくことが重要です。
銀行系ローンは、銀行や信用金庫が提供しているマイカーローンの総称で、金利が比較的低めに設定されている点に特徴があり、総返済額を抑えやすい点がメリットです。
また、銀行系ローンの場合は車の所有権が契約者にあるため、ローン完済前であっても車の売却・譲渡が自由に行えるという利点もあります。ただし、契約内容によっては禁止事項が設けられている場合もあるため、契約時に必ず確認しておきましょう。
キャンペーンを活用して金利の優遇を受けられる場合もありますが、審査が厳しめで必要書類の提出など、手間がかかるというデメリットもあります。
自社ローンを利用する際の注意点

信用情報に不安があり、金融機関の審査に通りにくい方にとって、自社ローンは魅力的な選択肢となるはずです。しかし、利用する際には事前に把握しておくべき注意点も存在します。
ここでは、返済期間の設定や購入できる車の種類、保証人の必要性などについて解説します。注意点を把握しておくことで、自社ローンのメリットを最大限に活用できるでしょう。
自社ローンは、金融機関が提供する分割払いと比較すると、返済期間が短い傾向にあるため注意が必要です。
一般的に金融機関のローンは、返済期間として6〜10年程度の設定が主流ですが、自社ローンの多くでは2〜3年で設定されます。
このように短期間で返済する場合は、他のローンよりも月々の支払額が高くなることを念頭に置かなければなりません。車両価格が同じであっても、返済期間が短ければそれだけ月々の負担は増加します。
そのため、毎月の支払いが家計に与える影響をしっかりと考慮することが重要です。
中古車販売店が提供する独自のローン制度であるため、分割払いの対象となるのは中古車が中心となり、新車の購入には対応していないケースが多いでしょう。
一部の販売店では新車購入にも対応している場合がありますが、取り扱っている販売店は少なく、車種や台数も限定的です。そのため、新車の購入を希望する場合は事前に販売店に確認し、ローンの適用範囲を確認しておくことをおすすめします。
新車購入の場合は、自社ローンという選択肢を諦め、他のローンやカーリースなどの選択肢も検討すると良いでしょう。
金融機関の信用情報を照会しない独自の審査を行うため、自社ローンを利用して車を購入する際には、多くの販売店では保証人を求める場合があります。
保証人の条件として、安定した収入があることや、信用情報に問題がないこと、成人していることなどが挙げられます。契約者との間柄は親や配偶者、親族であることが推奨されますが、販売店によっては友人や同僚などでも認められる場合もあるでしょう。
また、注意点として、保証人を依頼する際には相手の同意を得ることが重要です。後々の関係性に悪影響を与えないよう細心の配慮を心がけましょう。
生活費や他の主な支出をリストアップし、月々の支払額をシミュレーションしておくことも重要です。
毎月定額で車に乗りたいならカーリースも検討しよう

毎月一定の金額を払って車に乗りたい場合の選択肢として、カーリースを検討してみてはいかがでしょうか。
カーリースは、車を所有するのではなく一定期間借りるという新しい形の利用手段です。車検やメンテナンスをリース会社に任せられるため、手間を省きたい方や忙しい方にも適しています。
ここでは、カーリースの具体的なメリットを見ていきましょう。
カーリースの大きな魅力の一つとして、さまざまな費用をすべて月額料金に含めて支払える点が挙げられます。
車両本体価格だけでなく、車検費用やメンテナンス費用、自動車税、自賠責保険料なども月々の支払いに含められるため、突発的な出費を回避し、毎月の支出を一定に保つことが可能です。
カーリースの中には、原状回復費用の補償が付帯されているものもあり、車を返却する際の費用負担を軽減できるサービスもあります。
カーリースは、必要な費用を総合的に管理しやすく、安心して車を利用できる仕組みといえるでしょう。
カーリースは、一般的なカーローンよりも審査の基準が緩やかで、審査に通りやすい傾向があることも魅力です。
カーリースでは、車の所有権はリース会社にあり、その車を利用者に貸し出すという形態であるため、リース会社にとってのリスクは限定されています。
そのため、過去に金融事故の履歴などが残っていてローンの審査に通りにくい方や、収入に不安がある方でも利用できる可能性があるのがメリットです。
また、保証人が必要となるケースもありますが、条件を満たすことにより契約可能な場合もあります。
カーリースでは、契約期間を長く設定することにより、月々のリース料金を安く抑えることが可能です。車両価格を契約期間で分割して支払うため、期間が長くなるほど1回あたりの支払額は少なくなります。
最長では11年という長期契約もあり、月額が抑えられるため支出管理がしやすくなるでしょう。
ただし、月額は安くなるものの、契約期間が長い分だけトータルの支払いは増える傾向がある点に留意しておきましょう。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。



