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車の乗り方は、購入する以外にもいろいろな方法があります。レンタカーもあれば、最近よく聞かれるカーシェアリング、カーリースで車を運転する方法もあります。
カーリースというと、法人が利用するものというイメージがあるかもしれませんが、個人でも利用可能です。
車を保有している場合、毎年自動車税が発生します。リース契約の場合、自動車税の取り扱いはどうなるのでしょうか?
この記事では、リース契約時に自動車税は誰が納税するのか、また車を保有するとかかる各種ランニングコストの取り扱いについても見ていきます。
リースの場合でも利用者が自動車税を負担する
カーリースの場合、自動車税を負担するのは利用者です。ただし、利用者が直接納税するわけではありません。
カーリースは、利用者の購入したい車種をリース会社が代わって購入します。そして、その車両を利用者に貸し出し、利用者は毎月リース料をリース会社に支払う仕組みです。
この毎月負担しているリース料には車両本体の代金以外にも諸費用が含まれており、その諸費用の中に自動車税が含まれています。
そのため、実際に納税するのはリース会社ですが、毎月定額のリース料を支払うことで、利用者が自動車税の納税を間接的にしていることになります。
自動車税とは?
自動車税は、毎年4月1日時点で車を保有している方を対象に課せられる税金のことです。エンジンの排気量によって課税額が変わってきます。
自家用車の場合、最もエンジン排気量の小さなものだと25,000円が自動車税として課税されます。そこからエンジン排気量が500cc増えるごとに、課税額が増えていく仕組みです。
軽自動車の場合は「軽自動車税」が課税されます。軽自動車税は車種関係なく、一律10,800円が課税されます。
車を保有している方の名義は、車検証に書かれている所有者の欄から確認することができます。
3月末ぎりぎりに車を売却して4月1日までに名義変更ができていないと、その年の自動車税の請求書が前の所有者に来てしまうこともあるので注意が必要です。
納税はリース会社が行う
リース契約をしている車の自動車税を実際に納税手続きするのは、リース会社です。
月々のリース料金に自動車税分も含まれているので、間接的には利用者が支払うような形になります。
リース車の場合、車検証を確認すると所有者がリース会社になっています。そのため、利用者からリース料金という形で自動車税を受け取り、リース会社が実際には納税しています。
納税証明書の取り扱いについて
通常は、自動車税の通知書をコンビニや銀行などに持って行き、支払いを行うと、収受のハンコを押された半券が戻ってきます。この半券が、自動車税の納税証明書です。
車を保有している場合、このように自分で納税をするので、納税証明書も支払い手続きの際に受け取ることができます。
しかし、カーリースの場合はリース会社が自動車税を支払う形となるため、納税証明書を直接受け取ることはできません。
ただし、多くのリース会社では、納税手続きが済んだところで納税証明書は利用者に送付されます。そのため、後日郵送にて納税証明書は入手できると思っていれば問題ありません。
カーリースの納税のメリット
カーリースは、自分で自動車税を納税する必要はありません。リース会社が自動車税を実際には納税してくれるので、コンビニや銀行に行く手間はかかりません。
自動車税は期日までに支払わないとペナルティが発生します。延滞金として1カ月以内の納付遅れなら納付額の2.4%、1カ月以上だと8.7%の追加徴収です。
そのため、自分で支払う必要がなくなるのはメリットだと言えるでしょう。
また、月々のリース料金に自動車税が含まれているので、毎月コツコツと税金払いができるのもメリットの一つです。自動車税はどんなに安くても、数万円単位で費用がかかります。
自動車税を一括で支払うとなると、お金を用意できない方も出てくるかもしれません。しかし、月々少しずつ払うのであれば、無理なく支払えるでしょう。
自動車税の税額
自動車税は、エンジン排気量によって納税額が異なります。
例えば、エンジン排気量1,000cc以下もしくは電気自動車の場合、税額は25,000円です。
これが排気量500ccずつ上がっていくと、自動車税の額は増えていきます。1,000cc超1,500cc以下の自動車で30,500円、1,500cc超2,000cc以下で36,000円といった形です。
ちなみに、最高は排気量6,000cc超の車種です。この場合、自動車税は11万円となかなか大きな税負担を強いられることになります。
さらに、購入日がいつかで税額が変わってくるので注意しましょう。2019年9月30日以前に購入した自動車は、2019年10月1日以降の車よりも排気量は一緒でも余計に税負担しなければなりません。
1000cc以下の場合は25,000円と紹介しましたが、2019年9月30日以前の場合は29,500円となり、4,500円も高くなります。
カーリースの月額料金に含まれる税金について
カーリースの場合、自動車税は月々のリース料金の中に含まれることを説明しました。そのリース料金の中には、自動車税以外にも車のランニングコストが含まれています。
では、どのようなコストが月額料金の中に含まれているのでしょう?
ここからは、カーリースの月額料金に含まれる税金について、詳しく見ていきます。
カーリースの月額料金の中には、車両の重さに応じて負担する税金である自動車重量税も含まれています。
自動車重量税は、車検の時に支払います。車検には法定料金というものがありますが、その中に自動車重量税があり、次の車検までの税金を納付します。
普通自動車の場合、自動車重量税は車両重量500kg増えるごとに税額も高くなります。
軽自動車の場合は車種関係なく一律の税額を負担します。
自動車重量税は、新車登録から13年と18年が経過すると、割増になるので注意しましょう。
令和5年4月現在、令和8年4月末までにエコカーを購入した場合は減税対象になります。これはリース契約した場合も同様なので、エコカーを選ぶと自動車重量税がお得になります。
カーリースの月額料金の中には、環境性能割も含まれています。
環境性能割は、車を購入する際に課税対象となる税金です。自動車取得税に変わる形で、2019年10月以降に登場しました。
環境性能割の特徴は、燃費に優れた車は軽減税が適用される点です。国の定める燃費性能に基づき、自家用車の場合0~3%が課税されます。
電気自動車、プラグインハイブリッド、クリーンディーゼル、天然ガス車の場合は、この環境性能割が非課税となります。
そのため、燃費のいい車両をリースすれば、月額料金が安くなるでしょう。また燃費に優れているので、ガソリン代の節約効果も期待できます。
カーリースの場合、希望した車種の消費税も月額料金の中に含まれています。
2023年4月時点では、車両価格に対して10%の税率で課税されます。消費税はこれまでに何度か増税されてきたため、今後も増税される可能性はゼロではありません。
消費税が増税された場合のリース会社の対応は、まちまちです。
増税前に契約したら、契約期間が増税後にかかった場合でも増税前の税率で請求する会社もあります。
一方で、契約前に増税しても契約期間が増税後も含まれる場合、増税後からリース料金を上げるところもあります。
そのため、消費税の増税前にリース契約をする場合、消費税の扱いについては確認しておいたほうがいいでしょう。
カーリースの利用者の中には、軽自動車のリースを希望する方もいるでしょう。軽自動車をリースする場合、毎年所有者に課税される軽自動車税が月額料金の中に含まれます。
軽自動車税は自動車税と違い、エンジン排気量で税額が変わることはないので、一律10,800円を納めます。
また、軽自動車の場合も普通車同様、環境性能割の課税対象です。軽自動車の場合も燃費性能に基づき、税率が決められます。
普通自動車の自家用車だと0~3%の税率でしたが、軽自動車の場合は0~2%の税率のいずれかが適用されます。
税金以外でカーリースの月額料金に含まれる費用について
カーリースの月額料金には、自動車に関する税金以外にもランニングコストが含まれています。
ここからは、他にどのような費用が含まれているのか、詳しく見ていきましょう。
また、車にかかるランニングコストすべてが含まれているわけではないため、どのような費用は別途で利用者が負担するのかについても紹介していきます。
車のメンテナンスコストの中で含まれないのは、ガソリン代やその消費税です。そのため、ガソリン代は自分で給油した時に負担することになります。
カーリースの月額料金の中には、自賠責保険料が含まれています。
自賠責保険は、別名「強制保険」ともいわれていて、公道を運転する際は加入が義務付けられています。
運転手ではなく被害者救済のためにつける保険なので、保険の対象は人ではなく車両になります。つまり、誰が運転していたとしても、事故を起こした場合には被害者に保険金が支払われる仕組みになっています。
自賠責保険は自動車重量税同様、車検時に次回車検時までの保険料を支払う形です。
2023年4月時点の自賠責保険料は2年分で、自家用普通自動車の場合20,010円、軽自動車の場合19,730円です。
一部の地域(沖縄県など離島)では保険料が異なりますので、注意してください。
自賠責保険の加入手続きはリース会社が行うので、利用者自らが行う必要はありません。
カーリースの月額料金には、車検基本料も含まれています。
車検は、新車の場合3年後、初回以降もしくは中古車の場合2年に1度のペースで受けることが義務付けられています。
車検費用には法定費用と検査費用があります。
法定費用は、自賠責保険料や自動車重量税ですが、これらはリース料金に含まれています。
検査費用や整備代などは、契約するプランによってリース料金に含めることができます。また、自分で検査する以外では検査場まで車両を持って行く手数料も発生しますが、これもリース料金の中に含めることができるプランがあります。
カーリースの月額料金に含まれないものとして、ガソリン代があります。ガソリン代はガソリンスタンドで給油する際に自家用車同様、その都度料金を利用者が負担する形になります。
ガソリン代を節約したいのなら、ガソリンスタンドのクレジットカードを作るのがおすすめです。スタンドによって変わりますが、カード会員だと1リットル当たり数円割引きされることが多いです。
また、車検の法定費用は月額料金の中に含まれると紹介しましたが、オイルなどの消耗品や部品の交換が必要になった場合、これらの追加費用は、契約プランによってカバーされないこともあります。そのため、追加費用が発生した時は、利用者自身が負担することも忘れないでください。
リースしている車の車検手続きについて
カーリースの月額料金には、車検を受ける際に発生する法定費用が含まれています。そのため、利用者がこれらの費用を別途支払う必要はありません。
では、車検を実際に通す手続きは誰が行うのでしょう?
ここからは、リース車の車検手続きの方法について解説していきます。利用する際は、ぜひ参考にしてください。
メンテナンスリースの契約をしている場合は、車検の手続きなどはリース会社で手配してくれます。
一方、ファイナンスリースの契約をしている場合は、マイカーと同じで使用者が車検の手配などを行わないといけません。
カーリースの場合、車の所有者はリース会社で、使用者は契約者となっています。所有者と使用者の名義が異なる場合、一般的に車の管理は日常的に使っている使用者の義務になります。そのため、車検を通すのも使用者の役割となるわけです。
ただし、車検を受ける方法や車検費用の支払方法などについては、カーリースの契約形態によって異なります。
もし初めてカーリースを利用していて、最初の車検に心配なことがあれば、リース会社に問い合わせておくといいでしょう。
どこで車検を受けるかは、リース会社によって対応が異なります。
リース会社から「ここの工場で車検を受けてください」といった指示ががあれば、それに従って車検を通しましょう。
このように整備工場が指定されている場合は、車検の査定費用も月額料金に含まれていることが多いです。
一方、リース会社から「とくに指定工場はありません」と言われている場合は、自家用車同様、利用者が自由に整備工場を選んで車検を通すことになります。
整備工場が指定されていない場合は、車検の費用は自分で精算しなければならないことが多いです。
カーリースの場合だけでなく、自家用車を保有している場合も同様に、車検は有効期限までに整備工場などで受けなければなりません。
ただし、カーリースの場合は車検の期日が近くなると、リース会社からお知らせのハガキなどが届きます。そのため、うっかり車検の期限を忘れて車検切れになってしまうリスクは低いでしょう。
車検切れになると公道を運転できないため、レッカー車などで車を整備工場まで持ち込まないといけません。そのリスクを回避できるのは、カーリースのメリットの一つと言えます。
車検を受ける際の必要書類は以下の通りです。
- 使用者の身分証明書
- 車検証
- 自賠責保険証
- 納税証明書 など
身分証明書は、運転免許証を提示すれば問題ありません。
車検証や自賠責保険証は、形態が義務付けられているため、車のダッシュボードなどに保管されていることが多いです。
納税証明書は、リース会社から郵送されるはずなので、なくさずに保管しておいてください。
かつては印鑑も必要でしたが、2021年1月から署名で手続きできるようになり、準備する必要はなくなりました。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。