カーリース契約を結ぶ場合、様々な書類を準備する必要があります。例えば、審査時には住民票の提出を求められたり、契約時には印鑑証明書を求められたりするでしょう。
これらの中には取得に時間を要するものや費用のかかるものがあり、さらに軽自動車と普通自動車では必要書類が異なったりします。
ここでは、カーリース契約の手続きの流れを踏まえ、それぞれの段階で必要となる書類とそれらを準備する際の注意点を解説していきます。
カーリース契約の流れと必要書類を知ろう!
カーリースを利用する際は、契約を結ぶまでの間にいくつかの書類を準備しなければなりません。
以下では、車を選んでから契約するまでの流れを確認し、その流れの中でどのような書類が必要になるのかを解説していきます。
カーリース契約の手順について
最初に、カーリース契約の流れと手順について解説します。
カーリースは車探しとプランの選択から始まり、審査を受けた後で契約を締結しますが、この「審査」と「契約」の段階でそれぞれ必要となる書類があります。
まずは、利用するリース会社と車を選ぶことから始めます。
リース会社は、店舗を構えているところもあるので直接足を運んでもいいですが、最も簡単なのは自分に合いそうなリース会社のホームページにアクセスすることです。
各社のホームページには、詳しいサービス内容や扱っている車の情報があります。新車・中古車・輸入車などの車種や、グレードなどを検討してください。
車体の色やオプションなども選びながら、月々の料金がいくらになるかをチェックするのも大切です。
カーリースでは、契約期間を決めると中途解約や乗り換えは気軽にできなくなるので、一定年数乗り続けることを前提に選ぶようにしましょう。
以上の手続きを経てリースする車を決めたら、オンライン上で申し込みを済ませます。
次に、詳しい条件などを確認しながらプランを選択し、見積もりを出してもらうことになります。
利用したい車が決まったら、リース会社から見積もりを出してもらいましょう。
カーリースの料金体系は、ローンなどで車を購入する場合とは異なるので、契約期間や走行距離制限、解約条件などとあわせてチェックしてください。
自分がどのようなプランで車をリースするのかも重要です。原則として、カーリースは途中で車を乗り換えることができません。
そのため、例えば今後、長距離運転をする機会が増えそうであれば、走行距離制限がないプランも選択肢に入ってくるでしょう。
また、メンテナンスも重要なポイントです。定期的なエンジンオイルやフィルター交換などの費用を考慮し、必要なメンテナンスプランを選んでください。
長期契約すると月々のリース料金が安くなりますが、先述の通り中途解約や車の乗り換えができないことを考慮しておかなければなりません。
これらの要素はオンラインでも比較検討できるので、最も自分に最適なプランを組んで見積金額を確認してください。
カーリースを利用する場合は必ず審査が行われ、契約者の職業・年収・信用情報などがチェックされます。
過去にクレジットカードやローンの返済が遅れたことがあると、審査に通りにくくなるので注意しましょう。
また、債務整理の履歴も重要です。例えば、自己破産したことがある人は5年~10年間は審査に通らないと言われています。
もしも心当たりがある場合は、一度信用情報機構などに開示申し込みを行い、自分の情報がどのような内容になっているか確認するとよいでしょう。
カーリース契約の必要書類の1つとして「車庫証明書」が挙げられます。
車庫証明書は、車を保管する場所がきちんと確保されていることを証明する書類です。これは、車を購入する時のみならず、カーリースの場合も欠かせません。
もともと駐車スペースが確保できているなら問題ありませんが、改めてちょうどいい場所を探す場合は注意が必要です。自宅から半径2キロ以内にあり、車を停めておけるスペースを見つけておかなければなりません。
リースする車を選び、見積もり内容のチェック、そして審査が済んだら、次はリース会社と正式に契約を交わすことになります。
契約書および約款はリース会社から送られてくるので、まずは内容をチェックしてください。契約書の文面チェックは省略されがちですが、カーリースの約款はさほど長くないので、できるだけ目を通すようにしましょう。
中には、禁止事項や契約解除に関する内容、トラブル時の報告義務などの重要事項も記載されています。
もちろん、リース料の支払方法やリース期間などの基本的な契約内容も書かれているので、誤りなどがないか確認してください。
問題がなければ、署名捺印してリース会社へ返送することで契約締結となります。
ちなみに、カーリース契約後は原則として中途解約ができませんが、契約書にサインして返送する前の段階であれば「契約前」なのでキャンセルも可能です。
カーリースを利用する際は、任意保険(自動車保険)にも加入しておくのがベストです。
通常、車は自賠責保険に必ず加入しているものですが、万が一事故に遭遇した場合に自賠責保険の補償では賄いきれない分をカバーするのが任意保険です。
カーリース契約時に任意保険に加入する方法は、自分で見つけて加入するか、リース会社が用意している保険に加入するかの2つです。
自分で保険会社を探して手続きを行い任意保険に加入すると、補償内容を自由に選ぶことができるというメリットがあります。ただし、保険の補償内容を自分で決めるというのは意外と大変ですし、手続きも煩雑になりがちです。
一方、カーリース会社が用意している任意保険に加入すると、リース契約の手続きの中で加入も済ませられるので簡単です。しかし、補償内容が限定されており自由に選べないことも多いので、加入する前によく確認しましょう。
カーリース契約を締結したら、リース会社から車が納車されます。
納車までの期間は契約後1~2カ月後というのが一般的ですが、実際にどのくらいかかるかはリース会社によって異なるので、しっかり確認しておきましょう。
納車の手続きについても、契約書や約款に記載されています。リース車のスムーズな受け取りができなかった場合、その理由が悪質だと損害金などを請求されることもあるので、事前にリース会社ときちんと打ち合わせておくことが大切です。
カーリースの審査時と契約時での必要書類について
ここまで、カーリース契約を結ぶ際の流れを見てきました。
次は契約時の必要書類と、それぞれの書類を準備する際の注意点などを解説していきます。
特に住民票の写し・印鑑証明書・車庫証明は、改めて発行手続きが必要になるので注意しましょう。
カーリース契約を結ぶ場合、いくつかの書類が必要になります。その中でも「審査を受ける段階」と「契約を結ぶ段階」とで、それぞれ必要書類が異なります。
先に説明した車選びから納車までの流れを確認して、それに沿ってスムーズに手続きを進められるようにしましょう。
初めに、カーリース契約が可能かどうか審査を受ける段階で、運転免許証を提出する必要があります。本人確認と、運転の資格があることを確認するためです。
言うまでもありませんが、有効期限切れの運転免許証は使用できません。
カーリースの審査では、住民票の写し提出を求められることもあります。現住所を確認するためなので、記載内容が運転免許証の住所と一致していることが重要です。
住民票の写しは、市区町村役場かその出張所の窓口、もしくは郵送で取り寄せることができます。
窓口で申請する場合は請求書と本人確認書類が必要です。この場合の本人確認書類は、運転免許証やパスポートなど顔写真付きのものを用意しましょう。
また、最近はマイナンバーカードを使ってコンビニのマルチコピー機でも取得することができるようになりました。市町村役場に出向くとなると、営業時間を気にしなければなりませんが、コンビニで手続きをする場合は時間を選ぶ必要がないので大変便利です。
なお、取得した住民票の写しは、有効期限に注意しましょう。書類そのものに有効期限は存在しませんが、提出先であるリース会社によっては3カ月以内に発行されたものだけを有効とするなど、決まっていることがあります。
審査を通過してカーリース契約を結ぶ段階になったら、印鑑登録証明書も必要になります。
これも住民票の写しと同じく、市町村役場の窓口やコンビニのマルチコピー機で取得可能です。有効期限に注意して用意しましょう。
カーリースを契約する際は、車庫証明書も必要になります。
前述しましたが、車をリースする場合でも、駐車場をきちんと用意しなければなりません。そのため、駐車スペースが存在していることを証明できるよう、管轄の警察署で車庫証明書の発行手続きをしましょう。
車庫証明書は、車の所有者が車両を保管するための駐車スペースの所在地を証明する書類です。
発行手続きを行う際は住所や駐車場の位置などを提出する必要があり、虚偽の内容で登録してはいけません。
一般的に、マイカーを購入する場合でも、必ず駐車スペースの確保と車庫証明書の発行手続きは必要になります。
カーリースの契約手続きが進むと、リース会社から契約書が交付されます。これに署名捺印して返送すれば、契約が成立します。
一度契約すると中途解約はできないので、約款にしっかり目を通してから契約するようにしましょう。
任意保険の加入手続き時に必要になる書類も、確認しておくとよいでしょう。
先に少し説明しましたが、任意保険の手続きは基本的にリース契約者が自分で行うので、どこの保険会社に加入するかによって必要なものも違ってきます。
書類を準備する際の注意点について
ここまでで、カーリース契約を結ぶまでの流れと、その中で必要になる書類の内訳を見てきました。
次に、上記の必要書類を準備する時は、どのような点に注意すべきか、また発行手続きを代理人に頼んで手間を省くことは可能か、などについて解説します。
カーリース契約時の必要書類は、リースするのが普通自動車か軽自動車かによって少し異なります。
車を保管する地域によりますが、軽自動車の場合は車庫証明が不要で「保管場所届出」が必要になることがあるので、事前に確認しておきましょう。
カーリース契約時の必要書類には、発行のタイミングに注意しなければならないものがあります。
書類によっては、手続き可能な時間が限られるものや、発行までに時間がかかるものもあるため、契約を進める場合は、十分な時間を確保しておきましょう。
例えば、印鑑登録証明書や住民票の写しはその書類自体に有効期限はありません。しかし、提出先によって個別に有効期限が設けられていることがあるので、あまりに早く準備してしまうと提出時に期限切れになる恐れがあります。
また、印鑑証明書と住民票の写しは即日発行できますが、市町村役場の窓口を利用できるのは平日の日中に限られています。マイナンバーカードを利用すればコンビニでも発行できますので、可能なら利用したほうがよいでしょう。
さらに、車庫証明書は申請から発行までは数日かかります。申請のための用紙はダウンロードして入手できるので便利ですが、申請手続きと証明書の受け取りのために警察署へ二度赴く必要があります。
そのため、証明書を郵送してもらうことを検討してもよいでしょう。(郵送受け取りの可否は自治体によって違うので要確認)
ここまで解説したカーリース契約時の必要書類には、発行手数料がかかる書類もいくつかあります。
例えば、車庫証明の申請手数料は2,500円程度、印鑑証明書の発行手数料は1枚につき200円程度です。
大金というほどの金額ではないものの、これらの金額は自治体によって異なっているので、事前に確認しておけば小銭が足りずに困ることもないでしょう。
なお、マイナンバーカードを利用してコンビニで書類を発行する場合、手数料が少し安くなることがあります。
車庫証明、印鑑証明書、住民票の写しは代理人が取得することも可能です。
車庫証明の申請は基本的に委任状は不要なので(ただし書類に不備があると委任状が必要)、比較的簡単に手続きを進められるでしょう。
印鑑証明書も委任状なしで代理人が発行できます。印鑑登録時に受け取っている印鑑登録証カードがあり、なおかつ申請書に住所と氏名が正しく書かれていれば問題ありません。
発行手続きを代理人に任せてもいいでしょう。
ただし、住民票の写しだけは代理人が発行する際は委任状や代理人の本人確認ができるものが必要になるので注意してください。住民登録上同一世帯の人が代理人として手続きを行うのなら、委任状は不要です。
カーリースの契約期間が終了すると、基本的にはそれまでリースしていた車を返却することになります。
しかし、契約時に「車をもらうプラン」で設定していた場合は、車をリース会社から契約者にもらい受けることになります。
ここで必要になるのが、車両の所有権をカーリース会社から契約者へと移す名義変更の手続きです。名義変更は厳密には「移転登録」といいます。
リース車というのはいわば契約者がリース会社から「借りている」ものなので、それをもらう場合は正式に持ち主を変える必要があります。
名義変更の手続きはリース会社で行いますが、一般的な名義変更の際は以下の書類が必要になります。
- 旧所有者の実印押印のある譲渡証明書と印鑑証明書
- 新所有者(契約者)の印鑑証明書と車庫証明書
- 車検証
名義変更は、新所有者の管轄の陸運局で行うことになります。
手数料としては4,000~5,000円程度がかかるほか、手続きの代行手数料も請求されることがあるので注意しましょう。
まとめ
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