企業において車は事業を営む上で欠かせない資産です。特に営業においては社用車の必要性が高まるでしょう。

しかし、会社の状況によっては車が必要でもローンに通らない場合もあるため、審査に通るための対策を講じなければなりません。

この記事では、法人名義のカーローンが通らない場合における対処法やカーリースのメリットについてわかりやすく紹介します。

現在、カーローンに通らずに悩んでいる事業主の方は、この記事を読むことでローン審査に通るための対策やお得なカーリースの活用方法を学べます。

法人でも車のローンに通らない場合がある

社用車をはじめ、企業でも車を使う場面は多くあり、購入を検討する機会があるでしょう。

しかし、企業だとしても状況によっては法人向けのカーローンの審査に通らない場合があります。

もしもローンに通らなかった場合は原因を特定して改善が欠かせません。

一般的に法人向けのカーローン審査では、次の3つのポイントを確認します。

  • 会社の概要
  • 会社の財務状況
  • 事業の安定性

これらの情報から借入金額の返済能力を複合的に判断し、返済能力に不安が残ればローン審査に落ちる可能性があります。

カーローンにおける法人名義の審査項目

カーローンにおける法人名義の審査項目
ここからは、法人名義で受けるカーローン審査の項目について紹介します。

ここで紹介した項目をもとに、金融機関や信販会社は借入金額の返済能力を複合的に判断していることを知りましょう。

会社に関する基本情報

1つ目の審査項目は会社に関する以下の基本情報です。

  • 企業規模(従業員数や事業所数)
  • 設立年月日(事業の継続年数)
  • 資本金
  • 事業内容

これらの情報をもとにローンを利用して購入する車の使用用途に問題がないか、資本金に対して借入額が多すぎないか、事業の将来性や安定性はあるかを判断します。

また、設立年月日は事業の継続年数を計る指標になるため、設立後1年間を経過していなければ信用度が低いとみなされるため要注意です。

審査の中では、借入理由や購入する車の使用目的を合わせて説明できると良いでしょう。

会社の財務状況

2つ目の審査項目は会社の財務状況です。

財務状況は事業の健康度合いをチェックするために適しており、会社経営が順調に推移しているかを確認するために基準として用いられます。

ローンの返済は長期にわたるため、滞りなく返済できるのか判断しなければならず、赤字が連続していないか、負債残高は大きくないか、といったポイントは厳しくチェックされるでしょう。

特に会社設立からあまり時間がたっていない時は負債も大きくなりがちです。今取り組んでいる事業がどのくらい将来性があり、どの程度の利益が出そうなのかを審査時に伝えられれば、金融機関や信販会社の担当者の心象も良くなるかもしれません。

事業の信用度

3つ目のポイントは事業の信用度です。

事業が安定していれば、利益も確保しやすく返済に充てるための費用も確保しやすいと考えられるため、事業内容も細かくチェックされます。

一方で、設立したばかりの事業や景気に左右されやすいような事業モデルを掲げていると「借入金額を滞りなく返済してもらうのは難しいのではないか」と判断され、審査に不利に働く可能性があるかもしれません。

そのため、ローン審査の申込時に事業が安定しており、十分な収益が確保できていることを証明できるように準備しておきましょう。

法人が車のローンを組む際に必要な書類

法人が車のローンを組む際に必要な書類
ここからは、法人がカーローンを組む際に必要な書類について紹介します。

前述したような審査項目をクリアできるような書類を用意するためにも、ここで紹介する書類は必ず知っておきましょう。

代表者の情報

1つ目の書類は代表者の情報がわかるものです。

カーローンを組む際には、法人の代表者にまつわる情報が必要です。そのため、必要な情報として次の項目を網羅できるような書類を準備しましょう。

  • 住所
  • 氏名
  • 生年月日
  • 代表者個人の収入
  • 他社での借入状況

例えば、代表者の免許証などです。

財務状況を確認できる書類

2つ目の書類は財務状況を確認できる書類です。

必要情報を網羅できるものとして、決算書(例えば、財務諸表や確定申告書、納税証明書など)を用意しましょう。

事業の長期的な安定性を証明するためにも、直近だけではなく3期分ほど用意しておくことが望ましいです。

また、決算月から時間がたっている場合は、直近の試算表など現在の財務状況が分かるような書類を追加で提出するよう求められる場合もあります。

登記簿謄本が必要なケースもある

3つ目の書類は登記簿謄本などです。

必須の書類ではないものの、契約する法人が実在することを証明するためにも登記簿謄本のほかに営業許可証の提出を求められる場合があります。

登記簿謄本は登記所の窓口でも取得できますが、現在はオンライン請求もできるため、手軽に入手できます。郵送で受け取りましょう。

ただし、オンライン請求をした場合、手元に届くまで少し時間を要します。金融機関や信販会社から提出を求められてから請求するとスムーズに手続きが進まないため、事前に請求しておくことをおすすめします。

個人向けローンと法人向けローンの違いは何ですか?
その違いは、借入金額の大きさです。
個人ローンは年収の3分の1以上を融資してはいけないといった総量規制が設けられていますが、法人向けローンには規制がないため、個人の収入を超えた金額の借り入れができます。
また、個人向けローンの場合は個人の支払い能力をもとに判断するのに対して、法人向けローンでは会社の支払い能力や信用度が審査対象となることがあります。

法人で車のローン審査に通らない場合の対応

法人で車のローン審査に通らない場合の対応
ここからは、法人向けカーローンに通らない場合の対応方法について紹介します。

事業を継続するために車が必要であるにも関わらず、ローン審査に通らなければ一大事です。ポイントをしっかり把握して対策を講じましょう。

現金で一括購入する

可能であればローンを組まずに現金で一括購入しましょう。一括購入すると会計処理がシンプルかつ経費計上しやすいためメリットの大きな方法です。

現金で一括購入すると、ローンを組んで購入した場合と違い、車両本体にかかる費用を減価償却できます。

また、節税効果が高く、万が一資金繰りに困ったときに売却できる点もメリットです。購入台数が少なかったり、収益が大幅な黒字予想になる場合にも利用したい方法です。

一方で購入に必要な現金を手元に用意しなければならず、一度で大金が消えてしまう点はデメリットといえます。

カーリースを利用する

カーリースは法人向けの車においても非常にメリットの多い仕組みです。

カーリースを利用すると、リース料金を全額経費計上できるうえ、購入に必要な初期費用が必要ありません。また、毎月の支払いが一定になるため管理が簡単であり、メンテナンス費用も一元化できる点は、経費計算がシンプルになるため業務の効率面でもおすすめです。

一方でリース車には走行距離に制限が設けられていることがあり、超えてしまうと契約満了時に違約金が発生する可能性があるので注意しなければなりません。

また、事業の変化によって途中解約や契約内容を変更できないことや、メンテンナンス費用も利用料金に含まれており、金利がかかるため、トータルの費用が高額になりがちな点はデメリットといえます。

中古車を購入する

中古車であれば新車と比べて車両価格が安くなるため費用を抑えて購入できます。

カーリースやカーローンを活用して車を入手すると、好きな時に車を売却できませんが、中古車を現金で一括購入していれば自由に売却できる点がメリットです。

社用車は購入よりカーリースのほうが便利ですか?
社用車を購入するよりカーリースを利用するほうが便利です。法人でカーリースを利用するとリース料金は全額経費として計上できます。メンテナンス費用も月々の利用料金に含まれるため、支払いや経費計算がシンプルになり、業務負担も軽減できます。また、車の購入に必要な初期費用が不要な点も用意する現金を少なくできるため利点でしょう。

法人でカーリースを利用するメリット

法人でカーリースを利用するメリット
ここからは、法人でカーリースを利用するメリットについて詳しく紹介します。

これまでも簡単にカーリースのメリットについて紹介しましたが、詳細な内容に触れるため、カーリースの具体的なメリットを理解できます。

初期費用がかからない

1つ目のメリットは、車の購入に必要な初期費用が掛からない点です。

車を購入する場合、車両価格以外に次のような費用が必要になります。

  • 税金(自動車税や重量税など)
  • リサイクル料金
  • 自賠責保険

これらの費用を支払うために、ある程度の現金を手出ししなければなりませんが、カーリースはこれらの費用が月額料金に含まれているため不要です。

手元に現金を残しておけるため、資金繰りも容易になります。

会計・財務管理がシンプル

2つ目のメリットは、会計・財務管理がシンプルになる点です。

社用車を購入すると減価償却が発生します。この減価償却はローンで購入する場合と現金で一括購入する場合とで処理方法が異なります。

現金一括購入であれば会計・財務管理はシンプルになりますが、ローン購入であれば管理が複雑になるだけではなく節税効果も薄れてしまいます。

一方で、カーリースを利用した場合、月々のリース料金および、メンテナンスオプションに加入するとメンテナンス費用もまとめて経費として計算できるため節税効果が高くなります。また、管理方法が効率化されるため業務負荷も軽減できます。

維持・管理の手間がない

3つ目のメリットは、車の維持・管理の手間がかからない点です。

カーリースは月々のリース料金にメンテナンス費用も含められるメンテナンスパックが用意されています。そのため、金額面だけでなくメンテナンス作業もリース会社に任せられることで企業側の維持・管理の業務を削減できます。

また、メンテナンス時期が近付いたらアナウンスおよびメンテンナンスの手配もリース会社がしてくれるため、維持・管理にかけていた時間がなくなるのは魅力的です。

法人向けのカーリースで審査に落ちる理由

法人向けのカーリースで審査に落ちる理由
カーリースも契約前には審査があります。カーローンとは異なり審査は厳しくないとはいえ、審査に落ちることも十分想定されます。

ここからは、法人向けのカーリースで審査に落ちる理由を紹介します。

会社や事業の規模が小さい

会社や事業の規模が小さいとリースの審査に落ちてしまう可能性があります。

会社や事業の規模が小さければ、現時点で生み出せる利益も少額です。今後、企業や事業の成長や発展に伴って売り上げを拡大する可能性は十分にあったとしても、資本金が少なかったり直近の売り上げが少なければ、秘めた可能性を担保するために必要な証拠は少ないでしょう。

その結果、継続的な支払いは困難であると判断されてしまい、審査に落ちてしまうようです。

設立して間もない

企業が創業して間もないタイミングや事業が始まったばかりであれば、リースの審査に落ちてしまう可能性は高くなります。

設立直後であれば、売り上げも少なく安定していない状況であるパターンがほとんどです。また、事業が十分に収益を上げているのか判断する材料も少ないため、事業が安定しているのかが不明瞭になってしまい、審査に落ちる可能性が高くなります。

一般的に創業から3年以上、少なくとも創業から1年を迎えていることが条件のようです。

借入れや負債の金額が大きい

カーリース以外の借入れや負債額が大きければ審査に落ちてしまう可能性は高くなります。

会社や事業の収益や借入額、負債額など多角的な観点からリース料金の支払い可否は判断されます。

審査に通るためには、どのくらいの収益を上げていれば良いなど、明確な条件は定められていませんが、借入額や負債額が大きいと既存の返済に追われてリース料金の支払いができない可能性があると判断されてしまい、必然的に審査に落ちる可能性が高くなってしまいます。

会社の業績がよくない

会社の業績が好ましくなければ審査に落ちてしまうかもしれません。

個人向けのリース契約であっても、収入が少なく不安定であれば月々の支払いはできないと判断され審査に落ちてしまいます。同様に、リース料金の原資になり得る売り上げが好調でなければ支払い能力は疑われてしまいます。

可能であれば2期以上連続した黒字決算となっている決算書を提出できれば審査に通る可能性は高くなりますが、赤字決算だと資金面のやりくりが難しいと判断されやすいでしょう。

代表者の信用情報に傷がある

代表者の信用情報がブラックリスト入りしていれば審査に通らない可能性が高くなります。

法人向けのカーリースでは、会社の情報だけではなく代表者の信用情報も必ずチェックされます。代表者が過去に借金をしていたり、自己破産や債務整理などしていた場合は審査に落ちやすいでしょう。

金額にもよりますが、信用情報は過去5~10年分の情報が信用情報機関に保存されています。該当機関で何かしらの問題が起こっていればカーリースの利用は難しいため、できるだけ債務整理歴が消えてからの利用を検討しましょう。

カーリースの審査に落ちた後に別のカーリースの審査は受けられますか?
1つの法人向けリース会社の審査に落ちたとしても、他のリース会社では審査に通る可能性は十分にあります。なぜなら、リース会社によって審査基準は少しずつ異なっているためです。会社の財務状況や代表者の信用情報に大きな問題がなければ、リース会社を変えて審査を受けてみましょう。

法人向けのカーリースの審査に通るコツ

法人向けのカーリースの審査に通るコツ
税金面や清算業務の観点からメリットの多いカーリースを利用するため、どうにか審査に通る方法を知りたい方は少なくないでしょう。

ここからは、法人向けのカーリースの審査に通るコツを紹介します。

車の車種やグレードを変更する

カーリースの審査に通りたい場合、車種やグレードを当初想定していた内容から変更することも重要なポイントです。

審査に通らない理由の1つとして、会社の財務状況とリース希望の車の料金が見合っていないことが挙げられます。

つい見栄えを意識して高級車のリースを希望している状況であれば審査は通りにくいでしょう。自社の返済能力と不釣り合いな車を希望していれば、月々の支払いが滞るリスクが高くなるからです。

車種を変えたりグレードを変更することで月額料金を抑えられれば、審査に通る可能性は高くなります。

連帯保証人を立てる

会社の信用度が低いことで審査に落ちているようであれば、連帯保証人を立てることも検討しましょう。

会社の信用度へは創業年数が影響を与えていることが多く、信用度を担保する方法に連帯保証人を立てることが有効な場合もあります。

会社の連帯保証人には一般的に法人代表者を設定するパターンが多くありますが、会社を設立して間もない場合は、第三者の設定を求められる場合もあるため注意しましょう。

まとめ

①法人名義のローン審査項目は個人向けの項目とは異なり、会社に関する情報が重要視される
②法人名義にカーローンを組む際は、審査項目を証明するような書類が必要であり、財務状況や登記簿謄本が必要になる場合もある
③法人向けのカーローンに通らない場合は、中古車の購入を検討する、現金での一括購入を検討する、カーリースの利用を検討する、などの方法がある
④法人向けカーリースは、初期費用がかからないのに加えて、節税対策や会計・財務管理の業務効率化が図れるといったメリットがある
⑤法人向けカーリースの審査でも落ちる場合はあるが、車種やグレードを調整したり、連帯保証人を立てることで対策を立てることはできる

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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