目次
借金が増え、任意整理や自己破産などの債務整理を行っているときの移動手段として車の利用が必要な場合もあるでしょう。
しかし、資産は手放すことになるため車を所有してはおけません。そんなときに考えるのが、カーリースです。
この記事では、任意整理中にカーリースの審査には受かるのか、任意整理中の移動手段、カーリースの審査に通るためにやっておきたいことなどを紹介します。
任意整理中にカーリースの審査に受かるのは難しい
任意整理中にカーリースの審査に受かるのは難しいと考えられます。また、信用情報に任意整理を行ったことが記録されている間もカーローンやカーリースの審査を通過するのは難しいでしょう。
任意整理中やブラックリスト期間中にカーリースを利用したい場合は、自分で審査を受ける以外の手段を取る必要があります。
債務整理とは?
債務整理とは、現在抱えている借金を減額したり支払い免除できたりする制度です。そのため、借金に困っている方は債務整理をして負担を減らすことができます。
しかし、債務整理を行うと信用情報機関に債務整理の事実が記録されてしまうため、ローンやクレジットカードの取得が困難になったり、カーリースの審査に影響したりするおそれがあるため注意が必要です。
ここからは、債務整理の種類について紹介します。
任意整理とは、利息のカットや長期分割払いの交渉をローン会社や金融機関、クレジットカード会社などと行い、毎月の負担を軽減できるようにする債務整理方法です。
残っている借金を無理なく返済し切るために必要な手続きといえます。交渉できる返済期間はローン残高や借入残高により異なりますが、一般的には3~5年かけて返済を行います。
注意点として、任意整理でカットできるのはあくまで利息分のみです。借り入れている元金が減るわけではないため注意しましょう。
任意整理は借金の負担を軽減するための特別措置として利用できます。
個人再生は、任意整理と異なり利息だけではなく元金もカットできる債務整理の一つです。元金の減少が叶う可能性があるため、返済の負担額が大きく変わります。
しかし、必ず行える手続きではありません。裁判所に再生計画の認可を受ける必要があり、認められた場合のみ減額が可能です。
減額された借金はおおよそ3年かけて支払うと残りの借金について支払い義務がなくなります。また、個人再生は生命保険や車などの資産を所有したまま手続きができる点も特徴の一つです。
個人再生は、任意整理で支払えないほどの多額の借金を抱えている場合や所有財産を処分したくない場合などに適しています。
自己破産とは、失業や減給による収入の減少や介護・離婚などの生活面の変化により、借金を返済できなくなってしまった場合に裁判所に申し立てを行うことで、財産を生産して債務者に配当する手続きです。その後、裁判所から免責決定を受けると残りの借金が免除されます。
自己破産は「破産」と「免責」の2つの手続きに分かれています。
破産は、財産を処分して現金化し、債権者に返済するための手続きです。
免責は、破産手続きによって返済し切れなかった借金を免除してもらう手続きです。
自己破産は、借金の額が膨大になり返済の目途が立たない場合や、生活状況の変化により返済に回せるお金を将来作れない場合などに適しています。
審査に通るにはブラックリストの登録解除が必要
債務整理を行うと、その内容が信用情報に登録されます。これが、いわゆる「ブラックリストに載っている状態」です。
カーリースの審査に通るためには、ブラックリストの登録解除が必要になります。
ここからは、ブラックリストの概要について詳しく紹介していきます。
債務整理の信用情報が保管される期間は、各信用情報機関によって異なります。CICとJICCの場合は5年、KSCの場合は5~10年間保管されます。
債務整理を行い保管期間中の場合は、カーリースの審査に通過するのが難しいと考えておきましょう。
債務整理を行った情報は永久的に残るわけではありません。5~10年経過すれば信用情報機関から履歴が消えるため、カーリースの審査にも影響を与えなくなります。
もし債務整理をした方でカーリースを利用したいと考えている場合は、ブラックリストの登録が消えるのを待ってからが良いでしょう。
信用情報が登録されている機関を信用情報機関といいます。
信用情報とは、個人の信用取引に関係する取引事実を指しており、氏名や生年月日などの個人を特定する情報だけではなく、ローンやクレジットの申し込み履歴、契約・返済・支払い状況・借入金額なども含まれます。
信用情報機関は、CIC(株式会社シー・アイ・シー)、JICC(株式会社日本信用情報機構)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つです。
ブラックリストの登録が残っているかどうかは、信用情報機関に対して開示請求を行うことで確認可能です。
債務整理を行ってから、その事実が消えるまでは5~10年かかります。そのため、過去に債務整理を行っている場合、現在ブラックリストが消えているのか分からなくなってしまうこともあります。
もしカーリースを利用したいと考えたとき、まだブラックリストが残っている状態であれば審査に通らない可能性があるため、審査を受ける前に自分の信用情報がどのようになっているのか確かめておきましょう。
任意整理中に車が必要なときはどうする?
任意整理中はカーリースの審査が通りにくい傾向です。しかし、仕事や生活で車が欠かせない人もいるでしょう。
ここからは、任意整理中に車が必要になったときはどうしたらいいのか、その対処方法を紹介します。
任意整理中でもレンタカーは借りられます。
レンタカーは運転免許証と身分証明書の確認は行われますが、カーリースのように審査はありません。そのため、任意整理中やブラックリスト期間中でもレンタカーの利用は可能です。
土日や祝日などのスポット利用であれば使用頻度も低いため、レンタカーの活用を考えましょう。使用頻度が高い場合はレンタカーの料金がかさんでしまうため注意が必要です。
また、任意整理中にクレジットカードを利用してしまうと詐欺行為にあたるため、カードを使って支払わないよう気を付けましょう。レンタカーを使用するときは現金払いを意識してください。
任意整理中のときはカーリースの審査に通りにくいとされています。また、車の使用頻度が高かった場合はレンタカーを借りてしまうと費用がかさんでしまうため、なかなか利用しにくいでしょう。
電車やバスの利便性が高い場所に住んでいる場合は、公共交通機関の利用がおすすめです。
また、最寄りのバス停や駅が遠いと公共交通機関の利用も難しいと考えるでしょう。その場合は自転車を利用するのも一つの手段です。
自転車を1台持っておけば、バス停や駅が少し遠くても時間を節約して利用できます。自転車は車やバイクと異なり維持費もかからないため、費用を抑えられるメリットもあります。
公共交通機関が自宅の近くを通っておらず、かつ日常生活で車が必要なためレンタカーを借りるには費用がかかりすぎてしまう場合は、家族名義でのカーリース審査やカーローンを検討しましょう。
任意整理中は自分名義でカーリースやカーローンを利用するのは難しいと考えられます。しかし、家族名義であれば審査に通る可能性があります。
もし、車が必要で家族名義での利用を考えている場合は、なるべく収入が安定している人にお願いすると良いでしょう。
早めにカーリースを契約できるように行いたい3つの取り組み
任意整理を行った後も車が必要なケースは多いでしょう。しかし、任意整理後は5~10年ほどブラックリストに登録されてしまうため、カーリースの利用が難しいと考えられます。
ここからは、早めにカーリースを契約できるように行いたいことを3つ紹介します。
ブラックリストが残っている状態を長引かせないためにも、今支払っているローンがある場合は毎月の返済を滞納しないようにしましょう。また、返済中の借金がある場合は、繰り上げ返済できるものがあれば少しでも多く返していくことをおすすめします。
カーリースの審査において、借入金と収入金額の差は大きな影響を与えます。返済は続けていても、借入金自体が大きく返済期間が長引いてしまえば、カーリースの審査に通りにくくなってしまうでしょう。
カーリースの審査に早く通れるようにするためには、少しでも借金やクレジットカードの返済を減らすことが大切です。
安定した収入があることを証明できるよう、毎月の収支を確認しましょう。毎月の収支の管理が疎かになっていると、返済能力がないと判断されてカーリースの審査に通りにくくなってしまいます。
また、自分自身が毎月どれくらいの金額を支払えるのかを認識しておくためにも毎月の収支確認は欠かせません。毎月の収支を利用し、どれくらいの金額をカーリースにかけられるのかシミュレーションを行いましょう。
カーリースにかけられる金額が明確になれば、それにあわせた車種選択も可能です。今後の見通しを立てるためにも収支管理は行いましょう。
カーリースの審査は頭金を支払うと毎月の利用料金が減額になるため、審査に通りやすくなる傾向があります。毎月の収支を確認して、カーリースに利用できる毎月の金額が明確になったら頭金の準備を進めましょう。
自分自身の収支に合わせて利用額を抑えたいときや、車種のグレードを下げたくないときなどは、頭金を多く支払い毎月の利用額を減らせるよう、資金確保に努めることが大切です。
また、資金確保の計画が立てられれば、カーリース利用だけではなく中古車購入も検討できます。どちらの利用が良いかは人によって異なるため、自分が利用しやすい方法を選択しましょう。
資金繰りをスムーズに行うコツ
カーリースの審査に通るためには収入が安定していることや返済能力があることをアピールする必要があります。そのためには資金繰りをうまく行い、毎月一定の資金を確保できる状態にしておくことが大切です。
ここからは、資金繰りをスムーズに行うためのコツを3つ紹介します。
まずは家計簿を作成し、毎月何にいくら使っているか自分で把握できるようにしましょう。
収入の把握は簡単ですが、支出は記録を取っていないと全体的な把握が難しいです。そして、支出が管理できていないと毎月安定してカーリースに支払うお金を確保できません。
支出を管理するときは、まず家賃や光熱費、通信費、保険料などの固定費を事前に引いておきましょう。食費や日用品費などの変動費は都度家計簿に記録します。
支出の記録ができたら次の月から何か減らせる項目がないか、毎月検討するようにしましょう。
債務整理中でも生活に車が必要で、どうしてもカーリースを利用しなければならないが、資金の確保が難しいという場合は、弁護士に相談したうえで公的融資制度の利用を検討しましょう。
債務整理中の対応方法については、弁護士に相談することで最適な行動へのアドバイスをもらえます。もしお金を借りる必要があると判断された場合は、公的制度を利用しましょう。
例えば、生活に困窮している場合は生活福祉資金貸付制度をはじめとした低金利もしくは無利息で借り入れられる制度の利用がおすすめです。また、母子家庭や父子家庭、低所得世帯などを対象にした支援制度も整備されているため、まずは地元の自治体窓口で相談してみると良いでしょう。
公的融資制度は利用条件が設定されているため、満たせない場合は家族や親族に相談しましょう。
貸金業者や闇金を利用してしまうと、将来的に返済の負担が大きくなってしまうリスクがあるため避けたほうが良いといえます。
家族や親族であれば友人や知人などの第三者よりもトラブルのリスクも低いと考えられます。また、場合によっては借入ではなく援助という形で支援してもらえる可能性もあるでしょう。
借入だとしても柔軟に返済期間を設定してもらえる場合もあるため、困ったときはまず家族や親族への相談がおすすめです。
カーリースの審査に通るために意識したいポイント
カーリースの利用には審査があり、条件を満たせなければ利用できません。ブラックリストが残っている状態では多くの場合でカーリースの利用が難しいでしょう。
また、ブラックリストが登録解除された後も、必ず審査に通るわけではありません。審査に通りやすくするためには返済滞納のリスクが小さいことをアピールする必要があります。
ここからは、カーリースの審査に通るために意識しておきたいポイントを紹介します。
カーリースの審査では返済能力を判断する基準として、年収や勤続年数がチェックされます。年収と毎月の利用金額が見合っていると判断されれば審査に通りやすくなるでしょう。
そのため、年収が低いからといって絶対に通らないわけではありませんし、年収が高いからといって絶対に通るわけでもありません。
年収が高くなくても毎月の収入に見合ったグレードの車種を選択していれば審査に通ることは可能です。反対に、年収が高くてもカーリースで利用したいのが高級車であれば、審査に通らない可能性も出てくるでしょう。
また、勤続年数が長いほど収入が安定していると判断され、審査に通りやすくなる可能性があります。
カーリースの審査では保有している資産を確認される場合があります。例えば、持ち家や車などの資産です。
資産を多く保有していると審査に対して有利に働くと考えられるでしょう。ただし、カーリースの審査で最も重要視しているのは毎月のカーリース料金を滞納することなく支払える能力があるかです。
そのため、資産を多く保有していても収入が安定していない場合は審査に落ちてしまうケースもあるでしょう。収入が安定しているかつ資産を多く保有している状態であれば、審査の通過が期待できます。
カーリースの審査では家族構成も審査基準の一つです。家族構成は家計状況を把握し返済能力が十分にあるかを判断するために確認すると考えられます。
例えば、夫婦二人世帯であれば将来すぐに育児費用や教育資金が発生する可能性は低いでしょう。しかし、子どものいる世帯では毎月の出費も増えるうえに、将来まとまった教育資金が必要になる可能性があります。
そのため、二人世帯より収入が多くても、支出とのバランスを見て返済能力がないと判断されれば、審査に通らない可能性があるでしょう。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。