初期費用をかけずに便利に利用できるため、自分で車を購入せずカーリースを活用する人が増加しています。

しかし、カーリースには規約があり、違反することで違約金が発生するため注意が必要です。

この記事では、カーリースを利用していて違約金が発生する事態をケースごとに紹介し、違約金の内訳や違約金発生を防ぐ方法などを詳しく解説します。

カーリースを適切に利用し、そのメリットを最大限活用できるよう、本記事の情報をぜひご活用ください。

カーリースの違約金は中途解約で発生する

カーリースの違約金は中途解約で発生する
一定期間のリース契約を結び、月額料金を支払うことにより初期費用を抑えられるため、カーリースは様々なシーンで幅広く利用できる便利なサブスクリプションサービスです。

しかし、契約期間を設定するサービスであるため、期間途中での解約にはほとんどのケースで違約金が請求されます。

そのため、契約を結ぶ際には違約金が発生する条件をしっかりと確認し、中途解約することがないよう、計画的に利用することが重要です。

また、車両の状態や残っている契約期間などによって違約金の額は異なります。利用の際は、規約を守って安全運転を心がけましょう。

カーリースで違約金が発生するケース

カーリースで違約金が発生するケース
カーリースの違約金は、契約期間の途中で解約する場合に発生します。それでは、途中解約とはどのようなケースで起こりうるのでしょうか。

違約金は、利用者が契約条件を満たさなかった場合に、リース会社が見込んでいた収益を補填する目的で支払い義務が発生するものです。

ここでは、カーリースで違約金が発生するケースについて具体的に解説します。

期間を満了せず解約する場合

契約期間を満了せずに解約する場合には、原則的に違約金が発生します。

リース会社は、車の本体価格から契約満了時の残存価格を算出し、それを元に月額料金を設定しています。契約期間の途中で解約されるとその分のリース料金が損失になってしまうため、原則的に契約期間の途中での解約は違約金の対象となるのです。

契約者本人が死亡したり、傷病が原因で運転不能になってしまったりといった状況では、例外的に解約が認められる場合があります。その他、やむを得ない事情により解約を希望する場合でも、無償での途中解約が認められるケースは多くありません。

盗難にあった場合

リース契約している車が盗難にあってしまった場合、車両をリース会社に返却することが不可能になるため、期間途中での契約解除にならざるを得ません。

中途解約しなければならなくなるため、車両が盗まれてしまったケースでも、違約金を請求される場合があります。

2024年現在、全国での自動車盗難の発生件数は約5800件と、ピーク時(2003年)の約64,000件と比較して大幅に減っています。しかし、地域による治安の差もあり、絶対に安心とはいえない以上、車の盗難にあわないよう十分に注意すべきでしょう。

全損の事故を起こした場合

カーリースの車を運転していて、車両が全損となるような事故を起こした場合には違約金が発生する可能性大です。

全損事故の場合、その車両をリース会社に返却できなくなるためリース契約は解除されます。

リース車で事故を起こしてしまった場合は、すぐにリース会社に報告して指示を待ちましょう。

全損のケースでは、その車両を使えないため契約が解除になり違約金が発生しますが、車がまだ使える場合、カーリース契約は継続可能です。ただし、その場合の修理費用は自ら負担しなくてはならない点に注意しましょう。

支払いが困難になった場合

失業や病気などが原因で収入が減り、リース料金を支払うことが困難になった場合にも、リース契約が解約され違約金が発生する可能性があります。

料金を滞納していた場合は、中途解約の違約金だけでなく、未払いの料金も支払う義務がある点に注意が必要です。

一時的に支払いができない場合でも、まずはリース会社に連絡し、支払いを待ってもらったり、分割払いに対応してもらったりといった交渉をしてみましょう。

督促が来るまで黙って滞納を続けるのはNGです。リース料金の支払いが困難になってしまった場合は、リース会社にできるだけ早い段階でコミュニケーションをとり、必要な対策を話し合いましょう。

カーリースの違約金の支払いは分割払いですか?
違約金の支払いは原則的に一括払いです。多くのリース会社で、中途解約の違約金は一括で請求しています。
ただし、やむを得ない理由で支払いが困難なった場合には、個別の交渉により例外的に分割払いが認められるケースもあるようです。
分割払いができない場合は、銀行でフリーローンを組むという方法もありますが、審査に通らなければ利用できません。

カーリースの違約金に含まれる項目

カーリースの違約金に含まれる項目
カーリースの契約を途中で解約することによる違約金に関して、残った期間分のリース料金を全額支払うものであると考える方が多いようです。

しかし、実際には残った期間分のリース料金に加えて、修理費や事務手数料などの費用もかかります。

違約金について正しく理解するために、ここではカーリースの違約金にはどのような費用が含まれるのか、その内訳について詳しく見ていきましょう。

残価精算の費用

「残価」とは、リース契約満了時点における車両の市場価値を指します。

リース契約を中途解約する際には、その時点での残価が、リース開始時に予測されたリース終了時の予測残価を下回る場合に、その差額を精算する必要があるのです。

例えば、リース契約満了時の予測残価が100万円、解約時の車両査定価格が90万円だった場合、差額の10万円を支払うことになります。

全損事故により、車両の査定価格がゼロになると、予測された残価を請求される可能性がありますが、保険の適用範囲によって補償される場合もあるため、契約内容をよく確認することが重要です。

修理にかかる費用

中途解約した時点で、車両に修理を必要とする箇所がある場合、その修理代はリース契約者に請求されることになります。

小さな傷や通常使用による汚れなどは適正な利用の範囲内とみなされますが、大きな傷や凹みなどは修理しなければなりません。

修理内容によっては大きな出費になるため、負担軽減のために任意保険に入っておくことを推奨します。

ただし、違約金の支払いまでカバーしてくれるわけではないため、万全を期すためにカーリース専用の保険に入っておくのもおすすめです。

契約内容によりますが、カーリース専用保険は、様々な原因による違約金に対応しています。

各種事務手数料

中途解約になった場合の違約金には、解約に関する書類作成や手続きのための人件費なども含まれます。また、車両の市場価格の査定や、返却された車両の状態を細かく調べるための作業なども事務手数料の一部です。

リース契約を途中で解約しなければかからなかったはずの時間や手間に対するコストが、各種事務手数料に含まれると考えてください。

事務手数料の具体的な金額については、リース会社それぞれで異なるため一概にはいえませんが、数千円から数万円程度が一般的です。

その他

上記以外には、未払いリース料や遅延損害金などがあります。

リース契約期間中の強制解約の理由が月額料金の未払いであった場合、中途解約になったとしても未払い分のリース料金の支払いが消滅するわけではありません。

支払っていなかったリース料がある場合は、それらが違約金として一括請求される可能性があります。

また、料金の支払いが遅れていた場合には、遅延損害金を支払わなくてはならないケースもあるでしょう。

遅延損害金は一般的に、支払いが遅れた日数に応じて加算されていくため、遅延しないよう料金を支払うことが大切です。

カーリースを中途解約する流れ

カーリースを中途解約する流れ
違約金が発生すると金銭的に大きな負担となるため、カーリースの中途解約はできれば避けたいものです。

しかし、やむを得ない事情により解約せざるを得ない状況になってしまうこともあるでしょう。そのような場合には、事前に手続き内容を把握しておき、速やかに対処できるようにしておきましょう。

ここでは、カーリースを中途解約する際の流れについて解説します。

1.リース会社に連絡

カーリースの契約を中途解約する際には、最初にリース会社に連絡し、まずは解約ができるか否かを確認することが大切です。

解約の意思があることを伝えたら、解約の理由について詳しく説明しましょう。理由によっては中途解約が認められない場合もあるため、誠実に解約の理由について伝えるようにしてください。

中途解約が認められるのは、事故や自然災害で車両が全損してしまったり、盗難にあって車両自体がなくなったりした場合などです。

また、契約者本人が病気やケガにより運転できる状態ではなくなった場合にも中途解約が認められることが多いでしょう。

2.リース車の査定

リース会社に連絡して中途解約が認められると、次にリース車の査定に進みます。

査定の際は、リース会社が指定する業者が来るか、契約者側がリース車を指定の査定場所に持ち込むかのどちらかがとられるのが一般的です。

査定の際には、外装の傷や凹み、内装の汚れや破損、走行距離やタイヤの減り具合など、様々な状態を確認して査定額を決定していきます。

査定額は、その時点でのリース車の市場価格により決まるため、中途解約することで車両の査定額が契約時に予測されていた価格よりも高く査定される場合があるでしょう。その場合は、差額が違約金から差し引かれます。

3.車の返却

査定が完了し、違約金や修理費用などの負担分について決定すると、中途解約の意思が変わらないことを確認した上で解約の手続きが進められます。

書類上の手続きが終わると、車両の返却日が指定されるため、指定された日時・場所に車両を持ち込むことで返却作業は終了となります。

返却の際に、車内に私物を置き忘れていないか確認することが重要です。また、スペアキーや取扱説明書、車検証なども忘れずに返却する必要があります。紛失や破損があった場合には、別途費用を請求される可能性があるため気をつけてください。

4.料金の精算

書類に必要事項を記入してリース会社に提出し、解約金(違約金)をリース会社の口座に振り込むことで、中途解約の手続きが終わります。

ただし、中途解約の具体的な手続き方法や手続きの流れに関しては、リース会社によって多少の違いがあるため、自分が利用しているリース会社に連絡をした際に手続きの流れを確認しておくことが重要です。

また、違約金の内訳について疑問点や不明な点がある場合は、放置せずにリース会社にきちんと確認するようにしましょう。内訳が不明なまま支払うと、不要な料金を支払うことにもなりかねません。

カーリースの中途解約が認められるケースはありますか?
カーリース契約では原則的に中途解約が認められていませんが、契約内容やリース会社によって認められるケースもあります。
契約者が死亡した場合や、自然災害により車両が使えなくなってしまった場合など、やむを得ないと判断された場合には中途解約が例外的に認められるでしょう。
ただし、中途解約が認められるかどうかはリース会社の判断に委ねられているため、まずは問い合わせてみることが大切です。

カーリースで違約金を発生させないためのポイント

カーリースで違約金を発生させないためのポイント
ライフスタイルの急な変化や、仕事の都合などにより、カーリースを中途解約しなければならない状況になってしまうことはあり得ます。

しかし、できることならカーリースを計画的に利用し、違約金の支払いを避けるのが賢い選択です。不本意な違約金を支払わないために、契約者が注意できることは何でしょうか。

ここでは、カーリースで違約金を発生させないためのポイントについて解説します。

契約期間は適切か確認する

カーリース契約を結ぶ際は、その契約期間が本当に適切かどうかを熟考することが非常に重要です。

カーリースは契約期間が長くなるほど、月額料金が安くなるのが一般的ですが、それだけで長期間のリース契約を結ぶのは控えましょう。

例えば、転勤などで一時的に車が必要になる場合は、期間の予想が立てやすいはずです。転勤期間の短縮などがないかどうかも確認し、あらかじめ適切な期間だけリース契約することを心がけてください。

また、自分の性格も考えておく必要があります。新しいモデルの車に目移りしやすい人はリース期間を短くしておくなど、契約期間を自分なりの基準に照らし合わせて適切に設定しましょう。

ライフプランを意識して選択する

結婚や出産など、自分のライフプランに応じてカーリースの契約期間を決定することが大切です。また、家族の人数が増えたり、車の用途が変化したりすることも予測して、それに合った車種を選択しなければなりません。

例えば、これから子どもが産まれる方の場合は、子どもや荷物を運びやすい車種を選択すべきだと考えられます。または、子どもが産まれるタイミングでカーリースを終了し、マイカー購入を検討することもあるでしょう。

契約期間やリースする車種などを選ぶ際は、自分のライフプランをしっかりと意識し、それに沿って考えることで最適な選択が可能となり、結果として不本意な違約金を回避することにつながるのです。

乗りかえ可能なプランを選ぶ

あらかじめ自分のライフプランを細かく考えるのが難しいという場合は、契約期間中に車種を変更できるプランを選んでおくのも良いでしょう。

乗りかえ可能なプランでは、通常よりも少々価格帯が上がりますが、目移りしやすい方にとってはメリットがあります。

車を乗りかえることが確実な場合は「短期間のリース契約」を選び、ライフスタイルの変化によっては乗りかえる可能性がある場合は「乗りかえ可能なプラン」を選ぶなど、自分に最適のプランを立てて契約することが大切です。

任意保険に加入する

自分のライフプランに合った契約期間を選択しておけば、自己都合による中途解約のほとんどを防ぐことが可能です。しかし、避けられない全損事故に備えて、任意保険に加入しておくことを強くおすすめします。

全損事故を起こして、リース契約の強制解約になれば、多額の違約金を請求される可能性があるのです。

貰い事故や不注意による事故は、誰の身に降りかかってもおかしくありません。そのような「万が一」に備えて任意保険に加入しておくこともぜひ検討してください。

保険料の支払いを考慮したとしても、安心を買うという意味で惜しくはないはずです。

安全運転を意識して車を使用する

カーリースの違約金を発生させないために、日頃から安全運転を心がけておくことは非常に重要です。普段から安全運転の習慣をつけておくことに、デメリットは何もありません。

違約金の発生を抑えるだけでなく、リース期間満了時に自己負担の修理費が加算されないようにするためにも、安全運転の意識があるに越したことはありません。

また、リース契約の規約には車両を適切に使用する義務が記載されているケースが多いため、安全運転を徹底し車両の損傷や事故リスクを減らすことには意味があります。

カーリース用の任意保険はありますか?
カーリースに特化した任意保険は一般的になっており、多くのリース会社で取り扱っています。リース料金に任意保険を組み込んだプランを提供しているリース会社もありますが、契約者自身でリース用の任意保険に加入する場合もあります。
任意保険に加入することで、予期できない費用負担を防ぐことが可能です。保険内容をよく確認し、自分に適した保険に加入しましょう。

まとめ

①カーリースを中途解約すると違約金が発生する
②違約金には残ったリース代のほかに修理費や事務手数料、遅延損害金が含まれる
③中途解約が認められたら、査定を受け、車を返却したあとに料金を精算する
④違約金を回避するためには、契約期間やリース車種を計画的に考えてから契約すること
⑤安全運転を意識し、任意保険に加入しておくと安心

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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