カーリースのサービスには、新車リースのほかに中古車リースがあります。

基本的な仕組みは同じですが、中古車ならではのメリットもあるため、利用目的によっては中古車リースの選択がおすすめです。

この記事では、中古車リースの仕組みやメリット・デメリット、どのような人が利用に向いているかなどを紹介していきます。

また、購入や新車リースとの違いも解説しますので、どのような方法で車を入手しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

中古車リースとは?

中古車リースは、その名の通り中古車をリース車として貸し出すサービスのことです。

一般的にリース会社は、貸し出すための新車を利用者の希望に合わせて代理購入しますが、車両調達費の償却費用がリース料金の多くを占めているため、料金を一定以上下げるのが難しい特徴があります。

中古車リースであれば車両価格を抑えられるため、リース料金も新車リースと比較すると安く設定が可能です。

中古車リースで利用される車は、新車リースの契約期間が満了して返却された車や、レンタカーとして利用されていた車、中古車市場で販売されている車などです。

これらの車を点検や整備したうえで活用しています。

中古車リースの仕組み

中古車リースの仕組み
ここからは、中古車リースの仕組みを詳しく解説します。

基本的な仕組みは新車リースと変わりません。残価設定により月々の支払いが抑えられることや、車の所有権がどちらにあるかを理解していきましょう。

残価設定型のリース契約

残価設定型とは、あらかじめ車の残価を設定しておき、数年後に売却することを前提にローンを組む方法です。

残価とは、残存価格の略称で、将来の車の価値を表します。リース契約満了時に車にどのくらいの価値が残っているかを、車種や走行距離などを鑑みて設定します。

残価を設定すれば、購入価格を全額支払う必要がありません。

例えば、150万円の中古車を購入し、3年後に40万円で売却できるとした場合、残りの110万円をリース料金として月々支払う仕組みです。

残価設定型の契約で注意しておきたいポイントは、契約時の設定残価です。残価が高いと月々の支払いは抑えられますが、契約満了時に残価を車両売却額が下回る場合、差額を支払う必要性が出てきます。

そのため、適切な残価設定がされているか契約時に見極めることが重要です。

車の所有権はリース会社にある

中古車リースの利用時は、車の所有権が使用者ではなくリース会社にあります。

車の車検証を見ると、所有権がリース会社になっていることを確認できます。

つまり、中古車リースの利用者は「使用権だけを得る」という点を覚えておきましょう。

カーリースでは、自動車税や車検の費用は別途かかりますか?
各種税金や車検、メンテナンス費用など車の維持費が自己負担になるかは、リース会社や契約のプランによって異なります。リース会社を比較検討する場合は、月額料金の内訳やプランの保証内容をよく確認しましょう。

中古車リースは新車リースや購入と何が違うの?

中古車リースは新車リースや購入と何が違うの?
ここからは、中古車リースが新車リースや購入と何が違うのかを解説していきます。

新車リースとは選べる車種や契約期間、保証内容に違いがある点を覚えておきましょう。また、購入の場合は所有権が誰にあるか、初期費用の有無などを押さえておくとよいでしょう。

新車リースとの違い

中古車リースと新車リースの主な違いは、「選べる車種」「契約期間」「保証内容」などです。

新車リースでは、使用者の申し込み後に希望の車を手配するため、最新の車種であれば選べる範囲が広い特徴があります。

中古車リースでは、新車では手に入らない車種を選べることがメリットの一つです。販売が終了した車種でも中古車市場に出回っていれば、中古車リースを利用して乗れる可能性があります。

また、契約期間にも違いがあり、新車よりも中古車の方が設定できる使用年数が短い傾向にあります。そのため、長期間の契約を結びたい場合は新車リース、短期間で様々な車を試したい場合は中古車リースと、目的に合わせて使い分けることが大切です。

何かトラブルがあった際の保証ですが、中古車の場合メーカー保証が残っているかは車両次第のため、必ず契約前に確認しましょう。

メーカー保証が残っていなかったり、契約期間よりも短かったりする場合は、リース会社が用意する独自の保証に入る必要性も出てくるため、オプションとして保証を付けられるかも確認しておくとよいでしょう。

購入との違い

中古車リースと購入の主な違いは、「所有権が誰にあるか」と「支払う料金」などです。

中古車リースの場合は所有権がリース会社にあります。購入の場合は使用者である本人が所有権を持ちます。

また、中古車リースでは初期費用としてまとまった金額を用意する必要がありません。月々のリース料金を支払うことで車を利用できるため、頭金の用意が難しい場合でも利用可能です。

一般的に中古車リースを利用する際は、維持費も月額料金に含まれていることが多いため、急にまとまった出費が必要になることも少なく、家計の計画が簡単になるメリットもあります。

中古車リースのメリット

中古車リースのメリット
ここからは、中古車リースの主なメリットを紹介していきます。

新車リースとは異なるメリットもありますので、どちらを利用するか迷っている方は、その違いを把握して判断できるよう、ぜひ参考にしてください。

購入や新車リースよりリーズナブル

中古車リースの大きなメリットは、かかる費用を抑えられるかつ、毎月一定額の支払いで済むため、家計管理が楽になることです。

新車リースよりも中古車リースの方が、車の調達費用を安く抑えられるため、リース料金もリーズナブルな特徴があります。

残価設定がある中古車リースの場合は、さらに月額費用を抑えられるでしょう。

中古車リースは、車にかける費用を抑えつつ、明確な料金設定の下で車を利用したい方におすすめです。

頭金がかからない

中古車リースでは、購入のようにまとまった頭金を用意する必要がありません。

また、車を購入して所有者となる場合、税金や車検費用、自賠責保険料、など様々な支払いが発生します。中古車リースであれば、諸費用の負担は所有者であるリース会社にあるため、手続きの手間を省くことが可能です。

ただし、使用者が諸費用を全く支払う必要がないわけではありません。かかる費用は毎月のリース料金に含まれていることを理解しておきましょう。

納車が早い

中古車リースでは、既にある在庫の中から車種を選択するため、短期間で納車できるメリットがあります。

新車リースの場合は、使用者が車種やグレードなどの条件を提示してから車両を調達するため、自由に選べる代わりに、実際に手元に車が届くまで時間がかかってしまいます。

中古車リースであれば、車は調達済みのため契約後すぐの納車が可能です。

急な単身赴任や長期出張などで、すぐに車の手配が必要かつ期間が決まっている場合は、中古車リースがおすすめです。

中古車リースと中古車購入なら、どちらがお得ですか?
リースと購入で迷っている場合は「初期費用を支払えるか」がポイントです!
車を購入する場合、一括購入なら車両代金、ローンを組む場合でも頭金といった、まとまったお金が必要です。もし、車両を購入できるだけの金額が用意できるのなら、リースより購入したほうがお得といえます。
一方、車両は必要だけど、まとまった金額が用意できない場合は、初期費用がかからず一定期間だけ借りられるリースが適しています。

中古車リースのデメリット

中古車リースのデメリット
中古車リースは、費用を抑えられたり、納車が早いなどのメリットが多い一方で、デメリットも存在します。

ここからは、契約前に把握しておくべき注意点を紹介していきます。

長期契約は費用が高くつく

中古車である以上、新車よりも車の性能や状態が劣っている可能性があるため、長期契約を希望する場合でも、安全性を考慮して期間が限定されてしまう可能性があります。

基本的に、中古車リースは契約期間満了後の返却を前提としたサービスです。そのため、契約期間が終わった後も、自身の資産にはなりません。そのため、長期利用しても所有権はリース会社のままです。

同じ中古車を長期間乗り続けたい方は、中古車購入の方が向いているといえるでしょう。反対に、利用したい期間があらかじめ決まっている場合は、中古車リースのメリットを生かした使い方ができるといえます。

中途解約は違約金が発生する

中古車リースに限らず、カーリースは一般的に中途解約ができません。そして、もし解約する場合は違約金が発生する可能性があります。

中途解約における違約金が発生する条件は、リース会社によって異なりますので、必ず契約を交わす前に確認しておきましょう。

中古車は新車に比べると車自体が消耗しているため、トラブルに見舞われるリスクが高い傾向にあります。日々メンテナンスしていても、何らかのトラブルが発生してしまう可能性がありますが、そのような場合でも、中途解約には違約金が発生してしまう可能性があることを理解しておきましょう。

残価精算で追加費用の可能性がある

中古車リースでは、基本的に残価設定を行います。

残価を設定することで月々の支払いが安くなりますが、契約満了時点の残価精算において、車の価値が設定した残価を下回る場合、差額を請求される可能性があります。

例えば、走行距離をオーバーしていたり、車体の傷や凹みなどの損傷が激しかったりする場合、車の価値が下がってしまうため注意が必要です。

また、残価精算の有無は、「オープンエンド方式」か「クローズド方式」のどちらを選んだかでも変わってきます。

オープンエンド方式の契約をした場合は、契約期間が終了した時点で残価を公開するため、車の価値が下回った場合は差額を負担する必要があります。

一方、クローズドエンド方式の契約をした場合は、契約期間終了後に残価を公開しないため、差額を負担する必要はありません。

カスタマイズできない

中古車リースは、基本的に契約終了後の返却を前提としたサービスのため、原状回復の義務があります。

そのため、車をカスタマイズしてしまうと返却時に賠償金を請求されることがあります。

リース契約の終了後に車を買い取れるサービスもありますが、月額のリース料金が割高になるため注意しましょう。

走行距離に制限がある

中古車リースでは、月間の走行距離が制限されていることもあります。決められた走行距離をオーバーしてしまうと、追加費用を請求される可能性があるため注意が必要です。

走行距離の上限はリース会社ごとに異なります。一般的には、1か月で500km~2,000kmに設定されていることが多いようです。

走行距離をオーバーしてしまうと、1kmあたり3円~10円ほどの追加料金が発生します。

契約前に必ず走行距離の上限と、オーバーしてしまった際の請求内容を確認しておきましょう。

リースの期間中に事故を起こした場合、お金はかかりますか?
リース期間中になんらかの事故を起こして車両を修理する場合、プランの保証内容に含まれない限り修理費用は自己負担となります。
また、修理可能な状態であるならリース契約は継続しますが、全損の場合はその時点でリース契約は終了となり中途解約金など別途費用が発生します。

優良なリース会社を見分けるポイント

優良なリース会社を見分けるポイント
ここからは、自分に合ったリース会社を見つけるためのポイントを5つ紹介していきます。

契約期間やプラン内容、料金などは会社ごとに異なるため、自身の目的にあった契約が可能な会社を選ぶことが大切です。

中古車リースを利用する際の、選択肢の幅を理解し、お得に利用できるようにしましょう。

①契約期間の自由度は高いか

中古車リースの契約期間の自由度は、リース会社によって異なります。

例えば、1年・2年・3年と、1年ごとに契約期間を設定できるところもあれば、1年・3年・5年など期間が決められているところもあります。

中途解約には違約金がかかることも考えて、期間設定の自由度が高いリース会社を選びましょう。

また、リース会社によっては、1か月や半年から期間設定が可能な短期リースを提供している場合もあります。単身赴任や長期出張など、数カ月単位で車が必要な場合におすすめです。

②走行距離制限はどれくらいか

中古車リースにおいても新車リースと同様、走行距離に制限が設けられている場合があります。

毎日利用し、長距離走行を予定している方は、契約時に走行距離の上限を確認しましょう。

具体的な走行距離の目安としては、下記のシーンが挙げられます。※いずれも月間20日換算

  • 毎日往復15kmの通勤が必要な人は月に300km、年間走行距離は3,600km
  • 子どもの送迎に使う(一日2回自宅と駅の往復をする)場合は、距離が往復3kmで月に120km、年間走行距離は1,440km

また、別途週末に旅行や遠出をする場合は、年間にどれくらい距離を走るかも加味しましょう。

例えば、東京から大阪に帰省する場合は片道で約500kmの距離があります。このように年間を通じて通勤や送迎に合わせて換算が必要です。

走行距離の制限があるプランを選択する場合、自分がリース車を使うシーンや具体的な距離を計算した上で契約に進みましょう。

③取扱車種は豊富か

中古車リースで取り扱う車種は、リース会社によって異なります。

定番の車種を多く取り揃えていたり、新車では手に入らない名車を取り扱っていたりと、各会社によって特徴があるため、自身がどのような車に乗りたいかで契約会社を決めるとよいでしょう。

特にこだわりがない場合は、選択肢の幅を広げるために、取り扱い車種が多いリース会社を選ぶことをおすすめします。

④月額料金の内訳は適切か

自身の目的に合わせて利用するためには、月額料金の内訳をチェックすることも大切です。

最初から月額料金に含まれている項目や、オプションで追加できる項目は、リース会社によって異なります。

基本的な項目は、「車両本体価格」「自賠責保険料」「環境性能割」「自動車税」「自動車重量税」「仲介手数料」「サポート費用」「登録費用」「その他諸経費」などです。

月額料金に含まれる項目を、自由に取捨選択できるかを確認しましょう。

リース料金は毎月支払う費用のため、必要な項目を追加しつつ無理のない範囲に収めることが大切です。

⑤保証内容は要チェック!

中古車リースは、新車よりも車が消耗している状態なので、トラブルが発生しやすい傾向にあります。そのため、通常のプランでどこまで保証されているか確認しましょう。

リース会社によっては、メンテナンス費用を月額料金に含めることが可能です。

プランに含まれていない費用は、自身で別途支払う手間が発生してしまうため、家計管理を楽にしたい方は、保証内容をチェックし、必要なものは月額料金に含めるよう契約を進めることをおすすめします。

中古車リースはこんな人におすすめ!

中古車リースはこんな人におすすめ!
ここからは、中古車リースの特徴やメリット・デメリットを踏まえて、利用が向いている人の特徴を紹介します。

中古車リースの利用を検討している方は、自身の目的に当てはまっているかチェックしましょう。

初期費用を抑えたい

中古車リースは、契約時の初期費用を抑えたい方におすすめです。購入とは異なり、まとまった頭金を用意する必要がありません。

中古車リースは毎月一定額のリース料金の支払いだけで、車を利用できます。プランによっては、自動車税や車検費用だけではなくメンテナンス費用も含まれている場合があるため、急な出費をなるべく減らしたい方にもおすすめです。

一定期間だけ車が必要

単身赴任や長期の出張など、期間があらかじめ決まっている場合の車利用にもおすすめです。

中古車リースには、大きく分けて長期利用と短期利用の2つがあります。長期利用では年単位の契約期間であることが多く、短期利用では1か月や半年など短い期間で契約が可能です。

数か月の使用で、レンタカーでは高くついてしまうというときは、中古車リースの短期利用がおすすめです。

セカンドカーが欲しい

セカンドカーが欲しい方にも、中古車リースがおすすめです。

自身で乗る車とは別に、妻が買い物に出かけたり、子供を送り迎えしたりするための車が欲しい場合や、子供が免許を取って車が必要になった場合などに向いています。

1台目を購入して、さらに2台目を購入するとなると、初期費用だけではなく維持費も単純計算で2倍になるため、なかなか購入に踏み切れない方もいるでしょう。

中古車リースであれば初期費用や維持費用を抑えつつ、セカンドカーとしての利用が可能です。

法人利用

中古車リースは、法人の社用車が欲しい方にもおすすめです。

車の維持費がかからないことや、一定の月額費用で金額の把握が容易であることなどのメリットがあります。

また、新車リースよりもコストの削減が可能です。中古車リースの料金は、必要経費として全額計上できます。減価償却処理が必要なく、全額損金処理できるため、法人利用に向いているといえるでしょう。

まとめ

①中古車リースは、リース会社から中古車を借りる契約のこと
②月々のリース料金は残価設定によって決まる
③カーリースは定額でまとまったお金がかからないことや、納車が早いことがメリット
④しかし、中途解約した場合は違約金が発生したり、契約満了時点に車の価値が設定した残価を下回る場合は差額分が請求されるため注意が必要
⑤長期契約するなら購入のほうが総合的にはお得
⑥カーリースの契約内容はリース会社によって異なるため概要は要チェック!

※本記事は公開時点の情報になります。
記事内容について現在の情報と異なる可能性がございます。
カーリースってどんなクルマが選べるの?
グーネット定額乗りマガジン編集部
グーネット定額乗りマガジン編集部

カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。