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車の点検にかかる時間は、点検の種類や点検のタイミング、車の状態、点検を受ける場所、予約の有無などによって大きく異なります。
ごく短時間で終わる点検もあれば、数時間から数日を要するものもありますが、事前におおよその時間が把握できていれば、スケジュール調整がしやすいため無駄な待ち時間を減らせるでしょう。
この記事では、点検の種類による目安時間や、待ち時間を有効に過ごす方法などについて詳しく解説します。
点検をスムーズに済ませるポイントとして、ぜひ参考にしてください。
車の点検時間は種類やタイミングによって異なる
車の点検は、大きく分けて「日常点検」と「法定点検」があり、それぞれかかる時間が異なります。
日常点検はユーザー自身が実施する点検で、ポイントさえ分かっていれば短時間で済むのが特徴です。
それに対して法定点検は業者に依頼するのが一般的で、点検内容によって所要時間が異なります。
日常点検と法定点検による所要時間の違いを把握しておくことで、スムーズに点検を実施できるでしょう。
車の点検の種類
車の点検は、日常点検と法定点検の2種類に大別されます。これらの点検を適切に実施することにより、車の性能や安全性を維持し、事故や故障のリスクを低減することが可能です。
ここでは、車の日常点検と法定点検の違いを明らかにし、それぞれの特徴や点検項目について具体的に解説します。
安心して運転できるよう、日頃からの点検を欠かさないようにしましょう。
日常点検は、車の使用者自身が実施する点検を指し、国土交通省が定める15項目をチェックします。
その項目は、エンジンオイルやバッテリー液などエンジンルーム内の点検、ランプ類やタイヤの状態など車周りの点検、ブレーキの踏みしろやエンジンのかかり具合など、主に運転席から点検できる内容です。
これらの点検は、車の安全性を維持するために必要であり、定期的に実施することにより事故予防や故障回避につながります。
法定点検は、道路運送車両法により義務付けられた点検ですが、専門的な知識や高度な技術を要する部分があるため整備工場やディーラーなどで実施されるのが一般的です。
自家用車の場合は、12ヶ月(1年)ごとに27項目、24ヶ月(2年)ごとに57項目程度の点検が必要とされています。
法定点検を怠ると、事故や故障のリスクが増大するだけでなく、保険料増大の可能性もあるため注意が必要です。
また、車が保安基準に適合しているかを検査する車検は、車の安全性を検査する法定点検とは異なるものであることを押さえておきましょう。
車の法定点検の種類と所要時間
車の法定点検には、12ヶ月点検と24ヶ月点検の2種類があり、定期的な点検と詳細な点検という目的で実施されます。どちらも安全かつ快適な運転に欠かせませんが、点検にかかる時間が気になる方も多いでしょう。
実際の所要時間は、点検の種類だけでなく、車両の状態や業者の混雑具合などによっても変動するため、ここでは所要時間の目安について解説します。
法定12ヶ月点検は、道路運送車両法で義務付けられた点検であり、車両の安全性を維持するために12ヶ月ごとに実施されます。
点検箇所は27項目ほどあり、内容は主に以下の通りです。
- ブレーキペダルの遊びやブレーキの効き具合
- パーキングブレーキの踏みしろや効き具合
- ホースやパイプの状態
- シリンダー類の液漏れ など
所要時間は数時間程度が一般的ですが、業者の混雑具合によっては半日ほどかかる場合もあります。
法定24ヶ月点検も法律で義務付けられており、12ヶ月点検よりもさらに詳細な点検を行うのが特徴です。車検と同時に実施するのが一般的ですが、必ずしも同時に行わなければならないわけではありません。
24ヶ月点検の点検項目は57項目ほどあるため、12ヶ月点検と比較すると倍以上の項目になります。同じ箇所を点検する場合でも、より詳細に検査し、エンジン内部に至る踏み込んだ検査を行います。
点検項目が多いため、24ヶ月点検には通常1〜2日かかります。ただし、車の状態や整備工場の状況によって所要時間は変動するため、事前に問い合わせて確認するのがおすすめです。
車の法定点検での待ち時間の過ごし方
車の法定点検を業者に依頼した場合、点検内容や混雑状況により数時間の待ち時間が発生します。その時間を無駄にしないためにも、待ち時間の過ごし方を事前に考えておくのが良いでしょう。
ここでは、車の法定点検を受ける際の待ち時間をどう過ごすべきかを解説します。
点検中に店舗や工場内で待機する必要はないため、基本的には外出して自由な時間を過ごして問題ありません。
点検には数時間かかることもあるため、外出して用事を済ませたり、カフェで仕事をこなすなどして時間を有効活用することをおすすめします。
また、依頼した先によっても点検中の時間の過ごし方は異なり、カー用品店に依頼した場合には商品を見て過ごしたり、ディーラーに依頼した場合は新車の試乗をしたりして過ごすこともできるでしょう。
点検を実施する業者によっては、点検の待ち時間に代車を貸し出している場合があるため、点検前に代車が利用可能かどうかを事前に確認しておくのが良いでしょう。その際には、無料での貸し出しを行っているかどうかも、あわせて確かめておくことをおすすめします。
代車が借りられるのであれば、待ち時間に外出できるため、少し遠くまで自分の用事を済ませに行くことが可能です。
ただし、代車の使用には予約が必要な場合があるため、利用したい場合は前もってその意思を業者に伝えておきましょう。
点検中に外出することは問題ありませんが、その際には業者に外出することを伝えてからにしましょう。
勝手に外出してしまうと、追加の修理や部品交換が発生した際などに、連絡がスムーズに取れず余計な時間がかかる可能性があります。何かあった場合にすぐに対処できるよう、店舗のスタッフに連絡先と戻る時間の目安を伝えておき、連絡が取れる状態にしておくことが重要です。
点検待ち時間中には、無断で外出するのは控えましょう。
車の法定点検を受けられる場所
初めて車を購入した場合や、自分の希望に合った業者を探している方にとって、法定点検をどこで受けるべきか迷ってしまうこともあります。
法定点検を受けられる場所として、カー用品店や整備工場、ガソリンスタンド、ディーラーなどの選択肢があり、それぞれが異なる特徴を持っています。
料金やサービス内容にも違いがあるため、目的に応じた選び方をすることが重要です。
カー用品店に依頼する場合は、点検と同時にパーツ交換やカスタマイズの相談ができるメリットがあります。スタッフの多くは商品に関する詳しい知識を持っているため、自分の希望を安心して伝えられるでしょう。
全国的に知名度の高いカー用品店には、整備工場が併設されており、アクセスしやすい点も魅力です。
しかし、高度な技術を要する専門的な整備には対応できない場合もあるため、重大な故障が疑われる場合は、整備工場やディーラーに任せることをおすすめします。
自動車の整備工場は、さまざまな点検・修理に柔軟に対応可能で、ディーラーに頼むよりもコストを抑えられる場合が多い点がメリットです。
幅広い車種や年式の車を取り扱えるところも魅力ですが、それぞれの工場では得意とする分野が異なるため、事前に連絡を取って確認するのが良いでしょう。
整備工場ごとに技術やサービス内容が異なるため、自分に合った信頼できる工場を見つけることが大切です。顔馴染みの整備工場があると、故障や不調が生じた際に大変頼りになります。
ガソリンスタンドでも車の点検を受けられることがあります。ガソリンスタンドでの点検では、その手軽さが大きなメリットです。普段利用している店舗であれば、特別な準備も必要なく気軽に頼めるでしょう。
大手チェーンのガソリンスタンドの多くでは、オイル交換やバッテリー点検などの基本的な整備に対応しており、混雑していなければ時間もそれほどかかりません。
しかし、専門的な点検・修理は受け付けていない場合もあるため、短時間で簡単な点検を受けたい場合に利用すると便利です。
ディーラーで点検を受ける場合は、メーカーの専門知識と高度な技術を持った整備士が対応してくれるため、品質が保証されているという安心感があります。
メーカーの純正部品を使って整備・修理ができるため、メーカー保証などを活用しながら必要なメンテナンスを頼める点が大きな魅力です。
他の業者に頼むよりも料金が高くなる傾向にありますが、車種に最適化された部品や最新設備を使用して点検してくれるため、安心感や満足度は高くなるでしょう。
日常点検でチェックする項目と所要時間
日常点検は、車の使用者自身が実施する点検であるため、その所要時間は人によって異なります。しかし、どのチェック項目をどのくらいの時間で点検すれば良いのか、その目安だけでも知りたい方は多いでしょう。
ここからは、自分で行うことが多い日常点検の項目と、それぞれの所要時間について解説します。
エンジンオイルは、エンジンの潤滑や冷却のために欠かせません。
エンジンオイルの量が不足すると、エンジンの性能や燃費が落ちる原因となるため、日常的な点検が必要です。
量をチェックするには、エンジンルームを開けてオイルレベルゲージを取り出し、ゲージについたオイルを拭き取った後で元に戻し、再度引き抜いてオイルが付着した位置を確認します。オイルの量が減っている場合は補充し、汚れている場合は交換しましょう。
所要時間は5分ほどです。
ブレーキ液は、ブレーキペダルを踏んだ力を伝達する重要な役割を持っています。
液量が適切でないと制動力が低下する可能性があるため、日常点検でもしっかりとチェックしなければなりません。
ブレーキ液の点検は、エンジンルーム内のリザーバータンクを確認することで行います。タンクには液量の上限と下限を示す目盛りがついているため、液量が下限を下回っている場合は補充が必要です。ブレーキオイルが汚れている場合は、交換が必要になります。
所要時間は3分ほどです。
冷却水には、エンジンを冷やしてオーバーヒートを防ぐ役割があります。
冷却水の不足はオーバーヒートの原因となり、大きな故障を招く可能性があるため定期的な点検が不可欠です。
エンジンルーム内のラジエーターリザーバータンクを目視し、液量が下限の印を下回っている場合には適切な冷却水を補充する必要があります。
所要時間は3分ほどです。
ウインドウォッシャー液が減りすぎると、フロントガラスの汚れを運転中に除去できなくなるため、日常的に点検しておくことは重要です。
点検方法は、エンジンルームを開けてウォッシャー液のタンクを目視するだけであるため、作業自体は3分程で完了します。液が少なくなっている場合は、市販のウォッシャー液を補充しておきましょう。
タイヤの空気圧が適正でない場合、燃費の悪化やタイヤの損傷の原因になります。
空気圧の点検をするには、ガソリンスタンドにあるエアゲージを借りるか、スタッフに測定をお願いするのが便利です。
また、タイヤの摩耗状態も同時に点検することをおすすめします。タイヤの溝が浅くなりすぎている場合は車検に通らない可能性があるため、早めの交換が必要です。
自分でタイヤの空気圧と摩耗状態をチェックするのにかかる時間は5分程度になるでしょう。
ヘッドライトやブレーキランプ、ウインカー、ハザードランプなど、自動車に装備されているランプ類は、夜間や雨天時の運転で重要な役割を果たすため、正常に点灯・点滅するかを日常点検でチェックすることは非常に重要です。
自分だけでは見えにくい箇所もあるため、点検の際には誰かに手伝ってもらうことをおすすめします。手伝ってくれる人がいない場合は、壁や鏡にランプの光を反射させて確認すると便利です。
ランプ類の動作確認には5分程度かかるでしょう。
日常点検をサボった際のリスク
日常点検が大切であることが分かっていても、つい後回しにしてしまうことは誰にでもあることです。しかし、見落とした小さな不具合が思わぬトラブルを招く可能性も否定できません。
ここでは、日常点検を怠ることによって生じるリスクについて解説します。
日常点検をサボると、バッテリーの電圧低下に気づかず、突然のバッテリー上がりの原因になります。
車を動かしたいときに、バッテリー上がりでエンジンがかからないということがないよう、日常的な点検でバッテリーの状態を確認する習慣をつけておきましょう。
タイヤは路面との接点であり、車の安全性に直接影響を与える部分であると言えます。しかし、日常点検を怠ることで、トラブルが発生しやすいため注意が必要です。
ガソリンスタンドでタイヤの空気圧をチェックしたり、運転前後にタイヤの状態を目視したりするだけでもトラブルの発生を予防できます。また、異物が刺さっていないかも確認しましょう。
冷却水が不足するとエンジンの高温状態が続き、オーバーヒートが発生する可能性があります。
エンジンオイルが足りない場合もオーバーヒートの原因となるため、定期的にエンジンルーム内を点検し、冷却水やオイルの量を確認する習慣をつけることが大切です。
点検込みプランのあるカーリースが便利
事故や故障のリスクを減らし、安全に運転するために、車の点検は欠かせません。しかし、自分で点検するのは手間や時間がかかり、どうしても後回しになってしまうという方も多いでしょう。
そのような方には、点検込みプランのあるカーリースがおすすめです。
カーリースには、毎月のリース料金に点検費用が含まれているプランがあり、追加の支払い不要で法定点検や日常点検を受けられるものがあります。
自分で点検するのが苦手な人にとっては、非常に便利な選択肢と言えるでしょう。
まとめ
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カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。