カーリースは月々のリース代が決まっており、家計管理しやすいなどメリットの多いサービスです。そして、カーリースには様々なルールがあります。
契約時や契約終了時にトラブルが起こることもあるので、ルールを守ることが大切です。ただし、トラブルといってもリースの仕組みを理解し、契約時にカーリースのプランの内容をきちんと把握しておけば回避できます。
この記事では、カーリースのルールやトラブル回避術について紹介しています。是非、利用の際の参考にしてください。
カーリースの仕組み
カーリースは、まず契約者の乗りたい車をリース会社が代わりに購入します。そして、リース期間を決めて契約を交わし、契約者が月々のリース代を支払って車を使用するという仕組みです。
リース代は、基本的に車両の購入価格に自賠責保険料や自動車税などの維持費を加算し、契約月数で割った金額を設定しています。
カーリースの方式によっては、契約年数終了時の車の価値(残価)を設定し、車両購入価格から差し引くという場合もあります。
カーリースは税金などの急な出費の心配もなく、毎月定額を支払うので家計管理しやすいのが特徴です。一方で、走行距離制限が設けられている、カスタマイズが禁止されているなど使用に関しての条件があるといった注意点もあります。
カーリース契約で多いトラブル相談
車を所有しないで、リーズナブルに好きな車種に乗りたいという人にとってはカーリースはメリットの多いサービスです。
しかし、その反面「契約内容や仕組み」「料金システム」などがカーリース会社やリースプランによって違ってきます。その内容を契約者自身で予めしっかり理解しておかないと、思わぬトラブルに見舞われることもあります。
例えば、契約中のリース車で交通事故にあうと修理代は契約者負担になったり、中途解約をする場合は違約金を請求されるといったことがよくあるトラブルです。
ただ、契約内容といっても難しいものではなく、カーリースの基本的な仕組みを理解し、どのようなルールが設けられているかを把握しておけば快適なカーライフが送れるはずなので、そこまで心配することはないとも言われています。
車の保険には自賠責保険と任意保険の2種類があります。
自賠責保険は法律で加入が義務付けられている強制保険です。カーリースのリース代の自賠責保険料も含まれています。
一方で、加入が運転者の自由意志に基づく任意保険は、リース代に含まれていない場合が多いのです。ただ、カーリース会社によっては含まれるプランもあります。
自賠責保険は基本的に事故の被害者に対する損害の補償をカバーするものです。そのため、自分自身のけがや車、ガードレールなどの物が破損した場合は補償されません。
一方で任意保険は、自分自身のけがや車、物の損害に対する補償もカバーしています。
カーリース契約した車で交通事故を起こした場合、車などの物の修理代や加害者となりけがをした場合の治療費などは、任意保険に未加入だと自己負担となります。更に、盗難などの損害も同様です。
基本的に任意保険の加入は契約者自身が行うという点を知っておかないと、事故や故障の際の負担が大きくなるので注意しましょう。
カーリースの契約期間の途中で車が必要なくなるなど、「途中解約したい!」といった事情が出てくる場合もあるでしょう。ただ、カーリース契約は予め契約期間が決まっています。
カーリース会社が車を購入し、まず車両購入価格から契約終了時の車中古車としての価値、残価を差し引きます。その金額に保険料や税金などの一部維持費を加算し、リース契約月数で割って月々のリース代を算出するのです。
残価を設定している以上、カーリース会社は中途解約を始めから想定していません。
また、中途解約となり残りの契約期間分のリース代が支払ってもらえなくなるとカーリース会社はその分の利益を失うことになります。失った利益分を違約金として契約者に請求する形をとっています。
違約金は、残期間分のリース代や事務手数料などを車両の残価から差し引いた金額になることが多いです。残期間が長いほど違約金額は高くなるということです。
カーリース契約の終了時に起こりうるトラブルもあります。
カーリースでは、契約期間が終了した時点で車を返却する際、原状回復して返却しなければならないことが決まっています。
もちろん車は経年劣化するので、使用期間が長いと新車同様とは行きません。しかし中古車としての価値を下げない位の状態に保たなければならないのです。
リース車に傷や凹みがある、車内にきつい臭いや汚れが付着している場合は契約に反しているということで、原状回復のために必要な費用が追加金として請求される場合もあります。
原状回復できないカスタマイズも含まれるので注意しましょう。
事故などで修復歴があれば残価を下回る
カーリース契約期間中に交通事故を起こし、車を修理に出したとします。すると、リース車に「事故歴あり」「修復歴あり」となり車の価値が下がってしまうことがあります。
そうなるとカーリース契約当初に設定した残価よりも、契約終了時の残価が安くなるということが起こるでしょう。その分差額が生じてしまうため、契約終了時に差額の支払いが請求される可能性があります。
残価の下落による差額分の支払いは、カーリース契約時に説明があり、契約書にも記載されているはずなので必ず確認しておいてください。
ただし、少しこすった程度の傷や凹みの修理なら、修復歴ありとはならない場合もあるので一概には言えません。どの程度の修理が残価に関係してくるかは、ケースバイケースになります。
残価を下回る程度の修理に該当するか否かは、カーリース会社に確認することをおすすめします。
交通事故を起こしていなくても、車のボディにこすり傷や凹みなどの軽微な損傷が見られる場合も、残価が下がることがあります。
更に、車の外観がキレイでも車内が汚れているケースもあります。
車内でタバコを吸う方だと、シートに焼け焦げがある、天井がヤニで黄ばんでいるといった汚れが挙げられるでしょう。
ペットやお子さんを乗せている場合、シートなどの内装を破く、汚すといった可能性もあるでしょう。
また、問題となるのが臭いです。タバコの煙やペットの臭いは意外と内装に染みつきやすく、落としにくい面もあります。
こういった汚れや臭いを指摘されると、原状回復に必要な費用として追加金の支払いを求められることがあるのです。
一般的にカーリースは、リース契約期間中に車が走行可能な距離が予め決められています。契約終了後に中古車としてリース車を売却する際に、走行距離が多い車は年式が新しくてもその分エンジンやタイヤなどが消耗するため、買取価格が安くなるからです。
走行距離の制限はカーリース会社やプランによって異なりますが、一般的に月に1000~2000㎞となっています。もし契約終了時に制限走行距離を超えた場合は、1㎞につきいくらと計算した上で精算しなければなりません。
もちろん、走行距離が無制限のカーリースもあります。残価が安かったり、メンテナンス費用を含まなかったりというプランになるのでお得とは言えない部分もあるのです。
ちなみに、通常のカーリースプランにある制限走行距離は、よっぽど長距離運転を頻繁にしなければ日常生活の中で超えない距離だとされています。
リース車が届いてから、車をもっとかっこよくしたいからと言ってカスタマイズする方もいるかもしれませんが、基本的にカーリースではカスタマイズを禁止しているカーリース会社が多いので、確認しておく必要があります。
タイヤのホイールを変える、純正のナビやオーディオを取り外して社外品に変えるといった場合です。カスタマイズで問題なのが、原状回復できるかどうかです。
ホイールなどは車を返却する際に始めから装着されていたものに戻すことができれば問題ないでしょう。
しかし、ナビなどは取り外した跡が残ってしまうと、もはや原状回復とは言えません。そうなると、原状回復にかかる費用や残価が下がったことによる追加金などが請求される可能性があるので注意しましょう
カーリースのトラブルを回避するためには
カーリースのトラブルというと、「カーリース自体デメリットが多い」「契約に落とし穴があるのでは?」と思われがちです。しかし実はそうではありません。
カーリースでのトラブルはほとんどが、契約者側が契約内容を把握しきれておらず、契約中にルールを失念してしまったことによりトラブルとなってしまう場合が多いのです。
契約者側がカーリースの仕組みやプランの内容をしっかり理解しておけば、十分トラブルは回避できます。ほとんどのユーザーはトラブルもなく、快適にカーリースを利用しています。
まず自分のカーライフに合ったカーリース会社、リースプランを選び、内容を確認することが大事です。そして、カーリースのルールを守り、車を大切に扱えばトラブルは起こりにくいと言えます。
また、トラブルにならないようにリース期間中に注意しておきたいこともあるので、きちんと把握しておきましょう。
毎月のリース代は、車両購入価格か車の残価を差し引き、税金などの維持費を加算した金額を契約月数で割るという計算で算出されます。
残価はカーリース契約年数後の中古車としての価値なので、場合によっては契約終了時に残価が下がる可能性もあります。
逆に月々の支払いを安くするために、残価を高く設定するプランにすると契約終了時の車の価格との差額をやはり支払うことになるのです。
つまり残価があれば、その分契約終了時に予想外の追加金を請求されることになります。
カーリースの中には、残価設定を行わないプランもあります。残価が差し引かれていないので、車の購入費と維持費の一部を契約月数で割った金額がリース代となります。
残価設定のプランよりはやや月々の支払いが高くなりますが、残価を気にしなくても良いというメリットもあるでしょう。
カーリースの契約方式には「オープンエンド」と「クローズドエンド」の2つがあります。
残価が下がった場合の差額の支払いが気になるという方は、予めクローズドエンドのカーリースを選ぶと安心です。
カーリース契約でトラブルになりやすいのが、リース契約の途中で解約する場合だと言われています。
カーリース会社は始めからリースの中途解約を想定していません。例えば3年契約でリース代を算出したのに、1年を残して解約となると1年分のリース代、利益を失うことになってしまうからです。
しかし、契約者の方にも車が不要となる事情があれば、解約せざるを得ません。予め解約した場合の違約金はどの位になるのかチェックしておくと良いでしょう。
また、中途解約でも違約金が不要となるカーリースもあります。月々のリース代はやや高めですが、解約の可能性があるならば始めからこういったプランを選ぶというのも有効的です。
カーリースの契約で困るのが交通事故にあってしまった時です。
特に廃車になってしまう全損事故となってしまうとリース車にはもう乗れません。そうなるとカーリース契約は解約し、車を返却することもできないので困ります。しかも、中途解約による違約金を支払わなければなりません。
カーリース残期間のリース代と残価、事務手数用などが合算されるので高額になってしまうケースが多いのです。一括での支払いを求められることになると経済的な負担も大きいでしょう。
しかし、カーリースの中には、全損事故でも解約金を全額補償してくれるプランがあります。運転に自信のない方などは検討してみると良いでしょう。
カーリースは自賠責保険には加入し、その保険料はリース代に含まれています。
しかし、任意保険は未加入のプランも多いです。万一の交通事故に備えて、自分で任意保険に加入すると安心です。また、リース代はやや高いですが、任意保険込みのプランもあるので考えてみましょう。
リース車を返却する際に、ボディの傷や凹み、車内の臭いや汚れがあると追加金の請求を受ける場合があります。それは、返却時に契約時とほぼ同じ状態に原状回復しなければならないと決まっているからです。
この原状回復の費用が含まれているリースプランもあります。メンテナンスプランの一つで、軽微な傷なども月々のリース代で修理してもらえます。しかも、オイル交換などのメンテナンスや法定点検、車検などにかかる費用も含まれており、通常のメンテナンスも行き届いているので効率的です。
そのぶん月々のリース代はやや高めになりますが、車返却時の追加金の心配が減るため、トラブル回避にもつながるでしょう。
リース車の走行距離に制限を設けているカーリースも多いです。
走行距離は少なくても月500㎞、一般的には月1000㎞から多くても月2000㎞位に設定されています。
日常生活で車を使う際は、年間平均1万㎞位です。近距離への通勤、通学や近所への買いもの、月数回のレジャーなどで遠出する位なら年に1万㎞で収まるとされています。
例えば、月に1000㎞なら1年で1万2000㎞となるので一般的な平均走行距離は超えません。心配ならば月のどの位走行距離があるのかを予め測っておき、制限走行距離を超えないように車の使い方に気を付けることが大事です。
また遠距離通勤、通学などをされる方は走行距離上限を多く見積もったプランを選ぶことをおすすめします。
カーリース契約で契約者が使用する車は、カーリース会社の名義になっています。カーリース会社から一時的に借りて乗っているに過ぎず、契約者の所有車ではありません。
契約終了時に、傷や凹みなどがあると原状回復にかかる費用を請求されます。そうならないように、カーリース契約期間中は安全運転に心がけ、傷をつけないように気を付けて車を使うことが大事です。
更に急発進や急ブレーキを繰り返す運転は、タイヤの摩耗を早めてエンジンにも負担がかかり、燃費も悪くなるのでガソリン代もかさみます。エコドライブを意識することで車の部品も長持ちする上に、ガソリン代の節約にもつながるでしょう。
ちょっとしたことを注意するだけで、カーリースにかかる費用も変わってきます。借りている車だということを意識し、丁寧に扱いましょう。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。