自動車税(種別割)や自動車重量税など、車には様々な税金が課されています。カーリースを利用する際も、契約者が税金を納めなければなりませんが、それはリース代に含まれています。
もし増税になった場合、リース代にはどのように影響するのでしょうか?気になる部分を説明していきます。また、車にかかる税金の種類なども紹介します。
車にかかる税金
車には様々な税金が課せられており、税金を納めるタイミングもそれぞれ違っています。
まず、車の排気量によって税額が変わるのは、自動車税(種別割)です。軽自動車の場合は軽自動車税と呼ばれています。
車の重量によって税額が決まるのが自動車重量税です。
また、車を購入する際などに車両本体やオプションなどにかかるのが消費税です。
他にも二酸化炭素の排出削減を目指し、環境性能に着目して課税されるのが環境性能割で、購入時に支払います。燃費性能の良いエコカーなどは減税の対象となっています。
自動車税(種別割)は、車のエンジン排気量や用途に応じて税額が変わります。
排気量は「1ℓ以下から6ℓ超」まで9段階に分けられており、税額も「25,000円から111,000円」まであります。排気量が0.5ℓ増えるごとに税額が上がっていきます。
ただし、軽自動車の場合は税額は10,800円と一律です。
自動車税(種別割)は2019年10月1日からの消費税増税に伴い、税率が引き下げられています。毎年4月1日の時点における車の名義人に対して課される税金です。
納付通知書が5月上旬位に、車検証の名義人の住所地に届くことになっています。納付期限は、原則その年の5月31日までと決められています。ただし、県によっては6月末までとなっている場合もあるので確認しておきましょう。
納付場所はコンビニなどでの現金払い、クレジット払いや口座振替などが可能です。
自動車税を滞納すると催促状が届き、遅延金が発生してきます。それでも納付しないと給与口座などが差し押さえられる場合もあるので、注意してください。
自動車重量税は、車の重量に応じて税額が決められている税金です。
車両重量は「0.5t以下から3t以下まで」6つに分けられており、車両重量0.5tごとに税額が高くなります。
軽自動車の場合は一律の金額です。
一般的に車を購入した時、以降は車検ごとにまとめて納めます。すなわち、新車登録時は1回目の車検までの3年分を、以降車検は2年ごとに行われるので2年分をまとめて前払いすることになります。
軽自動車は新車登録時は「一律9,900円」、車検時は「一律6,600円」です。
普通車は新車登録時は「12,300円(0.5t未満)から最大73,800円(3t未満)」車検時は「8,200円(0.5t未満)から最大49,200円(3t未満)」となっています。
ただし、新車登録から13年以上経過した車は税額が上がり、さらに18年以上経過するともっと税額は高くなります。
環境性能割は、車の燃費性能によって税率が異なる税金です。以前の自動車取得税が2019年9月に廃止となり、環境性能割に変更されています。
国は二酸化炭素の排出量を抑えるために環境に優しい自動車を推進しています。そこで導入したのが、規定の燃費基準をどの程度達成したかによって税額が変わる環境性能割です。
燃費性能の良い車はその分、税額が安くなるという仕組みです。
環境性能割は車の購入時に支払いますが、燃費基準の基準値を達成から+10%、+20%達成など段階に応じて取得価格の0~3%まで税率が決められています。
そして、電気自動車・グリーンディーゼル車・天然ガス自動車などのエコカーは非課税となっています。
消費税は、日常生活において店舗などで物を購入した際に課税されている税金です。もちろん車の購入時にも同様で、車両本体価格に課税されます。
ただし、気をつけたいのが車両本体価格のみならず、オプションやアクセサリーなどの付属品にも消費税が課税されるという点です。ナビ・オーディオ・モニターなどをつける場合は、その部品や工賃にも加算されます。
さらに、カーリースを利用する場合は、車庫証明書の取得など、車を保管するための手続きも必要です。こういった事務手続きを契約者に代わり、カーリース会社が行う場合が多いです。その際には事務代行手数料が徴収されるはずですが、このサービス料にも課税されています。
消費税は物だけではなく、サービスに対しても課税されることがあるので注意しましょう。
車を購入し、維持していくとなると各種税金を納めていかなければなりません。どの位の税額になるか、知っておく必要があります。
- 軽自動車税・・・2019年10月以降の登録なら32,400円
- 自動車重量税・・・9,900円
- 環境性能割・・・燃費基準達成の場合は15,000円
これらの税金の総額は57,300円です。
- 自動車税・・・2019年10月以降の登録なら118,500円(※4月登録で3年間と仮定。購入時期によって初年度の税額が変わります)
- 自動車重量税・・・49,200円
- 環境性能割・・・エコカー対象車なら0円ですが、燃費基準達成により税率が異なるので、今回は仮に税率1%とすると28,000円
これらの税金の総額は195,700円です。
車両本体価格やオプション、諸費用に消費税が10%課税されてきます。こうしてみると、税金だけでかなりの金額になっていることが分かります。
カーリースの料金の仕組み
カーリースでは、契約者が希望する車両をリース会社が代わりに購入し、契約者に貸し出すカーサービスです。契約者は毎月決められたリース代を支払うことで、リース車をマイカーのように使うことができます。
リース代を算出するには、まず車を購入する際にかかる車両本体価格から、数年後の車の価値である「残価」を差し引きます。この金額に税金などの一部の維持費を足して、リースの契約期間で割った金額が月々のリース代になります。
(車両本体価格 – 残価 +税金など維持費)÷ 契約期間 = 月々のリース代
リース代には一部の車の維持費が既に含まれています。その一つが税金です。
毎年1回1年分を納める「自動車税」と車検時に納める「自動車重量税」と購入時に納める「環境性能割」も含まれます。
「消費税」に関しても車両本体価格に課税されて税込みの額で計算されるため、あらかじめ含まれていると考えて良いでしょう。
車に関する税金は、車両の排気量や重量、燃費性能などによって金額が変わってきます。自分の車がどの区分に含まれ、税額はいくらなのかを調べるのは面倒だという方もいるかもしれません。
しかし、カーリースならリース代にほぼ税金が含まれています。そのため、月額定額料を支払うだけで納税が済むので効率的です。
さらに税金には納付期限があり、納付し忘れると遅延金がかかったり、車検が受けられなくなったりと不都合が生じます。カーリースならそういった納税忘れもないので安心です。
実際に税金を含む月のリース代はどの位かかるかは気になるところでしょう。
車種やグレード、カーリース会社のプランによってリース代には差が生じますが、安い所だと税金込みで月のリース代が「20,000円~」というプランもあるようです。
リース代の総額を契約月数で割ってひと月のリース代を算出しているので、契約年数が長くなればそれだけリース代も安くなってきます。
例えば、軽自動車で5年リースなら月々25,000円~35,000円位が相場です。7年リースなら23,000円~30,000円位が相場です。9年、11年リースになると20,000円を切るプランも出てきています。
また、メンテナンス費用が含まれたメンテナンスリースのプランだと、相場よりもややリース代が高く設定されています。
増税になった場合のリース代への影響
カーリース契約期間中に増税があったら、リース代は影響が受けるのか気になるところです。
リース代には、車両本体価格や自動車税などの税金が含まれています。ただ、増税になったからといって、必ずしもリース代の全てに関して増税後の税額に変わるわけではありません。
カーリース契約の開始日が増税前か後かによっても違ってくるので一概には言えないでしょう。
またカーリース会社各社によって、増税後の税率を適用するタイミングも異なるので、自身が契約してるカーリース会社にきちんと確認しておくことをおすすめします。
ただ、カーリースの契約方式によって、新しい税率適用のタイミングを分けているカーリース会社が多いので、覚えておくと役立つでしょう。
消費税が増税となってから、カーリースを利用するために契約を結んだ場合は、リース代は増税後の税率が適用されます。
消費税はほぼ全ての物を購入する際に課税されます。物以外に、サービスも課税対象です。そのため、カーリース会社がディーラーなどから車を購入する際も増税後の税率が適用されます。
他にもカーリース会社を経営するのにかかる費用や、様々な車に関する手続きにかかる手数料など、消費税が課税される全てのものに関しては増税されることになるでしょう。
従って、リース代にも増税後の税率を適用しなければ、カーリース会社が増税分損をすることになり、経営にも影響してきます。
あらかじめ増税が分かっている場合は、増税後は新たな税率を用いてリース代を再度算出するリース会社もあります。そうなると、増税後はやや値上がりしたリース代を支払わなければならないかもしれません。
リース代の税額は契約方式によっても異なる
カーリースには主に2つの契約方式があります。
1つ目は、車の残価をリース契約者に公開する「オープンエンド方式」です。あらかじめカーリース会社と相談して残価を設定することができます。そのため、残価を高めにしてリース代を抑えることが可能です。
しかし、契約終了時のリース車の査定額が残価を下回っている場合、差額分を精算しなければなりません。逆に査定額が残価を上回れば、差額分を受け取ることもできます。
2つ目は、残価を契約者に公開しない「クローズドエンド方式」です。残価を知らないまま契約終了を迎えるので、査定額に関係なくカーリース契約者は差額の精算の必要はありません。
この2つの契約方式では、消費税増税後にどうリース代に影響を及ぼすのかが違いますので、知っておきましょう!
オープンエンド方式の場合、リース開始日が増税開始日の前か後かによって適用される税率が異なります。
リース期間中は全て増税前の税率のままリース代を契約終了まで支払うことになります。つまり、増税されてもリース代に影響はないということです。
リース期間中のリース代は全て増税後の税率が適用されます。
2019年に10月1日より消費税が8%から10%に引き上げられました。この時もリース開始日が2019年9月30日より以前の場合、契約期間に関係なく契約終了まではリース代には消費税8%が適用されます。
そして、カーリース開始日が2019年10月1日以降の場合、初回のリース代から契約終了までは消費税10%が適用されることになるのです。
※カーリース開始日とは、車検証の発行日や登録年月日などを意味します。車の納車日や実際に車を使い始める日ではないので、間違えないようにしましょう。
クローズドエンド方式の場合、リース開始日が増税前であっても、増税後の税額が適用となるので注意が必要です。
増税開始日までは旧税額、増税開始後は増税後の税額となります。
カーリース期間中のリース代は全て増税後の税額です。
2019年10月1日から、消費税がこれまでの8%から10%に引き上げられました。
カーリース開始日が2019年9月30日以前の場合、2019年9月までのリース代は消費税8%が、2019年10月以降のリース代は消費税10%が適用されます。
そしてカーリース開始日が2019年10月1日以降の場合、全てのリース期間のリース代は消費税10%が適用されることになるのです。
再リース契約における消費税増税の影響
カーリース契約期間が終了した後、再リース契約を結んで「引き続きリース車を借りて乗る」という選択肢を選ぶこともできます。
これは、リース車を乗るうちに気に入ったので乗り続けたいが、リース車を買い取るほどの資金がない場合などが当てはまります。
ただ、再リース契約を行う場合も消費税の増税がリース代に影響するので知っておきましょう。
再リース契約は、基本的にカーリースの開始日を基準とした消費税率が適用されます。カーリース開始日が増税開始前の場合は旧税額が課されます。増税開始日後も引き続き旧税額が適用となる場合もあるでしょう。
一方で、クローズドエンド方式のように、増税前までは旧税額で増税開始後から増税額がリース代に反映されるというリース会社もあるので、注意が必要です。
カーリースでは、契約終了後は車を返却するのが一般的ですが、もし自分の物にしたいと思うなら買い取りできる場合もあります。カーリース会社によっては買取不可となっている場合もあるので、あらかじめ確認しておいてください。
買い取りの際は「残価」を支払う必要があります。残価はリース契約時に設定された金額なので決まっています。
ただし、消費税増税後に契約が満了し、残価を支払って買い取る場合は、残価には増税後の税額が課税されることになるので注意が必要です。
また、名義変更し、自分の車になった場合は自動車税(種別割)や自動車重量税も自分で納めることになります。増税もしくは減税がなされた場合は、税額が変わるので確認しておきましょう。
これまでリース車を使っており、契約期限がきたので車を返却して残価と契約終了時の査定額の差額などを精算すれば契約は終了となります。
さらにその後、カーリースで新しい車に乗り換えたいので再度契約するという選択も可能です。
この場合は、消費税の増税はこれまでのカーリース契約と同じ扱いになります。リース契約の方式やリース開始日、増税開始日などによって適用される税率が異なります。
ただし、増税後に前のカーリース契約が終了し、新たなカーリース契約を結ぶ場合は増税後の税率が適用となる場合がほとんどです。消費税以外の自動車税などに関しても、増税や減税がなされることがありますので注意しましょう。
まとめ
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