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カーリースは、契約期間中に月々定額で車を運転することができるサービスです。通常は契約期間が満期になれば車をリース会社に返却します。
しかし、中には車が気に入ったので「リース契約を延長したい!」と思う方もいるでしょう。
この記事では、カーリースの契約は延長できるのか、そのメリットやデメリット、満期になった場合の選択肢について見ていきます。
車のリース契約は延長することができる!
リースした車を気に入った場合、「再リース」の契約をすることで契約期間を延長することができます。これは、契約期間が満了したところでリース契約を改めて設定することになります。
延長する場合、契約条件は前とは違ってきます。
そもそもリース契約は、車両価格から残価を差し引いた金額をもとに月々のリース料金を算出しています。
そのため、再リースすると対象の車両は中古車となるため、新車と比較すると車の価値が低くなり、月々のリース料金も変わってきます。
カーリースの契約方法は「オープンエンド」と「クローズドエンド」がある
カーリースの契約は「オープンエンド」と「クローズドエンド」の2種類の形態に分類されます。
両者の違いは、残価を使用者に公開するかどうかです。残価を公開するのがオープンエンド、公開しないのがクローズドエンドです。
オープンエンドの場合、リース会社と使用者で話し合って残価を決めることができます。残価を高めに設定すれば、リース料金を安くできます。しかし、返却時に残価よりも実際の価値が低くなると、追加で料金を請求されてしまうので取り扱いには注意が必要です。
クローズドエンドの場合、残価が使用者には非公開となります。たとえ当初設定していた残価より返却時の実際の価値が高くなったり、低くなっても、追加精算はありません。
リース契約を延長した場合の料金はどうなる?
リース契約を延長した場合、以前の契約と再リース契約とではリース料金が変わってくるので注意しましょう。
月々のリース料金は、車両価格から返却時の残価を差し引いたものを契約月数で割って算出します。
再リースの場合、その時の車両の価値から残価を差し引いたものを月数で頭割りする形になります。そのため、月々のリース料金が以前と違ってくる可能性は高いです。
ただし、リース料金の計算はすべてのリース会社で一緒とは限りません。例えば、リース諸費用も加味してリース料金を算出するところも多く、その費用はリース会社によってまちまちです。
リースの延長を希望する場合には、いったん見積もりを取ることをおすすめします。延長時のリース料金を見てから、延長するかどうか判断しましょう。
リース契約を延長するメリット
リース契約を延長する大きなメリットは、今まで乗ってきた車を引き続き利用できる点です。乗り慣れた車、お気に入りの車に乗り続けられるのは使用者にとって大きいでしょう。
また、リース料金が安くなる可能性があります。前述した通り、再リースの場合は新車ではなく中古車としての価値なので、最初の契約と比較して安くなっているからです。
愛着のある車を手放すのがもったいない、返却したくないと思うのであれば、再リース契約を検討してもいいかもしれません。さらに、リース料金が安くなるので家計のやりくりがしやすくなる可能性もあります。
リース契約を延長するデメリット
再リースした場合、逆にリース料金が高くなってしまう恐れがあります。それは、再リースする際に改めて残価設定をするからです。
車種によっては、再リース満了時の残価がかなり安くなり、中古車価格から差し引く金額が少なくなるため、リース料金が逆に高くなる恐れがあります。
また、リース料金が以前の価格よりも安くなったとしても、トータルコストでは高くなる危険性もあります。契約を延長するということは、言い換えると、前のモデルの車に乗り続けるということです。
旧モデルの車は最新モデルと比較して燃費も悪いかもしれません。すると、ガソリン代が余計にかかり、ランニングコストを含めると再リースのほうが損をする可能性はあります。
リース契約が満了になった時の選択肢について
リース契約が満了になった場合、再リースすることで実質的に契約期間を延長することは可能だと説明してきました。しかし、再リース以外にも選択肢がいくつかあります。
基本的には契約が満了になれば、リースした車は返却しなければなりません。ただし、契約形態によってはその他の選択肢を選べる場合もあるので、リース会社と相談して最終的な判断をしましょう。
一部のリース会社では、車がもらえる契約形式を用意しているところもあります。
リース契約が満了になった場合、基本的には車を返却してカーリースは終了という形になります。
あらかじめ使用者に残価を公開するオープンエンド契約の場合は、精算が行われます。返却された車の査定が行われ、リース契約開始時に設定された残価よりも車の価値が低ければ、残り分を支払わないといけません。逆に残価よりも車の価値が高ければ、キャッシュバックがリース会社より支払われます。
走行距離によっては、追加費用が発生する可能性もあるので、注意しましょう。
リースした車を気に入って引き続き乗りたいと思うのであれば、リース契約の延長の他に買取という方法もあります。
リース契約は、車両本体価格から残価を差し引いた部分を月額料金で支払う契約形態です。つまり、残価を支払えば実質車両本体全額を支払ったことになるので、リース車を引き取って実際にマイカーにできるということです。
ただし、買取は契約形態によってできる場合とできない場合があるので注意してください。クローズドエンド方式の場合、残価精算のない契約形態となるため、リース車を引き取ることはできません。
しかし、リース会社によっては条件次第で買取を認めてもらえる場合もあるので、担当者に相談してみるといいでしょう。
リース契約が満了したら今まで乗ってきた車を返却して、また別の車を選んで新規でリース契約することもできます。
引き続き新車でリース契約をするので、中古車は嫌でもカーリースは利用したいと思っている方におすすめです。
今まで乗っていた車が気に入っているのであれば、再リースして契約期間を延長するのも一つの方法ですが、そこまでこだわりがなければ、車を乗り換えて契約しなおすといいでしょう。
旧式モデルの場合、どうしても新型と比較すると機能面で見劣りします。一方、新車で新規にリース契約すれば、最新の機能を持った車を運転できます。
安全機能なども充実しているでしょうし、燃費面でも改善が進んでいる可能性もあります。快適に運転を続けたいと思っているのであれば、乗り換えがおすすめです。
現在提供されているカーリースの中には、車をもらえるオプションをつけられる契約形態も見られます。
契約期間が満了したら、その時乗っている車をお金を出さずにもらえるので、お気に入りの車を将来的に引き取りたい場合はおすすめです。
また、これはオプションなので、行使せずに契約満了したらその車両をリース会社に返却することもできます。
もらえるオプションのメリットは、リース期間中を一種のお試し期間として活用できる点です。見た目やスペックで気に入った車があっても、実際に乗ってみるとフィーリングがどうも…ということも起こりえます。
もらえるオプションをつけて数年間車をリースして乗り続ければ、自分になじむ車かじっくり判断できます。フィーリングの合う車を着実に手に入れたいと思うのであれば、契約時に検討しましょう。
リース契約の延長とリース車の買取はどっちがお得?
リース契約をして、その車が気に入ったのであれば、「契約を延長する」か「車を買取る」かの2択が出てきます。
この場合、どちらがお得なのでしょうか?
もしこれからも車を乗りつぶすまで乗る気であれば、買取がおすすめです。ここからは、買取のメリットも含めて詳しく見ていきましょう。
リースした車が本当に気に入ってずっと乗り続けようと思っているのであれば、買取がおすすめです。
その理由は、一旦買い取ってしまえば、それ以降は車両本体に関する費用を捻出する必要がなくなるからです。
リース契約を延長すれば、その期間中ずっと月額料金を支払い続けなければなりません。再々延長したとしても、月々のリース料金を支払い続けることになります。
「ずっと乗り続けたい」「車がダメになるまで運転したい」と思うのであれば、残価を支払って買取ってしまったほうが最終的にはお得でしょう。
また、再リースの場合は契約満了時点で契約手続きをやり直さないといけませんが、買取ってしまえば手続き上の手間がなくなるのもメリットと言えます。
状態の分かっている車両を引き取れるという点が、買取のメリットです。
リース車の買取は、実質的に中古車を購入しているのと同じです。中古車を購入する方法として、他にも中古車販売店で買い求める方法もありますが、中古車販売店で扱っている車は、自分ではない人がそれまで利用した車です。
もちろん点検整備記録簿などで車の状態はある程度把握できますが、車の状態は、自分が新車の時から乗り回してきたリース車のほうがこの上なく分かっています。
車の履歴のはっきりしているリース車を買い取ったほうが、今後も安心して運転できるのは大きな魅力だと言えるでしょう。
買取もおすすめですが、車をもらえるオプションをつけたほうが、残価を出す必要がないのでさらにお得と言えます。
契約が満了したらそのまま乗り続けてきた車を引き取れるので、シンプルです。
また、もらえるオプションをつけると、月間の走行距離の上限が無制限になるものも見られます。
通常、カーリースでは月間の走行距離に上限があり、上限を超えると追加料金が請求されます。しかし、もらえるオプションをつければ、走行距離が無制限になるので追加料金を気にすることなく乗り回せます。
地方在住で仕事でもプライベートでも頻繁に車に乗る方にとっては、魅力的でしょう。
もらえるオプションはリース会社によって異なりますが、月額ワンコイン前後のものが多いです。それほど大きなコスト負担ではないので、将来的に車を引き取りたければ、もらえるオプションをつけるのも一考です。
リース車を返却するにあたっての注意点
リース契約が満了になると、車は返却しなければなりません。その際に、いくつか注意すべきポイントがあります。
場合によっては追加費用を請求される可能性がありますので、注意してください。
また、傷や凹みがある場合には、修理費用を負担しなければならないこともあるので注意が必要です。
カーリース契約では、走行距離に上限が設けられているのが一般的です。もし上限距離を超えて運転した場合には、追加料金を請求される可能性があるので注意してください。
なぜ走行距離に上限が設けられているかというと、残価が関係しています。
残価を設定するにあたって、どの程度走行しているかも想定して決めています。そのため、走行距離が当初の設定よりも多くなると、残価も違ってくるということです。
走行距離の上限はリース会社によってまちまちですが、大体1カ月1,000~2,000kmが相場とされています。
1日当たり30~60km程度なので、よほどのことがない限り上限をオーバーすることはないでしょう。ただし、地方在住で公共交通機関があまりなく、どんな時でもマイカーが欠かせない場合には念のため注意が必要です。
リース車を返却する際に傷や凹みなどがある場合、修理しなければならない可能性があります。それは、リース車を返却する時に「原状回復」が原則だからです。
ただし、何年も車を利用すればボディカラーの色あせなど経年劣化はどうしても起こります。経年劣化は不可抗力なので、こちらの修理やメンテナンスの費用を負担する義務はありません。
しかし、経年劣化なのか使用者の過失なのか、判断が微妙なケースもあります。その上、どこまでが使用者の原状回復義務に該当するのか、リース会社で基準が異なる可能性もあります。
返却時にトラブルにならないよう、どこまで費用負担をすべきかリース会社に確認を取っておくといいでしょう。
カーリース契約は、残価を設定して車両本来価格から差し引いたものを月額料金として負担します。そのため、返却時に当初設定していた残価よりも実際の車両の価値が低かった場合、その差額を使用者が負担しないといけません。
ただし、残価の精算はオープンエンド契約をした場合に限られます。クローズドエンド契約の場合は精算は行われません。
残価精算など余計なトラブルを避けたいと思うのであれば、クローズドエンド契約を選ぶようにしましょう。
カーリースを利用するにあたって、中途解約は認められません。その理由は、あらかじめ契約期間を決めたうえで契約する形になっているからです。
リース契約を交わすと、月々のリース料金を支払います。リース料金の中には、自動車税や自賠責保険料などの諸費用もすべて含まれています。
もし中途解約してしまうと、これらの費用をリース会社が回収できなくなってしまうため、原則は中途解約できないルールになっています。
リース期間中に車を乗り換えることも認められていないので、注意しましょう。
カーリースでは中途解約は原則的に認められませんが、やむを得ない事情が発生した場合は例外です。
例えば、使用者が契約の途中で亡くなってしまった場合です。使用者がこれ以上車を使用できませんし、相続人も車に乗るつもりがなければ中途解約が認められます。
ただし、中途解約する場合には違約金はどのような理由でも支払わないといけなくなります。解約金は残り期間のリース料と残価、事務手数料などを合わせた額になる可能性が高いです。
また、やむを得ない事情はリース会社によって判断が異なります。もし中途解約せざるを得ない状況になった場合には、一度リース会社に問い合わせてみるといいでしょう。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。