リース車は、走行距離に制限がついているのが一般的です。長距離の走行によって車の劣化を防ぎ、価値を保つことが目的ですが、リース会社によっては「乗り放題」のプランが用意されていることもあります。
リース車の走行距離制限や乗り放題のプランには、それぞれメリットとデメリットが存在します。
どちらのプランにするかを判断する際の考え方なども解説しますので、これからリース契約を考えている方は参考にしてください。
カーリースの「走行距離制限」と「乗り放題プラン」について知ろう!
カーリース契約では、車の劣化を抑えるための走行距離制限が設けられている場合と制限がない乗り放題プランの2種類があります。
ユーザーはいずれかを選ぶことができるので、それぞれの特徴や違いを知っておきましょう。
リース車の走行距離制限について
最初に、カーリースの走行距離制限について解説します。
リース車には、車の品質劣化を抑えるための走行距離制限が設定されているのが一般的です。
制限の条件はリース会社により様々ですが、制限距離を大幅に超えると超過料金がかかるので注意しましょう。
リース車には、走行距離制限が設けられている場合がほとんどです。
具体的な数値はリース会社によって、「1ヶ月で何キロ」「1年で何キロ」と、設定される期間や距離には様々なものがあります。
この走行距離制限を超えてリース車を使用すると、違約金が発生することがあるので注意が必要です。
中にはこうした制限がない契約方式もありますので、もしも頻繁に長距離運転をすることが確実なら、制限がないプランで契約を結んでもよいでしょう。
カーリース契約での走行距離制限を超過してしまうと、超過料金がリース会社から請求されることになります。
金額は会社によって異なりますが、一般的に超過した分が大きければ大きいほど金額も大きくなります。
そもそも走行距離制限が設けられているのは、車を酷使することによって劣化するのを防ぐためです。そのため、制限を超える走り方をすればそれだけ車の価値が下がったとされるため、その分を超過料金によって埋め合わせることになります。
しかし、ほとんどの場合は車を返却した際のトータルの走行距離から、リース期間中の平均走行距離を計算するという方式で計算します。「1年で何キロ」の制限を超過しても、他の年でその分がカバーできれば問題ありません。
カーリースと同様にレンタカーでも走行距離制限は存在しますが、その具体的なルールの内容は業者によって異なります。また、走行距離制限が存在するかどうかも、レンタカー業者によります。
制限がある場合、どのようなペナルティが課せられるかも事前に把握しておくのが賢明です。多くの場合は、やはりカーリースと同様に超過料金が請求されるでしょう。
走行距離制限の期間も、レンタル期間によって1日・1週間・1ヶ月の単位で設定されます。時間単位や1日単位の短期間の利用であれば制限を超えることはほとんどないと言えますが、レンタル期間が長期に及ぶ場合は超過する可能性も高まるでしょう。
よってレンタカーを利用する際は、レンタルする前に走行距離制限に関する事項の確認や注意点を把握することが重要です。あるいは、走行距離制限のないレンタカー会社を選ぶことを検討してもよいでしょう。
走行距離制限を設定する理由とは?
ここまでで、リース車に設けられている走行距離制限の内容や、制限を超過した場合にペナルティとして科せられる超過料金のことを説明しました。
次に、なぜカーリースでは走行距離制限が設定されているのか、その理由について見ていきましょう。
リース車に走行距離制限が設けられる理由は、返却時の車の価値がリース契約を結んだ際に設定された「残価」を下回るリスクを回避するためです。
これは、カーリースという契約方式ならではの特徴的なやり方だと言えるでしょう。
カーリース契約は、契約期間終了時に車を返却することを前提としていて、その際の車の残価が事前に設定されています。
リース契約をする時に車両本体価格から残価分は差し引かれており、その金額から月々のリース料金が算出されています。そして、最後にその車を返却することで、残価分を精算することになります。
そのため、リース期間中に車の価値を大きく下げないことが重要です。走行距離は車の劣化に大きく影響するため、リース業者は走行距離制限を設けて車の価値を保つことにしています。
前述した通り、カーリースの走行距離制限は、車の価値を維持し、リース料金を抑えるために設定されています。見方を変えれば、そのような仕組みになっているからこそ、ユーザーは安い料金でリース車を利用できると言えるでしょう。
カーリースは、契約時に残価が設定されるものの、実際の車の価値が残価を下回るリスクが常にあります。契約終了時にそのリスクを避けることができるのは、走行距離制限によって車の価値が保たれるからこそです。
また、走行距離に制限がかかることで、リース車両が故障するリスクや修理代、整備代などの維持コストも抑えることが見込まれます。ユーザーにとっても、長期的な費用が抑えられることになるのです。
車は年式が古くなり、走行距離が増えるほど劣化が進んで、エンジンやトランスミッション、消耗品への負担が大きくなります。車を酷使しないことで、こうした負担も軽減できます。
走行距離制限を超えた場合の超過料金が心配な方もいるかもしれませんが、実際に支払う人は少数派なので、むやみに気にする必要はありません。
しかし、走行距離制限が気になって自由なドライブが楽しめず、ストレスを感じる方もいるでしょう。長距離運転が当たり前の方にとっては、苦痛に感じられるかもしれません。
その場合は、乗り放題のプランを選択することも検討しておきましょう。走行距離制限を取り払うことで、リース期間中は車を自由に使用できます。
カーリースを利用する際は、走行距離制限の条件を含めて検討し、自分に合ったプランを選びましょう。
走行距離制限を超過しないためのコツ
ここまでで、リース車に走行距離制限が設けられているその理由や、制限の内容などを見てきました。
次に、以上の内容を踏まえて、リース車を利用する際に走行距離制限を超過しないためのコツを紹介します。
車の使い方はライフスタイルによって異なるので、将来的なライフスタイルの変化も考慮しましょう。
リース車の走行距離制限を超過しないためには、車の用途ごとの走行距離を把握しておくことが大切です。
目的や頻度によって車の走行距離は変わってくるので、可能な限りシミュレーションして走行距離を予測・算出しましょう。
もちろん、生活していると想定外の事態はいくらでも起こり得るので、そうした場合に備えて余裕を持った走行距離を設定しておくことをおすすめします。
いちいち計算するのは手間かもしれませんが、走行距離の上限をきちんと把握しておけば、その範囲内でのびのび運転ができるでしょう。
リース車の走行距離制限を超過しないために、万が一超過してしまった場合のペナルティについて確認しておくのもよいでしょう。
それだけに限らず、走行距離の計測方法や、どの範囲までが超過とは見なされないかを知っておくことは重要です。
制限距離をオーバーすれば超過料金が発生しますが、各社の計算方法はそれぞれ異なります。できればリース契約前に走行距離の計測方法や超過料金を調べ、自分に合ったリース会社を選びましょう。
リース車の走行距離制限を超過しないようにするためには、将来的なライフスタイルの変化を可能な限り見越しておくことも大切です。
例えば、結婚・出産・転職・転勤などでライフスタイルに大きな変化があると、運転する頻度や走行距離が増えることは珍しくありません。
もしもリース期間中に上記のようなことが発生して、走行距離が増えそうであれば、超過距離に対する費用負担の仕組みを確認しておくようにしましょう。そうすれば、走行距離に注意しながら車を利用することができます。
例えば、転勤が多い会社に勤めており、リース期間中に遠方や海外に引っ越す可能性があるなら、最初から短期のリース契約を結んでおくのも一つの手です。
また、結婚や出産などにより大人数で車を利用する機会が増えそうなら、一定期間で車を乗り換えることができるリースプランを選んでもよいでしょう。途中から大型の車に乗り換えることで、効率よくリース車を利用することができます。
リース車の乗り放題プランについて
ここまでで、リース車に走行距離制限が設けられている理由やその内容、そして制限距離を超過しないためのコツを解説してきました。
最後に、走行距離制限のないカーリースの乗り放題プランについて解説していきます。
カーリースでは走行距離制限が設けられることが一般的ですが、制限のない「乗り放題プラン」も存在します。
普段から頻繁に車を使う方や長距離移動が当たり前の方にとっては、こうしたプランのほうが適していることもあるでしょう。
全てのリース会社が、乗り放題プランを用意しているとは限りません。しかし、中には一定年数以上の契約で走行距離制限をなしにできるのに加えて、独自のサービスが充実している業者も存在します。
また、国産メーカーの全車種・全グレードから好きな1台を選べたり、残価設定なしで最終的に車をもらえたりするプランなどが設定されていることもあります。
リース車の使い道が通勤や買い物程度であれば、わざわざ乗り放題にする必要はないかもしれません。しかし、長距離ドライブや旅行などでカーライフを充実させたいユーザーにとっては、自由度が高く理想的だと言えるでしょう。
カーリース契約で設定される走行距離制限の内容は、リース会社により細かな違いはあるものの、月に1,000~2,000km程度が一般的です。
この距離を長いと見るか、短いと見るかは人それぞれですが、多くの場合、十分余裕がある数値だと言えます。
なぜなら、車の標準的な走行距離は「1年で1万km」とされており、これを12カ月で割ると1,000kmに満たないからです。
標準的なレベルで車を使用していれば、上記の走行距離制限を極端に超過してしまうことはほとんどないでしょう。
もちろんユーザーの車の使い方や状況によるので一概には言えません。しかし、頻繁に長距離ドライブをする習慣がなく、走行距離制限の存在がストレスにならないユーザーであれば、あえて乗り放題プランにする必要はないでしょう。
カーリースの中には、中古車を利用できるプランも存在します。
中古車であれば新車よりも低コストで利用することができるので、経済的です。また、走行距離制限が設けられていない乗り放題プランにできることもあるので、ストレスを感じずに運転できるでしょう。
ただし、中古車とはいえカーリースである以上は残価設定があるので、車は丁寧に扱う必要があります。
カーリースで「乗り放題プラン」の契約を結ぶ場合は、リース期間中の車の使い方や車両の状態には特に気を付けましょう。
走行距離制限を気にする必要がないからといって、車を必要以上に酷使すると老朽化や劣化が進み、車の市場価値が下がる恐れがあります。
カーリースでは車の残価が設定されているため、返却時に車の価値が下がっていると、その分の追加料金を請求されることがあります。
リース車両は返却時に元の状態に回復させるのが原則なので、酷使したことによる傷やへこみ、故障などがあれば修理が必要です。
また、リース車を家族や友人知人と共有する場合、自分の車ではないからと乱雑に扱われると、それだけで車がダメージを受けるため注意が必要です。
乗り放題プランを選択したとしても、車の扱いには気を付けましょう。
乗り放題と言っても、燃料代は契約者持ちなので長距離運転による燃料の消費には気を付けましょう。
乗り放題プランにすることで走行距離制限のストレスはなくなっても、燃料代による家計への圧迫がストレスになってしまっては意味がありません。
リース会社によっては、カーリース契約を結ぶことで燃料代が割引きされるサービスを用意しているところもあります。車の主な使用目的や利用頻度などに応じてプランを選び、場合によってはこうしたサービスも利用するようにしましょう。
リース車は、原則として契約期間中の乗り換えは認められていません。契約途中でその車に乗るのをやめたい場合は、中途解約ということになりますが、そうなると違約金を請求されることがほとんどです。
そのため、乗り放題プランで車をリース契約したが、酷使したことで車の劣化が進んだから別の車に乗り換えたいと思っても、簡単にはできません。
カーリースでも中途解約が認められることはありますが、それは契約者の死亡など、やむを得ない事情があった場合に限られます。
中途解約で請求される違約金は、残りの契約期間分のリース料金にあたるので、残り期間が長ければ長いほど高額になるでしょう。そのため、乗り放題プランを選択したとしても、リースした車は丁寧にできるだけ長い期間乗るほうがよいと言えます。
さらに、たとえ乗り放題プランだったとしても、走行距離が極端に長いと車の劣化が進んでいることになります。中途解約時の違約金は車の残価と査定額の差額分も含まれているので、そうなると金額はさらに高額になります。
まとめ
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