新車を購入するのではなく、中古車を選ぶ人が増えており、中古車人気が高まっています。

2023年7月における「日本自動車販売協会連合会」によると、新車販売台数を上回る中古車販売台数となっており、市場において中古車が人気です。

今回は、市場人気の高い中古車に焦点を当てて「中古車カーリース」の詳細について解説します。

契約時に気を付けるべきポイントやメリット・デメリットなどを詳しく解説しているため、ぜひ、最後までご覧いただきカーリース会社選びの参考にしてください。

走行距離無制限の中古車リースは存在する

カーリースサービスの導入当初は、各社とも走行距離を制限したプランが一般的でした。これにより、遠方への旅行や出張、帰省などで車を使用したいドライバーたちにとっては、中々手が出ないサービスのイメージでした。

しかし、最近はカーリース会社も増えており、走行距離を無制限にしたプランを提供するところも増えてきました。その結果、運転シーンにおける自由度が向上しています。

ここからは、新たな選択肢として登場した「走行距離無制限のプラン」について詳しく見ていきましょう。

なぜカーリースは走行距離に制限があるの?

なぜカーリースは走行距離に制限があるの?
なぜ、カーリースには走行距離制限があるのでしょうか?

その理由は、車の価値を過度に落としてしまうと「残価」に悪影響を及ぼす可能性が高いからです。そして、カーリースが安価で借りられる理由も「残価」が関連しています。

ここからは、走行距離と残価の関係について詳しく見ていきましょう。

車の価値は走行距離に影響する

カーリースは、残価設定ローンと同様の方法を取ることで毎月のリース料を低く抑えられます。では、リース料の基準となる残価はどのようにして決まっているのでしょうか?

それは「契約終了時の車の予測価値」を基準としています。車の予測価値は中古車売却価格と同じで、経過年数と走行距離が基準です。そのため、リース契約期間と期間中の走行距離が分かれば残価が導き出され、リース料が設定できます。

しかし、走行距離を無制限にすると残価設定が難しくなり、予測価値を下回る場合、カーリース会社が負担しなくてはいけません。

この事態を回避するために、カーリース会社では走行距離に制限を設けて、残価のコントロールを図っています。

カーリースは残価設定で料金が安くなっている

残価設定により、契約終了時に予測される車の売却価格と、車の購入価格との差額を支払う仕組みが採用されています。

例えば、ある車の現在時点での価格が300万円で、5年のリース期間を想定します。そして、5年後の予測売却価格を100万円として考えてみましょう。

契約中に支払うリース料は、購入価格から予測売却価格(残価)を差し引いた200万円と、リース会社が必要とする手数料で決まります。

残価を差し引いた金額と手数料を合わせた金額を毎月分割して支払うことで、初期投資額を抑えつつ車に乗れます。

この仕組みがあるため、カーリースは経済的な選択肢といえるでしょう。

リース会社の走行距離制限を超過すると、どうなりますか?
リース契約時の走行距離制限を超過した場合、超過した距離に基づいて車の残価を算出し、その差額を追加料金としてリース会社に支払わなければなりません。

用途別!走行距離の平均

用途別!走行距離の平均
リース時の走行距離を決めるときは、自分のライフスタイルを確認しておくことがとても重要です。

車をどのような目的で使用するか、目的地までの距離などを考慮し、超過料金を気にすることなく使用できるようにしましょう。

自宅の周辺や隣町に買い物へ出かける

自宅周辺や買い物で使用するのであれば、年間の走行距離は5,000kmで十分でしょう。

例えば、週に2回の買い物で大型ショッピングモールに行くと仮定します。ショッピングモールへの距離を往復30kmとして、月8回の買い物で240km。年間の走行可能距離は2,880kmとなり、プラスで自宅近くの移動でも乗ることが可能です。

イメージとしては、最寄り駅まで往復距離が4km×毎日送迎(365日)=1,460kmになり、5,000kmの走行距離制限でも収まります。

帰省や旅行など長距離移動

買い物や送迎以外にも、遠方への帰省や旅行でも使いたい場合は、年間走行距離を10,000~20,000kmに設定すると安心できます。

帰省回数を年末年始とお盆に設定して年2回、片道100kmと仮定すると400km。さらに、旅行も夏、冬、春の3回で片道150kmと仮定すると900km。

これらを先ほどの買い物と自宅周辺に要する距離(4,340km)と合わせると、5,640kmです。

年間の走行距離10,000~20,000kmでも余裕があるため、さらに長距離の帰省や旅行があっても安心して出かけられます。

通勤利用

買い物に加えて通勤にも利用する場合は、年間走行距離は10,000kmに設定しておくと安心できます。

通勤距離を片道10km、就業日数を250日とすると年間5,000km。先程の郊外への買い物と通勤距離を加えると、総年間走行距離は7,880kmとなるため、10,000kmに設定しておけば、余裕を持って乗ることが可能です。

仕事終わりに買い物を済ませられれば、走行距離を節約できるため、休日のレジャー施設へ遊びに行ったり、ショッピングモールに行ったり休日の外出先を広げられます。

自身のライフスタイルや立地と相談して、走行距離を決めるとよいでしょう。

走行距離が制限されるデメリット

走行距離が制限されるデメリット
走行距離の制限によって、残価を高く保ちつつ初期費用やリース料金を安くできます。

しかし、制限があることによって走行距離を心配しすぎて運転を楽しめない場合や、ライフスタイルの変化に対応しにくいデメリットがあります。

ここからは、走行距離が制限されるデメリットを紹介します。

走行距離が常に気になる

走行距離が制限されるカーリースでは「走行距離はオーバーしていないだろうか」と心配しながら運転することもあるかもしれません。

車があることで遠方に外出や旅行ができますが「走行距離が心配」と精神的な負担を抱えながら、運転すると楽しさが半減するでしょう。

さらに、走行距離が超過すれば追加料金の発生や残価の減少など、金銭的な負担が発生します。

そのため、走行距離が気になって運転を楽しめない方は、走行距離無制限のプランを検討するのがおすすめです。

ライフスタイルの変化に対応しにくい

引っ越しや転職、子どもの誕生など、ライフスタイルは変化していきます。

例えば、通勤や子どもの送迎で使用する場合であれば、ほぼ毎日運転することになるため、走行距離は大きく増えるでしょう。そのため、当初の走行距離制限を超えてしまう可能性があり、超過料金が発生する可能性も高くなってしまいます。

このように、今後のライフスタイルが予測できない場合は、走行距離無制限のプランを検討することで安心して車に乗ることが可能です。

走行距離無制限のメリット

走行距離無制限のメリット
ここからは、走行距離が無制限の場合におけるメリットを紹介します。

走行距離が無制限であれば日々の運転で走行距離を気にすることなく、急なライフサイクルの変化にも柔軟に対応できます。

さらに、走行距離による超過料金も発生しないため、金銭的な心配をすることなく自分の車のように運転を楽しめます。

長距離移動も安心してできる

車を手に入れて自由に移動したいと考える人は多いでしょう。車があれば子どもを連れた実家への帰省や旅行などのハードルが下がり、どこへでも出かけられます。

また、車の運転が好きな人は一人でドライブして気分転換も可能です。

リース期間満了後に車を譲渡してもらえる

走行距離が無制限の場合、契約終了時に車を貰えることがほとんどです。これは、契約終了時の走行距離が予測できず、残価を設定できないことで生じます。

慣れ親しんだ車が手に入ると資産としてもメリットがありますし、生活スタイルを変えずに済む点も安心できます。

ただし、リース会社によっては走行距離無制限でも返却が必要な可能性もあるため、契約時に確認しておきましょう。

最後にリース車を譲渡してもらえるなら最初から購入したほうがお得なのではないですか?
車の購入とリースを比較すると、最終的な費用は購入したほうがお得です。ただ、購入の場合は各種手続きやメンテナンス、税金の支払いをご自身で行わなければなりません。リースの場合、契約満了時に車を気に入れば譲渡、不要と判断すれば返却するなど、プランによっては契約者本人の意向で自由に選択できます。

走行距離無制限のプランでよくある失敗例

走行距離無制限のプランでよくある失敗例
走行距離が無制限になれば、自分の好きなように走れるでしょう。しかし、走行距離が長くなることで思わぬアクシデントに見舞われる可能性があります。

ここからは、走行距離無制限のプランでよくある失敗例を紹介していきます。

距離に制限がなく車を使い込めるが故障が起こる

走行距離が無制限になれば、自由に運転できるため気兼ねなく遠出ができます。しかし、走行距離が長くなれば、その分車の消耗や劣化が進み、思わぬ故障に繋がる可能性があります。

例えば、2022年度 JAFロードサービス出動理由によれば、救援要請の第2位は「タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足」です。

走行距離が長くなればタイヤの摩耗や劣化、空気圧の減少が起きやすくなり、事故や故障につながる危険性が高まります。

走行距離に制限がなく車を使い込めるとしても、定期的な点検やメンテナンスが必要でしょう。

別途メンテナンスプランに加入が必要だった

上記で述べたように、走行距離を無制限にすると消耗や劣化が進んでしまい、故障するリスクが高くなります。そのため、カーリース会社では定期的にメンテナンスを受けられるプランを設定していることがあります。

メンテナンス内容として、車検や法定12か月点検、ブレーキオイルの点検などを基本設定している会社がほとんどです。

その他のエアコン点検やバッテリー交換などは、上位グレードのメンテナンスプランで設定されている傾向にあります。

定期メンテナンスプランは、料金がかかるデメリットはありますが、突発的な支出を抑えられるメリットもあります。

カーリース会社によって、メンテナンスプランの加入が必須かどうか異なるため、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。

無制限だけど契約期間が長期だった

走行距離が無制限の場合、カーリース契約期間が7年以上と長期に渡ることがほとんどです。そのため、流行の車を追いかけて楽しみたい方や、さまざまな車に乗って楽しみたい方には、デメリットになるでしょう。

さらに、一般社団法人 日本自動車工業協会が行った「2021年度 乗用車市場動向調査について」によれば、一般世帯において自動車の平均保有期間は平均「7.1年」です。

このデータから、多くの人は平均7年ほどで車を手放すか買い換えると予測できます。

7年ほどで買い換えるのが一般的な状況で、カーリースの7年契約は大きな縛りとなってしまいます。走行距離が無制限だからとすぐに契約しないよう気をつけましょう。

リース車をもらえるけどカスタムは不可だった

自分の車が手に入れば、ホイールをカスタマイズしたり、内装に手を加えたりと、改造したい人は少なくありません。

走行距離が無制限プランの場合、基本的に契約終了後は車両を譲渡してもらえることがほとんどです。そのため、多くのカーリース会社では契約期間中に車をカスタムすることを可能にしています。

しかし、中には契約期間中のカスタムは禁止にしている会社もあり、車いじりの楽しさを味わえない可能性があります。

この場合、最終的にもらえる車であっても、契約終了までカスタムを我慢しなければなりません。

特に、初期費用を抑えつつ車のカスタムを楽しみたい方は、契約期間中にカスタム可能かどうか、さまざまなカーリース会社を比較検討することが重要です。

走行距離無制限プランの契約期間終了後に車を返却する場合、別の料金などは発生しますか?
走行距離無制限プランは契約満了時に車を譲渡してもらえますが、もし返却をするのなら走行距離制限に応じた追加料金と残価精算が発生する場合があります。返却した場合の制限距離はリース会社によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

走行距離制限のあるプランが向いている人

走行距離制限のあるプランが向いている人
走行距離が無制限のプランは、メンテナンスプランへの加入が必要であったり、契約期間が長くなったりとデメリットが存在します。

ここからは、走行距離を制限したプランが向いている方の特徴を紹介します。自分のライフスタイルに合っているか確認してみましょう。

月額料金を安くしたい

月額料金を安く抑えたい方は、走行距離制限プランがおすすめです。

走行距離を制限することで車の価値を維持でき、かつ残価が高くなり、その結果、毎月のリース料を安く抑えることが可能です。

さらに、リース車を新車から中古車に変更することで、月額料金をさらに安く抑えられるでしょう。

車の使用頻度が少なかったり、新車にこだわりがなかったりするようであれば、中古車リースで走行距離制限プランを検討してみてはいかがでしょうか。

生活圏内から出ることがあまりない

車の使用目的が近所への買い物や、隣町への外出程度であれば、走行距離を無制限にする必要はありません。

加えて、結婚していて自宅購入済みの場合や、転勤の可能性が低いような仕事であれば、将来ライフスタイルが大きく変化することも少ないでしょう。

このように、車の使用用途が隣町への買い物程度であり、今後のライフスタイル変化が小さい場合は、走行距離を制限することでカーリース料金を安く抑えられます。

契約前に使用用途やこれからのライフスタイルについて考えておくことが大切です。

半年〜数年で乗り換えたい

車が大好きで色々な種類を試してみたい方、同じ車では飽きてしまう方などは、半年~数年で乗り換えられるプランを利用することでカーリースを楽しめます。

車を購入する場合、半年~数年で乗り換えるのは金銭的な負担が大きく、手続きの手間も増えてしまいます。しかし、カーリースなら面倒な書類も少なく、初期費用も抑えられるため、気軽に乗り換えられるのがメリットです。

カーリース会社によって取り扱う車種が異なるため、乗ってみたい車があるか確認しておきましょう。

走行距離無制限のプランに向いている人

走行距離無制限のプランに向いている人
走行距離無制限のプランは、自家用車と同じように利用できるため、幅広いメリットが存在します。これにより、自由な移動が可能になり、多様なライフスタイルに適応可能です。

ここからは、走行距離無制限のプランが適している人を紹介します。

急な転勤や出張が多い

急な転勤や出張が多い人にとって、車は欠かせないものです。知らない土地への移動は走行距離が分からず、走行距離制限下では安心して運転できません。さらに、転勤先や出張先では不慣れな道を利用することで道に迷う可能性もあります。

車であれば仕事終わりの深夜に移動できるため、残業の多い方でも自分のペースで出張先に向かうことが可能です。

カーリース車であれば基本的にカーナビが装備されているため、初めての土地で道に迷うようなトラブルも最小限に抑えられるでしょう。

仕事への影響を抑えつつ、移動の自由を確保できる走行距離無制限プランは、転勤や出張が多い方には優れた選択の一つです。

旅行が好き

旅行好きには走行距離無制限が心強い味方です。旅行先では、地元民に聞いた穴場スポットや急なスケジュール変更などで、予期せぬ場所へ行くこともあります。

走行距離制限があると、せっかくの旅行でも我慢する必要が出てきてしまい、心の底から楽しめないでしょう。

さらに、アクティビティを楽しむ旅行では海や山、川に行くことが多く、車が必須な場所も多くあります。車であれば行き先の自由度も高く、旅行プランの幅が大きく広がること間違いなしです。

旅行先で自由気ままにドライブや観光をするためには、走行距離無制限プランがおすすめです。

車をそのまま自分のものにしたい

走行距離無制限プランであれば、基本的にはカーリース契約終了後には車が自分の物になります。契約期間中に車体に傷がついても、走行距離が増えても、自分の所有物になるのであれば問題ありません。

つまり、走行距離無制限プランでは契約中も自分の車のように気兼ねなく運転を楽しめます。

さらに、初期費用を抑えて将来の車を自分のものに出来るため「今、お金がない人」も車を手にするチャンスといえるでしょう。

ただし、契約会社やプランによって制限が異なるため、必ず事前に契約内容を確認しましょう。

長く乗って愛着の湧いた車をそのまま自分の物にできる走行距離無制限プランで、カーライフを充実させてみてはいかがでしょうか。

まとめ

①走行距離無制限の中古車リースも存在する
②用途によって月々の走行距離は異なる
③走行距離に制限があると気になってしまうが、無制限なら安心
④走行距離無制限プランのリース会社はたくさんあるので比較検討しよう
⑤自分の用途やライフスタイルに合わせてプランを選択しよう

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カーリースってどんなクルマが選べるの?
グーネット定額乗りマガジン編集部
グーネット定額乗りマガジン編集部

カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。