リース料金を条件付きで全額経費にできたり経理処理が楽になったりなど、法人にとってカーリースはメリットの多い仕組みです。

しかし、創業したばかりや財務状況が不安定などの理由により審査に不安がある法人もいるでしょう。

カーリースの審査基準は会社によって異なり、中には基準の甘い会社もあります。

この記事では、法人向けにカーリースの審査が甘い会社の特徴について解説します。審査に通りやすいカーリース会社を探しているご担当者様はぜひ参考にしてください。

法人でカーリースを利用するなら審査が甘い傾向にある会社を探そう!

法人でカーリースを利用するなら審査が甘い傾向にある会社を探そう!
カーリースを利用するには審査に通る必要があります。審査基準は公開されていないものの、法人の場合は財務状況や借入金の額などから返済能力をチェックされることが多いでしょう。

ただし、会社によって審査基準は異なるため、他社よりも審査が甘い会社もあります。下記で紹介するポイントを確認し、審査の甘い会社を探しましょう。

審査が甘いリース会社の特徴

ここからは、審査が甘いリース会社の特徴について紹介します。

法人の場合、カーリースの審査では創業年数や事業内容、財務状況などがチェックされます。場合によっては審査に落ちることもあるため、特に創業して間もない法人や財務状況の不安定な法人は審査の甘いリース会社を利用すると良いでしょう。

経営の安定化と平行して、審査に通りやすいリース会社を探す際に参考にしてください。

月額料金が安いプランを扱っている

カーリースは月額制が一般的ですが、料金は会社によって異なります。

カーリースの審査では収入に対する支払い金額の比率、いわゆる返済負担率をチェックされます。

例えば、年収200万円の方が月額15,000円の車を借りるのと、月額30,000円の車を借りる場合では、前者の方が支払いが滞る可能性は低いでしょう。そのため、月額料金が安いほど審査は通過しやすくなります。

ただし、月額料金が安くてもボーナス払いがあるプランには注意が必要です。ボーナス払いを含めた年間の総支払額が高くなれば、審査が通りにくくなります。

自社で審査を行っている

一部のカーリース会社では、信販会社を通さずに自社で審査を行っています。自社審査では信販会社と異なる基準で審査を行うため、他社よりも審査が甘い可能性があります。

ただし、自社審査でも信販会社と同様に厳しい審査基準を持っていることがあるため、必ずしも審査が甘いとはいえません。他社でカーリースが通らなかった方でも審査基準が異なれば、通過する可能性があるということです。

審査の甘いカーリース会社を探す選択肢として押さえておきましょう。

大量購入・大量保有を行っている

車の大量購入・大量保有を行っているカーリース会社も、審査が甘い可能性があります。

全国に支店を持つ大手では、一度に多くの台数を購入することによって、車を安く仕入れることが可能です。また、リースが終わった車の販売先を持っていることもあります。

こうしたコストダウンにより大量購入・大量保有している会社ではカーリース料金をおさえることが可能です。料金が安いほど、同じ収入でも返済負担率が下がるため一般的に審査は通りやすくなります。

Webで申し込みができる

Webで申込みが可能であることも審査が甘い会社の特徴です。

オンライン申込みを取り入れると店舗運営にかかる家賃や人件費などのコストを削減できるため、月額料金や手数料をおさえることが可能になります。結果として、収入に対する返済負担率が下がり審査に通りやすくなるのです。

対面でもWebでも申し込みできるカーリース会社の場合は、どちらの方法で申し込んでも原則として審査基準は同じでしょう。

対面に比べてWebでの申込みは、いつでもどこでも好きなタイミングで申込みできるため、時間を有効に使えるというメリットがあります。

審査が甘い会社の場合、必ず審査に通りますか?
審査が甘い会社でも必ず通るとは限りません。審査基準が甘いとはいえ、審査を行わないわけではないためです。
車のリース料に対して法人の収益が低すぎたり、信用情報に問題があったりすると審査の甘い会社でも断られる可能性はあります。
審査に不安がある場合は低価格のプランを選ぶといった工夫も大切です。

法人のカーリースで審査に落ちる原因

法人のカーリースで審査に落ちる原因
ここからは、法人がカーリースに落ちてしまった場合に、考えられる原因を3つ紹介します。

基本的にカーリースの審査では結果のみが知らされ、判断理由は教えてもらえません。しかし、審査に落ちやすい法人の傾向を知ることは理由を推測したり、対策したりするのに役立つでしょう。

財務状況が安定していない

カーリースの審査に落ちる法人の多くには、財務状況が安定していないという特徴があります。

カーリースの審査を通過するために大切なポイントは将来にわたってリース料金を支払えることです。収益に対してリース料金の比率が高いケースなど、支払いにゆとりがない場合は審査に通りにくくなるでしょう。

法人がカーリースの審査を受ける場合、決算書の提出を求められるのが一般的です。収益や資本金、債務などを見て不安定だと判断されると、審査に落ちる可能性があります。

経営者の信用情報に問題がある

経営者の信用情報に問題がある場合も法人のカーリース審査に落ちることがあります。

信用情報とは、クレジットやローンなどの取引を記録したもので、審査の際に参考にされる情報です。氏名や生年月日、過去のクレジットやローンの契約内容および返済状況などが記録されます。

過去にローンの返済が遅れたり、債務整理したりした情報が登録されていると、支払い能力に不安があるとしてカーリースの審査に落ちることがあります。

住宅ローンや車のローン、スマートフォンの分割購入などを利用している方は支払いが遅れないように注意が必要です。

他の借り入れが多くある

借り入れが多い法人も審査に落ちやすい傾向にあります。

他からも多く借り入れている場合、収益の一定の割合を返済にあてる必要があります。その結果、カーリースの料金が滞る可能性があると判断されれば、審査に落ちてしまうでしょう。

また、借り入れが多すぎること自体が、債務超過に陥るなど、法人の経営を不安定にする原因になることがあります。

カーリースの審査では信用情報を確認することにより、他社からの借り入れの状況も把握されます。審査の前に必要のない資金は早めに返済することも検討しましょう。

カーリースで審査に落ちた際の対処法

カーリースで審査に落ちた際の対処法
ここからは、カーリースで万が一審査に落ちた際にできる対処法について紹介します。

審査に落ちてもカーリースの利用を諦めるのは早いでしょう。審査に通らなかった原因にあわせて対策を取れば契約できる可能性はあります。

また、審査基準の異なる他のリース会社を利用するのも方法の1つです。審査に落ちてしまった際に参考にしてください。

信用情報を確認する

法人の財務状況やクレジットヒストリーに問題がないにもかかわらず、カーリースの審査に落ちた場合は、信用情報を確認するのも方法の1つです。

日本には主に3つの信用情報会社があり、いずれも開示請求することで記録されている情報を見ることが可能です。

カーリースの審査の場合は、CICまたはJICCに開示請求を行うとよいでしょう。

開示請求の方法はオンラインまたは郵送の2つあり、本人確認書類や請求書、手数料などが必要です。オンラインによる請求は結果がすぐに確認できるため特におすすめです。

自分と会社それぞれの信用情報を取得したら、審査に落ちた理由となりそうな項目を確認しましょう。

例えば、支払い延滞の記録は5年〜7年で消えるとされています。また、誤った情報が登録されている場合は、訂正を依頼することも可能です。

会社の財務状況の改善に取り組む

審査に落ちた理由が法人の財務状況にあると思われるときは、改善に取り組みましょう。

具体的には利益率を高めて収益を増やしたり、資本金を増やしていざというときに備えたりする方法などがあります。コストカットや借り入れ金の返済も効果が期待できます。

すぐに効果が現れるものもあれば、改善まで時間がかかるものもありますが、コツコツと取り組むことが大切です。

財務状況の改善により、カーリース料金を問題なく返済できると証明できれば審査に通る可能性は高くなるでしょう。

リースのプランを見直す

リースのプランを見直し、より料金の安いプランに申し込めば審査に通ることもあります。グレードや車種を変えたり、オプションを外したりしてリース料金が下がるか試してみましょう。

オンラインで見積もりが取れるサイトなら、様々な条件でのリース料金を簡単に比較できます。リース料金が下がれば返済能力に余裕が生まれます。

審査に落ちた理由は原則として公開されないため正確な原因を知ることはできないものの、カーリースの返済能力を不安視されて落ちるケースは少なくないでしょう。

リースに落ちた原因がわからないときに試してみたい方法です。

頭金を用意する

手元の資金に余裕がある場合は、頭金を入れることを検討しましょう。

頭金を支払うことで毎月の返済金額が少なくなるため、審査に通る可能性があります。ただし、頭金を入れられないリース会社もあるため、事前に確認が必要です。

また、頭金としてまとまった金額を支払うと手元の現金が減ってしまいます。頭金を支払ったために借り入れを増やすような状況になると、法人の経営が不安定化するおそれもあります。特に創業直後など、資金繰りが厳しいときは無理しないことが大切です。

他のリース会社を検討する

審査基準はカーリース会社によって異なるため、審査の甘い会社を選んで申し込むのもおすすめです。

特にリース料金の安い会社は返済額をおさえられるため、審査に通りやすくなります。また、自社審査の会社は独自の審査基準を持っているため、他社で断られた法人でもリースできる場合があります。

なお、審査の甘い会社を選ぶ際も、審査に落ちた理由を分析し対策を取ってから申し込むとよいでしょう。

法人の財務状況や信用情報など、審査でチェックされる項目はある程度共通しています。改善できるところは直してから申し込むことで、審査に通過する可能性が高くなるでしょう。

カーリースは契約年数が長いほうがお得ですか?
カーリースの契約年数は1年〜3年程度が一般的ですが、より長い期間の契約を結ぶことも可能です。契約年数が長くなるほど支払回数が増えるため、同じ車種・グレードでも月額料金が下がる傾向にあります。できる限り料金をおさえたい場合は、契約年数を長くすることも検討しましょう。
ただし、契約後はリース期間を変更できないため、近い将来に収入や生活環境などが変わる可能性がある場合は慎重に判断することが大切です。

法人がカーリース契約に向けて取り組みたい財務状況の改善方法

法人がカーリース契約に向けて取り組みたい財務状況の改善方法
ここからは、法人がカーリース契約に向けて取り組みたい財務状況の改善方法について紹介します。

カーリース審査で重視される返済能力を高めるには、財務状況の改善が効果的です。また、法人の経営安定性を高めることにもつながります。

以下で解説する3つの手順に沿って進めましょう。

1.財務分析の実施

財務状況を改善するにはまず丁寧な分析により、現状を把握することが大切です。特に以下の3つのポイントは必ず押さえておきましょう。

  • キャッシュフロー
  • 経常運転資金
  • 債務償還年数

利益が出ていてもキャッシュフローに問題がある法人は、いずれ経営が不安定になる可能性があります。そのため、まずはキャッシュフローの状況を確認しましょう。

経常運転資金ならびに債務償還年数はキャッシュフロー改善のために借入金を見直す際に必要となる情報です。

2.財務体質の改善

財務体質を改善する主な方法は、金融機関からの借り入れの組み換えです。

ただし、いきなり組み換えを提案しても金融機関からの承認が下りるとは限りません。財務分析によって得られた情報をもとに改善が必要な理由や今後の自社の経営方針といったビジョンを伝えることが必要です。

また、金融機関の視点から見た自社の評価も参考にするなど、しっかりとコミュニケーションを取ることで財務体質の改善がスムーズになるでしょう。

3.新しい財務管理体制の構築

借り入れの組み換えによって財務体質が改善されても、時間が経てば財務状況は再び悪化してしまう可能性があります。

月次での損益や資金繰りの管理などを取り入れ、財務体質の維持向上ができる管理体制を構築しましょう。

財務担当者を育成したり、役員に財務状況を共有したりすることも大切です。

新しい財務管理体制を構築するには時間がかかることもあります。場合によっては外部の手も借りながら進めていきましょう。

【参考】カーリース代の経費計上について

【参考】カーリース代の経費計上について
ここからは参考として、カーリース料金の経費計上について紹介します。

法人がカーリースを利用する場合、リース料金を経費計上できることがメリットとして挙げられます。経費計上した金額を利益から差し引くことにより、最終的に支払う税額を減らせるためです。

ただし、リースした車の用途によってはリース料金の全額を経費計上できないケースがあるため注意しましょう。

仕事のみで利用する場合

仕事に使用する目的で借りた車のリース料金は基本的に全額を経費として計上できます。

そもそも購入する場合、車は固定資産として扱われるため法定耐用年数にあわせて減価償却が必要です。一方、カーリースは車の所有権が移らないため固定資産とならない点に違いがあります。

保険や税金などの費用も含まれたリース料金を経費とすることで経理の手間を省けることもメリットです。

ただし、リース料金全額を経費とできるのは車が仕事に必要、かつ仕事以外に使用していない場合に限られます。

例えば、高級車やスポーツカーであれば、実際に仕事で使用しているか厳しくチェックされる可能性があります。

公私ともに活用する場合

法人の規模が小さい場合など、社用車としてリースした車をプライベートで使う場合もあるでしょう。公私ともに車を使う場合は全額ではなく、仕事に使用した分だけを経費として計上できます。

経費を計算する方法に決まりはないため、自営業やフリーランスの家事按分を参考にするとよいでしょう。

家事按分とは、仕事とプライベートの比率に応じて費用を振り分けることです。例えば、1か月に500km走る場合、仕事目的が400km、プライベートが100kmならリース料金の80%を経費にできます。

税務調査などで説明を求められる可能性もあるため、使用目的ごとに走行距離を記録するといった方法で経費とした金額の根拠を説明できるようにすることが大切です。

財務改善は誰かに相談するほうが良いですか?
財務改善には様々な方法があります。法人が抱えている問題によっては解決策を見つけたり実行したりするのが難しいケースもあるでしょう。また、経営者自身は忙しくてじっくりと財務分析する時間がないこともあるため、困ったときはコンサルティングや税理士などに相談するのも良い方法です。

まとめ

①月額料金が安い・自社審査を行っているなどの特徴を持つカーリース会社は審査が甘い傾向にある
②支払額が低いほど返済能力に余裕が生まれるため審査は通りやすくなる
③法人がカーリースの審査に落ちる理由としては、経営が安定していないことや借り入れが多いことがある
④カーリースの審査に落ちた場合、プランを見直したり審査の甘い会社に申し込みしたりするとよい
⑤財務分析や借り入れの組み換えなどによって財務状況を改善させることも法人がカーリースの審査を通過するために大切なポイント

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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