カーリース契約を結ぶ際に、現在加入している任意保険の等級が引き継がれるかどうかを知りたいという方は少なくないでしょう。

特に、任意保険の等級をリース車両に引き継ぐことにより、無事故の実績が新しい車にも反映され、保険料を抑えられる可能性があります。

しかし、カーリース契約で任意保険を引き継ぐためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか。

この記事では、任意保険の引き継ぎ方法や注意点を軸に、保険がセットになったカーリースのメリット・デメリットまで詳しく解説します。

任意保険の引き継ぎはスピーディーに行おう

任意保険の引き継ぎはスピーディーに行おう
カーリースを利用する際に、自分が既に契約している任意保険の等級を引き継ぐことが可能ですが、できない場合もあるため事前にしっかりと確認しておきましょう。

引き継ぎが可能な場合であれば、手続きをできるだけ早めに済ませてしまうことが大切です。任意保険の手続きを速やかに完了させることで、運転に安心感が生まれるとともに、不安感から生じる余計な運転トラブルを避けられるでしょう。

カーリースの任意保険は引き継げる?

カーリースを利用する際に、自分が現在加入している任意保険を引き継げるか気になっている方は多いのではないでしょうか。

多くのカーリース契約において保険の引き継ぎが可能ですが、その契約内容によっては、手続きや保険料の変更が必要になる場合もあります。

そのため、任意保険の引き継ぎを検討している場合は、リース会社と保険会社に対して事前に確認を取り、引き継ぎを円滑に進めるための準備をしておくことが重要です。

ここからは、カーリースの任意保険を引き継げるのはどのような場合なのかについて具体的に解説します。

原則、引き継ぎは可能

結論から述べると、現在加入している任意保険は、通常の保険と同じように「車両入替」の手続きを行うことで引き継ぎ可能です。保険の等級は、自分が加入していたものがそのまま適用され、保険料の割引も引き継がれます。

しかし、引き継ぎを行う場合は、手続きのタイミングに注意しなくてはなりません。車両入替の手続きは、納車前に完了させておくことが推奨されます。あらかじめ手続きを済ませておくことで、リース車の納車前と納車後で保険の空白期間が生じることなくスムーズに移行できるでしょう。

ただし、等級を引き継げるのは、旧車両の保険解約後7日以内に限られます。この期間内に引き継ぎを完了する必要があるため、手続きはスピーディーに行いましょう。

任意保険がセットになっているリースは不可能

カーリースの中には、リース契約と任意保険の加入がセットになっているプランもあります。この場合は既存の任意保険の継続が不可能であるため注意が必要です。

任意保険付きカーリースは、リース会社が団体契約する保険であるため、個人が加入している保険の等級を反映できません。そのため、個人で契約している任意保険は「中断手続き」を行うことにより、元の等級を保留しておくことが推奨されます。

任意保険がセットになったカーリースを契約するために、以前からの保険を完全に解約してしまうと等級がリセットされてしまうため、中断手続きを忘れないよう実行しましょう。

自動車保険について理解を深めよう

自動車保険について理解を深めよう
自動車保険には2種類あり、自賠責保険と任意保険に分かれています。カーリースの任意保険に関連するトラブルを避けるためには、自賠責保険と任意保険の相違点をしっかりと理解することが重要です。

両者の違いを理解した上で適切な保険に加入することで、安心してカーライフを満喫できるでしょう。

ここでは、自賠責保険と任意保険、2種類の自動車保険について解説します。

自賠責保険について

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は法的に加入が義務付けられている保険で、すべての車両はこの保険に入らなくてはなりません。

自賠責保険は、事故を起こした場合に損害を補償するための保険です。事故で相手を死なせたり、重傷を負わせてしまったりした際に、被害者に賠償することがこの保険の目的であるといえます。

ただし、自賠責保険の補償対象は対人のみに限定され、対物の賠償や車の修理費用、自分自身の治療費などは補償の対象外です。また、補償額には上限があり、それを超える分は加害者が自ら負担しなければなりません。

自賠責保険だけでは補償額が十分でないケースが多いため、より手厚い任意保険に加入することが推奨されます。

任意保険について

任意保険は自動車事故に備えるために必要で、自賠責保険だけでは補償しきれない範囲をカバーするための保険です。

任意保険には、対人・対物賠償や車両保険、人身傷害補償をはじめとした様々な補償内容が用意されています。対人賠償は自賠責保険で補償しきれなかった分をカバーし、対物賠償は相手の車や財物への損害を賠償する点が特徴です。

また、車両保険は、自動車同士の事故や、単独事故の際に自分の車が受けた損害を補償します。さらに、車両保険では盗難や当て逃げなど、幅広い損害を補償可能です。

自賠責保険はいつ支払いを行うのですか?
自賠責保険は、車両登録や車検の際に支払うのが一般的です。カーリースの場合、自賠責保険料はリース会社が支払うため、契約者は月々のリース料金に含まれる自賠責保険料を支払います。そのため、カーリースの利用者が個別に自賠責保険の保険料を支払う必要はありません。

カーリースで任意保険(車両保険)が必要な理由

カーリースで任意保険(車両保険)が必要な理由
カーリースを契約する際には、安心して車を使うために任意保険、特に車両保険に加入しておくことが強く推奨されます。リース車両の所有権はリース会社にあるため、車両に損害が生じた場合、契約者はその損害を自ら補償しなくてはならないからです。

ここでは、カーリース契約において、任意保険加入が必要な理由と具体的なメリットについて解説します。

修理費用をカバーするため

カーリースを利用する際に車両保険に加入する最も大きなメリットは、もしもの事故や不注意による車両の修理費用をカバーできる点にあります。

車両のグレードや年式にもよりますが、車の修理費用は思ったよりも高額になる場合がある点に注意しましょう。

リース車両は、契約終了時にリース会社へ返却する必要があり、その際に大きな損傷は修理しておく必要があります。しかし、車両保険に加入していることで、リース車両の修理費用を補償してもらえるため、自己負担を避けて安心して車に乗れるでしょう。

修理費用が予想外に高くなる場合も考慮して、リース契約の際は任意保険への加入が必須と言えるでしょう。

交通事故に備えるため

車両保険に加入しておくことにより、予測できない交通事故に備えられるというメリットもあります。

交通事故は、自分がどんなに注意していても巻き込まれる可能性があり、完全に回避することは不可能です。もしも交通事故の加害者になってしまった場合は、相手の車両や所持品を賠償するだけでなく自分の車両の修理費も発生してしまいます。

リース車を損壊したまま修理しないでいると、リース契約終了時に多額の違約金を請求されることもあり、修理費用は自賠責保険だけではカバーしきれないため、任意保険の加入が推奨されるのです。

全損に備えるため

車両保険は、リース車が全損してしまった場合にも備えることが可能です。全損とは、車両が修理不能なほど損壊した場合や、修理費用が車両の価格を超過する場合を指します。

リース車両を全損してしまったときには、リース契約が強制解除され、違約金の支払いや残ったリース料金の返済が必要です。リース車両は自分が所有する車ではなく、リース会社から借りているものであるため、全損事故は大きな経済的負担となるでしょう。

車両保険に加入しておけば、事故による損害を保険金がカバーしてくれるため、大きな費用を自腹で払う必要がなくなります。その点からもリース契約の際に任意保険に入ることの必要性が高いことがわかるでしょう。

【参考】任意保険がついたカーリースのメリット

カーリースには任意保険がセットになっているプランがありますが、このようなプランを利用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、任意保険がついたカーリースの具体的なメリットを3つ紹介します。

①保険商品で迷わない

カーリースに任意保険がセットになったプランを選ぶことにより、数々の保険商品の中から自分にあったものを選定する作業が不要となるメリットがあります。

カーリースを利用する際に、どの保険に入れば良いのか、等級の引き継ぎや新規加入のどちらが良いのかなど、多くの情報を比較するのは大変です。しかし、任意保険がカーリースとセットになっていれば、多くの手間や労力を削減できるでしょう。

様々な保険会社が提供している各種プランを把握する必要もなくなるため、リース契約までに多くの情報を取捨選択して最適なプランを決めておくという精神的負担もなくなります。

②手続きが楽になる

カーリースに任意保険加入がついているプランでは、リース契約の手続きがシンプルで楽になるという利点もあります。

カーリース契約を結ぶ際に任意保険をつけたい場合、通常であればリース会社とのリース契約の後に、保険会社でも別途保険加入の手続きを行わなければなりません。

しかし、リースと保険がセットになったプランであれば、リース契約時に保険の手続きも完了できるため、手続きが煩わしいのは嫌だという方にとって非常に大きなメリットになるでしょう。

保険会社とのやり取りや契約内容の確認など、細々とした確認作業もなくなるため手続きの手間が大幅に軽減されます。

③料金の支払いがスムーズになる

リース料金の支払いと任意保険料の支払いを別々にする必要がないため、料金の支払いがスムーズになる点もメリットです。

任意保険付きのカーリースプランでは、リース料と保険料を一括で支払うため、支払いの管理もシンプルにできます。また、料金の支払いが簡略化されることにより、車の維持費を把握しやすくなるメリットも期待できるでしょう。

そのうえ、任意保険付きカーリースでは、保険を使用してもリース月額は変わらないケースが多く、万が一事故を起こした場合の保険料を心配しなくても良くなります。

【参考】任意保険がついたカーリースのデメリット

リース料金と保険料を一括で支払えるといったメリットがある一方で、任意保険付きカーリースプランにはいくつかのデメリットもあることを押さえておくことが大切です。

ここでは、任意保険がついたカーリースの具体的なデメリットについて詳しく解説します。

カーリースを利用する前にデメリットを正しく把握しておくことにより、自分に最適なプランを選ぶ際の参考になるでしょう。

補償内容が決まっている

任意保険がセットになっているカーリースプランは、最初から保険内容が決まっているため、補償内容を自分の状況に合わせて柔軟にカスタマイズできないというデメリットがあります。

自分で任意保険に加入する際は、対人・対物賠償の上限や特約を追加するなど、自分好みに補償内容を設定できるため、予算やライフスタイルに合わせた保険を選択可能です。

しかし、保険付きリースの場合、補償内容はリース会社によりあらかじめ設定されており、細かい条件設定はできないことが多いでしょう。そのため、補償内容に疑問がある場合は事前によく確認し、不明瞭なまま契約しないことが重要です。

保険料が一定

任意保険付きカーリースプランでは、等級に関係なく保険料が一律である点がデメリットとなります。

一般的な保険契約では、無事故の期間が長くなれば保険料も安くなるという等級制度が採用されていますが、あらかじめ保険が含まれるカーリースプランの多くでは、等級による割引が適用されません。そのため、無事故期間が長い優良ドライバーにとっては、本来より保険料が割高になる可能性があります。

また、年齢や運転歴に応じた保険料の調整もないため、個別に任意保険に加入する場合よりも保険料が高くなる場合もあるのがデメリットです。

制約に注意が必要

任意保険がセットになったカーリース契約では、一般的なリース契約と比較して制約が多い場合があるため注意が必要です。車両の使用条件が厳しくなったり、事故後の対応が制限されたりする場合があります。

例えば、家族以外の第三者に車を貸した場合に保険が適用されない、事故の後に修理する際にはリース会社が指定する修理会社を使うことなどが挙げられるでしょう。

補償内容はまったく変更できないのですか?
任意保険付きカーリースの補償内容は、基本的な補償内容が固定され変更できないのが一般的です。一部のリース会社では、特約の追加や補償範囲の拡大が可能な場合もありますが、その多くは追加料金が必要となります。
変更可能かどうかは、リース会社によっても異なるため、事前にしっかりと確認することが大切です。

事前に知っておきたい任意保険の豆知識

事前に知っておきたい任意保険の豆知識
自分に合った任意保険を選び、保険加入によるメリットを最大化するためには、様々な基本知識が必要になります。

任意保険に加入するにはどうすれば良いのか、保険にはどのような種類やオプションがあるのかなどは、ぜひ押さえておきたい情報です。

ここでは、任意保険の加入前に知っておきたい豆知識を紹介します。

加入は代理店とネットからの2種類

任意保険に加入するには、代理店を通して加入する方法と、インターネットを利用して直接加入する方法があります。

代理店を通す場合は、担当者と話し合いながら契約者に適したプランを念入りに選べるため、保険にあまり詳しくない人や、自分のライフスタイルに合わせたプランをカスタマイズしたい人などに最適です。

相談に乗ってもらいながら決められる安心感があるため、代理店を通して加入する方は今でも多いです。

一方、ネット加入の場合は手続きが簡単で、24時間いつでも申し込める点がメリットです。また、代理店を通していないため、保険料が割安になる傾向があります。

保険の種類は様々

任意保険には様々な種類があり、自分のライフスタイルや目的に応じて選ぶことが重要です。

自動車保険の代表的なものとして、対物賠償保険と対人賠償保険があり、事故で他人の財物に損害を与えた場合や、相手に怪我を負わせた場合の修理費や治療費をカバーできます。

また、車両保険では、事故や災害などで損傷した車両の修理費用をカバーでき、自分自身の怪我や死亡に補償を適用する損害補償保険も重要な保険です。

特約も様々

任意保険には、基本的な補償のほかに様々な特約を追加できる特徴があり、それぞれのニーズに応じて幅広いオプションが選択可能です。

代表的な特約として、「弁護士費用特約」が挙げられます。交通事故を起こしてしまった際には、弁護士に対する法律相談や示談交渉、訴訟費用などの費用をカバーできるオプションです。

そのほかにも、事故時の映像を記録し事故後のトラブルに対応するために、通信機能付きのドライブレコーダーを支給する「ドライブレコーダー特約」も需要があります。

また、事故で車が使えなくなったときにレンタカー費用を補償する「レンタカー費用補償特約」やその他の特約も人気です。

特約は、自分のライフスタイルや利用目的に応じて、無理のない選択を心がけましょう。

特約はつけるべきですか?
必要がなければ無理に特約をつけなくても問題ありません。しかし、運転頻度や車の使用目的によって、必要な特約があれば追加料金を支払って特約をつけるのが良いでしょう。
自分にとって必要な特約が用意されているか、事前にリース会社や保険会社に確認しておくことが重要です。

まとめ

①任意保険の引き継ぎは原則可能である
②自賠責保険と任意保険の違いを理解し、保険の重要性を認識することが重要
③カーリースでは修理費用や事故に備えるため、任意保険に加入することが推奨される
④任意保険付きカーリースは手続きが簡単だが、補償内容の制約には注意が必要
⑤特約は自分のライフスタイルや車の用途に合わせて選ぶことが大切

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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