社用車の使用が日常的となっている企業も多いです。営業車として顧客に荷物を運ぶこと、商談に向かう際の移動手段としても利用頻度は高いでしょう。

法人の車を資産として企業が所持することもありますが、カーリースで賄っている企業もあります。法人がカーリースすることは本当にお得なのでしょうか。その点を知っておくことも必要です。

今記事では、法人の車をカーリースにする際のメリットやデメリットを踏まえた上で、一括で購入した場合との比較もしながら、お得な方法かを解説します。

法人向けカーリースの仕組みと特徴とは?

カーリースは車を購入する場合と比べて、固定資産に計上せずに車の管理を行えます。また、月額のリース料を支払うことで、車両価格・登録費用・各種税金や保険料・メンテナンスなどの費用を一元管理することが可能です。

近年の経済状況の変貌に伴って、さらにカーリースの需要が高まることが予想されます。最近は中小企業でも導入をしている会社も増え、ニーズは高まっています。今後の動向が気になるところです。

やはり景気が不透明な状態でリスクを最小限に抑えることは、企業の存続を考えると必要なことと言えます。

法人の車をカーリースにするお得な5つのメリット

法人の車をカーリースにするお得な5つのメリット
日本人の考え方として、「車は所有するもの」と考えられてきました。それは、個人でも同様で「愛車」という言葉からも表れているでしょう。それは、企業でも同様の考え方を持っていると考えられます。

しかし、新車購入に代わり、法人向けの車を利用する方法として定着してきた車のリースは、特に大手企業で導入されていることが多い傾向です。社用車の台数が多いため、複雑な車両管理も一任することで業務に時間を取られないことも影響しているかもしれません。経営状況の内面と外面、双方を考えた検討が必要になります。

今後の資金をどのように利用して効率化を図るか、長期の視点で見ることも重要です。それでは、車を法人や個人事業主がカーリースにするメリットを5つ具体的に解説していきます。

1.初期費用を抑えられる

メリットの1つ目は、初期費用を抑えられることです。

新車を購入する場合、車両本体価格や諸経費がかかります。社用車として購入するとなると、まとまった資金を用意しなければなりません。そのため、資金繰りをどうするか考える必要が出てきます。

しかし、法人向けカーリースであれば、頭金を支払う必要もなく複数台の契約を行えます。(一定の審査が必要)税金や登録費用などを初回に支払う必要もありませんので、その分を違う資金として回すことも可能です。

カーリースを利用することで初期費用としての現金を抑え、企業の経理上の負担を軽くすることができるのは大きなメリットとなります。

2.月額の支払いが定額で管理がしやすい

2.月額の支払いが定額で管理がしやすい
メリットの2つ目は、月払いが定額で管理がしやすいことが挙げられます。

車は車両価格だけではなく、メンテナンス料がかかります。例えば、車検や定期的な整備、自動車税など月によってかかる経費が異なるのは管理する上でも大変です。購入時期が違う車を所持している時には、車検時期も異なり把握するのも手間がかかります。

さらに、複数の自動車を管理していると、同時期に車を購入した場合に車検時期も一緒になるため、まとまった費用がその月に計上されることになり負担も大きくなります。

しかし、カーリースなら月々の支払いが一定なので、そのような心配はありません。支払いが定額ならコスト管理も容易で、企業は車を管理しやすくなります。

月によってかかる費用が変化しないことは、安定した基盤を作る際に必要不可欠です。

3.経費計上可能で節税対策になる

メリットの3つ目は、節税対策になることです。

車も固定資産として経理では計上しますが、その費用全額をその年の費用として計上することができません。つまり、減価償却をするので期間に応じて費用の計上をすることになります。

普通車の場合は、新車を一括購入した時、法定耐用年数の6年をかけて減価償却をしていきます。(軽自動車は4年)

一方、カーリースは定額料金で車を利用するサービスなので、毎月の経費として計上できます。乗る車がリース会社所有であり、車を借りている状況だからこそ、固定資産に計上することもありません。

経費として毎月計上できると、節税対策にもつながります。

4.車種やナンバーを選べる

4.車種やナンバーを選べる
メリットの4つ目は、ビジネスに合わせた車種やナンバーを選べることです。

使用目的が変われば車種が変わるのは当然のことと言えます。顧客に対して納品する時には輸送しやすい車種を使用し、商談がメインであれば高級車を使うといった、ビジネスプランに合わせた配慮も可能です。

どんな社用車を使っているかを見ている顧客も多いです。それで信用できる企業なのかを判断することもあります。

カーリースなら国産メーカーの全車種を選ぶことが可能で、必要な車種を利用できます。初期費用も抑えられる上に、グレードやカラーも自由に選べます。

また、レンタカーやカーシェアの場合はナンバーが「わ」ナンバーや「れ」ナンバーですが、カーリースの場合はリース会社が所有している車になるので、購入した車とナンバーで見分けがつきません。

車種やナンバーも選べることは、ビジネスで安心して利用できるだけでなく企業の信頼を損なう心配がなくなるということです。

5.メンテナンス管理が楽にできる

メリットの5つ目は、車のメンテナンスがカーリース会社に一任できることです。

メンテナンスは通常の整備の他にも、税金や保険料の支払い、車検など数多くあります。複数の車を保有していると企業も管理する人材が必要になり、人件費の高騰にもつながります。なるべく合理的にコストをカットしていくことも、経営の視点から考えると必要です。

そのことを踏まえると、メンテナンスを含めた管理をカーリース会社に一任することで、職場の従業員が本来の業務に集中できるようになります。

車検の案内や整備工場の手配などの手間も省け、時間や人材の有効活用を行えるのは企業として生産性を高めることにつながります。

法人の車をカーリースする5つのデメリット

法人の車をカーリースする5つのデメリット
先程まで法人車をカーリースにするメリットについて解説しました。法人向けカーリースのメリットの部分をご理解いただけたと思います。

月額定額で一任できるのは、経営するにあたり魅力的です。しかし、内容によってデメリットもあり、最終的にコストがかかってしまうこともあります。

現在の状況だけに留まらず、見直しや改善を図るためにも多角的に捉えることは重要です。「実際使ってみたが会社に合わなかった」ということにならないようにするために、カーリースについて理解を深めておく必要があります。

次は、車をカーリースにする際のデメリットについて具体的に解説します。

1.走行距離の上限が決められている

デメリットの1つ目は車のリースは予め走行距離の上限が決まっていることです。

なぜ、走行距離の上限を決めておくの?
事前に予定走行距離を決定することで残存価格(残価)の算出をカーリース会社が行うためです。

簡単に言うと、走行距離を少なく設定すれば残存価格(残価)は高くなりますし、多くすれば安く設定されます。走行距離によって月額のリース料金が決定することになります。

月単位の走行距離については、カーリース会社によって様々な状態ですが、月1,000kmが一般的です。これはあくまでも目安となる走行距離で、例えば契約期間が5年の場合はトータル60,000kmであれば問題ありません。

輸送がメインの業種だと、月間走行距離にばらつきが出てくることが多いので、上限を超えてしまう可能性もあります。ある程度安定した距離数ならば問題ありませんが、一括購入をした方が走行距離に関係なく利用することで、結果として費用を抑えることができる場合もあります。

企業の業種に伴って走行距離は変わりますので、契約時に確認しておきましょう。

2.途中解約は解約金がかかることもある

デメリットの2つ目は、車のリースで途中契約は解約金が必要になるということです。

カーリースの契約期間は3年~5年が主流となっており、原則は契約期間終了まで乗り続けることができますが、事業内容が変わって車を使わなくなった時や不慮の事故を起こしてしまい自走困難になった時などは、中途解約することになります。

その際、カーリースの契約上、違約金を支払わなければなりません。違約金は各社の規約によりますが、一括払いが通例ですので注意しましょう。そのため、事前に中途解約時の規約は確認しておくことおすすめします。

購入であれば、いつでも売却可能です。リースは契約の観点から見ると、短期的に考える際には不都合かもしれません。

3.法人向けでもカーリースには審査がある

デメリット3つ目は、リース契約は法人向けにも審査があることです。企業として健全な運営を行っているかを確認されます。

例えば、資本金や売上高、会社規模、事業内容、従業員数、設立年数、負債残高などが調べられます。もちろん、カーリース会社によって審査基準は様々ですが、資産より負債が多い場合や設立年数が1年未満なども場合は、審査を通るのが厳しいこともあります。

個人事業主であれば、クレジットカードや携帯電話の支払遅延も負債としてみられることもありますので、注意が必要です。

経営状況が良好であれば審査も通りやすくなるので、財務内容を再度確認しておきましょう。

4.事故や故障した場合の追加コストがかかる

4.事故や故障した場合の追加コストがかかる
デメリット4つ目は、事故や故障した場合の修理代は使用者が費用負担することです。そのため、任意保険に入っておくことは必須になります。

特に全損事故を起こしてしまった時は、カーリース契約を中途解約する必要が出てきますので、金額が高額になることが予想されます。車を運転するということは様々なリスクがありますので、任意保険には車両保険を入れておくことは重要です。

安全運転をしていても、不慮の事故は起こり得ます。その点も視野に入れておくと、万一のことがあってもリスクを最小限に抑えることができます。

リース会社はカーリース専用の車両保険を取り扱っているところもあるので、確認しておきましょう。

5.税金・保険料・残存価格(残価)にも金利がかかる

デメリットの5つ目は、税金、保険料、残存価格(残価)を差し引いた車両本体価格にリース金利がかかってしまうことです。

例えば、車を一括購入した時は「車両本体価格」と「登録料や税金などの諸経費」のみの支払いです。車を一括購入した時に比べて、カーリースは支払総額で見ると割高になってしまいます。

企業によって考え方は分かれるところですが、支払総額を重点項目で社用車を利用する時、一括購入を検討するのが良いでしょう。しかし、カーリースは税金や費用に関して金利がかかりますが、手間の面で考えると企業の業務コストをカットできます。

総支払額を抑えるか、月額の定額払いで総支払額が高くなっても職場の業務負担を軽くしコストカットをするかは、企業の経営状況に応じて違います。自社にとってどちらが良い選択になるか検討することが重要です。

法人の車はカーリースと購入どちらがお得か?

法人の車はリースと購入どちらがお得か?
法人の車をリースする時のメリット・デメリットについて解説してきました。

社用車として使用する際にリースが良いのか、一括購入したら良いのかどちらがお得なのか気になるという方もいるでしょう。

また、定額制で経費を計上し契約する方法にするか、まとまった初期費用が必要になるが総支払額は安くする方法にするか、判断に迷うかもしれません。

企業に合ったやり方を考えるためにも、比較していくことが必要です。

ここからは、カーリースと一括購入時の経理処理の相違、支払総額を比較して具体的に解説していきます。

車の購入価格とリース料金の違い

法人で車を購入する際には、本体価格、登録費用、各種税金を含めた諸費用がかかります。カーリースする時の料金は、それらの金額に加えてメンテナンス料も加算されます。

全体的に見ると、確かに一括購入の方が費用が安くなるのは当然でしょう。しかし、車は使用していくと維持費がかかります。

一括購入した後に起こりうるリスクとしては、メンテナンス費用が不透明であることです。もちろん、ディーラーにお任せすることも考えられますが、その分余計な費用がかかってしまう可能性もあります。

カーリースの場合、メンテナンス費用もリース料金に含まれているので、維持費に関して余計な出費を最小限に抑えることが可能です。

短期的か長期的かによって費用を比較していくのも、会社の状況に合わせて考えていく必要があります。

メンテナンスや経費の考え方

一括購入する場合、台数にもよりますが、まとまった金額が必要です。その他にも、固定資産になるので税金や減価償却、車両の契約実務や支払業務などを企業側で行います。

毎月管理をするために経理処理をすることは、多くの労働コストを費やすことにもつながります。実際、人件費は企業のウエイトを大きく占めてる費用です。

他の業務に力を入れたい時に、少しでも軽減することで業務効率化を図ることも企業として必要です。

カーリースをすると毎月の支払いは定額になり、支払窓口をリース会社に一本化できるので、企業は経理処理の業務を効率よく行うことが可能になります。その点を考えると車をリースすることは企業の業務負担を軽減しコストダウンを図ることにつながります。

支払総額の考え方

支払総額の考え方
法人でカーリースをした時に理解を深める必要があるのは、残存価格(残価)についてです。

残存価格(残価)とは?
カーリース契約満了時の車の価値のことです。

車の価値は年数や走行距離によって、価格は下がっていきます。カーリース会社は事前にその金額を決定し、車をリースします。

例えば、200万円の普通車を5年リースで契約した場合で考えてみましょう。5年後の残存価格(残価)が50万円とすると、5年間のリース料は本体価格150万円と登録諸費用、車検、税金、自賠責保険、消耗品を入れた金額に金利(リース料率)を上乗せして、月々のリース料金を決定していきます。

残存価格(残価)を引き上げることができれば、月々のリース料金は安くなります。また、リース会社でも独自のキャンペーンを実施して、車両価格の値引きを受けられることも多くなりました。

リース料を抑えるためには、残存価格(残価)を高めること、車両本体価格そのものを引き下げることでも可能になります。

カーリースと一括購入の支払総額は、購入形態で判断するよりも、「支払形態が企業として合っているかどうか」で判断するかがポイントになるでしょう!

まとめ

①法人向けのカーリースは初期費用がかからず、定額料金で車を所持できる
②固定資産にならないため、減価償却を行わず経費計上が可能
③車検や整備も一本化でき、カーリース会社に任せることで会社での管理や経理処理も簡略化できる
④カーリースを中途解約すると一括請求されることがあるので、カーリースの契約年数は必ず確認が必要
⑤車の支払総額は本体価格だけを見れば一括購入の方が安いが、支払状況が会社に適合しているかで判断する

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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