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カーリースは契約期間が終わると車を返却するのが一般的です。しかし、契約終了後には選択肢があって、車を買い取って自分のものにすることができます。
リース車の名義はカーリース会社にあるので、名義変更などの手続きは必要です。他にも車を自分のものにできるリースプランもあります。
どのようにリース車を自分のものにできるのか、その方法を見ていきます。
また、リース車を所有することのメリットやデメリットなども知っておくと、自分のものにするかやめるかを決めやすくなるでしょう。
カーリースの車はそもそも自分のものではない
カーリースは、カーリース会社が車を購入し、契約者が月々のリース代を支払ってリース車を借りて乗るというサービスです。マイカーのように自宅のガレージなどで車を保管し、好きな時に車が使えます。
ただし、車の所有者はあくまでもリース会社であり、カーリース契約者は使用者として車検証にも記載されます。
契約中もずっとリース車はカーリース会社名義となり、車を返却する場合は最後まで所有者の名義はカーリース契約者にはなりません。
つまり、リース車はマイカーのように使えると言っても、そもそもカーリース契約者のものではないということです。そのため、車の名義変更、譲渡、売買なども勝手に行えないことになっています。
カーリース契約終了後の選択肢
カーリース契約終了時に、リース車や契約をどうするか4つの選択肢があります。
1つ目は、契約期限を迎えたらリース車を返却して、そのまま契約を終了させるという選択肢です。
2つ目は、乗っているうちに車を気に入ったなどの理由で、契約を延長させる形で再リース契約を結ぶ選択です。そうすれば、引き続き同じリース車を使えます。
3つ目は、カーリース契約を終了させて車を返却し、別の新たなリース車でカーリース契約を結ぶという方法になります。いわゆる乗り換えという手段であり、同じリース会社を利用すれば手続きもスムーズに行えるでしょう。
4つ目は、リース車を買い取って自分のものにするという手段です。ただし、カーリース会社によっては買取不可となっている場合もあるので確認してください。
カーリース契約者は、この4つ選択肢から車をどうするか自由に選べることになっています。
カーリースで車を自分のものにする方法
リース車を自分のものにするためには、契約終了時にリース車を買い取るという手段がまず考えられます。リース車を使っているうちに愛着がわき、手放したくなくなったという方にはおすすめです。
カーリース契約によっては、契約終了時にリース車がもらえるというプランもあります。車がもらえるプランを提供しているカーリース会社は比較的限られていますが、探せばいくつか見つかるでしょう。
このプランを選んでおけば、契約終了時に車がそのまま自分のものになるので効率的です。
リース車を買い取るには、契約当初に設定された残価を支払うことが必要です。
車は新車から年数が経過すると、価値が下がっていきます。3年で新車価格の半分、5年で3割程度にまで下落すると言われています。
返却されたリース車は、中古車として売却することが前提です。数年後の車の価値を過去のデータや中古車市場での需要などを考慮し、算出して値段をつけます。
買い取りを予定するなら、契約終了時に残価分のある程度まとまった費用が必要になります。
リース車がもらえるプランは、残価設定なしの契約になっている場合が多いです。
残価を設定しなければ、リース契約期間中に車両購入にかかった費用を全て毎月返済することになります。そうなるように、毎月のリース代を算出しています。
結果的にリース代をきちんと支払い終われば、契約終了時に自動的にリース車は自分のものになるというわけです。
リース車を自分のものにするには名義変更手続きが必要
カーリースでは、車の「所有者はカーリース会社」に「使用者がカーリース契約者」になっています。
そのため、契約終了時の買い取りなどでリース車を自分のものにするには、所有権をカーリース会社からカーリース契約者へと変更する手続きが必要です。
名義変更手続きは、必要な書類を揃えて新所有者の管轄地域の陸運局へ出向き、申請書を作成して手数料分の印紙を購入します。申請書を提出すると、新しい車検証が発行されるという流れで行われます。
名義変更手続きの際に必要な書類は、以下になります。
- 旧所有者の実印押印のある譲渡証明書
- 旧所有者の印鑑証明書
- 車検証
- 新所有者の印鑑証明書
- 新所有者の車庫証明書 など
軽自動車の場合は、手続きは軽自動車検査協会で行い、必要書類も多少異なるので確認しておく必要があります。
手数料は4000円~5000円程かかります。
ただし、リース車の名義変更の場合、カーリース会社が主導して行ってくれることが多いです。その際は代行手済料として数万円必要となる場合もあります。
リース車を自分のものにするメリット
リース車を自分のものにするとなると、色々なメリットが考えられます。
リース車を契約終了時に返却する場合、その車は中古車として市場に流通させることが多いです。
リース車に傷や凹み、車内の汚れなどがあると中古車としての価値が下がってしまうため、原状回復費用が請求されます。また、走行距離の上限が決まっており、超過分も追加金として支払う必要があります。
そこで、リース車を自分のものにすれば、こういった追加金は不要です。他にも、カスタマイズなどが自由にできるなど、リース車に設けられた様々な制限もなくなるのでより使いやすくなるでしょう。
カーリースでは、契約に際しリース車の走行距離に上限が設けられていることが多いです。
契約終了後に返却されたリース車は、中古車として販売されます。たとえ年式が比較的新しい車でも走行距離が長いと、エンジンに負荷がかかり劣化が心配されます。
そのため、敬遠されてしまいなかなか売却できないもしくは値段が下がってしまうこともあるでしょう。
走行距離の上限を超えた場合、1㎞につきいくらという形で追加金の請求がなされます。しかし、車を返却しないで自分のものにするとなると話は違ってきます。
走行距離の上限を超えていても中古車として売り出すわけでないので、中古車としての価値を心配しなくてもよくなるからです。
特に通勤や通学で車をよく使う、休みは車で遠出するという方にとって、走行距離を気にせずに使えるというのは大きなメリットになると言えます。
カーリース契約終了時に車のボディに傷や凹みがあると、修理にかかる費用が追加金として請求される場合が多いです。
リース車はあらかじめ契約終了時に中古車として売却することを前提に、残価が決められます。しかし、ボディに傷がつく、凹みができる、ガラスにヒビなどがあれば中古車として売りに出す際に、価値が下がってしまいます。
ペットやタバコなどの臭いや汚れなどが車内に付着した場合も、クリーニングの必要があるので同様です。
しかし、契約終了後にリース車を自分のものにしてしまえば、修理費やクリーニング費用もかかりません。傷や凹みが気になる場合は自己負担で直すことになります。自分がさほど気にならなければ、修理も不要です。
車内の臭いや汚れなども気にしなくてもよいので、ペットやお子さんがいる方、喫煙する方でも気楽に車が使えるでしょう。
通常のカーリース契約では、リース車に他のメーカーのナビやオーディオ機器を搭載するなどのカスタマイズは禁止されています。
見栄えをよくするためにボディにエアロパーツをつける、ホイールを変えるといったドレスアップもNGとされている場合が多いです。
これは、カスタマイズした車は中古車市場で価値が下がる場合があるからで、リース会社では敬遠されます。そして、リース車を返却する際に原状回復費用を請求されます。
しかし、リース車を自分のものにしてしまえば、カスタマイズやドレスアップも自由です。自分好みの車にしたい方、車にこだわりにある方にはカスタマイズ可能というのは大きな魅力となるでしょう。
カーリース契約終了時に車がもらえるプランを提供しているカーリース会社だと、「対象となる車種が限られているのでは?」と思われがちです。
車がもらえるプランは残価を設定していないので、リース期間内で車の購入費用を全てリース代で支払うことになります。あまりに高価でグレードの高い車だとリース代がかさんでしまうので、「選ぶことが出来ないのでは?」と考えられます。
しかし、車がもらえるプランの対象に、車種やメーカーを限定していないリース会社もあります。車を返却する場合と同様に国産の全メーカー、全車種からリース車を選ぶことが可能です。
カラーやグレード、オプションなども自由に選べるので選択肢が広がり、選ぶ楽しみがあります。
リース車の名義はカーリース会社になっているので、契約途中で他の方に譲渡したり売却したりはできません。
しかし、リース車を買い取った場合やもらえるプランに契約した場合は、名義変更を行うことで、自分の名義になります。
自分のものになれば、リース車をどうするかも自分で自由に決められます。
例えば、リース車がその後不要となったら売却も可能です。また、手続きをすれば親族や友人などに譲り渡すこともできるでしょう。
車がもらえるプランは、契約終了後にリース車をそのまま自分の車として受け取ることができます。
一方で、車を受け取らずに返却するという選択肢も準備されています。
リース車を使っている間に「別の車の乗りたくなった」もしくは「車が不要になる事情が生じた」といった事があるかもしれません。
その際は、もらえるプランであっても車の返却が可能です。
その上、キャッシュバックをしてもらえるのです。リース会社によって額は違ってきますが、年間リース料の約2割の金額が受け取れるとされています。
また、契約終了時にリース車の査定を行い、相応の残価分をキャッシュバックするとされています。もし車が不要になっても返却すれば、多少お金が戻ってくるのはお得でしょう。
リース車を自分のものにするデメリット
リース車を自分のものにするにあたり、逆にデメリットが生じる可能性があることも知っておくとよいでしょう。
リース車を買い取る場合は残価を支払う必要がありますが、それ以外にも名義変更にかかる手数料などの諸経費を支払わなければなりません。
さらに、車がもらえるプランでは残価がなくなるため、車両本体価格が全てリース代に含まれます。そのため、リース代がやや高くなる傾向があります。
他にもリース期間が長めであったり、税金などの維持費の管理を自分で行わなかったりしなければならないといったことが挙げられます。
リース車を買い取る場合は、契約時に設定した「残価」を支払う必要があります。残価は契約終了時のリース車の価値であり、中古車としての値段です。
また、残価以外にも費用かかかります。
例えば、リース車はカーリース会社の名義になっているため、名義変更が必要です。「名義変更の手続きにかかる手数料」や「リース会社に代行してもらう場合の代行手数料」などが挙げられます。
車を廃車にする場合は「リサイクル料」がかかりますが、車を購入する際に事前に支払うことになっています。リース車の場合、返却が前提となっているので、リサイクル料はリース会社が支払っています。そのため、車を買い取る場合は、このリサイクル料も請求されます。
また「自動車税」は、1年分を納税しなければなりません。
そして「自賠責保険料」は、次の車検までの期間を前払いすることになっています。そのため、未経過分の自動車税や自賠責保険料を算出して、請求されるのが一般的です。
他にもカーリース会社によって「事務手数料」などがかかることもあるので、確認しておきましょう。
車がもらえるプランの場合、「残価設定なし」になっていることが多いです。
残価ありのカーリースでは、車両本体価格から残価を差引き、税金などを加算して、契約月数で割った金額が月のリース代となります。
残価なしということは、車両本体価格がそのままリース代に組み込まれることになるので、同じ契約月数でも残価ありの場合よりはリース代が高くなります。
カーリースは年単位での契約が一般的であり、1年ごとに契約年数を設定できるプランがあるカーリース会社もあります。ただ、3年、5年、7年という比較的長期のプランが多いのも特徴です。
中でも車がもらえるプランの場合、カーリース期間は7年もしくは9年と長期のプランになっている場合が多いとされています。それは、カーリース期間が長いと分割払いの金額をある程度抑えることが可能だからです。
カーリースは途中解約をNGとしており、やむを得ずに解約する場合は解約金を支払わなければなりません。長期の契約だと途中解約のリスクが高くなるので、マイナス要素として捉える方もいるでしょう。
ただ、あるカーリース会社の車がもらえるプランでは、契約終了前2年を切った時点で「乗り換え」もしくは「返却」を選択できるというものもあります。
その場合は、もし途中で「車を受け取るのはやめたい」と思っても、他に選択肢が用意されているので安心です。
カーリースを利用していれば、税金や自賠責保険料の維持費は毎月のリース代に含まれているので、別途支払う必要はありません。
しかし、車を自分のものにすることで車の名義人になると、税金などの請求がダイレクトに自分の所へきます。期限までに自分で必要金額を納めなければなりません。
さらに、カーリースでメンテナンスつきのプランに入っていれば、リース代にメンテナンス費用が含まれています。カーリース会社からメンテナンス時期に通知がきて、指定の整備工場へ車を持っていくだけなので面倒がありませんでした。
しかし、車のメンテナンスに関しても自分で全て手配し、その都度費用も負担することになります。車の維持費に支払いや管理などを、全て自分が行う必要が出てきます。
リース車を返却するか自分のものにするかは慎重に決めるべき
リース車を買い取るもしくは車がもらえるプランを利用すれば、リース車を自分のものにすることが可能です。
使ってみたリース車を自分名義にして引き続き使えるというのは、魅力がありますが、買い取りの場合は残価や手数料などの支払いが必要になります。車がもらえるプランはリース代がやや高めになるでしょう。
自身のカーライフや経済状況などから総合的に判断して、リース車を返却した方がよいか自分のものにする方がよいかを慎重に判断しましょう。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。